股間の解放記

普通の社会人PEKOの、日々思うことをつづっていきます。

死霊館 悪魔のせいなら、無罪。

2022年02月22日 18時00分48秒 | 映画評論サ行

製作年:2021年
製作国:アメリカ
日本公開:2021年10月1日
監督:マイケル・チャベス
出演:パトリック・ウィルソン,ヴェラ・ファーミガ,ルアイリ・オコナー
映画『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』公式サイト

1981年、アーニー・ジョンソン(ルアイリ・オコナー)は家主を惨殺し、裁判で無罪を主張する。その理由は、悪魔にとりつかれていたからというものだった。アーニーを凶行に走らせたという悪魔の存在を証明するため、心霊研究家のエド、ロレイン・ウォーレン夫妻(パトリック・ウィルソン、ヴェラ・ファーミガ)が調査を開始。警察の協力を得て調査を進めていくうち、夫妻はすさまじく邪悪な“何か”に追い詰められていく。
著名な心霊研究家のエド、ロレイン・ウォーレン夫妻の実体験をベースにしたホラー『死霊館』シリーズの第3弾。殺人を犯しながらも悪魔の仕業だと無罪を主張する青年を救うため、ウォーレン夫妻が真相解明に挑む。『ラ・ヨローナ ~泣く女~』などのマイケル・チャベスが監督を務め、同シリーズの生みの親であるジェームズ・ワンが製作に名を連ねる。ウォーレン夫妻役でパトリック・ウィルソンとヴェラ・ファーミガが続投するほか、ルアイリ・オコナー、サラ・キャサリン・フック、ジュリアン・ヒリアードらが出演。

心霊研究家夫妻の実体験をベースにしたホラー。『死霊館』(13)、『死霊館 エンフィールド事件』(16)に続くシリーズの第3弾。悪魔のせいなら無罪…なかなかパンチが効いたタイトル。毎回「こんな事が実際に起きたの!?」と思ってしまうのですが、実話らしいですよ。家主を惨殺した青年が悪魔に憑りつかれていると確信したエド、ロレイン・ウォーレン夫妻が悪魔の存在を証明すべく禁断の真相解明に挑むお話。心霊ホラー作品ですが、今回は珍しく生身の人間との対決です。今までのシリーズのような大音量で驚かすような演出は控えめですが、その代わりにミステリー要素が強くて、見応えはありました。暗転するシーンは多いので怖い演出は健在です。一番怖かったのはやっぱり冒頭の悪魔祓いのシーン。今回のキーパーソンである魔女ですが、魔女ですらウォーレン夫妻の愛の力には叶わなかったということだろうか。でもここまで何度も悪魔と戦っているといつかウォーレン夫妻が殺されるんじゃないかと心配になってしまう。あの魔女の正体もハッキリ分かりませんでした。裁判シーンがほぼ無いので、裁判や判決内容を詳しく知りたかった。世間が悪魔の存在を認めるというは、どんな感じなのだろうか。

この作品の評価・・・・★★★★★☆☆☆☆☆(満点は★10)
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悪魔のいけにえ -レザーフェイス・リターンズ-

2022年02月21日 16時01分57秒 | 映画評論ア行

製作年:2022年
製作国:アメリカ
日本公開:2022年2月18日
監督:デビッド・ブルー・ガルシア
出演:サラ・ヤーキン,エルシー・フィッシャー,マーク・バーナム

メロディ(サラ・ヤーキン)と妹のライラ(エルシー・フィッシャー)、友達のダンテ(ジェイコブ・ラティモア)とルース(ネル・ハドソン)は、ビジネスを始めるためにテキサス州のさびれた町ハーロウを訪れる。しかし、四人はかつてその町を恐怖に陥れた連続殺人鬼、レザーフェイスの家に足を踏み入れてしまう。
『悪魔のいけにえ』シリーズの一作で、約50年ぶりに姿を現したレザーフェイスの恐怖を描くホラー。テキサスのゴーストタウンを再生しようとする理想主義者の若者たちが、レザーフェイスの家に足を踏み入れてしまう。監督をデヴィッド・ブルー・ガルシアが務める。出演は『ハッピー・デス・デイ 2U』などのサラ・ヤーキンや『エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ』などのエルシー・フィッシャーら。

