股間の解放記

普通の社会人PEKOの、日々思うことをつづっていきます。

ドント・ルック・アップ

2021年12月30日 14時53分52秒 | 映画評論タ行

製作年:2021年
製作国:アメリカ
日本公開:2021年12月24日
監督:アダム・マッケイ
出演:レオナルド・ディカプリオ,ジェニファー・ローレンス,ロブ・モーガン

さえない天文学者ランドール・ミンディ教授(レオナルド・ディカプリオ)と教え子の大学院生ケイト(ジェニファー・ローレンス)は、あるとき地球衝突の恐れがある彗星(すいせい)の存在に気付く。二人はオーリアン大統領(メリル・ストリープ)とその息子であるジェイソン補佐官(ジョナ・ヒル)と対面したり、陽気な司会者ブリー(ケイト・ブランシェット)のテレビ番組に出演したりするなどして、迫りくる危機を世界中の人々に訴えようと奮闘する。しかし二人の熱意は空回りし、予期せぬ方向に進んでいく。
共にオスカーを受賞したレオナルド・ディカプリオとジェニファー・ローレンスが主演を務めたコメディー。地球に接近する巨大彗星(すいせい)の存在に気付いた天文学者と教え子が、世界中にその事実を伝えるべく力を尽くす。監督・脚本は『マネー・ショート 華麗なる大逆転』などのアダム・マッケイ。共演には『テキサス・ロデオ』などのロブ・モーガン、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』などのジョナ・ヒルのほか、ティモシー・シャラメ、アリアナ・グランデ、ケイト・ブランシェット、メリル・ストリープらがそろう。

地球に接近する彗星の存在に気付いた科学者たちが、世界にその事実を伝えようと奮闘する物語。これでもかというくらい超豪華な俳優陣が勢揃い。さすがNetflixさん、お金持ってますね。隕石が落下する内容の映画や、地球滅亡のネタは「アルマゲドン」「ディープインパクト」最近観たのだと「グリーンランド」などがありますが、本作は危機感や緊張感を持たせつつ、今までにないようなブラックコメディ要素も盛り込まれていて新鮮でした。彗星の存在を信じる者、信じない者。支持率ばかり気にする者。地球滅亡が迫っているにもかかわらず、それでも金儲けをしようとする者。「みんな、もっと緊張感を持とうよ!」と思いつつも、実際そういう状況になった時ってこれがリアルなのかもしれない。ニュースキャスターさえもミンディの話をまともに聞こうともしない。芸能人のゴシップネタのほうが気になるし視聴率も取れる。人間って自分が危機的状況にならないと信じようともしないし信じたくもない哀れな生き物だと感じてしまいました。SNSの情報に踊らされたり、環境問題を軽視したり、社会風刺が効きすぎていて面白かった!誰も真面目に聞いてくれなかったら「あんたもあんたもあんたも死ぬ!」って言いたくなるケイトの気持ちがわかる。笑っちゃいけないけど笑えました。
新型コロナウイルスだって“信じる者”と“信じない者”がいる。こういう世の中だからこそ、余計に色々と考えさせられた映画でした。

この作品の評価・・・・★★★★★★★☆☆☆(満点は★10)
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キングスマン:ファースト・エージェント

2021年12月29日 21時05分51秒 | 映画評論カ行

製作年:2021年
製作国:イギリス / アメリカ
日本公開:2021年12月24日
監督:マシュー・ヴォーン
出演:レイフ・ファインズ,ハリス・ディキンソン,ジャイモン・フンスー
キングスマン:ファースト・エージェント 公式サイト

イギリス、ドイツ、ロシアといった大国間の陰謀が渦を巻き、第1次世界大戦勃発の危機が迫ろうとしていた。そんな中、コンラッド(ハリス・ディキンソン)は父親のオックスフォード公(レイフ・ファインズ)に連れられ、高級紳士服テーラーを表向きの顔にしたスパイ組織キングスマンの一員として迎えられる。世界に迫る危機を回避しようと動き出す二人だが、その前に怪僧ラスプーチン(リス・エヴァンス)が立ちはだかる。
『キングスマン』シリーズの第3弾。第1次世界大戦前夜のヨーロッパを舞台に、スパイ組織キングスマンの誕生秘話と、彼らが巨大な陰謀に立ち向かう姿が描かれる。前2作に引き続きメガホンを取るのはマシュー・ヴォーン。『ホワイト・クロウ 伝説のダンサー』などのレイフ・ファインズ、『マレフィセント2』などのハリス・ディキンソンのほか、リス・エヴァンスらが出演する。

