詩人PIKKIのひとこと日記&詩

すっかりブログを放任中だった。
詩と辛らつ日記を・・

初雪が降りはじめた

2009年10月26日 | 
きみが微笑みながら
「さよなら」・・と
自転車で駆け抜けていった
暮れなずむ街角の
バス停やビル群のすべてを
優しく消してゆきながら初雪が降りだした

純白のきみのマフラーへと
あとからあとからと
降り積もる雪を見上げるばかりだったあの日

無人駅の硬い木のベンチで
震えながら寝そべってた
あのお爺さんは
まだ元気で生きのびているんだろうか

ぼくはといえば
今夜もまた
見ず知らずのこの街の風の中
なにを求めるのでもなくさ迷うだけ

油とゴミで濁りきった
コンクリートの排水溝の橋の下で
しっそり生き延びている鯉たちが
陽の出を待って 
今朝もまた群れをなして
遡ってゆくのかなと・・
覗き込んだまま

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