ロバート・ファン・ヒューリックの「ディー判事シリーズ」、
『螺鈿の四季』(ハヤカワ・ポケット・ミステリ) 。
知事として最初の任地・平来での激務で消耗したディー判事(狄仁傑)。
州都への出張の帰り、骨休めをするべく、
風光明媚の地、威炳に御忍びで滞在することに。
ディー判事が威炳県知事を訪ねると、体調が悪いのか、
何か様子がおかしい。
だが、法廷に持ち込まれた絹商人の「自殺」事件への
対処を見ると、執務に支障はないらしい。
ひょんなことから街の裏社会を牛耳る悪党一味のもとに
身を寄せることになったディー判事と副官の喬泰。
沼地で見つかった女性の死体をめぐる事件に巻き込まれてしまう。
ディー判事は事件の謎を解くことができるのか…
ポケミスの「ディー判事シリーズ」、
長編すべての翻訳が出そろうことになりました。
タイトルになっている螺鈿細工の四季屏風のいわくと、
最後の「ドンデン返し」の後味の苦さが秀逸です。
ストーリーの話から外れますが、
ファン・ヒューリック自身による挿絵の一枚に、
ディー判事と喬泰が大盛りの炒飯を食べる場面があります。
テーブルに置かれた大皿に山盛りの炒飯。
茶碗のような取り皿から箸を使って食べようとするディー判事。
中国では炒飯を箸を使って食べるんですね。
新しい発見でした。
さて、次はどの作品を読み返しましょうか。
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