今年の映画館での鑑賞もこれで見納め。人気シリーズ『キングスマン』の第3弾。本作はキングスマンの誕生秘話と、世界大戦を企む敵との壮絶な戦いを描いています。相変わらずの迫力ある映像!そして歴史上の実在した人物も登場するので、楽しめました。ラスプーチンってこんなに気持ち悪いキャラで正解なの?(笑)
しかし、前2作のようなスタイリッシュでスピード感のある展開ではなく、今回は戦場シーンを見せたり、大切な人との別れを描いていて、“戦争”“親子の絆”など今までになかった要素が盛り込まれていてシリアスな映画に仕上がっていて新鮮でした。戦場シーンは「1917 命をかけた伝令」を思い出した。あんなに弾当たらないものか??内容的には「キングスマン」なのに“コレジャナイ感”はあるものの、“これはこれでアリ感”も感じるから不思議。アクション満載も良いけど、政府や組織とのやり取りによって戦争を未然に防ごうとするキングスマンもカッコいい。キングスマン誕生の裏に、こんな壮絶な出来事があったとは驚きでした。前半の話が長すぎたような印象があったり、ラスボスがラスボス感が無かったのが残念。ラスプーチンがラスボスの方が良かったかもしれない。
最後は「まさかのヤギが勝ち!?」「続編はあの人が登場!?」と色々と驚かされました。

この作品の評価・・・・★★★★★★☆☆☆☆(満点は★10)
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東京リベンジャーズ

2021年12月28日 15時29分48秒 | 映画評論タ行

製作年:2021年
製作国:日本
日本公開:2021年7月9日
監督:英勉
出演:北村匠海,山田裕貴,杉野遥亮,今田美桜,鈴木伸之,磯村勇斗,吉沢亮
映画『東京リベンジャーズ』公式サイト

フリーターの花垣武道(北村匠海)は、高校時代の恋人・橘日向(今田美桜)と彼女の弟・直人(杉野遥亮)が殺され、その死に巨悪組織・東京卍會が絡んでいることを知る。その翌日、駅のホームで何者かに押されて電車が迫る線路に落とされる武道。目を覚ますと不良だった10年前にタイムリープしていた。そんな武道の前に直人が現れ、彼と握手した武道は再び現代に戻る。
アニメ化もされた、和久井健のコミック「東京卍リベンジャーズ」を原作にしたSFアクション。どん底の生活を送る青年が元恋人を事故で失い、不良だった高校時代にタイムリープして事故の回避に挑む。監督を務めるのは『映像研には手を出すな!』シリーズなどの英勉。『とんかつDJアゲ太郎』などの北村匠海、『あの頃、君を追いかけた』などの山田裕貴、『羊とオオカミの恋と殺人』などの杉野遥亮のほか、今田美桜、鈴木伸之、眞栄田郷敦らが出演する。


人気コミック「東京卍リベンジャーズ」を原作にしたSFアクション作品。原作は未読。旬の若手俳優が勢揃いで豪華です!ただのヤンキー映画ではなく、タイムループだったり、主人公の武道が恋や友情によって成長していく物語でもあります。若干の既視感はあるけど、ヤンキー映画はどれもこんな感じだし、あるあるシーンが多いのは仕方ないか。それでもタイムループ要素が盛り込まれているのは新鮮でした。自分が強くなる話ではなく、仲間のために強くなろうとする姿はとてもカッコイイ。原作未読のせいか、「ドラケン!」と言われても誰が誰だっけと理解するまで時間がかかってしまった…。2時間で上手くまとまってはいたけど、やっぱり個人的にヤンキー映画って苦手なんです、ごめんなさい。
観終わってから振り返ると、眞栄田郷敦と清水尋也って要る意味あった?続編ありそうな終わりかたでした。

この作品の評価・・・・★★★★★☆☆☆☆☆(満点は★10)
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スーパーノヴァ

2021年12月27日 14時27分18秒 | 映画評論サ行

製作年:2020年
製作国:イギリス
日本公開:2021年7月1日
監督:ハリー・マックイーン
出演:コリン・ファース,スタンリー・トゥッチ,ピッパ・ヘイウッド
映画『スーパーノヴァ』公式サイト

20年来のパートナーであるピアニストのサム(コリン・ファース)と、ある病を抱えている作家のタスカー(スタンリー・トゥッチ)。彼らは愛犬とキャンピングカーに乗り込んで、湖水地方を旅する。良き友人や家族にも恵まれ、ちょっとした会話や出来事にも幸せを感じてきたことを旅先で振り返る二人。ところが、タスカーの一言がきっかけとなり、ずっと続くと思っていたこの状況に終わりが近づいていることに彼らは気づく。
ある男性カップルの愛と絆を描いたドラマ。長年にわたってパートナーとして苦楽を共にしてきたピアニストと作家が、旅を続けていくうちに自分たちの愛が終えんを迎えようとしていることを知る。監督は『愛欲のプロヴァンス』などで俳優としても活躍する、ハリー・マックイーン。『キングスマン』シリーズなどのコリン・ファース、『ザ・サイレンス 闇のハンター』などのスタンリー・トゥッチらが出演する。

