股間の解放記

普通の社会人PEKOの、日々思うことをつづっていきます。

マイ・ベスト・フレンド

2017年05月28日 10時19分38秒 | 映画評論マ行
製作年:2015年
製作国:イギリス
日本公開:2016年11月18日
監督:キャサリン・ハードウィック
出演:トニ・コレット,ドリュー・バリモア,ドミニク・クーパー,パディ・コンシダイン
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小さなころからの親友で、お互いのことは何でも知っているジェスとミリー。ある日、ミリーが乳がんに侵されていることが発覚する。時を同じくして、不妊治療を続けてきたジェスの妊娠も判明するが、彼女は命に関わる病を背負っているミリーに打ち明けることをちゅうちょしてしまう。これまで隠し事などしないでファーストキスや初体験のことまで語り合い、喜びも悲しみも分かち合ってきた二人だったが…。
『ローラーガールズ・ダイアリー』などのドリュー・バリモアと『リトル・ミス・サンシャイン』などのトニ・コレットが共演したヒューマンドラマ。幼少期から仲がいい2人の女性が、不妊治療を経ての妊娠や、乳がん発覚という人生の局面に向き合いながら、友情をかみ締めていく。監督は『トワイライト~初恋~』などのキャサリン・ハードウィック。『ニード・フォー・スピード』などのドミニク・クーパー、『マクベス』などのパディ・コンシダインらが共演。友情だけでなく、命の終わりと始まりを深く見つめた物語に胸を打たれる。

幼馴染で親友の女性2人が人生の幸せや困難に向き合いながらも友情を深めていく物語。こういう話の展開ってだいたいパターン化してるのだけど、この映画もよくあるお話でした。それでも最後まで飽きることなく、それなりに感動しました。親友とは言っても、お互い人生山あり谷ありで、片方が良い時も片方が悪かったり…。親友をどこまで支えられるか、自分には何が出来るのか。ジェスとミリーのような関係になれる友達にが自分にはいるかなと思ったりして(笑)でも人間って1人じゃ生きていけないのだと改めて思いました。家族や友人がいるからこそ毎日が充実していくのだと。やはり女性2人が主人公だし乳がんを扱っているから女性が観た方が共感できる部分が多いと思います。がんに侵されたミリーの苛立ちや寂しさも理解できるし、ジェスのどうしたらいいのか分からない迷いもよくわかる。病気を扱った作品でありながら、暗い気持ちになることはなく、不思議と前向きな映画に思いました。ラストは悲しみではなく温かさを感じられる終わり方で良かったです。

この作品の評価・・・・★★★★★★★☆☆☆(満点は★10)
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トランボ ハリウッドに最も嫌われた男

2017年05月27日 17時13分25秒 | 映画評論タ行
製作年:2015年
製作国:アメリカ
日本公開:2016年7月22日
監督:ジェイ・ローチ
出演:ブライアン・クランストン,ダイアン・レイン,ヘレン・ミレン,ルイス・C・K
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『恋愛手帖』で第13回アカデミー賞脚色賞にノミネートされ、着実にキャリアを積んできたダルトン・トランボ。しかし、第2次世界大戦後の冷戦下に起きた赤狩りの標的となり、下院非米活動委員会への協力を拒否したことで投獄されてしまう。釈放後、彼は偽名で執筆を続け、『ローマの休日』をはじめ数々の傑作を世に送り出す。
『ローマの休日』『ジョニーは戦場へ行った』などの名作を手掛けてきた脚本家ダルトン・トランボの半生を描く伝記映画。東西冷戦下のアメリカで起きた赤狩りにより映画界から追放されながらも偽名で執筆を続けたトランボを、テレビドラマ「ブレイキング・バッド」シリーズなどのブライアン・クランストンが演じる。共演は『運命の女』などのダイアン・レイン、『SOMEWHERE』などのエル・ファニング、オスカー女優ヘレン・ミレンら。監督を、『ミート・ザ・ペアレンツ』シリーズなどのジェイ・ローチが務める。

