詩人PIKKIのひとこと日記&詩

すっかりブログを放任中だった。
詩と辛らつ日記を・・

「母の思い出」 (怒 怒 怒 どどう怒どどうど怒)

2009年01月16日 | 政治
脳梗塞のあと
動脈瘤破裂手術で
痴呆症で寝たきりになってしまった母を
ベッドから車椅子で
ソファーへと運んだあと
朝食を食べさせてあげてからの出勤だった
すぐ側にポータブルトイレを置いて

でも時々仕事から帰ると
ポータブルトイレに座ることも不可能になって
下半身裸で寝転んで
手足をばたばたさせながら
わんわんと泣いている母がいて
母を抱き起こしながら
わんわんと泣いているぼくがいた

休みの日には
できるだけ運動をしようと
お手玉やボールを使っての
キャッチボールだった
昔ソフトボールの選手だったという母を
「補欠じゃなくてバケツだったんだろう、母さん」と言って
思いっきりぶつけられたこともあったっけ

運動に疲れると
向かい合って
お茶を飲んで一服しながら
大好きな宮澤賢治の童話や詩や
アイヌ民族ユーカラを一緒に読んだあと
「今日のはどうだった?」と聞くと
いつもきょとんとしていた母
でも好き嫌いははっきりしていた母だったので
たぶん気にいっていたんだと思う

ちょうど桜満開の季節だったのを覚えてる
「今年だけは桜を観に連れてってね」
そう入院中の母に頼まれていたのに
天候不順だったのと 
仕事が忙しかった頃だったので
その約束を果たせなかったのを
いまでもありありと思いだす

会社の上司の見舞いがあった午後から
意識不明となって
その一週間後に
あの世へと逝ってしまった母だった
その時の話を聞こうとしたら
その上司はそのすぐ直後に
遠くへと転勤になっていた
こんな突然の転勤は
トヨタグループ内では
初めて聞いたことだった・・

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