股間の解放記

普通の社会人PEKOの、日々思うことをつづっていきます。

アーミー・オブ・ザ・デッド

2021年05月27日 16時52分27秒 | 映画評論ア行

製作年:2021年
製作国:アメリカ
日本公開:2021年5月21日
監督:ザック・スナイダー
出演:デイヴ・バウティスタ,エラ・パーネル,真田広之

ゾンビの大量発生によって世界中が大混乱に見舞われる中、隔離地帯となったラスベガス。ある金庫に膨大な金品が眠っているのを知った男は、傭兵(ようへい)軍団を結成して強奪計画をスタートさせる。くせ者ばかりの傭兵部隊が荒廃したラスベガスに侵入して金庫へと近づくが、ゾンビの群れが一斉に襲いかかってくる。
『ファイナル・スコア』などのデイヴ・バウティスタ主演によるアクションホラー。ゾンビがひしめくラスベガスにある金庫から金品を奪おうとする傭兵(ようへい)部隊の姿を描く。メガホンを取るのは『ジャスティス・リーグ』などのザック・スナイダー。『チャーチル ノルマンディーの決断』などのエラ・パーネル、『亡国のイージス』などの真田広之、『レッド・バロン』などのマティアス・シュヴァイクホファーのほか、ギャレット・ディラハント、アナ・デ・ラ・レゲラらが出演する。

ゾンビが大量発生したラスベガスを舞台に、カジノ金庫に眠る大金を奪おうとする部隊の姿を描いたアクションホラー。スナイダー監督がデビュー作の「ドーン・オブ・ザ・デッド」以来となる、久々に手がけたゾンビ映画。やっぱりゾンビは走ってくれたほうが怖さが増す!内容は王道のゾンビ映画でした。お決まりの裏切りがあったり、この人死ぬだろうなぁと思う人が死んでいくお決まりの展開。他のゾンビ映画で観たことがあるような設定をこれでもかと詰め込んだような印象。色々ありすぎて個々のキャラクターの描写が弱い。しかしゾンビ軍団の中でリーダーがいたり、生殖能力があったり、感情があったりと、新鮮な部分のあったのは楽しめました。ゾンビタイガーはカッコいいし、ゾンビは太陽に当たると干からびてしまうけど雨が降ると復活するという意外な事実も知れました(笑)コメディ要素もあるけど、しっかりグロいシーンもあるのでホラーなのでしょうね。
しかしゾンビから逃げるのに2時間半はさすがに長い!この内容なら90分が妥当でしょう。娘よ、勝手に行動するなよ!ヘリに乗っていた子供がいるお母さんは結局死んじゃったのかな?

この作品の評価・・・・★★★★★☆☆☆☆☆(満点は★10)
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STAND BY ME ドラえもん 2

2021年05月26日 22時43分41秒 | 映画評論サ行

製作年:2020年
製作国:日本
日本公開:2020年11月20日
監督:山崎貴,八木竜一
出演:水田わさび,大原めぐみ,かかずゆみ,木村昴,関智一,宮本信子,妻夫木聡
映画『STAND BY ME ドラえもん 2』公式サイト

のび太は、幼稚園のころに他界したおばあちゃんが繕ってくれた、くまのぬいぐるみを見つける。大好きだったおばあちゃんを思い出したのび太は、タイムマシンを使って再会したいと考え、様子を見たらすぐに帰るとドラえもんを説得して3歳だったころの過去に戻る。のび太は陰から様子をうかがっていたが、おばあちゃんに見つかってしまう。
3DCGアニメ『STAND BY ME ドラえもん』のシリーズ第2弾。原作コミックの一編「おばあちゃんのおもいで」を基に、タイムマシンで過去に戻ったのび太と、亡くなった祖母の再会を描く。『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』でも組んだ山崎貴と八木竜一が前作に引き続き監督を務める。