ダルトン・トランボという人物を知りませんでしたが、『ローマの休日』『ジョニーは戦場へ行った』などの名作を手掛けてきた脚本家だったんですね。そんな彼の半生を描いた伝記映画。彼の人生を知るにはとても良い映画だと思いました。才能がありながらも赤狩りの標的となり投獄される。映画が好きという想いだけでは駄目なのだろうか。共産主義者をいうだけで捕まってしまう時代。それでも負けることなく家族や仲間たちに支えられて偽名を使ったりB級スタジオの脚本を書いたりと苦悩しながら執筆を続けて数々の傑作を世に送り出す。トランボという人物は才能と努力の塊だなと感じました。俳優さんたちの熱演にも引き込まれました。しかし映画としては盛り上がりに欠けるかなという印象。ラストシーンももう少し盛り上がれたんじゃないかと思います。

この作品の評価・・・・★★★★★★★☆☆☆(満点は★10)
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弁護人

2017年05月26日 15時16分15秒 | 映画評論ハ行
製作年:2013年
製作国:韓国
日本公開:2016年11月12日
監督:ヤン・ウソク
出演:ソン・ガンホ,イム・シワン,キム・ヨンエ,クァク・ドウォン,ソン・ヨンチャン
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1980年代初頭の韓国・釜山。高学歴ではないが目覚ましい活躍を見せている税務弁護士ソン・ウソクは、ある日、昔なじみのクッパ店の息子ジヌが裁判を控えていると聞き、拘置所へ面会に行く。ある事件に巻き込まれたというジヌの信じがたい姿を見て、ウソクは何人もの弁護士が断った事件の弁護を請け負うことにする。
韓国のノ・ムヒョン元大統領が弁護士時代に担当した釜林事件がモチーフで、『JSA』『スノーピアサー』などのソン・ガンホが主人公を演じたヒューマンドラマ。1980年代初頭の韓国で民主化勢力を弾圧しようとした捏造事件が発生し、不当に逮捕された被告の弁護人がさまざまな困難に遭いながらも奮闘する姿を描く。共演は、ボーイズグループZE:Aのシワン、『明日へ』などのキム・ヨンエら。実際の冤罪(えんざい)事件をテーマにしたスリリングかつ人情味たっぷりの物語が見どころ。

不当に逮捕された被告の弁護人が巨大な組織と対決するドラマ。韓国の李明博元大統領が弁護士時代に手掛けた冤罪事件がモチーフだそうです。軍政府の大勢がグルになっていたのだから驚きです。そして拷問シーンに韓国映画らしい残虐性を感じました。ソン・ウソクの「人を助けたい」「民主主義の正義を貫きたい」という信念はデモとなりましたが裁判沙汰になってしまいます。しかし最後は韓国にいる99名もの弁護士が弁護をしたいと名乗り出たのです。正義を貫き通せば、人や感情を動かせるのだと思いました。俳優たちの演技は素晴らしかったです。それにしても冤罪は恐ろしいものですね。

この作品の評価・・・・★★★★★★☆☆☆☆(満点は★10)
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メッセージ

2017年05月24日 10時07分37秒 | 映画評論マ行
製作年:2016年
製作国:アメリカ
日本公開:2017年5月19日
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
出演:エイミー・アダムス,ジェレミー・レナー,フォレスト・ウィテカー,マイケル・スタールバーグ
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巨大な球体型宇宙船が、突如地球に降り立つ。世界中が不安と混乱に包まれる中、言語学者のルイーズは宇宙船に乗ってきた者たちの言語を解読するよう軍から依頼される。彼らが使う文字を懸命に読み解いていくと、彼女は時間をさかのぼるような不思議な感覚に陥る。やがて言語をめぐるさまざまな謎が解け、彼らが地球を訪れた思いも寄らない理由と、人類に向けられたメッセージが判明し…。
テッド・チャンの短編小説「あなたの人生の物語」を基にしたSFドラマ。球体型宇宙船で地球に飛来した知的生命体との対話に挑む、女性言語学者の姿を見つめる。メガホンを取るのは、『ボーダーライン』などのドゥニ・ヴィルヌーヴ。『ザ・マスター』などのエイミー・アダムス、『アベンジャーズ』シリーズなどのジェレミー・レナー、『ラストキング・オブ・スコットランド』などのフォレスト・ウィテカーらが結集する。