中年男性カップルの恋愛を描いた本作。長年一緒にいるからこそ理解し合えるお互いの気持ち。些細なことで喧嘩をするのも日常茶飯事。淡々とした静かな映画でした。それでもコリン・ファースとスタンリー・トゥッチの演技派2人の繊細な演技力に魅了されました。愛する人が病を抱えて、もう先が長くないと知ったとき…自分ならどう思うだろうか。男だとか女だとか、そんなのは関係なく、死は誰にでもいつかは訪れるもの。自分にもその時が来た時のために心の準備って必要ですよね。死ぬこと、失うこと、忘れてしまうこと…限りある時間の中で人はどう生きるべきなのか。愛する人を失いたくないと思うことは当たり前だけど、相手の気持ちを尊重したいと気持ちも分かる。自分が自分じゃなくなっていく恐怖は計り知れないだろう。人間の尊厳とは何か。何が正解なのか、観終わってからも答えは出ませんでした。
認知症や同性愛が描かれてはいるが、それ以上に、人を愛することの意味が描かれている素敵な作品でした。でももう少し展開が欲しかったかな…

この作品の評価・・・・★★★★★★☆☆☆☆(満点は★10)
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ラストナイト・イン・ソーホー

2021年12月26日 10時59分12秒 | 映画評論ヤラワ行

製作年:2021年
製作国:アメリカ
日本公開:2021年12月10日
監督:エドガー・ライト
出演:トーマシン・マッケンジー,アニャ・テイラー=ジョイ,マット・スミス7
映画『ラストナイト・イン・ソーホー』オフィシャルサイト

ファッションデザイナー志望のエロイーズ(トーマシン・マッケンジー)は、ロンドンのソーホーにあるデザイン専門学校に入学するが、寮生活に向かず一人暮らしをすることに。新しいアパートで暮らし始めた彼女は、1960年代のソーホーにいる夢を見る。エロイーズは夢の中で、歌手を夢見るサンディ(アニャ・テイラー=ジョイ)と出会い、肉体的にも感覚的にも彼女と次第にシンクロしていく。
ロンドンで別々の時代を生きる二人の女性の人生がシンクロするサイコスリラー。現代と1960年代のロンドンで暮らす女性たちが、夢を通して互いに共鳴し合う。監督と脚本を手掛けるのは『ベイビー・ドライバー』などのエドガー・ライト。『オールド』などのトーマシン・マッケンジー、ドラマ「クイーンズ・ギャンビット」などのアニャ・テイラー=ジョイ、ドラマシリーズ「ドクター・フー」などのマット・スミス、『コレクター』などのテレンス・スタンプらが出演する。

ロンドンで別の時代を生きる2人の女性の運命を描いたサイコスリラー。サスペンスでミステリーでホラーなんだけど、非常にシャレオツな映画でございました。60年代のロンドンの街の雰囲気や、音楽の使い方、ファッション、そして色彩の使い方が非常にカッコいい。田舎町から出てきたエロイーズが都会の女性に染まっていくのと、都会で生きることで悩み苦しむサンディ。夢と現実の世界で生きる2人の女性を描いている本作。主演のトーマシン・マッケンジーとアニャ・テイラー=ジョイが魅力的でとても美人!もうこの二人の美しさだけで最後まで飽きずに観れちゃいます。前半はエロイーズがロンドンでデザイナーとして成長していく物語。中盤からは60年代へ夢の中でタイムループしたり、幻覚を見たりとサスペンス要素が強くなっていきます。そして後半になると予想外のホラー要素も濃くなっていき、まさかの展開になっていきます。テーマとしては“性暴力”を描いていて、女性を食い物にする男たちへの復讐劇でもあります。その演出方法が独特で斬新。古さと新しさの融合、そしてカメラワークと音楽で楽しませてくれました。エロイーズとサンディが時代や時空を超えてシンクロしていく演出は見事!交互に見せるダンスシーンなど、もう素敵すぎました!
まぁ殺人未遂的な事をしておきながらも、平気で暮らしているエロイーズが心配になってしまいましたが、全体的には面白かった。ホラーなんだけど、怖いというよりも重い映画でした。

この作品の評価・・・・★★★★★★★☆☆☆(満点は★10)
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決戦は日曜日

2021年12月25日 14時55分38秒 | 映画評論カ行

製作年:2022年
製作国:日本
日本公開:2022年1月7日
監督:坂下雄一郎
出演:窪田正孝,宮沢りえ,赤楚衛二,内田慈,小市慢太郎,音尾琢真
映画『決戦は日曜日』オフィシャルサイト

地方都市に強い地盤を持ち、衆議院議員に何度も当選してきた川島昌平の事務所で私設秘書として働いている谷村勉(窪田正孝)。中堅秘書として議員のサポート役に徹し、今の仕事にも満足していたが、ある日突然川島が病で倒れ、時を同じくして衆議院が解散する。地盤を継いで選挙に出る人物として、川島の娘の有美(宮沢りえ)が選ばれる。
父親の地盤を引き継ぎ、急きょ出馬することになった新人候補と秘書の選挙活動を描く社会派コメディー。事なかれ主義の議員秘書と、世間知らずだが熱意だけは人一倍ある二世候補の選挙戦を映し出す。『ピンカートンに会いにいく』などの坂下雄一郎が脚本と監督を務め、NHKの連続テレビ小説「エール」や『東京喰種 トーキョーグール』シリーズなどの窪田正孝が主人公である秘書、『湯を沸かすほどの熱い愛』などの宮沢りえが新人議員候補を演じている。

