挨拶 （推敲形）

面と向かってじゃなくっても
挨拶は可能なのです
というより
そっちのあいさつの方が
より大切なあいさつです

じんわりと心に沁みこむ太陽や
満ち欠けを繰りかえす月
影のように寄り添う風を
地上の何処でだって見上げて
挨拶することが可能なように

樹々のそよぎや
葉群のささやきが
津波のように
ひとつの想いを伝え合い
地球を一周してゆくように

どんな人間やどんな生き物
どんな地上の物でさえもが
みんな太古からの
支えあってきた仲間たちなのだから

ビックバン以来の
歴史をともに生きてきた生命や
同じ成分で作られた物たちからの挨拶で
満ちあふれた地球

だから
人間だけが思い上がって
「地球に優しくしよう」とか
ペットに無理やり
衣類を着せるなんて言語道断！

他の生命を食べる時だって
必要最小限だけを
その生命に感謝しながら
食べる必要があるのです
できるだけ
自分で殺した生命だけを
食べるという礼儀が不可欠なのです