地球に飛来した知的生命体との対話に挑む、女性言語学者。人類に向けられた本当のメッセージとは…!?
前評判で難しい話とは聞いていましたが、確かに難解の映画であることは間違いないです。SF映画のような宣伝をしていますが、ヒューマン映画のようなラブストーリーのような。このシーンは過去なのか、現在なのか、未来なのか、頭の中に“?”マークが浮かびながら観てました。娘の存在が、どうこの映画に絡んでいくのか…最後まで観て「なるほど!そういう事か!」と思う部分もある一方で「やっぱり理解出来ない」という部分もあったり。全てが理解出来て納得できたわけじゃなかったけど、この映画が言いたかったメッセージは一応自分の中で理解したつもりです。“もしも未来を知ってしまったら、その未来を受け入れる覚悟があるか”。どんな困難が待ち受けていようとも、人はその未来を求める。考えれば考えるほど、この映画にはもっと深いメッセージが込められているかもしれないと思ってしまう。きっと良い映画なのだろう。しかし時系列が行ったり来たりしていて、混乱してしまうのが本音です。「だから何なの?」と物足りなさを感じます。あっ、中国推しのメッセージもよく伝わってきましたよ(笑)

この作品の評価・・・・★★★★★☆☆☆☆☆(満点は★10)
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ボクの妻と結婚してください。

2017年05月18日 17時27分40秒 | 映画評論ハ行
製作年:2016年
製作国:日本
日本公開:2016年11月5日
監督:三宅喜重
出演:織田裕二,吉田羊,原田泰造,込江海翔,森カンナ,大杉漣,高島礼子
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バラエティー番組の放送作家・三村修治は多忙な日々を送っていたある日、末期のすい臓がんで余命6か月と宣告されてしまう。ショックを受けながらも家族のため何ができるのか考えた彼は、自分の代わりに家族を支えてくれる人を見つけようする。そこで、以前一緒に仕事をしたことがあり、今は結婚相談所の社長である知多かおりに、自分がこの世を去った後の妻の結婚相手を探してほしいと頼み…。
テレビ業界の第一線をひた走る放送作家が余命宣告を受け、家族に残す「人生最期の企画」のため奮闘するさまを描いた樋口卓治の人気小説を映画化。愛する妻子の幸せのために、残された時間を使って妻の最高の結婚相手探しに奔走する主人公・修治を織田裕二が熱演。彼の妻を吉田羊、修治が見初めた妻の結婚相手を原田泰造、結婚相談所を営む修治の元仕事仲間を高島礼子が演じる。監督は『県庁おもてなし課』などの三宅喜重、脚本を『電車男』などの金子ありさが手掛ける。

余命宣告を受けた放送作家が、残された時間を使って妻の結婚相手を見つけようと奔走するお話。テーマとしては良い話だなと思いましたね。愛する妻のために新しい夫を見つけようなんて、なかなか決断できる事じゃないよなぁ。なんだか全体的に美談でまとまっている印象を持ちました。しかし現実問題、夫がこんな事をしようとしたら妻だったら「アンタ何考えてるの!」ってキレちゃいそうな気がするけども…。まぁ結果的には、妻も伊東さんも嘘を付いて行動していたのだけど、巻き込まれた伊東さんも知多さんも、よく了解したなと思ってしまいました。感動させよう泣かせようっていう演出が気になってしまいました。予定調和な展開が続きました。主人公が死ぬ間際まで元気そうだったのが、ちょっと違和感でした。普通に妻と伊東さんが本当に結婚して、天国の修治を想うっていう終わり方の方がシンプルで良かったのでは?良い映画だとは思うけどこの内容ならテレビの2時間ドラマでも良かったと思います。

この作品の評価・・・・★★★★★★☆☆☆☆(満点は★10)
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湯を沸かすほどの熱い愛

2017年05月16日 13時56分48秒 | 映画評論ヤラワ行
製作年:2016年
製作国:日本
日本公開:2016年10月29日
監督:中野量太
出演:宮沢りえ,杉咲花,伊東蒼,篠原ゆき子,駿河太郎,松坂桃李,オダギリジョー
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1年前、あるじの一浩が家を出て行って以来銭湯・幸の湯は閉まったままだったが、双葉と安澄母娘は二人で頑張ってきた。だがある日、いつも元気な双葉がパート先で急に倒れ、精密検査の結果末期ガンを告知される。気丈な彼女は残された時間を使い、生きているうちにやるべきことを着実にやり遂げようとする。
『紙の月』などの宮沢りえと、『愛を積むひと』などの杉咲花が母娘を演じ、余命宣告を受けた主人公の奮闘に迫る家族ドラマ。行方不明の夫を連れ戻すことをはじめ、最後の四つの願い事をかなえようと奔走するヒロインの姿を捉える。『チチを撮りに』などの中野量太が監督と脚本を担当し、物語を紡ぎ出す。母親と娘の強い絆はもとより、人生の喜怒哀楽を詰め込んだストーリーに夢中になる。

