股間の解放記

普通の社会人PEKOの、日々思うことをつづっていきます。

逆転のトライアングル

2023年02月25日 23時51分16秒 | 映画評論カ行

製作年:2022年
製作国:スウェーデン/ドイツ/フランス/イギリス
日本公開:2023年2月23日
監督:リューベン・オストルンド
出演:ハリス・ディキンソン,チャールビ・ディーン,ウディ・ハレルソン

映画『逆転のトライアングル』 公式サイト

この転覆劇、あなたは笑えるか?!現代の超絶セレブを乗せた豪華客船が無人島に漂着。そこで頂点に君臨したのは、サバイバル能力抜群な船のトイレ清掃婦だった――。2月23日(...

映画『逆転のトライアングル』 公式サイト

 


モデルでインフルエンサーのヤヤは、恋人である男性モデルのカールと共に豪華客船のクルーズ旅行に招待される。リッチでクセの強い乗客はゴージャスな船旅を堪能し、客室乗務員は彼らから高額のチップをもらおうと笑顔を振りまきながら要望に応えていたが、ある夜に船が難破する。さらに海賊に襲われ、無人島に流れ着いた乗員乗客たちが食料、水、そしてSNSのない状況にあえぐ中、トイレ清掃員が圧倒的なサバイバル能力を発揮する。
第75回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞したコメディー。難破した豪華客船の乗客と乗員たちが漂着した無人島でサバイバル生活を送るうちに、思わぬ逆転現象が生じる。監督は『ザ・スクエア 思いやりの聖域』などのリューベン・オストルンド。『ブルックリンの片隅で』などのハリス・ディキンソン、『ドント・スリープ 蘇る悪夢』などのチャールビ・ディーンのほか、ドリー・デ・レオン、ウディ・ハレルソンらが出演する。

豪華客船が沈没し、無人島に流れ着いた乗員乗客たち。サバイバル生活が始まり思わぬ逆転現象が起きていくお話。予告編を観て面白そうと思いましたし、本年度アカデミー賞でも主要部門にノミネートされています。
ストーリーとしては予想していたものとは違っていました。そうじゃない感、これじゃない感。まず、カールが面倒くさい男なのは理解した。無人島でのサバイバル生活がどう展開していくのかワクワク期待していましたが、なかなか船が沈没しない(笑)まだかまだかと期待しているのに、印象に残るのはゲロとクソばかり…。前半のカールとヤヤのやり取りであったり、船内での乗員や乗客のトークに何か伏線があるのかと思っていたら、そうでもない。ゲロもクソも何の伏線でも無いとしたら逆に怖い。
格差社会、差別問題、社会風刺。皮肉がたっぷり入っているのは観ていて面白かったですし、無人島に流れ着いてからの立場が逆転していく展開も予想通りではありますが楽しめました。誰でもあんな状況に陥ったら、地位も、お金も、高価な時計も無意味になる。人間の欲とは恐ろしい。男・女・地位・金…使える武器は何でも使う。しかし全てを手にしてもキャプテンになれるわけじゃない。無人島でのシーンに時間をもっと尺を使ってくれたら良かったと思います。というか展開が無さ過ぎる。最後も…えっここで終わり?モヤモヤが残る終わり方だったが、最初から最後までカールの立場が全くといっていいほど逆転しないのは演出は良かったです。

ヤヤ役の女優チャールビ・ディーンさん、亡くなったんですね。お綺麗な方でした。

この作品の評価・・・・★★★★★☆☆☆☆☆(満点は★10)
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ボイリング・ポイント/沸騰

2023年02月20日 16時26分17秒 | 映画評論ハ行

製作年:2021年
製作国:イギリス
日本公開:2022年7月15日
監督:フィリップ・バランティーニ
出演:スティーヴン・グレアム,ジェイソン・フレミング,レイ・パンサキ

映画『ボイリング・ポイント/沸騰』公式サイト

2022年7月15日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国ROADSHOW

映画『ボイリング・ポイント/沸騰』公式サイト

 