リメイク版「テキサス・チェーンソー」を観てから、レザーフェイス君のファンになったので「悪魔のいけにえ」シリーズは新作が出ると観ています。今回はオリジナル1作目からの続編で1作目から約50年後という設定。ん?ちょっと待って?50年後ってレザーフェイス君は70歳は超えてるよね!?そんな事を気にしてはいけませんよね。今回も気持ちいいくらい、ぶんぶんチェーンソーを振り回してくれています。展開はTHEあるある。そしてツッコミどころが多い。「ハロウィン」の設定をパクったかのように、1作目の生き残りの女性が50年の時を経てレザーフェイスとの因縁にケリをつけるのですが、何故すぐに殺さないの!?と思うくらいグダグダして、あっけなく倒される。バス内での虐殺シーンも、窓割ったりすれば逃げ出せるんじゃないの?と思ってしまった。レザーフェイスってここまで不死身になってしまうと、なんかもうね…。グロさは合格点だけど、新鮮さは皆無だったかな。とりあえず殺しまくるんじゃなくて、1人ずつ捕まえて殺して釘差したり皮剥いだりみたいな気持ち悪さがこのシリーズの良いところなのに、それが無かった。
とりあえず思ったのは自動運転も良いもんじゃないってこと!

この作品の評価・・・・★★★★★☆☆☆☆☆(満点は★10)
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キネマの神様

2022年02月20日 17時57分52秒 | 映画評論カ行

製作年:2021年
製作国:日本
日本公開:2021年8月6日
監督:山田洋次
出演:沢田研二,菅田将暉,永野芽郁,野田洋次郎,北川景子,寺島しのぶ
映画『キネマの神様』公式サイト

ギャンブル狂いのゴウ(沢田研二)は、妻の淑子(宮本信子)や家族にもすでに見捨てられていた。そんな彼が唯一愛してやまないのが映画で、なじみの名画座の館主テラシン(小林稔侍)とゴウはかつて共に映画の撮影所で同じ釜の飯を食った仲だった。若き日のゴウ(菅田将暉)とテラシン(野田洋次郎)は、名監督やスター俳優を身近に見ながら青春を送っていた。
『男はつらいよ』シリーズなどの名匠・山田洋次監督が、作家・原田マハの小説を映画化。松竹映画100周年を記念して製作された、家族から白い目で見られるダメ親父の物語を紡ぐ。主演を務めるのは沢田研二と『アルキメデスの大戦』などの菅田将暉。『君は月夜に光り輝く』などの永野芽郁、バンド「RADWIMPS」のボーカルで『泣き虫しょったんの奇跡』などの野田洋次郎のほか、北川景子、寺島しのぶ、小林稔侍、宮本信子らが共演する。

家族からダメ親父扱いをされている男の半生を描いた物語。コロナの影響や、志村けんの死去により延期されていましたが公開できて良かった。志村けんの代役としてゴウ役を演じた沢田研二ですが、演技や動きが時折、志村けんに見えてしまうから不思議でした。
借金をして家族からは冷たい目で見られている現代のゴウと、映画撮影に情熱を注いで青春を謳歌していた昔のゴウ。現在と過去を行き来しながら物語が描かれています。とても分かりやすい話でした。何かに一生懸命になれる素晴らしさ。そして愛する人への想い。傷つけたくない友情。失敗しない人はいない。人生はいつだってやり直せる。感謝の気持ちを伝えるのに遅いということは無い。ストレートなメッセージが詰まった作品で、山田洋次らしい人情劇でした。心温まる作品ではあるけれど、大きな感動とまではいかなった。ゴウの映画愛をもっと見せてほしかった。映画製作を挫折するキッカケがしょうもなかった。最後の娘のスピーチはもっと感動させてほしかったかな。
モノクロ映像でも北川景子は美しいのだと再認識させられた。沢田研二も良かったけど、やっぱりこの役は志村けんにしか演じられなかった気がします。志村けんが演じるゴウ役も見てみたかった…。