個人的にドラ泣きしなかった3DCGアニメ『STAND BY ME ドラえもん』のシリーズ第2弾。ファンの中でも人気のある「おばあちゃんのおもいで」を基に、のび太とドラえもんが過去に戻って亡くなった祖母と再会する物語を描いています。残念!今回もドラ泣きせず!と言うより、のび太が大人になっても成長してなくて、結婚式に来ないってところから観ていてイライラしちゃいました。しかもしずかちゃんとの結婚式に出ない理由が「このまま結婚していいのか分からない」って何なんだよもう!(笑)それがのび太らしいって言ったらそうなんだけどさ…。僕がしずかちゃんだったらグダグダな結婚式に嫌気がさしそう。
おばあちゃんとの思い出も無理やりくっ付けたような感じで、良い話だけど感動するほどじゃない。タイムマシンを使って、未来と現在を行ききするのだけど時間軸が少々ややこしくて大人でもすぐに理解できないのもマイナスポイント。今回はタイムマシン使いまくりだなという印象。観終わって振り返ると、映画にするほどのエピソードじゃなかった…
菅田将暉の主題歌はすごく良かった!!

この作品の評価・・・・★★★★★☆☆☆☆☆(満点は★10)
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エイブのキッチンストーリー

2021年05月24日 23時51分19秒 | 映画評論ア行

製作年:2019年
製作国:アメリカ/ブラジル
日本公開:2020年11月20日
監督:フェルナンド・グロスタイン・アンドラーヂ
出演:ノア・シュナップ,セウ・ジョルジ,ダグマーラ・ドミンスク
映画『エイブのキッチンストーリー』公式サイト

ニューヨーク・ブルックリンで生まれ、イスラエル人の母とパレスチナ人の父のもとで育った12歳の少年エイブ(ノア・シュナップ)。文化や宗教の違いから対立する家族に悩まされる日々を送る中、彼にとって唯一の心のよりどころは料理を作ることだった。ある日、チコ(セウ・ジョルジ)という世界各地の味を掛け合わせたフュージョン料理を作るブラジル人シェフと出会う。エイブは自分にしか作れない料理を編み出し、それを家族に食べてもらうことでバラバラだった皆を一つにしようと考える。
世界各地の味を融合させたフュージョン料理を題材にしたドラマ。フュージョン料理に出合った少年が、すれ違いを繰り返す家族の絆をさまざまな料理でつなぎ直していく。監督はフェルナンド・グロスタイン・アンドラーヂ。ドラマシリーズ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」などのノア・シュナップ、『シティ・オブ・ゴッド』などのセウ・ジョルジらが出演する。

喧嘩が絶えない家族の絆を料理で取り戻そうとする少年の姿を描いた本作。宗教や文化の違いのせいで、すれ違いばかりの家族。難しい問題だけど少年のエイブの「フュージョン料理で家族を笑顔にしたい」という素直な想いによって徐々に周囲に変化が起きてくるのです。子供がこんなに素直で良い子なのに、大人はこういう時に自分の意見を通そうとするんだよね。子供の前で大喧嘩なんてしちゃダメだろ。宗教だからどうすることも出来ないことも多いけど、家族とか人生ってそれ以上に大切なものがあるのだと考えさせられた作品でした。でも後半は駆け足気味。あんなに喧嘩してた家族があっさり仲直りしたのがちょっと違和感を感じてしまった…。
登場する料理は美味しそうでした!そしてエイブ役のノア・シュナップ君がめちゃ美少年!将来どんなイケメンになるのか期待です!

この作品の評価・・・・★★★★★☆☆☆☆☆(満点は★10)
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ファーザー

2021年05月17日 21時28分16秒 | 映画評論ハ行

製作年:2020年
製作国:イギリス/フランス
日本公開:2021年5月14日
監督:フロリアン・ゼレール
出演:アンソニー・ホプキンス,オリヴィア・コールマン,マーク・ゲイティス
映画『ファーザー』オフィシャルサイト

ロンドンで独りで暮らす81歳のアンソニー(アンソニー・ホプキンス)は、少しずつ記憶が曖昧になってきていたが、娘のアン(オリヴィア・コールマン)が頼んだ介護人を断る。そんな折、アンが新しい恋人とパリで暮らすと言い出して彼はぼう然とする。だがさらに、アンと結婚して10年になるという見知らぬ男がアンソニーの自宅に突然現れたことで、彼の混乱は深まる。
世界中で上演された舞台を映画化したヒューマンドラマ。年老いた父親が認知症を患い、次第に自分自身や家族のことも分からなくなり、記憶や時間が混乱していく。原作を手掛けたフロリアン・ゼレールが監督と脚本を担当し、『羊たちの沈黙』などのアンソニー・ホプキンスが父親、『女王陛下のお気に入り』などのオリヴィア・コールマンが娘を演じ、『SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁』などのマーク・ゲイティスや、『ビバリウム』などのイモージェン・プーツらが共演する。