一年で最も多忙なクリスマス前の金曜日、イギリス・ロンドンの人気レストラン。妻子と別居し疲れ果てていたオーナーシェフのアンディ(スティーヴン・グレアム)は、多くの予約によってスタッフたちが多忙を極める中、衛生管理検査で店の評価を下げられてしまうなど、次々にトラブルに見舞われる。そこへ、ライバルシェフが著名なグルメ評論家を連れて予告なしに来店し、彼に脅迫同然の取引を持ち掛けてくる。
イギリス・ロンドンの人気レストランを舞台に、オーナーシェフの波乱に満ちた一夜を描く人間ドラマ。クリスマス前の多忙な店内でさまざまなトラブルが巻き起こる様子を、ワンショットで映し出す。監督・脚本などは俳優としても活動するフィリップ・バランティーニ。主人公を『THIS IS ENGLAND』などのスティーヴン・グレアムが演じ、『ポルトガル、夏の終わり』などのヴィネット・ロビンソン、『エイリアンVSヴァネッサ・パラディ』などのジェイソン・フレミングらが共演する。

90分間のワンシーンワンカットの作品。クリスマスのディナータイムのレストランで巻き起こる騒動を描いた本作。限られた人間関係と空間の中で次々と起こる人間ドラマがワンシーンワンカットのためか、緊張感が増して楽しめました。人間だから好き嫌いもあれば得意不得意もある。
人間だから失敗することもある。そして人それぞれに沸点がある。労働環境、ドラッグ、ゲイ、SNS、リストカット、面倒な客、人種差別、プライベートの問題…みんな何かしらの不満を抱えながら生きている。このレストランで起きる事はシェフのアンディのミスと人間性が原因なのかと思いますが、それにしても従業員の質が低いなと感じてしまいました。こんなに仕事中にベラベラ私語を喋るお店は嫌だな。遅刻する、酒は飲む、喧嘩する、イチャイチャする、煙草吸う、ドラッグやる、知り合いのテーブルに座る…なんて店だ!!ラストも気になるところで終わってしまった。もうひと盛り上がりあっても良かったと思います。その後の彼らの生活が気になりました…
しかしながらワンカットで撮影された映像技術は素晴らしかったと思います。スタッフと出演者に拍手!

この作品の評価・・・・★★★★★☆☆☆☆☆(満点は★10)
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アントマン&ワスプ:クアントマニア

2023年02月19日 14時02分13秒 | 映画評論ア行

製作年:2023年
製作国:アメリカ
日本公開:2023年2月17日
監督:ペイトン・リード
出演:ポール・ラッド,エヴァンジェリン・リリー,マイケル・ダグラス

アントマン&ワスプ:クアントマニア|シリーズ第3作|映画|マーベル公式

2023年2月17日(金)公開『アントマン&ワスプ:クアントマニア』公式サイト。「アントマン」シリーズ第3作目の最新作は新たな“アベンジャーズ”へと繋がる注目作!続編のキ...

Marvel Japan

 


アントマンことスコット・ラング(ポール・ラッド)は、実験中の事故に巻き込まれ、相棒のワスプことホープ・ヴァン・ダイン(エヴァンジェリン・リリー)や娘のキャシーらと共に量子世界に引きずり込まれる。未知の世界で彼らを待ち受けていたのは、征服者カーンだった。
マーベルのキャラクター・アントマンを実写映画化した『アントマン』シリーズの第3弾。体長1.5センチになれる特殊なスーツを身に着けた主人公が、量子世界に引きずり込まれてしまう。ポール・ラッド、エヴァンジェリン・リリー、マイケル・ダグラスらキャスト陣、監督のペイトン・リード、製作のケヴィン・ファイギも続投。ミシェル・ファイファー、ジョナサン・メジャース、キャスリン・ニュートン、ビル・マーレイらもキャストに名を連ねる。

