文 片山令子
絵 １００％ORANGE
白泉社
月刊誌MOEの２００５年３月号～２００６年１月号に、隔月に渡って連載された “ 妖精ノート ” を大幅に加筆修正して単行本化した、小さな小さな１３作品から成る物語集。
１００％ORANGEの絵は可愛らしく色彩も鮮やかで、見る者の心は自然と微笑む。それは幼い子供が描いたような風合いでもあるのだが、絵柄全体の構図が緻密に計算されているため印象に残りやすい。
また片山令子の文章は、仮に１００％ORANGEの挿絵がなかったとしてもそれだけで充分に引き立っている。詩人でもある彼女の気鋭が、特に各物語の後半部分で光っている。
つらつらと文章が綴られている物語だけではなく、中には漫画風に仕上げられたもの、詩そのものに絵を添えたようなものもあり、両作者の創意工夫が見受けられて好感が持てる。
幼き者が読む絵本というよりは、大人が読んで夜の眠りに就くための作品。
「汚れた水の上の泡みたいな軽い魂なら、ぷかぷか浮いて流されて生きていけばいいさ。だがね、上等の魂は少し重いんだよ」
落ち込んでいる人に、大切な人に贈りたくなるような絵本である。
絵 １００％ORANGE
白泉社
月刊誌MOEの２００５年３月号～２００６年１月号に、隔月に渡って連載された “ 妖精ノート ” を大幅に加筆修正して単行本化した、小さな小さな１３作品から成る物語集。
１００％ORANGEの絵は可愛らしく色彩も鮮やかで、見る者の心は自然と微笑む。それは幼い子供が描いたような風合いでもあるのだが、絵柄全体の構図が緻密に計算されているため印象に残りやすい。
また片山令子の文章は、仮に１００％ORANGEの挿絵がなかったとしてもそれだけで充分に引き立っている。詩人でもある彼女の気鋭が、特に各物語の後半部分で光っている。
つらつらと文章が綴られている物語だけではなく、中には漫画風に仕上げられたもの、詩そのものに絵を添えたようなものもあり、両作者の創意工夫が見受けられて好感が持てる。
幼き者が読む絵本というよりは、大人が読んで夜の眠りに就くための作品。
「汚れた水の上の泡みたいな軽い魂なら、ぷかぷか浮いて流されて生きていけばいいさ。だがね、上等の魂は少し重いんだよ」
落ち込んでいる人に、大切な人に贈りたくなるような絵本である。
今度是非読んでみたいです。
＞汚れた水の上の泡みたいな軽い魂なら、
＞ぷかぷか浮いて流されて生きていけばいいさ。
＞だがね、上等の魂は少し重いんだよ
深いですねー。
落ち込んだときの眠り薬のように
枕元にあるといいですね。
短いセンテンスにこめられた人生の真実を私も読んでみたくなりました＼(*^▽^*)ノ。
おんなのこの絵なんだろうけど
じっと見てるとおとこのこにも見えてくる。
そういう意図があるのかわかりませんが
たましいの両性具有的な全体性をイメージさせる表紙がとてもいいです。
こんど本屋さんで探してみます。
僕が１番胸を衝かれた文章は、本書の２１頁にあります。読み手は片山令子が詩人でもあるという事を、一等ここに知るでしょう。
１００％ORANGE（男女のユニット）のファンはとても多くて、僕は今回初めて彼等の絵本を買いました。
著作は沢山あるので、是非御覧になってみて下さい。
＞たましいの両性具有的な全体性をイメージさせる表紙
おぉ、そんな風に感じられるとは、ぱたぽんさんらしいですね！ さすが、着眼点というか感性が一味違いますね。１００％ORANGEのファンの中でも、そうした角度で触れている人はほとんどいないのではないでしょうか。
彼等の絵は、絵本だけではなくて雑誌の表紙にもなっていたりしますよ。