認知症を患い、記憶を無くしていく主人公の姿を描いた本作。今年度のアカデミー最優秀主演男優賞のアンソニー・ホプキンスの演技が素晴らしかった。認知症、そして老いという現実。他人事とは思えないような気持になり、切なくもあり悲しくもあり。アンソニーにとっては娘と思っていた人物が急に別人になったり、見えてた人が見えなくなったり、自分の家だと思っていたのに違っていたり…。サスペンスホラー映画のような演出に「これはもしかしてサスペンス映画か!?」と思ってしまったが、実際に認知症の人にとっては、これが日常的に起きているのかもしれない。自分の目に映るものを信じていいのか分からない。そうだとしたら恐ろしいし切ない。観ているこちらも、何が正しいのか分からないまま物語は進んでいきます。まるで認知症の疑似体験をしているような感覚。そして家族の視点からも描かれているのも良い。双方の苦悩が丁寧に描かれています。これこそ監督の意図なのだろう。観終わったあとで胸が苦しくなり、少し落ち込みました。でも他人事じゃない話。自分の親がもしも認知症になったらこの映画を思い出します。傍に寄り添いたい。観て良かった映画でした。
子供に戻ってしまって「ママ…ママ…」と泣くアンソニーの姿がまた切ない。アンソニー・ホプキンスってやっぱり凄い俳優なんだな。

この作品の評価・・・・★★★★★★★☆☆☆(満点は★10)
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ズーム/見えない参加者

2021年05月15日 17時02分35秒 | 映画評論サ行

製作年:2020年
製作国:イギリス
日本公開:2021年1月15日
監督:ロブ・サヴェッジ
出演:ヘイリー・ビショップ,ジェマ・ムーア,エマ・ルイーズ・ウェッブ
映画『ズーム/見えない参加者』公式サイト

新型コロナウイルスの流行でロックダウン下のイギリス。定期的にZoomを介して集まっている友人同士のグループが、霊媒師をゲストに招いてZoom交霊会を開催することに。和やかな雰囲気の中、Zoom交霊会はスタートするが、それぞれの部屋で不思議な出来事が起こり始める。霊媒師が除霊を行うも効果はなく、事態はますます激しさを増していく。
新型コロナウイルスの影響によりロックダウン中のイギリスを舞台に、全編がウェブ会議ツール「Zoom」で撮影されたホラー。Zoomを介して集まった友人同士が交霊会をしていると、それぞれの部屋で怪現象が起こり始める。監督は『ストリングス(原題)』が英国インディペンデント映画賞レインダンス賞を受賞したロブ・サヴェッジ。出演はヘイリー・ビショップ、ジェマ・ムーア、エマ・ルイーズ・ウェッブなど。

新型コロナウイルスによるロックダウン中のイギリス。ウェブ会議ツールのZoomを使用中に起こる怪現象を描いたホラー。コロナ禍の今だからこそ作られた作品でしょう。このような手法の映画で思い出すのは傑作「search/サーチ」。「search/サーチ」の面白さには到底及ばないものの、恐怖のツボを押さえていて、Zoom機能を使った恐怖の演出に意外とハラハラさせられながら楽しめました。いつどこから襲ってくるのか分からない恐怖を68分という短さで仕上げたのも良かったのではないか。これが2時間だったら間違いなく飽きてた。まぁこの種類の作品にありがちな悪ふざけする奴がいたり、最後までカメラを手放さないで撮影しようとする奴ばかりなのは見て見ぬふりをしようか。霊が降りてくるまでちょっと長い。古典的な驚かせかたで新鮮味はないけど、暇つぶしには丁度いい映画でした。
最後のおまけ映像は蛇足だったかな…

この作品の評価・・・・★★★★★☆☆☆☆☆(満点は★10)
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君の誕生日

2021年05月14日 15時38分27秒 | 映画評論カ行

製作年:2019年
製作国:韓国
日本公開:2020年11月27日
監督:イ・ジョンオン
出演:ソル・ギョング,チョン・ドヨン,キム・ボミン,ユン・チャニョン
映画『君の誕生日』公式サイト