Filmarksさんのオンライン試写会にて。無難に仕事をこなす議員秘書と、世間知らずで失言を繰り返す二世候補の選挙戦を描いた本作。政治の世界も詳しくないし、ましてや選挙の裏側も知らない僕としては、見てはいけないものを見ているようで楽しめました。実際の政治家の失言への風刺も込められていて、有美の失言は聞いたことがあるような発言ばかりで笑えましたし、有美に対してボロクソに言う秘書たちにも笑えました。有美のぶっ飛んだ言動は面白くもあるけど、実際にこんな議員がいたら恐ろしいわ。そして事なかれ主義で収めようとするのも日本人の良いところというか悪いところというか。裏側で色んな事が起きていて、選挙結果しか見ることが出来ない一般人からしたら、お金やコネ、組織票など見えてしまうと「政治って、選挙って一体誰のためのもの?」と感じてしまいました。
非常識に見えた有美が、選挙を戦っていくにつれてこの国を良くしようと思い始める展開は良かったと思います。最後はもう少しスッキリした終わり方を望んでしまった。新型ウイルスも絡ませてくるとは…。ちょっとだけ政治に関心を持ったし、まともな政治家がもっと増えてほしいと思った作品でした。投票行こ!

この作品の評価・・・・★★★★★★☆☆☆☆(満点は★10)
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さがす

2021年12月24日 02時16分26秒 | 映画評論サ行

製作年:2021年
製作国:日本
日本公開:2022年1月21日
監督:片山慎三
出演:佐藤二朗,伊東蒼,清水尋也,森田望智,石井正太朗
映画『さがす』公式サイト

原田智(佐藤二朗)は、中学生の娘・楓(伊東蒼)と大阪の下町で暮らしていた。ある日、彼は娘の楓に指名手配中の連続殺人犯を目撃したと告げ、その翌朝突然姿を消す。警察は本腰を入れて捜索してくれず、楓は自分の力で父を捜して歩く。ようやく日雇い現場に父親の名前を発見して訪ねて行くと、そこには全くの別人の若い男性がいた。
『岬の兄妹』などの片山慎三が監督と脚本を手掛けたドラマ。一人残された娘が、突然行方をくらませた父親を探し始める。『マメシバ』シリーズなどの佐藤二朗が父親、『湯を沸かすほどの熱い愛』などの伊東蒼が娘を演じ、『東京リベンジャーズ』などの清水尋也、ドラマシリーズ「全裸監督」などの森田望智らが共演する。第26回釜山国際映画祭ニューカレンツ部門に出品された。

完成披露試写会にて。イベントは終始、佐藤二朗ワールド全開で楽しかった!娘役の伊東蒼ちゃんは小柄で可愛くて、そして演技力が素晴らしい!今年観た「空白」では心の中に闇を抱えた万引き少女を見事に演じていましたし、本作も観客が自然と引き込まれていくような独特の存在感がありました。監督や佐藤二朗が言う通り、あの歳であの演技が出来るのは天才かも。今後は杉咲花のような多方面で活躍しそうな女優さんになりそうで楽しみです。
連続殺人犯役の清水尋也くんは、まぁビックリ、スタイル良い(笑)顔小さっ(笑)そして演技上手い!ムクドリ役の森田望智さんは「全裸監督」で一躍有名になりましたが、生で見たら凄い美人でした!さて、イベントについての話はここまでにしまして。
では本題へ。失踪した父親を捜す娘が、日雇い現場で父親の名前を発見したが、そこにいたのは全く別人の若い男だった…。予告編やチラシを見たかんじだと、ミステリー?サスペンス?なのかなと思っていましたが、実際は全く違う内容でした。良い意味で裏切られた。
この映画のテーマは“死”。普段生きていると“死”について執着して考えることは無い。しかしこの映画に出てくる登場人物たちは皆が“死”について常に異常な執着心を持っている。生きたくても生きられない。死にたくても死ねない。ならば誰かに殺してほしい。誰かを殺さないといけない。社会がそんな風に成り立っているのか思うと、なんとも言えない感情がこみ上げてきました。ここ最近の芸能人の自殺であったり、座間9人殺害事件であったり、映画を観ていて色んなことを思い出しました。死を肯定するわけじゃないけど、幸せそうな人も、恵まれている人も、実は死にたいと思っているのかもしれないと思うと、これは誰にでも起こりえる出来事なのだと。タイトルの「さがす」の意味は娘が父親を捜すというだけでなく“生きる意味”“死ぬ意味”を捜すという意味も込められているのではないかと感じました。前半は展開が分かりづらい部分があるものの、後半で伏線が見事に回収されて、点と点が線で結びつく流れは素晴らしかったです。ピンポン玉が転がる音があれほど胸をざわつかせるとは思わなかった…

この作品の評価・・・・★★★★★★★☆☆☆(満点は★10)
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街の上で

2021年12月21日 17時16分58秒 | 映画評論マ行

製作年:2019年
製作国:日本
日本公開:2021年4月9日
監督:今泉力哉
出演:若葉竜也,穂志もえか,古川琴音,萩原みのり,中田青渚,成田凌
映画『街の上で』公式サイト