シリーズの第3弾。マーベル作品の中では短めの2時間5分!これくらいの上映時間がいいのよ!膀胱に優しいマーベル作品。
アントマンさんちの娘さん、いつのまにか大人になってましたね。事故によって量子世界に引き込まれてしまった主人公のスコットや娘のキャシーたち。そこには世界征服を企む征服者カーンがいたのです。マーベル作品の中では割とシンプルな物語でした。一言で言うと、短めのスターウォーズって感じ。量子世界に飛ばされちゃうけど、量子世界の中にも文明が発達していて部族がたくさんいるんですね。もう何でもありじゃん!異世界、宇宙、水中、そして量子って…もうそろそろお腹いっぱいです(笑)
アントマンシリーズは家族愛に焦点を当てているので、今回も親子の絆が深く描かれていました。娘を救うために命懸けで戦うスコットは頼りなさそうに見えて頼りになるヒーロー。カッコいいお父さんでした。展開としては今までのマーベル作品で見覚えがあるような予定調和で、やっぱりそうなるかという展開が多かったです。今回もアリさんたちの大行進が凄い。虫が苦手な人は注意ですよー。アベンジャーズの超大作感を見させられているから、やっぱりスケールの小ささが否めないのです。
そして今回から登場した新キャラのカーン。史上最強の敵のような扱いになっていますが、個人的には「ん?強いのか?」と思ってしまいました。すごい特殊能力を持っているのに、なぜ使わずに見てるだけなのだろうかと、ツッコミを入れたくなる場面が。別の世界でアベンジャーズをたくさん殺したと言っていたが本当は弱いんじゃないの?今後の作品にもカーンは登場するみたいなので、これからの活躍に期待ですね。

穴7個あるか数えちゃったよ

この作品の評価・・・・★★★★★★☆☆☆☆(満点は★10)
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス

2023年02月18日 14時05分11秒 | 映画評論ア行

製作年:2022年
製作国:アメリカ
日本公開:2023年3月3日
監督:ダニエル・クワン,ダニエル・シャイナート
出演:ミシェル・ヨー,ステファニー・スー,キー・ホイ・クァン

映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』公式サイト

マルチバースとカンフーで世界を救え?!スタジオA24(「ミッドサマー」)が贈る空前絶後のアクション・エンターテイメント、降臨。2023年3月3日(金)公開

映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』公式サイト

 


エヴリン(ミシェル・ヨー)は優柔不断な夫ウェイモンド(キー・ホイ・クァン)と反抗期の娘、頑固な父と暮らしながら、破産寸前のコインランドリーを経営している。税金申告の締め切りが迫る中、エヴリンはウェイモンドに並行世界に連れて行かれる。そこでカンフーマスターさながらの能力に目覚めたエヴリンは、全人類の命運を懸けて巨大な悪と闘うべく立ち上がる。
『ムーンライト』『ミッドサマー』などのA24が製作し、『スイス・アーミー・マン』などのダニエル・クワンとダニエル・シャイナートが監督を務めるアクションコメディー。破産寸前のコインランドリーを経営している女性が、並行世界で驚異的な身体能力を得て人類を救うための闘いを繰り広げる。主人公を『グリーン・デスティニー』などのミシェル・ヨーが演じ、『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』などのキー・ホイ・クァンや『ハロウィン』シリーズなどのジェイミー・リー・カーティスらが共演する。


試写会にて鑑賞。本年度アカデミー賞最有力とも言われている本作。
マルチバースに飛ばされた経営者の女性が超人的な能力を手に入れて、人類を救う戦いを繰り広げるお話。
なるほどー。これは好き嫌いが分かれそうな気がします。マルチバースが絡んでくると複雑な話なのかと予想していましたが、思っていたよりもシンプルなお話でした。そしてバカバカしさとお下品さが予想以上に強めでした。家族との繋がりであったり、人がお互いに優しく支え合うことの大切さが描かれていました。人間って強い面もあれば、弱い面もある。得意なこともあれば、不得意なこともある。マルチバースと絡ませて、家族や知り合いとの関係性が変化する演出はとても面白かったです。「あの時ああしておけば…」「あっちの道に進んでいれば…」今までの人生で数えきれないほどの分かれ道に立ったと思う。その道が正しかったのか間違いだったのかは分からないけど、選択し続けて今がある。過去に戻ってやり直したいと思うことはいっぱいあるけれど、いまを見つめて、いまある幸せを噛み締めようというメッセージ性を感じました。マルチバースはマーベル作品で嫌って言うほど見せられてきましたが、こんな使い方もあるのかと新鮮でした。60歳のミシェル・ヨーのアクションもカッコいい!
ただし、個人的には後半にいくにつれて、中だるみを感じてしまったのが残念。同じことの繰り返しの展開はちょっと退屈。小ネタが満載で楽しめましたがカオスな世界観をずっと見せられててちょっと理解しづらかったかなと思います。