2014年4月16日、修学旅行中の高校生らを乗せたセウォル号が沈没し、多数の人が亡くなる。この事故で、ジョンイル(ソル・ギョング)とスンナム(チョン・ドヨン)は、息子のスホを失う。スンナムは息子の誕生日が近づくにつれその現実を突き付けられ、ジョンイルは事故当日に起きた出来事がきっかけで家族に負い目を感じ韓国を離れていた。ある日、ジョンイルが2年ぶりに韓国に戻ってくる。
多くの人が命を落としたセウォル号沈没事故を題材にしたドラマ。事故で息子を失った悲しみに沈む家族が、前を向こうとする。メガホンを取るのは、ボランティアとして事故の遺族と接してきたイ・ジョンオン。『名もなき野良犬の輪舞(ロンド)』などのソル・ギョング、『男と女』などのチョン・ドヨンのほか、キム・ボミン、ユン・チャニョン、キム・スジン、イ・ボンリョンらが出演している。

2014年のセウォル号沈没事故で息子を亡くした家族の悲しみと再生の物語。当時のニュース映像に衝撃を受けたのを今でも覚えています。
最愛の息子を突然亡くしたジョンイルとスンナム。息子の死を受け入れらないスンナムの苦しみや、すぐに駆け付けられなかったジョンイル。そして兄を失っても気丈に振舞おうとする妹。どこにぶつければいいのか分からない、それぞれが抱える苦しみ、そして事故のシーンは一切ありませんが、あの事故の悲劇の大きさが伝わってきました。最後まで悲しみや辛さはあるものの、スホの誕生日会のシーンは予想はしていたものの、やはり泣きそうになりました。スホの気持ちを詞にして読むシーンは特に…。スホはこれだけ多くの人に愛されていたのだと知った家族が少しだけ救われて、前を向けたシーンが印象的でした。色んな感情を持った人がいるし、人それぞれ受け止め方も違う。でも互いに悲しみや苦しみを共有し合える仲間が周りにいることって大切なんだなと思いました。淡々とした展開ですが、心にグサッとくるものがありました。
韓国映画界を代表するソル・ギョングとチョン・ドヨンの演技はやっぱり素晴らしかった!

この作品の評価・・・・★★★★★★☆☆☆☆(満点は★10)
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おとなの事情 スマホをのぞいたら

2021年05月13日 15時30分40秒 | 映画評論ア行

製作年:2020年
製作国:日本
日本公開:2021年1月8日
監督:光野道夫
出演:東山紀之,常盤貴子,益岡徹,田口浩正,木南晴夏,淵上泰史,鈴木保奈美
映画『おとなの事情 スマホをのぞいたら』オフィシャルサイト

1年ぶりに再会した3組の夫婦と独身の小山三平(東山紀之)がパーティーを楽しむ中、ある人物の提案をきっかけに、スマートフォンに届く電話やメールを公開し合うゲームが始まる。隠し事は何もないと言いつつも、実は全員が誰にも知られたくない秘密を抱えており、通知が届くたびに彼らの緊張感は増していく。やがて、あるメールによって楽しいはずのパーティーは大混乱に陥ってしまう。
スマートフォンの履歴をめぐり大騒動が巻き起こるイタリアのブラックコメディー『おとなの事情』を日本版にアレンジ。久々に集まった男女7人が互いのスマートフォンを見せ合うゲームを始めたことから、それぞれの秘密やうそが暴かれる。『小川の辺』などの東山紀之が主演を務め、『だれかの木琴』などの常盤貴子、『脇役物語』などの益岡徹のほか、田口浩正、木南晴夏、淵上泰史、鈴木保奈美らが出演。『世界から猫が消えたなら』などの岡田惠和が脚本、『ヒーローインタビュー』などの光野道夫が監督を務めた。