下北沢の古着屋に勤務している荒川青(若葉竜也)は浮気されて振られた恋人を忘れることができなかった。ときどきライブに行ったりなじみの飲み屋に行ったり、ほとんど一人で行動している彼の生活は下北沢界隈で事足りていた。ある日、美大に通う女性監督から自主映画に出演しないかと誘われる。
『愛がなんだ』などの今泉力哉監督が、下北沢を舞台に紡いだ群像劇。自主映画への出演依頼が舞い込んだ青年の数日間と、女性たちとの交流を描く。ドラマ「ブラックスキャンダル」などの若葉竜也が主演を務め、穂志もえか、古川琴音、萩原みのりらが共演。岩井澤健治監督作『音楽』の原作者で漫画家の大橋裕之が今泉監督と共同で脚本を担当した。

下北沢を舞台にした男女の群像劇を描いた本作。男女の考え方の違いや、恋愛に対する価値観の違いなど、繊細に丁寧に描かれている作品でした。恋心だけでなく、友達としてどう見えるか、どう思うかについても描かれており、ちょっとしたことで相手を傷付けたり怒らせたり、笑わせたり幸せにしたり…そんなことの繰り返しで人生って進んでいくのだと改めて気付かされました。淡々として起伏があまり無い内容ではあったものの、日常を切り取った、ちょっとした場面で登場人物たちに共感してしまいました。こんな映画が今の若者言葉でいう“エモい”というものなのかな?下北沢に久しぶりに行ってみたくなった。

この作品の評価・・・・★★★★★★☆☆☆☆(満点は★10)
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消えない罪

2021年12月16日 16時19分22秒 | 映画評論カ行

製作年:2021年
製作国:アメリカ
日本公開:2021年12月10日
監督:ノラ・フィングシャイト
出演:サンドラ・ブロック,ヴィンセント・ドノフリオ,ヴィオラ・デイヴィス

暴力を働いて刑務所に送られていた、ルース・スレイター (サンドラ・ブロック)。刑期を終えて出所した彼女だったが、犯罪を犯した者を決して許そうとはしない社会の冷たさを感じる。故郷に戻るものの、そこでも人々からの厳しい批判や叱責を受けたルースは、犯してきた罪を償う意味も込めて、やむを得ぬ理由で置き去りにして離れ離れになったままの妹を見つけ出そうとする。
『バード・ボックス』などのサンドラ・ブロックが主演を務めるドラマ。刑務所から出所した女性が、元犯罪者へ向けられる人々の冷たい視線に耐えながら離れ離れになった妹を捜す。『バーズ・オブ・パラダイス』などのヴィンセント・ドノフリオ、『ロスト・マネー 偽りの報酬』などのヴィオラ・デイヴィスほか、ジョン・バーンサル、リチャード・トーマス、リンダ・エモンドらが出演する。

刑務所に服役していた女性が出所後に、離れ離れになった妹を捜す物語。保安官を殺してしまったことで歯車が狂い始めた人生。加害者、被害者、加害者家族、被害者家族。様々な視点から物語は描かれています。自分がだったらどう行動するか…。観ている側は自然と考えてしまう。罪を犯した人間に対して、罪を償ったとしても世間は厳しいのだと感じさせるが、後半になって真実を知った時には何とも言えない切なさを感じました。ただ、思うことは「大切な人を守りたい」という気持ちは皆同じだということ。そのためには時に、自分を犠牲にしてでも守りたいと思ってしまうのかもしれない。悲しみの連鎖が続く話ではあったけど、最後にルースの気持ちが救われて安心しました。
サンドラ・ブロックの抑えた演技が上手すぎる!

この作品の評価・・・・★★★★★★★☆☆☆(満点は★10)
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キャラクター

2021年12月14日 17時31分46秒 | 映画評論カ行

製作年:2021年
製作国:日本
日本公開:2021年6月11日
監督:永井聡
出演:菅田将暉,Fukase,高畑充希,中村獅童,小栗旬,中尾明慶
映画『キャラクター』公式サイト

漫画家のアシスタントをしている山城圭吾(菅田将暉)は、画力は高いが、お人好しな性格のためか悪役をリアルに描けない。ある日、圭吾はスケッチに訪れた一軒家で、殺害された家族と犯人(Fukase)の顔を見てしまう。圭吾は犯人をモデルにキャラクターを創り上げ、ついに売れっ子漫画家になるが、漫画をなぞるような事件が次々と発生。そして、犯人の男が圭吾の前に現れる。
『アルキメデスの大戦』などの菅田将暉と、バンド「SEKAI NO OWARI」のメンバーで本作が俳優デビューとなるFukaseが共演するサスペンス。悪を描けない漫画家が、偶然目撃した猟奇的な殺人犯を参考に漫画のキャラクターを生み出すも、それにより人生を翻弄(ほんろう)される。原案・脚本を担当するのは、漫画原作者として「MASTERキートン」などを手掛けてきた長崎尚志。監督を菅田が主演した『帝一の國』などの永井聡が務める。