この作品の評価・・・・★★★★★☆☆☆☆☆(満点は★10)
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ウエスト・サイド・ストーリー

2022年02月15日 11時41分29秒 | 映画評論ア行

製作年:2021年
製作国:アメリカ
日本公開:2022年2月11日
監督:スティーヴン・スピルバーグ
出演:アンセル・エルゴート,レイチェル・ゼグラー,アリアナ・デボーズ
映画ウエスト・サイド・ストーリー 公式サイト

1950年代のニューヨーク・マンハッタンのウエスト・サイド。貧困や差別による社会への不満を抱えた若者たちは同胞の仲間たちとグループを作り、それぞれに敵対し合っていた。ある日、ポーランド系移民の「ジェッツ」の元リーダーであるトニー(アンセル・エルゴート)と、対立するプエルトリコ系移民の「シャークス」のリーダーの妹マリア(レイチェル・ゼグラー)が出会い、一瞬で恋に落ちる。その禁断の恋は、多くの人々の運命を変えていく。
1961年に映画化もされたブロードウェイミュージカルを、スティーヴン・スピルバーグ監督が映画化。1950年代のアメリカ・ニューヨークを舞台に、移民系の二つのグループが抗争を繰り広げる中で芽生える恋を描く。脚本と振付は、共にトニー賞受賞歴のあるトニー・クシュナーとジャスティン・ペックが担当。主人公を『ベイビー・ドライバー』などのアンセル・エルゴート、ヒロインをオーディションで選出されたレイチェル・ゼグラーが演じるほか、1961年版でオスカーを受賞したリタ・モレノらが出演する。

トゥナーイ!トゥナーイ!名作ミュージカルを巨匠スティーヴン・スピルバーグ監督が映画化。1961年版は未鑑賞。前評判も上々だし、アカデミー賞にもノミネートされてるし、期待は大で鑑賞。へー、ウエスト・サイド・ストーリーってこういう話なんですね。ミュージカルシーンは「この曲聴いたことある!!」って曲(TonightやAmericaなど)も幾つかあり、思わず体が動いてしまいそうなくらい迫力満点で楽しめました。皆さん歌とダンスが上手すぎる!
しかしながらストーリーは個人的にはあまり引き込まれませんでした。令和の時代に、このような「うちのシマだから、お前ら出ていけよ!」っていう昔の不良たちの話を観ても、あまり響かないのが本音。そんなことを言ったら元も子もないのだけどね(笑)若者たちの心の叫びや、友情や恋愛。そして喜怒哀楽。若さならではの熱い感情は感じました。憎しみ、差別、偏見など、今以上に生きることが厳しかっただろうなと、観ていて思いました。ただし、熱い気持ちは分かるのだけど最後まで「みんなガキだし自分勝手すぎる…」と思ってしまった。兄も恋人も殺されたマリアは今後どんな気持ちで生きていくのだろうか…
トニーとマリアの運命的な出会いから互いに惹かれていく姿はキュンキュンしましたけど、いくら好きな人でも、自分の兄を刺し殺した人間を「好きだから」という理由ですぐに許して、顔に血がついてる男とそのまま肉体関係になるっていうのが個人的には違和感と気持ち悪さしかなかったです。違和感を感じるのは僕だけなのだろうか?他の人のレビューを読むと絶賛ばかりなのだけど…僕が変なのかな?オリジナル版は違うのかな?とりあえず、トゥナーイ!トゥナーイ!