この作品の評価・・・・★★★★★★☆☆☆☆(満点は★10)
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シャイロックの子供たち

2023年02月16日 13時13分33秒 | 映画評論サ行

製作年:2023年
製作国:日本
日本公開:2023年2月17日
監督:本木克英
出演:阿部サダヲ,上戸彩,玉森裕太,柳葉敏郎,杉本哲太,佐藤隆太,柄本明,橋爪功

映画『シャイロックの子供たち』公式サイト|2023.2.17[金]公開

「空飛ぶタイヤ」チーム再集結!池井戸潤の傑作群像劇、初の映画化。

映画『シャイロックの子供たち』公式サイト|2023.2.17[金]公開

 


ある日、東京第一銀行の小さな支店で、現金が紛失する事件が起きる。ベテランお客様係の西木(阿部サダヲ)は、同じ支店に勤める愛理(上戸彩)や田端(玉森裕太)と協力して事件の真相を探る。この支店には、出世コースから外れた支店長の九条(柳葉敏郎)、超パワハラ副支店長・古川(杉本哲太)、嫌われ者の本店検査部の黒田(佐々木蔵之介)らがいた。
池井戸潤の小説を原作に、とある銀行の支店で発生した現金紛失事件を描くミステリー。事件をきっかけに、複雑に絡み合う人々の思惑や欲望が浮き彫りになっていく。メガホンを取るのは『空飛ぶタイヤ』でも池井戸作品を映画化した本木克英。『アイ・アム まきもと』などの阿部サダヲ、『昼顔』などの上戸彩、『パラレルワールド・ラブストーリー』などの玉森裕太のほか、柳葉敏郎、杉本哲太、佐々木蔵之介らがキャストに名を連ねる。

松竹試写室にて試写会鑑賞。金と欲に塗れた人間たちの騙し合いがとても面白かったです。銀行の内部って普段は見ることは出来ないが、こういうドロドロしたドラマあるのかと思うと…いやっ実際はこんな事は無いだろうが…。悪いお金に手を出したらダメだし、返したらいいってものでもない。本当にその通りって納得してしまいました。ノルマ、パワハラ、いじめ、裏金、脅迫…現代社会に蔓延る様々な問題が描かれていたのが「こういう人いるよねー」と同じ社会人として共感してしまう部分もありました。
期待していた池井戸潤作品お決まりのスカッとするどんでん返しが無かったのは勿体ないなと思いましたし、緊張感ピリピリ感が弱めでした。一部の人のその後が回収されてなかったのが気になった。
しかし演技派俳優陣の騙し合いは見応え十分で最後まで楽しませていただきました。軽めの池井戸作品といったところでしょうか。

この作品の評価・・・・★★★★★★☆☆☆☆(満点は★10)
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バビロン

2023年02月15日 00時32分33秒 | 映画評論ハ行

製作年:2022年
製作国:アメリカ
日本公開:2023年2月10日
監督:デイミアン・チャゼル
出演:ブラッド・ピット,マーゴット・ロビー,ディエゴ・カルバ,ジーン・スマート

映画『バビロン』公式サイト

ブラッド・ピット主演×『ラ・ラ・ランド』デイミアン・チャゼル監督初タッグ!誰も体験したことのない夢と音楽に彩られた最高のショーが幕を開ける 映画『バビロン』大ヒッ...