余命宣告を受けた母親と、その娘の絆を描いた本作。残された時間をどう生きるか…双葉が家族の為に決断し行動した事は、人として親として女性として凄いなと思いました。周りからいじめられても、人生上手くいかなくても、自分に負けたら駄目だ。毎日を一生懸命に生きる双葉の愛情は娘の安澄や周囲の人間たちに影響していきます。やっぱり母親って偉大なんだなと思いました。母親からの愛情を、時にはうっとおしいと思ってしまう事もわかる!だけど家族のために愛情を注ぐって本当に素敵です♪母娘を演じた宮沢りえと杉咲花、そしてオダギリジョーなど、みなさん演技がお上手でした。ただし、演出がちょっと古くさいように感じました。病室から下を見たら組体操って…(笑)お涙頂戴の演出がちょっと引っかかりましたね。子供がいるのにヒッチハイカーの男を乗せたりもどうなのかなと。最後の最後でタイトルの「湯を沸かすほどの熱い愛」が出ます。確かに湯を沸かすほどの熱い愛ってこういう事を言うのかと妙に納得してしまいました(笑)良い話だけど泣けるほどじゃなかったな

この作品の評価・・・・★★★★★☆☆☆☆☆(満点は★10)
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マンチェスター・バイ・ザ・シー

2017年05月15日 23時02分27秒 | 映画評論マ行
製作年:2016年
製作国:アメリカ
日本公開:2017年5月13日
監督:ケネス・ロナーガン
出演:ケイシー・アフレック,ミシェル・ウィリアムズ,カイル・チャンドラー,ルーカス・ヘッジズ
official site

ボストン郊外で便利屋をしている孤独な男リーは、兄ジョーの急死をきっかけに故郷マンチェスター・バイ・ザ・シーに戻ってくる。兄の死を悲しむ暇もなく、遺言で16歳になるおいのパトリックの後見人を引き受けた彼は、おいの面倒を見るため故郷の町に留まるうちに、自身が心を閉ざすことになった過去の悲劇と向き合うことになり…。
マット・デイモンがプロデューサー、ケイシー・アフレックが主演を務め、数々の映画賞を席巻した人間ドラマ。ボストン郊外で暮らす便利屋が兄が亡くなったのを機に帰郷し、16歳のおいの世話をしつつ自身が抱える過去のトラウマと向き合う姿が描かれる。メガホンを取るのは、『ギャング・オブ・ニューヨーク』などの脚本を担当してきたケネス・ロナーガン。共演には『ブルーバレンタイン』などのミシェル・ウィリアムズ、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』などのカイル・チャンドラーらが名を連ねる。

本年度アカデミー賞で主演男優賞、脚本賞に輝いた本作。兄が亡くなった事を機に故郷の町に帰り、甥の世話をしながら過去のトラウマを向き合おうとする男の姿を描いた物語です。トラウマを抱える人間たちの不器用ながらも前を向いて生きていこうとする姿がとても良かったです。「乗り越えられない…」劇中で一言、リーが言います。乗り越えられなくてもいいのかもしれない。乗り越えなくてもいいのかもしれない。後悔だったり、痛みや辛さを抱えながらでも日々を懸命に生きていくことが本当は大切なのかもしれない。マンチェスター・バイ・ザ・シーの凍えるような寒さと重なって、リーやパトリックの痛みがよく伝わってくる。パトリックが突然号泣する姿はピンと張っていた糸が切れた瞬間だったのだろう。誰が悪いわけでもない。自分を責めたって誰かを責めたって過去を変える事なんて出来ない。何があっても死んではいけない。生きていかなければいけない。僕自身も似たような経験があるので共感しました。静かで重くて暗い映画ですが、よく考えると深いテーマが詰まった作品だと気付かされます。最後には微かな光が見えました。でも淡々とし過ぎていて同じような展開が多いので137分はちょっと長く感じました。リーとパトリックは本当の親子にはなれない。けれど最後は親子以上に2人の絆は強くて切れないものになったと思います。

この作品の評価・・・・★★★★★★★☆☆☆(満点は★10)
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スプリット