この作品の評価・・・・★★★★★☆☆☆☆☆(満点は★10)
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クライモリ

2022年02月14日 14時52分19秒 | 映画評論カ行

製作年:2021年
製作国:アメリカ/ドイツ/カナダ/イギリス
日本公開:2021年10月15日
監督:マイク・P・ネルソン
出演:シャルロッテ・ベガ,マシュー・モディーン,デイジー・ヘッド
映画『クライモリ』公式サイト

アパラチア山脈の自然歩道でキャンプを楽しもうと、バージニア州の小さな町レンウッドを訪れたジェン(シャルロッテ・ベガ)たち。モーテルの主人に道から外れるなと忠告されるが、森の奥深くに入って迷子になってしまう。道に戻れずに言い争っていると山上から倒木が転がり落ちてきて、仲間の一人に直撃し、彼は命を落とす。周囲がわなだらけであることに気づいた一行の前に、鹿の頭蓋骨をかぶった集団が現れる。彼らの攻撃をかいくぐりながら森からの脱出に挑むが、ジェンが生け捕りにされてしまう。
2003年に公開され、シリーズ化されたホラー『クライモリ』のリブート版。キャンプを楽しもうと山を訪れたグループが、山中に潜む集団に命を狙われる。メガホンを取るのは『ザ・ドメスティック』などのマイク・P・ネルソン。『ダーケスト・ウォーター』などのシャルロッテ・ベガ、『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』などのマシュー・モディーンのほか、デイジー・ヘッド、チェイニー・モローらが出演する。

「クライモリ」シリーズは数本観てきたのですが…あれ?こんな話だったっけ?と思ったらリメイク版じゃなくてリブート版か!
森のトラップは面白かったけど、とりあえず今までの「クライモリ」シリーズとは違って、どちらかと言えば「ミッドサマー」寄りの内容でした。若者たちが足を踏み入れた森の中で、謎の集団に襲われるホラー映画。若者数人がコースを外れて森の奥に入っちゃうとか、途中で数人が発狂したり、自分勝手な行動する奴がいたりと、B級ホラーお決まりのパターンの連続。丸太が転がってきたり、落とし穴や、頭バコーンと、色々とグロい死に方はしているものの、肝心のグロテスクな場面が控えめなのでホラーが苦手な人でも観れると思います。逆を言えば僕みたいなグロ大好き映画オタクにとっては「そこ見せてくれへんのかい!!」とツッコミたくなる。勘違いや、昔からのルールというのは恐ろしい…
中盤からは森に住む集団たちと若者たちの駆け引きが見どころです。生き残るためにはそういう選択肢もアリか…。そして若者の1人が自分の居場所を見つけるのもアリか…。“選択”とは人それぞれ違うのだと考えさせられました。話が通じる相手との死闘も意外と良いかも。でも食人族がやっぱり恋しくなる!
中盤まではドキドキがあったけど後半は刺激が弱めでした。暗闇の刑って怖すぎますね…

この作品の評価・・・・★★★★★☆☆☆☆☆(満点は★10)
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総理の夫

2022年02月13日 14時28分23秒 | 映画評論サ行

製作年:2021年
製作国:日本
日本公開:2021年9月23日
監督:河合勇人
出演:田中圭,中谷美紀,貫地谷しほり,工藤阿須加,余貴美子,岸部一徳
映画『総理の夫』公式サイト

少数野党の党首を務める凛子(中谷美紀)を妻に持つ、鳥類学者の相馬日和(田中圭)。もし総理大臣になったら不都合はあるかと凛子に尋ねられた日和は、それを気に留めることもなく野鳥観察の出張に向かう。電波の届かない孤島で彼が10日にわたって野鳥観察をしている間、凛子は日本史上初の女性総理大臣に選出される。突如、総理の夫となってしまったことに戸惑いつつ、妻を全身全霊で支えようとする日和だが、夫婦の愛と絆を試されるような問題が次々と降りかかる。
原田マハの小説「総理の夫 First Gentleman」を原作にしたドラマ。知らぬ間に妻が史上初の女性総理大臣になっていた鳥類学者が、政治に翻弄(ほんろう)されながらも夫婦一丸となってさまざまな障害を乗り越える。メガホンを取るのは『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~』などの河合勇人。『mellow メロウ』『哀愁しんでれら』などの田中圭、『繕い裁つ人』ドラマ「ハル ~総合商社の女~」などの中谷美紀が、主人公の夫婦を演じる。