映画『バビロン』公式サイト

 


1920年代のアメリカ・ハリウッド。スターを夢見る新人女優のネリー(マーゴット・ロビー)と映画製作を目指す青年マニー(ディエゴ・カルバ)は、大スターのジャック(ブラッド・ピット)が開いたパーティーの会場で出会い、親しくなる。恐れを知らないネリーはスターへの階段を駆け上がり、マニーもジャックの助手となる。そのころ、映画業界はサイレント映画からトーキー映画への転換期に差しかかっていた。
『セッション』『ラ・ラ・ランド』などのデイミアン・チャゼル監督が、1920年代のハリウッド黄金時代の内幕を描いたドラマ。サイレント映画の大スター、大胆不敵な新人女優、映画製作を夢見る青年が、サイレントからトーキーへと移り変わる激動の時代を生きる。出演は『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』などのブラッド・ピットや『スーサイド・スクワッド』シリーズなどのマーゴット・ロビーのほか、ディエゴ・カルバ、トビー・マグワイア、キャサリン・ウォーターストン、オリヴィア・ワイルドなど。

ハリウッド黄金時代の表と裏を描いた豪華絢爛なドラマ。本年度アカデミー賞では主要部門にノミネートされなかったのは意外でしたが、本作を観ると「ん~、たしかに期待していた程じゃないのかな」というのが個人的な感想です。最初から最後まで音楽とダンス、そしてエロ・グロで楽しませてくれましたが3時間の長さのわりにはもう一捻り欲しかったところ。『セッション』『ラ・ラ・ランド』のようなテンポの良さが本作では足りなかった気がします。
とは言いつつもハリウッド黄金期の光と影の物語は映画ファンとしては見応えを感じました。サイレント映画からトーキー映画に変わる時代の物語。サイレント映画の大スターであるジャック、女優を夢見るネリー、映画製作を目指すマニー。映画業界に関わる3人の栄光と挫折が描かれています。豪華絢爛!狂喜乱舞!もうキラキラし過ぎていてショーを見ているかのような演出は見事でした。マーゴット・ロビーのぶっとび感は好き(笑)夢が溢れた輝かしく見える映画の世界の裏では、憎しみ、裏切り、セックス、ドラッグ…。撮影中に人が死んでも撮影を続けるなんて昔は当たり前だったのだろう。映画の撮り方に驚かされるシーンもありました。ただし、3時間のあるなら主要3人の人物背景をもう少し詳細に描いてほしかったなと思います。
映画は常に新しく進化し続けている。だから僕ら観客は新しい映画を観るたびにワクワクドキドキさせられる。その一方で変化についていけない人間もいる。一世を風靡した映画スターのジャックも、夢を追いかけるネリーやマニーも…。映画を愛す、映画に愛される。数々の作品へのオマージュ、そして映画愛が溢れた作品であることは間違いありません!

この作品の評価・・・・★★★★★★☆☆☆☆(満点は★10)
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エゴイスト

2023年02月12日 13時13分28秒 | 映画評論ア行

製作年:2023年
製作国:日本
日本公開:2023年2月10日
監督:松永大司
出演:鈴木亮平,宮沢氷魚,中村優子,ドリアン・ロロブリジーダ,柄本明,阿川佐和子

映画『エゴイスト』オフィシャルサイト

愛は身勝手 /鈴木亮平 宮沢氷魚 原作:高山真「エゴイスト」(小学館刊) 監督・脚本:松永大司 脚本:狗飼恭子 音楽:世武裕子

映画『エゴイスト』オフィシャルサイト

 


東京の出版社で、ファッション誌の編集者として働く浩輔(鈴木亮平)。自由気ままな日々を送る彼だが、14歳で母を失い、田舎町でありのままの自分を隠しながら思春期を過ごした過去があった。ある日彼は、シングルマザーである母親を支えながら働く、パーソナルトレーナーの龍太(宮沢氷魚)と出会い、惹かれ合っていく。亡き母への思いを抱える浩輔は、母親に寄り添う龍太に手を差し伸べ、彼を愛する日々に大きな幸せを感じる。あるとき浩輔は、龍太とドライブの約束をするが、龍太はいつまでたってもやってこなかった。
エッセイスト、高山真の自伝的小説を実写化したドラマ。セクシャリティーを隠して生きてきた過去を持つ男が、ある青年に愛を注ぐ一方で言いようのない葛藤を抱える。メガホンを取るのは『Pure Japanese』などの松永大司。強がって生きてきた主人公を『俺物語!!』などの鈴木亮平、主人公と惹かれ合うパーソナルトレーナーを『his』などの宮沢氷魚が演じる。