芽が出ない漫画家が、偶然目撃した猟奇殺人犯をモデルに漫画のキャラクターを生み出したことで、人生を翻弄されていく物語。セカオワFukaseのサイコパス演技が上手くてハマリ役!猟奇殺人犯の男の不気味さと怖さを見事に演じ切っていました。菅田将暉の心身ともに追い詰められていく演技も上手かった。幸せそうな4人家族ばかりが狙われる事件。殺人シーン自体を見せていないので、ホラー好きの自分としては少々物足りない。猟奇殺人をテーマにしているのであれば、そこはグロテスクでも見せてほしかった。しかし演出が上手いせいか、独特の空気感が怖さを増していて飽きることなく良い。
殺人犯が山城圭吾一家を狙うだろうなってことは予想できてしまった。それと、もう少し警察も仕事してほしいなと思ってしまった。中村獅童は何故にすぐに追いかけなかったのよ!!そして高級マンションのエントランスには誰もいないのか?山城の実家の家族も、殺されるかもしれないのに危機感が無いのは何故だ。テーマとしては面白いけど、回収されていない伏線もあるし。4人家族を狙う動機や宗教団体の説明も薄かった。これは…続編あるのだろうか?あるなら観たい!そして漫画「34」が実際あるなら読みたい!

この作品の評価・・・・★★★★★★☆☆☆☆(満点は★10)
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共謀家族

2021年12月13日 18時06分28秒 | 映画評論カ行

製作年:2019年
製作国:中国
日本公開:2021年7月16日
監督:サム・クァー
出演:シャオ・ヤン,タン・ジュオ,オードリー・ホイ
映画『共謀家族』公式HP

幼少時に中国からタイに移り、妻アユー(タン・ジュオ)、高校生の娘ピンピン(オードリー・ホイ)、幼い娘アンアンに囲まれた日々を送っているリー(シャオ・ヤン)。ある日、ピンピンがキャンプ先で不良高校生のスーチャットに睡眠薬を飲まされて暴行され、その様子をスマートフォンで撮られる。後日、自宅にやってきてネットに動画を上げると脅すスーチャットともみ合いになったピンピンは、誤って彼を殺してしまう。映画マニアのリーは、犯罪映画を見て得た知識を駆使して隠ぺいを図る。
『ウーマン・イン・レッド ~スキャンダルな夫~』などのシャオ・ヤンらが出演したサスペンスドラマ。誤って殺人を犯した娘を守るため、映画マニアの父親が映画で得たトリックを使ってアリバイ作りに奔走する。メガホンを取るのはサム・クァー。『ブレイブ 大都市焼失』などのタン・ジュオ、『神の子どもたちはみな踊る』などのジョアン・チェン、『追龍』などのフィリップ・クンのほか、オードリー・ホイ、チョン・プイらが出演する。

2013年のインドでヒットしたマラヤーム語映画『Drishyam』をリメイクした作品。殺人を犯した娘を守るためにアリバイ作りに奔走する父親の姿を描いたサスペンス映画。とにかく一番感じたことは“警察怖すぎる!”ということ。リー家族のアリバイを崩すために、ありとあらゆる手段で追い詰めていく警察組織は、怖いし凄いし嫌らしい。脚本と、登場人物の見せ方が上手い。サスペンス映画ではあるけれど、親子の関係を描いた家族モノでもあります。育て方は十人十色ではあるけれど、子は親を選べない。スーチャットの性格の悪さの原因は毒親のせいでもある。そして娘のピンピンと距離を感じていたリーが、娘のために最後に下した決断はなんとも言えない切なさを感じました。娘も息子も守れなかった親たちの物語でした。最後は…脱獄するのか!?
しかしアリバイ工作がちょっと引っかかりましたね。いくら時間をずらして関係者たちに印象付けをしたとしても、そう簡単に皆が皆、思惑通りに証言してくれるとは思えない。一人でも違う証言をすればすぐバレてしまいそうだし…。そこら辺の脚本の甘さを感じさせつつも、1つ1つの展開をドキドキハラハラさせる演出にしてくれていて、最後まで楽しめました。
警察や政治への不満を国民が団結して訴えていくシーンが印象的でした。日本も間違っている事は間違っていると堂々と言えるような国になってほしい。
ところで死体はどこになるのだろう…と思って、ネタバレサイトを読んだら…そこか!!