日本初の女性総理大臣の夫が、政治に翻弄されていくお話。女性総理が今まで何故生まれないのかが不思議。男女平等と言いながらも、まだまだ日本は差別が根深くある。政治ドラマを女性総理という新しい視点で考えさせられたので勉強になりました。女性が社会で活躍すること。ましてや政治の世界で生きていくことは、何かしらの壁があるのかな。仕事も諦めない、子育ても諦めない。未来を諦めない。日和のような夫が傍にいてくれるなら、性別や年齢に関係なく誰もが生きやすい世の中になるだろう。金や欲なんて関係のない政治になってほしいものです。いつか女性総理が誕生したらと思うとワクワクしました。
展開としてはありがちでお決まりパターンでしたね。妊娠したから辞職しちゃうの?妻も記者もスタンディングオベーションって何なんだろ。テレビ中継に乱入する夫って…まぁ映画ですからね(笑)でも日和の言葉は心にグッときましたけど、もう少しリアリティのある演出が欲しかった。
とにかく中谷美紀が美しかった…。こんなに凛とした美しい女性総理大臣なら、迷わず支持してしまいそう!田中圭は、いつもの田中圭でした。

この作品の評価・・・・★★★★★☆☆☆☆☆(満点は★10)
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オールド

2022年02月10日 11時58分37秒 | 映画評論ア行

製作年:2021年
製作国:アメリカ
日本公開:2021年8月27日
監督:M・ナイト・シャマラン
出演:ガエル・ガルシア・ベルナル,ヴィッキー・クリープス,ルーファス・シーウェル
映画『オールド』公式サイト

バカンスを過ごすため美しいビーチを訪れ、それぞれに楽しいひと時を過ごすキャパ一家。そのうち息子のトレントの姿が見えなくなり、捜してみると彼は6歳の子供から青年(アレックス・ウルフ)へと成長した姿で現れ、11歳の娘マドックスも大人の女性(トーマシン・マッケンジー)に変貌していた。不可解な事態に困惑する一家は、それぞれが急速に年老いていることに気付く。しかしビーチから逃げようとすると意識を失なってしまい、彼らは謎めいた空間から脱出できなくなる。
『シックス・センス』『スプリット』などのM・ナイト・シャマラン監督によるサバイバルスリラー。バカンスで秘境のビーチを訪れた一家が、異常な速さで時間が進む奇妙な現象に見舞われる。謎めいたビーチから脱出すべく奮闘する一家の父を『モーターサイクル・ダイアリーズ』などのガエル・ガルシア・ベルナルが演じ、『ファントム・スレッド』などのヴィッキー・クリープス、『ライ麦畑で出会ったら』などのアレックス・ウルフのほか、トーマシン・マッケンジー、エリザ・スカンレンらが共演する。

M・ナイト・シャマラン監督作品は毎回観てきましたが、個人的にはあまり好みじゃない監督。よく分からない展開と、微妙なオチが多い印象。ですが、今回は最後までなかなか楽しめる内容でした。異常な速さで時間が進むビーチに取り残された人々の恐怖と脱出劇を描いたサバイバルスリラー。アイデアとして新鮮で面白い!切り傷や骨折がすぐに治ってしまうことや、子供たちが急激に成長していく展開など、見どころも多い。みんな死ぬのか!?脱出できるのか!?助けは来るのか!?そして意外な結末でした。未来の医学のためということか…未来のための犠牲と考えると、なかなか複雑な気持ちになりました。逆らうことのできない“老い”と、誰にでもいつかは必ず訪れる“死”。考えさせられました。“自分ならどうするか?”シャマラン監督からのリアルで怖いメッセージを感じました。
しかし異常なスピードで進むビーチからの脱出劇の中で、辻褄が合わないような部分もあったのは事実。最後のオチもあっさりしていましたけどスッキリしました。アイデア勝ちと言っていいでしょう。オチが分かりやすいシャマラン監督作品は久しぶりだし、今回は合格点をあげたい!!