同性愛の話なのに、途中からその事を忘れてしまうほど“愛するとは何か”“愛とエゴの境界線とは”を考えることに没頭していました。誰かを愛するとき、誰かを想うとき。誰もがエゴイストになってしまうのかもしれない。
人と人との繋がりって人それぞれだと感じました。愛で繋がっていたり、言葉で繋がっていたり、体で繋がっていたり、お金で繋がっていたり…。そこには正解・不正解が無く曖昧なのが人間なのだろう。自分が良いと思ってしていたことも、相手からしたら苦痛で重荷になっていることもある。優しさが愛情が、いつのまにかエゴになってしまっている切なさが浩輔、龍太、龍太の母親の関係性から痛いほど伝わってきました。大切な人との時間って永遠じゃないのなら、愛でもエゴでもいいから、一緒に過ごす時間を大切にしなきゃいけない。居酒屋でのシーン、手をつなぐシーン、家で煮物を食べるシーン、小銭を拾うシーンなど、何気ないシーンから浩輔や龍太の感情が伝わってきて見事でした。
生々しいシーンもあるが、この映画には必要なシーン。年齢、性別、血縁関係なんて関係ない。「愛がわからない」と思っていても、ちゃんと相手にはエゴではない愛が多かれ少なかれ伝わっている。それがこの映画の答えなのかなと思いました。人が人を愛することの素晴らしさをこの映画に教えてもらいました。

この作品の評価・・・・★★★★★★★★☆☆(満点は★10)
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ビースト

2023年02月10日 13時08分00秒 | 映画評論ハ行

製作年:2022年
製作国:アメリカ
日本公開:2022年9月9日
監督:バルタザール・コルマウクル
出演:イドリス・エルバ,シャールト・コプリー,イヤナ・ハリー
https://www.universalpictures.jp/micro/beast

医師のネイト・ダニエルズ(イドリス・エルバ)は娘二人と共に、亡き妻と初めて出会った南アフリカを旅行する。現地で狩猟禁止保護区を管理する旧友の生物学者・マーティンと再会した彼は、広大なサバンナでのドライブを楽しむ。そんなとき、密猟者の魔の手から生き延びたことで人間への憎悪を募らせた、魔獣と呼ばれる凶暴なライオンが出現し、ネイトは娘たちを守るため命懸けの闘いに身を投じる。
アフリカの広大なサバンナを舞台に、人間を憎む凶暴なライオンに遭遇した一家を描くサバイバルアクション。娘たちと旅行を楽しんでいた男が、現地の住民から魔獣と恐れられるライオンと死闘を繰り広げる。監督は『エベレスト 3D』などのバルタザール・コルマウクル、脚本は『ランペイジ 巨獣大乱闘』などのライアン・イングルが担当。『マンデラ 自由への長い道』などのイドリス・エルバ、『第9地区』などのシャールト・コプリーのほか、イヤナ・ハリー、リア・ジェフリーズらが出演する。

凶暴なライオンとの死闘を繰り広げるサバイバルアクション。こういう野獣パニック映画は個人的には好きなジャンルなのですが、ツッコミどころが多めのB級映画に仕上がっていました。とりあえず主人公一家の空気の読めない行動にイライラ(笑)「そこでそういう事するなよ!死にてぇのか!」と観ていてイライラしますよ。とりあえずドアも窓も早く閉めようよ!家族内のゴタゴタ話も邪魔なだけ。お母さんの映像いる?もっとライオンの凶暴性を見せてほしかったです。ていうか水の中にいたからワニが襲ってくるとずっと思ってました。
密猟者もあっけなく退場してしまったのも勿体ない。最後までツッコミどころは満載なのですが、最後のシーンは特に。凶暴なライオンなのに、主人公に遠慮してるの?ってくらいの攻撃力。いやつ一撃で殺せるだろうよ。オチも予想通りでした。CGが良かっただけに、脚本が残念でした。

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ザ・コントラクター

2023年02月09日 14時05分17秒 | 映画評論サ行

製作年:2022年
製作国:アメリカ
日本公開:2022年10月7日
監督:タリク・サレー
出演:クリス・パイン,ベン・フォスター,キーファー・サザーランド

映画『ザ・コントラクター』オフィシャルサイト

10月7日(金)新宿バルト9他 全国公開|クリス・パイン(『スター・トレック』シリーズ)主演 『ジョン・ウィック』のスタッフが仕掛けるリベンジ・アクション大作!

