製作年:2021年
製作国:日本
日本公開:2022年1月28日
監督:岸善幸
出演:有村架純,磯村勇斗,若葉竜也,マキタスポーツ,木村多江,森田剛
映画『前科者』|2022年1月28日(金) 全国ロードショー
罪を犯した者や非行歴のある者の更生、社会復帰を助ける保護司の阿川佳代(有村架純)は、さまざまな「前科者」のために日々奮闘していた。彼女が保護観察を担当する男で、職場のいじめにより同僚を殺害した過去のある工藤誠(森田剛)は、実直な生活態度で社会復帰も間近と見られていた。しかし、彼はある日突然姿を消し、再び警察に追われる身となってしまう。一方そのころ、街で連続殺人事件が発生し、捜査の進展につれ佳代の過去が明らかになっていく。
罪を犯した「前科者」たちの更生や社会復帰を手助けする保護司の奮闘を描く、香川まさひとと月島冬二による社会派コミックを映画化。かつて殺人を犯した男の社会復帰を支える主人公が、保護司としてさまざまな現実と向き合う。監督・脚本などを『二重生活』や『あゝ、荒野』シリーズなどの岸善幸が担当。自身も壮絶な過去を持つ主人公を『花束みたいな恋をした』などの有村架純、過去を背負いながらも彼女のもとで更生を目指す「前科者」を『ヒメアノ~ル』などの森田剛が演じる。
保護司という職業があることを知りませんでした。罪を犯した前科者の社会復帰を手助けする保護司の奮闘を描いた本作。『ヒメアノ~ル』に続き、再び犯罪者の役を演じた森田剛。『ヒメアノ~ル』の怪演は今でも忘れられません。今回も心に闇を抱えた工藤誠を見事に演じていました!有村架純演じる保護司の佳代の過去と、森田剛演じる工藤誠の過去が描かれており、どちらのストーリーも淡々としながらも、話が進むにつれて悲しみと怒りがこみ上げてくる演出で見応えがありました。誠に寄り添い続ける佳代の懸命な姿がとても良かった。でも前科者に寄り添うことの難しさも感じた。加害者は加害者を生み、被害者は被害者を生んでしまう。そして加害者は被害者になり、被害者は加害者となる。人生は不公平と言ってしまえば、そうなのかもしれない。誠と実の壮絶な過去を知ってしまうと、裁きと赦しのバランスが分からなくなりました。罪を犯した者を勝手に私たちは“悪者”と決めつけてしまう。果たしてそれが正しいのだろうか…観ていて考えさせられました。
映画あるあるなのだが、警察のポンコツっぷりが本作でも発揮されていたのが気になりました。犯人は最初のほうで予想が付いてしまうので謎解き要素は無かったのも残念なところ。メッセージ性は深いし、重厚な人間ドラマなのだけど、泣けるほどではなかった。色々とエピソードを詰め込み過ぎた感もありました。でも観て損はない作品です。
この作品の評価・・・・★★★★★★☆☆☆☆(満点は★10)