この作品の評価・・・・★★★★★★★☆☆☆(満点は★10)
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ザ・ファブル 殺さない殺し屋

2021年12月12日 14時28分31秒 | 映画評論サ行

製作年:2021年
製作国:日本
日本公開:2021年6月18日
監督:江口カン
出演:岡田准一,木村文乃,平手友梨奈,安藤政信,山本美月,佐藤二朗,堤真一
映画『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』公式サイト

最強の殺し屋「ファブル」として裏社会で恐れられていたものの、ボス(佐藤浩市)から誰も殺さずに一般社会に溶け込んで生きるよう命じられたアキラ(岡田准一)。相棒ヨウコ(木村文乃)と兄妹を装い、アルバイト先のデザイン会社オクトパスの社長・田高田(佐藤二朗)と社員ミサキ(山本美月)に素性を知られることなく平穏な日々を過ごしていた。そんな中でアキラはNPO団体の代表を務める宇津帆(堤真一)と出会い、やがて彼がターゲットから金をだまし取っては命も奪う危険人物であることを知る。
南勝久のベストセラーコミックを原作にしたアクションの続編。誰も殺さずに暮らせというボスの命令を守る暗殺者が、巨悪との戦いを余儀なくされる。監督は前作に引き続き江口カン。『燃えよ剣』などの岡田准一、『伊藤くん A to E』などの木村文乃、『少女』などの山本美月といった前作のメンバーに加え、堤真一、平手友梨奈、安藤政信らが新たに出演する。

人気コミックの映画版の続編。今回も主演の岡田准一がスタントマン無しでアクションに挑戦しています。スピード感のあるアクションシーンの連続で、前作のワチャワチャ感も無かったので、スッキリとした印象は良い。カーアクションや団地でのシーンなど、様々な場所での戦いは観ていて楽しかったです。人を殺さないというファブルだけど、これだけ派手に敵を倒していれば結構な人を殺していそうな気もするけど。そして団地の住民も殺されていそう(笑)てか何故に警察が一度も来ない??
岡田准一が41歳とは思えない動きには驚いた。アクションに関しては大満足なのだが、やっぱり前作と同じく、お笑いの部分が個人的に笑えなかった。まぁコミックが原作だから仕方ないのだが、お笑い要素が必要ないように感じました。
ラストシーンは意外とあっさりしていて残念でした。宇津帆がもっと暴れるのかと思ったら…最後はそんなもんか…。もっと戦って欲しかったな。

この作品の評価・・・・★★★★★☆☆☆☆☆(満点は★10)
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ドント・ブリーズ2

2021年12月08日 12時53分31秒 | 映画評論タ行

製作年:2021年
製作国:アメリカ
日本公開:2021年8月13日
監督:ロド・サヤゲス
出演:スティーヴン・ラング,マデリン・グレース,ブレンダン・セクストン三世
映画『ドント・ブリーズ2』 | オフィシャルサイト

盲目の老人の家に盗みに入った若者たちが返り討ちに遭った惨劇から8年。老人(スティーヴン・ラング)はある少女の面倒を見ており、二人だけでひっそりと暮らしていた。ある日、家に謎の武装集団が押し入り、少女を連れ去ろうとする。危機が迫った彼女をめぐって、老人は自らの超人的な戦闘能力を駆使して敵と死闘を繰り広げる。
盲目の老人の家に忍び込んだ若者たちが思わぬ反撃に遭う『ドント・ブリーズ』の続編。前作から8年後を舞台に、少女と共に静かに暮らす老人の前に謎の武装集団が現れる。前作で共同脚本を務めたロド・サヤゲスがメガホンを取り、同作の監督フェデ・アルバレスが共同脚本と製作、『死霊のはらわた』シリーズなどのサム・ライミが製作に名を連ねる。盲目の老人役で続投するスティーヴン・ラングをはじめ、ブレンダン・セクストン三世、マデリン・グレイスらが出演。

口コミから広がりロングヒットとなった『ドント・ブリーズ』の続編。2017年の年間ランキングでは2位に選んだ1作目越えとはなりませんでしたが普通に面白かった!!少女と暮らす盲目の老人が、屋敷へ忍び込んだ武装集団と死闘を繰り広げる物語。今回も盲目おじいちゃんの最強っぷりは健在!視力以外の感覚を研ぎ澄ませて、相手と戦う姿は凄い!強い!怖い!今回は老人の人間らしい弱点や苦悩が見えるので、前作のような観ている側が息をするのも躊躇してしまうほどの緊張感はありませんでした。しかし、これはこれで面白い。ホラー映画だった前作と比べると、本作はアクション映画。一軒家の中で老人優勢で様々な方法で敵を倒していく展開はとても楽しめましたが、家以外の場所だとご都合主義な部分も目立ってしまっていたのは惜しいところ。グロさは今回も健在でした。武装集団を倒していくだけでなく、老人と少女の関係性や、武装集団の本当の目的など、中盤で謎が明らかになっていくと、前作とはまた違った緊張感が増していき面白かったです。ただし両親の元へ帰った少女を老人が何故執拗に追いかけたのかがちょっと引っかかりました…。
ていうか、もうおじいちゃん目見えてるでしょ(笑)ラストシーンの感じだとパート3もありそう!?期待しています!