映画『ザ・コントラクター』オフィシャルサイト

 


特殊部隊所属のジェームス(クリス・パイン)は、軍事任務中の負傷を理由に強制的に除隊させられる。退職金も恩給も受け取れずに放り出された彼は、民間軍事組織のボスであるラスティ(キーファー・サザーランド)の依頼を受ける。ジェームスはかつての戦友マイク(ベン・フォスター)らと共に、テロ組織から生物兵器を奪取すべくベルリンに向かう。
『スター・トレック』シリーズなどで知られるクリス・パインが、請負人(コントラクター)を演じたリベンジアクション。民間軍事組織の一員として、危険な任務に就いた元エリート特殊部隊員が仲間の裏切りに遭い、し烈な戦いに単独で挑む。メガホンを取るのはタリク・サレー。『ガルヴェストン』などのベン・フォスター、『おみおくりの作法』などのエディ・マーサン、ドラマシリーズ「24 TWENTY FOUR」などのキーファー・サザーランドらが出演する。

クリス・パイン、相変わらずカッコいいなぁと終始思いながら鑑賞してました。笑わないクリス・パインもカッコええです。
危険に任務に就いた元特殊部隊のジェームスが、仲間に裏切られ独り熾烈な戦いに挑んでいく本作。まぁ、あるあるアクション映画といったところ。生物兵器が絡んだ危険な任務、裏切り、爆発、銃撃アクション…。ベルリンになかなか飛ばないなぁとイライラしてたらやっと飛んでくれた(笑)展開は分かりやすくていいのだけど、物語の背景が全然見えてこないので感情移入しづらかった。国?政府?組織?が絡んでいそうだけど、そこが全然描かれていない。ボスのラスティがあっさり退場してしまったけど、さらに上層部が絡んでいるんじゃないの?父親との過去のエピソードがちょいちょい入るけど、それも中途半端でした。アクションシーンはそれなりにスピード感があって良いのだけど、夜や地下水路などの暗めの場所でのアクションが多めなので何しているのか見にくい(笑)色々と物足りなさが残る地味・あっさり・薄口の作品でした。
ジェームスが立派な家に住んでるけど相当な金欠なのはどうしてよ?

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わたしは最悪。

2023年02月08日 16時06分26秒 | 映画評論ヤラワ行

製作年:2021年
製作国:ノルウェー/フランス/スウェーデン/デンマーク
日本公開:2022年7月1日
監督:ヨアキム・トリアー
出演:レナーテ・レインスヴェ,アンデルシュ・ダニエルセン・リー,ハーバート・ノードラム

映画『わたしは最悪。』公式サイト

7月1日(金)より、Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ他 全国順次ロードショー

映画『わたしは最悪。』公式サイト

 


30歳になったユリヤ(レナーテ・レインスヴェ)は人生の方向性が定まらず、これまでさまざまな才能を無駄にしてきた。一方、年上の恋人アクセルはグラフィックノベル作家として成功し、最近は家庭を持ちたがっている。ある夜、招待されていないパーティーに紛れ込んだ彼女は、若く魅力的な青年アイヴィンと惹(ひ)かれ合う。その後アクセルと別れ、新たな恋に踏みだしたユリヤは、その恋に人生の新たな展望を見いだそうとする。
『テルマ』などのヨアキム・トリアー監督がメガホンを取り、第94回アカデミー賞の脚本賞と国際長編映画賞にノミネートされたラブストーリー。30歳を迎え恋愛、キャリア共に思い通りにいかない女性が、現実にもがきながら自分を見つめ直す。ヒロインをトリアー監督作『オスロ、8月31日』などのレナーテ・レインスヴェが演じ、第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で女優賞を獲得。共演には『サマーフィーリング』などのアンデルシュ・ダニエルセン・リーらが名を連ねる。