この作品の評価・・・・★★★★★★☆☆☆☆(満点は★10)
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ソウルメイト/七月と安生

2022年02月09日 12時20分04秒 | 映画評論サ行

製作年:2016年
製作国:中国/香港
日本公開:2021年6月25日
監督:デレク・ツァン
出演:チョウ・ドンユイ,マー・スーチュン
映画『ソウルメイト/七月と安生』公式サイト|6月25日公開

インターネット小説として人気を集めていた「七月(チーユエ)と安生(アンシェン)」は、幼なじみの女性二人の友情を描いたチーユエという作者の自伝的な作品だった。ある日、アンシェンのもとに映画会社から連絡が入る。チーユエの所在が不明のため、アンシェンを探し連絡してきたのだという担当者は、小説の映像化を求めるが、アンシェンは作者について何も知らないと答える。しかし、彼女にとってチーユエは特別な存在だった。かつて掛け替えのない親友同士であった彼女たちの間には、ある出来事があった。
第93回アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされた『少年の君』などのデレク・ツァン監督が撮り上げた青春ドラマ。『ウィンター・ソング』『最愛の子』などのピーター・チャン監督がプロデューサーを務め、深い絆で結ばれた二人の女性の長きにわたる友情を描く。数奇な運命をたどる親友同士を、『少年の君』にも出演したチョウ・ドンユイと『王朝の陰謀 闇の四天王と黄金のドラゴン』などのマー・スーチュンが演じ、台湾の金馬奨で共に主演女優賞を獲得した。

2021年の年間ランキング1位に選んだ「少年の君」のチョウ・ドンユイが主演した青春ドラマ。やはり今回もチョン・ドンユイの演技に引き込まれてしまい、さらに彼女のファンになりました。対照的な環境で育った2人の少女。いつしか親友になった2人だったが、大人になるにつれて環境が変化していき、少しずつ距離ができてしまう…。裕福な家庭で育ちながらも、外の世界を知らずに地元で生活し続けるチーユエ。恵まれない家庭で育って、放浪の旅へと出るアンシェン。自分ならどちらが幸せなのか…観ながら考えてしまいました。“無いものねだり”というように、自分には無くて他の人が持っているものが魅力的に見えて憧れてしまうもの。“あの人になりたい”“あの人にはなりたくない”そんな感情って人生で何度も訪れるものだろう。わがままだって言うのが人間。その時の感情だけで突っ走ってしまうこともある。けれど恋人にも家族にも言えないことが親友には言えた。友情の素晴らしさ、親友の大切さを感じさせてくれる作品でした。アンシェンとチーユエは近づいたり離れたりしたけれど、どこかで強い絆で結ばれていたのだと感じました。多くの伏線が最後に回収される演出は見事。「少年の君」超えはなかったけど、この作品もおススメです。

この作品の評価・・・・★★★★★★★★☆☆(満点は★10)
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17歳の瞳に映る世界

2022年02月03日 21時01分34秒 | 映画評論サ行

製作年:2020年
製作国:アメリカ
日本公開:2021年7月16日
監督:イライザ・ヒットマン
出演:シドニー・フラニガン,タリア・ライダー,テオドール・ペルラン
『17歳の瞳に映る世界』公式サイト

17歳のオータム(シドニー・フラニガン)は友達が少なく、目立たない高校生。妊娠していることがわかったオータムだったが、ペンシルベニア州では中絶手術に両親の同意が必要だった。オータムは彼女の異変に気づいた従妹であり親友でもあるスカイラーと一緒に、中絶手術に両親の同意を求めないニューヨークへ向かう。
思いがけず妊娠した17歳の少女の旅路を描き、ベルリン国際映画祭審査員グランプリなどを受賞したヒューマンドラマ。おとなしくて目立たない高校生が、両親の同意なしで中絶手術を受けることができるニューヨークへ親友と共に向かう。監督を務めるのは『ブルックリンの片隅で』などのイライザ・ヒットマン。主演は本作が長編映画デビューとなるシドニー・フラニガン。