この作品の評価・・・・★★★★★★☆☆☆☆(満点は★10)
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ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ

2021年12月07日 17時11分38秒 | 映画評論ア行

製作年:2021年
製作国:アメリカ
日本公開:2021年12月3日
監督:アンディ・サーキス
出演:トム・ハーディ,ウディ・ハレルソン,ミシェル・ウィリアムズ
映画『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』オフィシャルサイト

地球外生命体のシンビオートは、ジャーナリストのエディ(トム・ハーディ)に寄生したものの、食欲を制限されてストレスを溜め込んでいた。そんな折、未解決事件を追うエディは、刑務所に収監中の死刑囚クレタス・キャサディ(ウディ・ハレルソン)と再会する。猟奇殺人を繰り返し、死刑執行が迫るクレタスは突然エディの腕にかみつき、彼の血液が普通の人間とは違うことに気づく。
マーベルコミックに登場するキャラクター、ヴェノムを主人公にした『ヴェノム』の続編。原作では凶悪なヴィランとして描かれているカーネイジが覚醒したことにより、世界が闇に包まれていく様子を映し出す。監督と脚本を手掛けるのは『ブレス しあわせの呼吸』などのアンディ・サーキス。トム・ハーディが主人公を続投し、カーネイジを『スリー・ビルボード』などのウディ・ハレルソン、女性ヴィランを『007』シリーズなどのナオミ・ハリスが演じている。

凶悪な地球外生命体ヴェノムに寄生された男の運命を描いたシリーズ2作目。前作の内容の振り返りも無いので、本作から観始めた人は「なんで人間にエイリアンが寄生してるの?」と思ってしまうので1作目も観ましょう。
もはやエディとヴェノムをやり取りは夫婦漫才のようになってきましたね。「喧嘩してるけど、結局あんた達って別れないんでしょ?」という妙な安心感さえ感じさせる。今回もCGやVFXを使ったヴェノムの気持ち悪さと怖さと迫力が見事でした。それに加えて新キャラのカーネイジの気持ち悪さも楽しめました。映像技術に関しては文句は無いのだけど肝心の脚本が雑でした。一般人や警察を巻き込んだ大量殺戮をするくらいの、カーネイジの凶暴性をもっと見たかったし、最後は仲間割れってオチはつまらない。クレタスとシュリークの生い立ちや関係性もあっさり描きすぎ。98分という短めの上映時間で話にスピード感を感じさせるものの、単純で予想がつく展開が続きました。ドンチャン騒ぎしている間に気付いたらハッピーエンドになっていた感じ。個人的にはお笑い要素は要らなくて、シリアス路線でいってほしいところ…。時々化け物になる元カレのことを気にし過ぎる彼女のことを、それでも愛せる婚約者のダンの鋼の精神が実は一番最強なのかもしれない。
意外だったのはやっぱりラストシーンですね。ていうか最後のシーンのために作った感がある。来月公開のあの作品とコラボするってか!?どうなるのか楽しみですね!

この作品の評価・・・・★★★★★☆☆☆☆☆(満点は★10)
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パワー・オブ・ザ・ドッグ

2021年12月05日 11時42分43秒 | 映画評論ハ行

製作年:2021年
製作国:イギリス,オーストラリア,アメリカ,カナダ,ニュージーランド
日本公開:2021年12月1日
監督:ジェーン・カンピオン
出演:ベネディクト・カンバーバッチ,キルステン・ダンスト,ジェシー・プレモンス

1920年代のアメリカ・モンタナ州。周囲の人々に畏怖されている大牧場主のフィル(ベネディクト・カンバーバッチ)は、夫を亡くしたローズ(キルステン・ダンスト)とその息子ピーター(コディ・スミット=マクフィー)と出会う。ローズに心を奪われるフィルだったが、弟のジョージ(ジェシー・プレモンス)が彼女と心を通わせるようになって結婚してしまう。二人の結婚に納得できないフィルは弟夫婦に対して残忍な仕打ちを執拗(しつよう)に続けるが、ある事件を機に彼の胸中に変化が訪れる。
『ブライト・スター ~いちばん美しい恋の詩(うた)~』などのジェーン・カンピオンが監督を務めたドラマ。冷酷な牧場主が、ある女性をめぐって弟に激しい憎しみを抱く。『クーリエ:最高機密の運び屋』などのベネディクト・カンバーバッチ、『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』などのキルステン・ダンスト、ジェシー・プレモンス、コディ・スミット=マクフィーらが出演する。

冷酷な牧場主の男と、その弟。夫を亡くした女性とその子供。モンタナの大自然を舞台に4人の様々な感情がぶつかるドラマ。美しさも感じつつ淡々とした話の中で生まれていく愛や憎しみの先に待っていた結末がこうだとは予想外でした。淡々としているからこそ、儚さや脆さや恐ろしさが静かに近づいてくるようでゾクゾクしました。
仕事への情熱や、愛する人への想い。辛い過去から抜け出そうとする気持ち。母親を守ろうとする強い決心。皆が何かのために誰かのために生きていて、その信念を何としてでも貫こうとする姿が印象的でした。一見すると一番強そうに見える人間が、一番弱いのかもしれない。自分の弱みを見せることで、良い方向にも悪い方向にも転がっていく人生の切なさを感じました。
ドクター・ストレンジのイメージが強いベネディクト・カンバーバッチですが、本作のフィルのような心の奥に何かを抱えているような役も似合ってました。ピーターを演じたコディ・スミット=マクフィー君も繊細な演技が光っていた。

この作品の評価・・・・★★★★★★☆☆☆☆(満点は★10)
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