30歳を迎えたヒロインが、自分の人生と現実を見つめ直す物語。30歳になって自分がどう生きるべきなのか。誰と、どこで、何をしているのが正解なのか。年齢性別関係なく、誰もが一度は考えることだろう。ユリヤは特にその思考が強いタイプなのかな。寂しがり屋?奔放?欲求不満?自己中?理想的な夢と理想的な男性を求めて探し、すぐに恋に落ちてしまうタイプのユリヤ。
美人で愛嬌もあるのに流されやすいというか欲しがりというか…。年上の漫画作家アクセルと意気投合して同棲し始めたと思ったら、売れっ子になったアクセルに引け目を感じるようになる。そんな時にパーティで出会ったバリスタのアイヴィンの居心地の良さに惹かれて、アクセルと別れてアイヴィンと一緒になる。それでもユリヤの気持ちは落ち着かない…。
個人的にはユリヤにイライラしてしまった部分が多かった気がしますが、女性が観たらユリヤに共感する部分もあると思います。ユリヤのような人が友達にいたら面白いかもしれないが、恋人っだったらイライラしちゃうな(笑)
最悪でも最低でもあるかもしれないが、でも日常の悩みや葛藤が淡々と描かれているところは良かったです。人生なんて選択の連続だ。後悔や過ちがあるからこそ人生は楽しいのかもしれない。

ユリヤもそうですが、自分らしさの旅って一生終わらない気がする…最悪。

この作品の評価・・・・★★★★★☆☆☆☆☆(満点は★10)
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TANG タング

2023年02月07日 21時10分03秒 | 映画評論タ行

製作年:2022年
製作国:日本
日本公開:2022年8月11日
監督:三木孝浩
出演:二宮和也,満島ひかり,市川実日子,小手伸也,奈緒,京本大我,武田鉄矢

映画『TANG タング』オフィシャルサイト。2023.1.6ブルーレイ&DVDリリース/デジタル配信!

映画『TANG タング』オフィシャルサイト。2023.1.6ブルーレイ&DVDリリース/デジタル配信!二宮和也×記憶をなくした迷子のロボット!人生の宝物を探す大冒険へー。

ワーナー・ブラザース映画

 


無職でゲームばかりしている春日井健(二宮和也)は、弁護士の妻・絵美(満島ひかり)に家を追い出されてしまう。人生の迷子状態になっている健は、ある日、記憶を失った迷子のロボットと出会う。健は「タング」と名乗るそのロボットと、冒険の旅に出る。
『母と暮せば』などの二宮和也が主演を務め、デボラ・インストールの小説「ロボット・イン・ザ・ガーデン」にアレンジを加えて映画化したヒューマンドラマ。キャリアウーマンの妻に家を追い出された無職の主人公が、記憶をなくした迷子のロボットと出会う。共演は満島ひかり、市川実日子、小手伸也など。監督を『きみの瞳が問いかけている』などの三木孝浩が務める。

無職の主人公と独りぼっちのロボットが出会い、旅に出る物語。どこか似ている2人の居場所探しと成長を描いています。逃げることも人生はおいては大事なこと!というメッセージが詰まった素敵な映画ではありましたが、子供向けって感じの作りでした。とにかくタングが可愛い!という印象しか受けないほど、ストーリーが安っぽい。家も立派だし、世界中を飛び回っていますが、ケン夫婦はかなりお金持ちみたい。かまいたちの2人が悪者として登場しますが、そのやり取りのネタが恐ろしいほど笑えない。笑いのネタも子供向けにしたのだろうか?登場人物が多いわりには、物語にあまり絡んでこなかったのが惜しいところでした。ケンもタングもいつのまにか絆が生まれた印象で、成長したかどうかも伝わりませんでした。奥さんも追い出したくせに、あんなすんなり受け入れるかな?予想通りの展開で最後の終わり方も悪くなかったし、家族で安心して観れるファミリー映画だと思います。ニノって老けないよねー

この作品の評価・・・・★★★★★☆☆☆☆☆(満点は★10)
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