2017年05月12日 22時58分53秒 | 映画評論サ行
製作年:2017年
製作国:アメリカ
日本公開:2017年5月12日
監督:M・ナイト・シャマラン
出演:ジェームズ・マカヴォイ,アニヤ・テイラー=ジョイ,ベティ・バックリー,ジェシカ・スーラ
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高校生のケイシーは、クラスメートのクレアの誕生パーティーに招待される。帰りは、彼女とクレアの親友マルシアをクレアが車で送ってくれるが、途中で見ず知らずの男性が車に乗り込んでくる。彼に拉致された三人は、密室で目を覚まし…。
『シックス・センス』などの鬼才M・ナイト・シャマランが監督、製作、脚本をこなして放つスリラー。女子高校生たちを連れ去った男が、23もの人格を持つ解離性同一性障害者だったという衝撃的な物語を紡ぐ。複雑なキャラクターを見事に演じ分けたのは、『X-MEN』シリーズなどのジェームズ・マカヴォイ。高校生対23の人格による激しい攻防戦に息詰まる。

多重人格の男によって監禁された女子高生3人の恐怖を描いた本作。M・ナイト・シャマラン監督作品って劇場で観るほど好きではないのだけど、全米で3週連続1位という宣伝文句に釣られて足を運びました。一言で言ってしまうと次回作のための繋ぎの作品です。23人の人格を持つ男は、次々と人格を変えて少女たちに接してきます。何と言ってもジェームズ・マカヴォイのキャラによって使い分けた演技は凄い!特にビーストは恐ろしい!まぁ23の人格と言いつつも出てきたのは4~5人でしたけどね(笑)ネタとしては面白いのだけど、展開が予想通りというか。やっぱりそうなるよねという流れ。サスペンス映画としては普通。動物園の地下にある部屋なんて、職員にすぐ見つかりそうな気もするし、どうやって女性3人を誰にも見つからずに運んだのかなと考えてしまったり。女子高校生の1人ケイシーの過去が徐々に明らかになっていくので、男との共通点があった点は面白かったかな。ラストのオチも、あの映画を観ていないから“ん?どういう事?”と思った(笑)結局ジェームズ・マカヴォイの怪演しか印象に残らなかった作品でした。

この作品の評価・・・・★★★★★☆☆☆☆☆(満点は★10)
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奴隷の島、消えた人々

2017年05月10日 16時45分59秒 | 映画評論タ行
製作年:2015年
製作国:韓国
日本公開:2017年1月17日
監督:イ・ジスン
出演:パク・ヒョジュ,ペ・ソンウ,イ・ヒョヌク,リュ・ジュンヨル

天然塩の生産地として知られる離島で起きた殺人事件のニュースが韓国内を駆け巡り、人々に衝撃を与える。さらに一般市民を驚かせたのは、塩田関連施設で知的障害のある人たちが人身売買により奴隷並みに強制労働させられていた現実だった。さらに事件を追っていたテレビ局の記者ヘリは、意識不明となってしまい…。
『極秘捜査』などのパク・ヒョジュをヒロインに迎え、韓国で実際に起きた事件を基に描く社会派ドラマ。知的障害のある人々が奴隷のように働かされる事実を取材する記者が遭遇した思いも寄らない出来事を、緊迫感あふれるタッチで映す。『私を忘れないで』などのペ・ソンウや『グローリーデイ』などのリュ・ジュンヨルらが共演。韓国社会の暗部をあぶり出す衝撃的な物語に戦慄が走る。

韓国で起きた実際の事件を基にした作品。障害者が奴隷のように働かされてるという情報を基に取材する記者たちに降りかかる恐怖を描く。ドキュメンタリーのようなモキュメンタリータッチで緊張感漂う演出で最後まで楽しめました。韓国の閉鎖的な島が舞台になっていますが、日本でも宗教団体であったり、地方の小さい村では、こんな事が今でも起きているのではないか?そんな事を考えると怖くなります。罪を隠すためには新たな罪を平気で犯す。人間の愚かさが浮き彫りに見える映画でした。徐々に島の住人たちの正体や、途中で起きる殺人事件の真相が明らかになっていきます。何か起こりそうな緊張感あるものの、殺人犯の正体が判明するラストまでは、何か欠けるものがあって物足りなさがありました。前半に何か引き付ける展開があれば良かったかも。犯人の正体が分かって驚きはありましたが、もう少し捻りがあれば良かったかと思います。