イタリアのブラックコメディー作品を日本版にリメイク。一応コメディ映画ってことなので、笑えるような話かと思っていましたが、これはホラーです(笑)再会した7人の男女のパーティーの最中、全員のスマホをテーブルの上に置いて、届いたメールは見せて、かかってきた電話はスピーカーにして皆に聞こえるようにするという流れになってしまいます。自分だったら絶対に嫌なんだけど…別にやましいことは無いけど…絶対に嫌だよって思うんだけど。笑える内容ならいいのですが、浮気やセクシャリティなど、続々と秘密が暴露されていきます。修羅場というか、もはや地獄絵図のような現場。こんなに互いの秘密を知ってしまったら、もう顔も見たくないしその場からすぐに帰りたくなりそうだけど、あれだけの暴露をしておきながら「あの頃は色々あったよねぇ~」と思い出話を始めていつのまにか何事も無かったかのように仲良しこよしに戻るという結末。許させないレベルの浮気をしておきながら、そのままパーティーを続けられるってもうこの人たち怖すぎるでしょ(笑)無理やりにハッピーエンドにしたせいか、観ている側にはモヤモヤしか残りませんでした。演技派の俳優陣の演技は楽しめました。やっぱり他人のスマホを見るって良い事ないな。
誰もiPhoneを持っていなかったのは配給がSONYだからという大人の事情なのか?

この作品の評価・・・・★★★★★☆☆☆☆☆(満点は★10)
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行き止まりの世界に生まれて

2021年05月12日 17時27分55秒 | 映画評論ア行

製作年:2018年
製作国:アメリカ
日本公開:2020年9月4日
監督:ビン・リュー
出演:キアー・ジョンソン,ザック・マリガン,ビン・リュー,ニナ・ボーグレン
映画「行き止まりの世界に生まれて」オフィシャルサイト

家庭環境に恵まれないキアー・ジョンソン氏、ザック・マリガン氏、ビン・リュー監督の3人の若者は、イリノイ州ロックフォードで暮らしている。厳しい現実から逃れるようにスケートボードに熱中する彼らにとって、スケート仲間はもうひとつの家族であり、ストリートこそが自分たちの居場所だった。やがて彼らも成長し、目の前に立ちはだかるさまざまな現実に向き合う時期がやって来る。
かつて繁栄したものの今は衰退した、アメリカの「ラストベルト(錆びついた工業地帯)」を舞台にしたドキュメンタリー。鬱屈(うっくつ)した思いをスケートボードにぶつけ、成長していく3人の若者の姿を映し出す。今回出演も果たすビン・リューが監督・製作・撮影・編集を担当し、キアー・ジョンソン氏とザック・マリガン氏らが共演。第91回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞と、第71回エミー賞の「Outstanding Documentary Or Nonfiction Special」などにノミネートされた。

スケボーに夢中になった3人の若者たちの成長を描いたドキュメンタリー。公園や道路でスケボーをすることで自分たちの居場所を作っていたキアー、ザック、ビンの3人。若さと勢いだけで過ごしていた日々が、大人になるにつれてそれぞれの環境に変化が生まれてくるのです。大人になってから分かる、自分の無力さ。あんなに自由に生きていたはずなのに、本当は出来ることをしていただけだった。だからといって自分のことは自分で解決しなきゃいけない。でも彼らを守ってくれる優しい社会であってほしいとも思いました。
3人それぞれの家庭問題によってその後の人生が変わっていっていきます。暴力に向き合おうとするビンや、父の偉大さに気付いたキアー。この2人に関しては可哀そうでもあり、素敵な話だと思いましたが、ザックに関しては自分のワガママのせいじゃないの?と思ってしまいました。まぁ、ザックのようなタイプがリアルな人間って感じもします。環境って大事なんだと再認識。もう少し共感できるかと思っていたので、ちょっと期待外れでした…。

この作品の評価・・・・★★★★★☆☆☆☆☆(満点は★10)
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朝が来る

2021年05月09日 19時17分05秒 | 映画評論ア行

製作年:2020年
製作国:日本
日本公開:2020年10月23日
監督:河瀬直美
出演:永作博美,井浦新,蒔田彩珠,浅田美代子,田中偉登,佐藤令旺,利重剛
映画『朝が来る』公式サイト

子供に恵まれなかった栗原佐都子(永作博美)と夫の清和(井浦新)は、特別養子縁組の制度を通じて男児を家族に迎える。それから6年、朝斗と名付けた息子の成長を見守る夫妻は平穏な毎日を過ごしていた。ある日、朝斗の生みの母親で片倉ひかりと名乗る女性(蒔田彩珠)から「子供を返してほしい」という電話がかかってくる。
ドラマ化もされた直木賞作家・辻村深月の小説を映画化。特別養子縁組で男児を迎えた夫婦と、子供を手放す幼い母親の葛藤と人生を描く。キャストは『八日目の蝉』などの永作博美をはじめ、井浦新、蒔田彩珠、浅田美代子ら。『殯(もがり)の森』などの河瀬直美監督がメガホンを取り、『凶悪』などの高橋泉が河瀬監督と共同で脚本を手掛けた。