妊娠が判明した17歳の少女が、従妹と共に中絶手術を受けるためにニューヨークへと向かう物語。タイトル通り、17歳の瞳に映る世界が描かれています。その世界は、10代の若者にとっては想像以上に生きづらい世界でした。妊娠、そして中絶…。周囲の大人にも、親にも言えない。お腹を叩いてお腹の中の赤ちゃんを殺してしまおうとするオータムの姿を見て、悲しくなりました。たしかに17歳にとっては、1人じゃ抱えきれない問題だ。ニューヨークに中絶手術を受けにいくだけの話だけど、若者ならではの感情だったり、行動を知ることができて、学ぶ点もありました。最初から最後まで言い表せないモヤモヤを感じる映画。たしかに妊娠させた男が悪い。しかし14歳から避妊せずに性体験を赤裸々に話すオータムにも責任はある。そして性教育をきちんとしなければいけない社会にも責任はある。背景までは細かく描かれていないため、想像するしかないけれど、オータムは17歳にして壮絶な人生を歩んできたことには間違いないと感じました。
中絶はかけがえのない命を殺すこと。決断した彼女たちのその後を人生が気になりました。

NEVER RARELY SOMETIMES ALWAYS
「一度もない/めったにない/時々/いつも」

この言葉に多くの女性たちが救われる日が来てほしい


この作品の評価・・・・★★★★★★☆☆☆☆(満点は★10)
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ノイズ

2022年02月02日 18時00分52秒 | 映画評論ナ行

製作年:2020年
製作国:日本
日本公開:2022年1月28日
監督:廣木隆一
出演:藤原竜也,松山ケンイチ,神木隆之介,黒木華,伊藤歩,永瀬正敏
映画『ノイズ』オフィシャルサイト。大ヒット上映中!

猪狩島に暮らす青年・泉圭太(藤原竜也)。生産を始めた黒イチジクが評価され、島が5億円の地方創生推進特別交付金を受けられることになり、彼は過疎化に苦しむ島の人々に希望を与えられた喜びをかみしめていた。そんな折、小御坂睦雄という男が島に現れる。圭太と猟師の田辺純(松山ケンイチ)、警察官の守屋真一郎は、不審な言動の彼を警戒していたが、誤って殺してしまう。殺人を隠ぺいしようとする3人だが、殺人鬼で元受刑者だった小御坂の足取りを追っていた県警が島に乗り込んでくる。
『DEATH NOTE デスノート』シリーズで共演した藤原竜也と松山ケンイチが主演を務めたサスペンスドラマ。平穏な島に暮らす青年たちが犯してしまった殺人が、彼らや島民の運命を大きく狂わせていく。筒井哲也のコミックが原作で、監督は『彼女』などの廣木隆一、脚本は『町田くんの世界』などの片岡翔が担当する。

犯罪が起きない平和な島で育った幼馴染の青年たちが、犯してしまった殺人。彼らは死体を隠そうとするが、それぞれの運命を大きく狂わせていく…。演技派の俳優たちが勢揃い。不審な男の死体を隠すというエピソードも怖かったけど、田舎の閉そく感、島民たちの異様な結束感、嫉妬だったり…人間の嫌な部分を見せられた気分でした。あいつさえ来なければ、あんな事が起きなければ…負の連鎖は動き始めると止まらないものなのか。カサブタになろうとすると、悪いことばかり起きる。ノイズを除去しようとすると悪いことばかり起きる。人生って残酷。
正当防衛でも通用しそうな出来事だったし、保護司のおじさんも、凶悪犯を警察官1人の島に連れてきたのか疑問に思いました。娘が書いた紙芝居の意味がよく分からなかったし、警察がうろついているのに、そんなに死体を移動させて何故バレないのか気になりました。どんでん返しを期待していましたが、期待していたほどの驚きはありませんでした。キャストが豪華なだけに、色々と雑な部分があったのが残念。もう一捻りあってドキドキハラハラさせて欲しかった!

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