製作年:2019年
製作国:日本
日本公開:2020年2月7日
監督:HIKARI
出演:佳山明,神野三鈴,大東駿介,渡辺真起子,熊篠慶彦,板谷由夏
映画「37seconds」公式サイト
23歳の貴田ユマ(佳山明)は、生まれたときに37秒間呼吸が止まったため、手足を自由に動かすことができない。親友で漫画家のゴーストライターをしているが、自分の作品を出せないことに複雑な気持ちを抱いていた。ユマは、過保護な母・恭子(神野三鈴)のもとで閉ざされた生活を送っている。
手足が不自由な主人公が外の世界へ飛び出す姿を描き、第69回ベルリン国際映画祭パノラマ部門最高賞(観客賞)などを受賞したヒューマンドラマ。障害者の主人公が成長していく過程が描かれる。監督はアメリカで映画を学び、本作で長編デビューを果たしたHIKARI。主演をオーディションで選ばれた実際に障害のある佳山明が務め、神野三鈴、大東駿介、渡辺真起子、渋川清彦、板谷由夏らが脇を固める。
生まれたときに37秒呼吸が止まったために障害を持って生まれた少女の成長を描いた物語。ドキュメンタリーを観ているような障害者の生活と苦労が描かれていてとても考えさせられました。障害者の“性”に関してもこういう現実あるのだと。障害者というだけで、見た目だけで判断されてしまう世の中で、色んなことが制限されてしまう主人公のユマ。周りに縛られることなく女性としてお洒落もしたいし恋もしたい。自分の好きなことをして好きなように生きていたいと思い始めた彼女は、母親の元から離れようとします。自由になりたいユマと、過保護な母親…それぞれの気持ちが理解できるからこそ切ない。外の世界に1人で飛び出したからこそ、人の優しさであったり、人それぞれの想いというものをユマは気付いたのかもしれません。「もし私が先に生まれてたら、ユカさんが私みたいになってたかもしれない。でも、私でよかった…」こんな言葉が言えるユマは本当に強くて優しい人間だと感じました。実際に手足が不自由な佳山明さんの演技は胸にグッとくるものがありました。
気になったのは介護士の男性との関係に何か進展があるのかと思いましたが何もなく。介護士がタイにまで同行してくれのは不思議でした。
障害を持つということ、障害者を家族に持つことについて考えさせられました。障害を持ってるからと同情したり憐れんだりしながら観るのではなく、ただただ前向きに日々を生きることの素晴らしさを教えてくれる映画でした。
この作品の評価・・・・★★★★★★★☆☆☆(満点は★10)