詩人PIKKIのひとこと日記&詩

すっかりブログを放任中だった。
詩と辛らつ日記を・・

「やかん」&「バラード」

2009年03月13日 | 日記
    「やかん」
 
やかんだけは
いつも
枕許に置いてる

脳梗塞を防ぐには
寝る前にも
夜中に起きた時にも
水分補給が大切だとか

それがせめてもの
脳梗塞になって
ずっと寝たきりだった母の
遺言のようなものか

だから
家のあちこちには
大小様々なやかんだらけ

そういえば
やかんのような人間が
昔から大好きだった

お湯が沸くたびに
ピューとけたたましいやかん
登山用の平べったいひしゃげたやかん
いざという時のために
2リットルの水と共にじっと耐えてるやかん
母が愛用してた琺瑯製のカラフルなやかん

やかんのように生きていこう
誰に理解もされずとも
地球の誕生以来
いのちを育んできてくれたやかんの類い

遠い風道をゆく
神さまの足音のあとには
水面(みなも)をのしのしとゆく
風の足跡


「バラード」 

市営グランドの柵を乗り越えたら
そこは満天の星々

ぼくだけの舞台に
またひとつ流れ星が堕ちてゆく
銀河が流れてゆくばかりの
市営グランド

寝そべって見上げれば
空も 
地球も
人間も
すべての生き物も
蒼穹の夢の欠片のような輝き

円形競技場みたいな市営グランドを
そっと素足で歩いてみたよ
まるで
人類が死に絶えたあとの渚を歩くみたいに

人々の喚声など
もうとっくに遠い過去のこと
「頑張ってね~○○君!」という
きみの絶叫も

花火が欲しかったので
バーンと
虚空に向かって叫ぶ

さよなら
いつも吹きすさぶ風の中で
方向を見失ってた20世紀よ
さよなら
いつだって
奴隷というより
家畜の生き方を選んでたぼくらよ

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