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ある戦争

2017年05月08日 21時43分23秒 | 映画評論ア行
製作年:2015年
製作国:デンマーク
日本公開:2016年10月8日
監督:トビアス・リンホルム
出演:ピルー・アスベック,ツヴァ・ノヴォトニー,ソーレン・マリン,シャルロット・ムンク
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アフガニスタンの平和を維持すべく駐留するデンマーク軍の部隊長クラウスは、母国に妻子を残し日々命懸けの任務に当たっていた。ある日パトロール中にタリバンの襲撃を受け、彼は発砲場所と考えられる地区への空爆命令を下すが、実際には民間人しかいなかった。クラウスは帰国後、子供を含む民間人11人を死亡させたことで軍法会議にかけられるが…。
『光のほうへ』『偽りなき者』などの脚本で知られるトビアス・リンホルムがメガホンを取り、第88回アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされたデンマークの戦争ドラマ。死と隣り合わせの中で部下を守るため、誤って民間人の命を奪ってしまった兵士の葛藤と家族の絆を、アフガニスタンの紛争地域と法廷を舞台に描く。苦悩する主人公を、リンホルム監督作『シージャック』などのピルー・アスベックが熱演。

第88回アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされたデンマークの戦争映画。民間人を殺してしまった兵士の葛藤と、家族との絆を描く。1人の兵士の命と引き換えに奪った11人の民間人の命…。国同士の争いで苦しむのは、いつも兵士や民間人。日本の自衛隊がこういう事に巻き込まれたら…と考えると怖くなりました。部隊長の苦悩は、観ているこちらまでも辛くなってくる。彼の行動は正しいと思う。しかし世間は彼を追及する。誰が正しい、誰が正しくないという事をこの映画は伝えたいわけじゃないと思う。戦争の無意味さをきっと伝えたいのだろう。正義とは何か?悪とは何か?それを決めるのは誰なのだろう…。戦場でのシーンは緊迫感があってドキドキしたけど、法廷シーンになってからは淡々とした場面が続いたので少し退屈気味。主人公のクラウスの人物像をもっと深く描いてくれていれば良かったかも。

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永い言い訳

2017年05月04日 01時07分56秒 | 映画評論ナ行
製作年:2016年
製作国:日本
日本公開:2016年10月14日
監督:西川美和
出演:本木雅弘,竹原ピストル,藤田健心,白鳥玉季,堀内敬子,池松壮亮,黒木華,深津絵里
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人気小説家の津村啓こと衣笠幸夫の妻で美容院を経営している夏子は、バスの事故によりこの世を去ってしまう。しかし夫婦には愛情はなく、幸夫は悲しむことができない。そんなある日、幸夫は夏子の親友で旅行中の事故で共に命を落としたゆきの夫・大宮陽一に会う。その後幸夫は、大宮の家に通い、幼い子供たちの面倒を見ることになる。
『ディア・ドクター』などの西川美和が、直木賞候補となった自らの小説を映画化。『おくりびと』などの本木雅弘を主演に迎え、交通事故で妻が他界したものの悲しみを表せない小説家が、同じ事故で命を落とした妻の親友の遺族と交流を深める様子を映す。共演は、『悪人』などの深津絵里とミュージシャン兼俳優の竹原ピストル。繊細で鋭い心理描写に定評のある西川監督によるストーリー展開に注目。

交通事故で妻を失った男と、同じ事故で命を落とした妻の親友の遺族との交流を描いた本作。大切な人を失うこと。受け入れなければならない現実と、受け入れたくない現実の狭間で悩む夫や子供たちと姿が何とも言えない切なさを感じました。幸夫の気持ち、陽一の気持ち、妻の気持ち、子供の気持ち、それぞれの気持ちに共感できるから、これがまた切ないのです。自己中な男・幸夫は他人を愛せないくせに、他人からは愛されたい思っている自分勝手な奴。そんな幸夫も少しだけ人間らしい感情が芽生えたように見えました。言い訳ばかりして生きてきた人間は、素直になれるスタートラインにやっと立てたのだろう。男の自分から見ると「あぁ、そういうのちょっと共感する…」と幸夫の気持ちも分からなくもないのね。男って単純で馬鹿だから(笑)本木雅弘の演技、そして西川監督の手腕が光った作品だと思います。

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