子供に恵まれない夫婦が養子縁組で迎えた子供と、その子供を手放すことになった母親の葛藤を描いた本作。どうしても子供が欲しい願う夫婦にとっては念願の子供。血の繋がりなんて関係ない。命に代えてでもこの子を育てようと決意する栗原夫妻。そして愛する我が子を14歳で産み、養子に出したものの、我が子の事を忘れられずに再び子供を引き取ろうとする片倉ひかり。物語は2つの視点から描かれています。血の繋がらない家族と、親子の絆を失った母親。1人の息子を通して交錯する2人の母親の想いがとても切なく何とも言えませんでした。それぞれが抱えている葛藤や苦しみがとても丁寧に描かれていて、どちらにも感情移入してしまい、子供が欲しくても出来ない、子供を育てたいけど育てられない人が実際にいるだろうと考えるとまた胸が苦しくなります。そして色々と考えさせられました。2人の母親が痛みや苦しみを理解し合ったラストシーンが良かったです。
“なかったことにしないで”…それでいいんだよ。人生には色んな選択肢があって、一度決めた道であってもきっとまたどこかで道は繋がっている。正しいとか間違いとか、そんなのは無いのかもしれない。その時に出した答えが正解なのだから。「血縁?そんなもの超越している」という言葉に何故か涙腺がウルウルしてしまいました。
永作博美と井浦新の演技も良かったけど、やっぱり蒔田彩珠ちゃんの演技には吸い込まれました。明るく幸せな中学生から、自暴自棄に荒れていく姿の演じ分けが素晴らしかった!こういう映画を10代の若い子達に見せるべきだと思います。そして小さな命が救われて欲しいです。

この作品の評価・・・・★★★★★★★☆☆☆(満点は★10)
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るろうに剣心 最終章 The Final

2021年05月07日 21時22分28秒 | 映画評論ヤラワ行

製作年:2020年
製作国:日本
日本公開:2021年4月23日
監督:大友啓史
出演:佐藤健,武井咲,新田真剣佑,青木崇高,蒼井優,有村架純,江口洋介
映画『るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning』公式サイト

“人斬り抜刀斎”の異名で知られた緋村剣心(佐藤健)は、日本転覆を企てた志々雄真実と死闘を繰り広げた後、神谷道場でのどかに生活していた。あるとき、東京の中心部を何者かが連続して攻撃し、剣心と仲間たちにも危険が及ぶ。その事件は、剣心の過去と頬に刻まれた十字傷の謎に関わっていた。
和月伸宏のコミックを原作にしたアクションシリーズの最終章である2部作の第1弾。志々雄真実との死闘後、穏やかに暮らしていた緋村剣心たちに忍び寄る敵と、剣心の秘められた過去が明らかになる。監督は前3作に続いて大友啓史。主演の佐藤健をはじめ、武井咲、青木崇高、蒼井優、江口洋介らシリーズおなじみの俳優陣に加え、新田真剣佑が最凶の敵・雪代縁(えにし)役で出演する。

人気シリーズの4作目。毎度のことながらアクションや殺陣のシーンが迫力ありすぎる!佐藤健カッコ良すぎる!これは大きなスクリーンで観たほうが絶対に良いです。まぁあれだけ銃撃たれまくって一発も当たらないって人間じゃない気もするが…。るろうに剣心に関しては、今までのシリーズは全て観てきましたが、そこまで大ファンというわけじゃないので登場人物の背景描写などの細かいところは分かりません。それでもお馴染みのキャラクターから、お久しぶりのキャラまで、善と悪の構図が観ていて楽しめました。アクションシーンが多めだったせいか、人間ドラマの部分が少なくて少々物足りなかったです。最強の敵と言われる雪代縁は、個人的な剣心への恨みのせいか、前作の志々雄真実と比べると怖さや強さ、存在感が弱い気がする。
次回作の「The Beginning」で完結するこのシリーズ。今回も上手くまとまっていたと思います。次回作も映画館で観よーっと。

