詩人PIKKIのひとこと日記&詩

すっかりブログを放任中だった。
詩と辛らつ日記を・・

詩「地獄行きの列車」

2009年09月11日 | 
夢かうつつかの夜勤明けに
フラフラになって乗った列車には
誰ひとり乗ってない
行き先なんかは
もうどうでもいい列車
ただただ眠たいだけ 
だだ眠りが欲しいだけ

半日以上立ちっぱなしの
時給八百円の派遣仕事から開放されたのだけが
喜びでしかない人生

「まるでこの列車は 地獄行きみたいだな」と呟いたら
がくんと列車が揺れて
キラキラとまぶし過ぎる
真昼の車窓にしたたか頭をぶっつけた

ガタンと揺れるたびに
くたくたに疲れ切った身体が
座席から放り出されそうになる

毎日これだけ働いても
雇用保険も健康保険もない
生活保護以下の生活の連続
それでもまだ
派遣切りや突然解雇されつつある
非正規労働者たちよりは
ましなのかもしれないけど・・

快速や特急を待ってる
列車のドアから入り込むのは
くたびれはてたサラリーマンと
腋臭のような都会の熱風

各駅停車のガラガラの真昼の列車に
流れているのは
レゲエの切ない声と
茶髪の高校生カップルのひそひそ声

今日もなんとか
地獄から生還してきたのかもしれない
そう呟きならが歩きだせば
遠い海のうえの真昼の半月


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