作 安房直子
偕成社文庫
安房直子という名前を知ったのは、4年程前。以来いくつかの作品を読んできたが、この文庫は書店で初めて見かけ、その表紙に一目惚れして買った童話集。
1973年に筑摩書房から刊行された同作品集の表紙もそれなりに味わいがあるが今や絶版で、こちらの表紙の方が僕としては好みでもある。
雪窓
白いおうむの森
鶴の家
野ばらの帽子
てまり
ながい灰色のスカート
野の音
以上7つの物語から成るこの作品集、解説にもあるように遠くにいる人に対する想いを悲喜こもごもに描いていて、そして安房直子らしい不可思議さがそこかしこから匂い立っている。読み手はその霧のような捉え所のない雰囲気に呑まれ、キツネにつままれた感じに襲われるだろう。
僕にとって特に絶品なのは、以下の3作品。
“ 鶴の家 ”
最後の件が素晴らしく、それまでの経緯が非常に上手く昇華されている。構成が1番優れていると思う。
“ ながい灰色のスカート ”
ムソルグスキーの “ 展覧会の絵 ” を髣髴とさせるシーンがいくつか登場し、またスカートの主とやらが異常に不気味でその正体が果たして何であるのかと想像を掻き立てられる。
“ 野の音 ”
女性作家らしく、裁縫を話の軸に据えた哀しい物語。幻想性が秀でている事に加え、勇吉とおばあさん双方の想いが分かるだけに読んでいて辛い一面もある。
こうした作品群に触れると、大人と子供とを分けている日常、あるいは隔てて考える事自体が全て意味を成さないと感じて止まない。
そして安房直子が50歳で早世した事が、本当に悔やまれる。
偕成社文庫
安房直子という名前を知ったのは、4年程前。以来いくつかの作品を読んできたが、この文庫は書店で初めて見かけ、その表紙に一目惚れして買った童話集。
1973年に筑摩書房から刊行された同作品集の表紙もそれなりに味わいがあるが今や絶版で、こちらの表紙の方が僕としては好みでもある。
雪窓
白いおうむの森
鶴の家
野ばらの帽子
てまり
ながい灰色のスカート
野の音
以上7つの物語から成るこの作品集、解説にもあるように遠くにいる人に対する想いを悲喜こもごもに描いていて、そして安房直子らしい不可思議さがそこかしこから匂い立っている。読み手はその霧のような捉え所のない雰囲気に呑まれ、キツネにつままれた感じに襲われるだろう。
僕にとって特に絶品なのは、以下の3作品。
“ 鶴の家 ”
最後の件が素晴らしく、それまでの経緯が非常に上手く昇華されている。構成が1番優れていると思う。
“ ながい灰色のスカート ”
ムソルグスキーの “ 展覧会の絵 ” を髣髴とさせるシーンがいくつか登場し、またスカートの主とやらが異常に不気味でその正体が果たして何であるのかと想像を掻き立てられる。
“ 野の音 ”
女性作家らしく、裁縫を話の軸に据えた哀しい物語。幻想性が秀でている事に加え、勇吉とおばあさん双方の想いが分かるだけに読んでいて辛い一面もある。
こうした作品群に触れると、大人と子供とを分けている日常、あるいは隔てて考える事自体が全て意味を成さないと感じて止まない。
そして安房直子が50歳で早世した事が、本当に悔やまれる。
多分、娘が幼いときに買いためた絵本を選ぶときに見たんだと思います。
そうかー;;そんなに名作なんだ;;。買えばよかった。
私はどうしても「チビクロサンボ」などの、食品系に走ってしまいます(笑)
しまった~子どもの情操教育に失敗した気がしますw
“チビクロサンボ”は、僕は保育園児の頃に愛読していました。最近になってようやく復刊されましたね。昔の絵柄(僕の記憶にあるもの)とは違っているのが残念ではありますが…。