この作品の評価・・・・★★★★★★★☆☆☆(満点は★10)
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オクトパスの神秘 海の賢者は語る

2021年05月06日 16時16分22秒 | 映画評論ア行

製作年:2020年
製作国:南アフリカ
日本公開:2020年9月7日
監督:ピッパ・エアリック、ジェームズ・リード
出演:クレイグ・フォスター

南アフリカの美しい海を舞台に、映像作家の男性と1匹のタコの約1年間にわたる交流を描いたドキュメンタリー。映像作家のクレイグ・フォスターは人生に疲れ、癒しを求めて南アフリカの海に潜る日々を送っていた。そんなある日、海中で1匹のタコに出会った彼は、その驚異的な生態に魅了され、毎日そのタコのもとへ通い始める。クレイグはタコとの特別な絆を築いていく中で、自らの人生を見つめ直していく。第93回アカデミー長編ドキュメンタリー賞受賞。Netflixで2020年9月7日から配信。

1人の男性と1匹のタコの約1年間の交流を描いたドキュメンタリー。第93回アカデミー賞では長編ドキュメンタリー賞を受賞しました。今までの人生の中で90分間もタコの事だけを考えたのは初めてだ。とにかく“すごい!”という感想しか思いつかないほど、まるで人間の男女のラブストーリー映画を観たような感覚でした。毎日のように海に潜り、1匹のタコに会いに行く映像作家のクレイグ。最初は警戒していたタコでしたが、なんと自らクレイグの傍に寄ってきて手に乗っかってきたり、胸に飛び込んできたり。自然界にいるタコってこんなに懐く生き物なのか!?と驚かされました。クレイグは息継ぎをしなければいけないため水面に上がるのだが、その時にタコも付いてくるという奇跡。もうこれは相思相愛じゃないか!!「ちょっと気になる相手…」「やだっ驚かさないで!もう嫌い!」「ちょっと待てよ!もう一度チャンスをくれ!」「やっぱりあなたが好き!一緒にいたいわ♡」といったやり取りが人間とタコの間で行われているのだから凄い!!まぁタコの本音は誰にも分からないのだけど、こんなに警戒心が無いのだから本当にクレイグのことがお気に入りなのは間違い無いのだろう。
タコの生態について知ると、天敵がたくさんいる海の中で生き延びる術に、またしても驚かされる。擬態をしたり貝殻でガードしたり。時には足を食いちぎられても、体力を温存して新しい足が生えてくるなんて知らなかったです。犬や猫と同じぐらいの知能があるなんて初耳。吸盤を使ったコミュニケーション。タコとの出会いを通してクレイグが人生を見つめ直し、前に進もうとする姿もとても素敵でした♪最愛の彼女との別れは悲しすぎるが、これが自然界のルールなのだろう。自分が知らない未知の世界に飛び込めが道は開ける。命の大切さ、生きることの過酷さ、生かされていることの意味。クレイグに、そしてタコの彼女に教えられた気がしました。海中の映像の美しさにも癒されました。チビタコたちが大人になれますように…
これからタコ焼きを食べるたびに、この映画を思い出してしまいそうだ…いやっ、もうタコ焼き食えないよ(笑)

この作品の評価・・・・★★★★★★★☆☆☆(満点は★10)
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THE INFORMER/三秒間の死角

2021年05月03日 17時37分56秒 | 映画評論サ行

製作年:2019年
製作国:イギリス/アメリカ/カナダ
日本公開:2019年11月29日
監督:アンドレア・ディ・ステファノ
出演:ジョエル・キナマン,ロザムンド・パイク,コモン,アナ・デ・アルマス

自由と引き換えにFBIの情報提供者になった模範囚のピート(ジョエル・キナマン)は、最後の仕事として麻薬組織に潜入し、そこのリーダーから刑務所内の麻薬取引を管理するよう命じられる。彼は自身や家族に危険が迫ると感じて組織から抜けたいとFBIに申し出るが、捜査を取り仕切るモンゴメリー(クライヴ・オーウェン)はそれを許さず逆に仮釈放の取り消しをちらつかせる。ピートはやむを得ず刑務所に戻って捜査を続けるが、その動きをニューヨーク市警がマークしていた。
アンデシュ・ルースルンド、ベリエ・ヘルストレムの小説を原作にしたクライムサスペンス。FBIの情報提供者となった囚人に危機が待ち受ける。メガホンを取るのは、俳優としても活動している『エスコバル 楽園の掟』などのアンドレア・ディ・ステファノ。『ロボコップ』などのジョエル・キナマン、『プライベート・ウォー』などのロザムンド・パイクをはじめ、コモン、アナ・デ・アルマス、クライヴ・オーウェンらが出演する。

情報提供者になった囚人に迫りくる危機を描いたクライムサスペンス。緻密な計画を立てながらも、裏切られまくる主人公が可哀相でしたが、話としては盛り上がりそうで盛り上がらない展開でした。こういう主人公が嵌められて逃げる作品って結構よくある。FBI、NY市警、将軍…ちょっと組織や登場人物の関係性がややこしくて、結局誰が悪の親玉なのかが分かりづらい…。敵側の小者感が否めない。ピートの脱獄劇を期待したが意外とあっさり脱獄。タイトルにある“三秒間の死角”というのは後半のあの場面?タイトルにするほどの事ではないような。アクションシーンやスリリングな展開は良かったが、脚本が物足りなかったです。とりあえずピート役のジョエル・キナマンがイケメンってことは分かった。

この作品の評価・・・・★★★★★☆☆☆☆☆(満点は★10)
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私というパズル

2021年05月02日 12時45分51秒 | 映画評論ヤラワ行

製作年:2020年
製作国:アメリカ、カナダ、ハンガリー
日本公開:2021年1月7日
監督:コルネル・ムンドルッツォ
出演:ヴァネッサ・カービー,シャイア・ラブーフ,エレン・バースティン

出産を間近に控えるマーサ(ヴァネッサ・カービー)と夫のショーン(シャイア・ラブーフ)は自宅出産の準備を整えていたが、不運にも死産となってしまう。マーサは待ち望んだ子供を失った喪失感から心を閉ざし、ショーンとの間にも溝が広がっていく。そういった中で彼女は、母親(エレン・バースティン)やショーン、そして助産師(モリー・パーカー)らと向き合おうとする。
自宅出産で子供を亡くした女性が夫や母親との確執を抱えながら、深い悲しみを乗り越えようとする人間ドラマ。妻を演じたヴァネッサ・カービーは第77回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で最優秀女優賞を受賞し、『ハニーボーイ』で脚本家デビューを果たしたシャイア・ラブーフのほか、エレン・バースティン、モリー・パーカーらが共演。『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲(ラプソディ)』などの監督と脚本家、コルネル・ムンドルッツォとカタ・ヴェーベルが組み、製作総指揮にマーティン・スコセッシらが名を連ねる。

生まれてすぐに子供を亡くした女性が悲しみを乗り越えようとする姿を描いた本作。主演を務めたヴァネッサ・カービーは2021年度アカデミー賞主演女優賞にノミネートされました。自宅出産で我が子を失ったマーサ。子供を失った切望や、夫や母親との確執、そして助産師の責任を問う裁判…子供を亡くすだけでも計り知れない悲しみなのに、その後もマーサにとっては辛い苦しい日々が待っていたのです。マーサの心の叫びがとても繊細に描かれており、母親としての愛情と切なさが苦しいほど伝わってきました。冒頭の長回しの出産シーンはリアルすぎて圧倒されました。旦那もいい加減だし、金をもらってマーサの元を離れるという選択肢をしたが、それほど心身ともに疲労していたのかな。誰だって辛い現実から目を背けたくなるだろうし、誰かに罪をなすりつけたくなるもの。
相手の弁護人からの「指は10本あった?髪の色は?抱いたときの気持ちは?」という質問。なんて酷い言い方をするんだろうと思いましたが、それによって何かに気付いたマーサ。一時は自暴自棄になっていたマーサでしたが、“相手を赦すこと”、“たしかに私の元に生まれてきたという証”に気付いた時のマーサの表情がなんとも言えませんでした。ラストシーン。季節が変わり、橋が架かり、リンゴが実り…どんなに過酷な体験をしても、そこからまた人は成長できるのだと教えてもらった気がします。一度は崩れた橋だとしても、また橋を架ければいいのだ。死産という話から命を尊さを描いた良作でした。母親って強いんだな。

この作品の評価・・・・★★★★★★★☆☆☆(満点は★10)
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