銀河夜想曲   ~Fantastic Ballades~

月が蒼く囁くと、人はいつしか海に浮かぶ舟に揺られ、
そして彼方、海原ワインのコルクに触れるを夢見、また、眠りにつく……

SAYONARA

2007年06月26日 01時34分13秒 | その他アニメ・漫画・アニメ映画
“ 銀河鉄道999 ” といえば、今更ここで細かく語る必要もない程に認知度が高く、非常に長く愛されている至高のアニメ作品である。

優れた映画やドラマ・アニメ等には印象的な音楽が付与されている事が多い。つまり、劇判音楽が秀逸であるかどうかでその作品の一価値が問われると言っても過言ではない。そして “ 999 ” もまたその例外ではなく、歌を例に取ると、佐々木功が歌うテレビ版のオープニング曲とエンディング曲、もしくはゴダイゴが歌う映画版(1979年公開)の主題歌が有名だが、もう1つ、隠れた名曲がある事をここに明記したい。1981年に劇場公開された “ さよなら銀河鉄道999 アンドロメダ終着駅 ” のエンディング曲、“ SAYONARA ” である。
歌詞自体は単純なのだが、しみじみとしたメロディーラインと歌声に言葉が乗ると、否が応でも胸が込み上げてくる。本作を観ていなくとも “ 999 ” の全体の筋を知っていれば、この歌を耳にしただけで鑑賞したような気になってしまう…。それだけこの歌には、想いの力が強く宿っていると言って差し支えないだろう。

作詞・作曲:メアリー・マッグレガー&ブライアン・ウィットカム&ディビッド・J・ホルマン
歌:メアリー・マッグレガー




ラロ ピアノ三重奏曲

2007年06月20日 02時54分24秒 | クラシック音楽
ラロというと専ら “ スペイン交響曲(ヴァイオリン協奏曲第2番) ” で有名だが、全3曲あるピアノ三重奏曲は先曲程のインパクトはないにせよ意外と粒揃いで、演奏会やCDでもう少し取り上げられても良いと思われる。必ずしも傑作であるとは言い難いのだが、室内楽作品を愛好する人が耳にしたら生演奏に触れてみたいという気にもなるだろう。
各作品は、

第1番 ハ短調 作品7
第2番 ロ短調 作品番号なし
第3番 イ短調 作品26

と、いずれもが短調であり、且つ4楽章構成になっている。
また、第1番と第2番が1850年頃に作曲されたのに対して、第3番は30年程経た1880年に完成されている。
第2番に作品番号が与えられていない理由は不明。

聴いていて特に感情を揺すぶられるのが、第1番の第1楽章。言葉にならない胸の痞(つか)え、人知れず胸の内で抗いながらも、結局は消し去る事のできぬ過ちの残像…。そうしたものが時折ふと姿を現す日常の中の自然と綾を成し、それが何ら作為なく生きていく人の絵姿となって浮かんでは消える。終盤に近付くにつれて想いの丈は声高に撒かれてゆき、その憤りとも悲愴ともつかない渦は最後の最後で噴出する。

トップ画像のディスクで演奏しているパルナッスス・トリオ(Trio Parnassus)は扇情的な演奏を主体としていないながらも、一貫して好感の持てるアプローチで以って作品を描いている。

尚、第3番の第2楽章を改作した管弦楽曲に、“ スケルツォ ” がある。




“ スプーンおばさん ” のオープニング曲とエンディング曲

2007年06月14日 23時42分53秒 | その他アニメ・漫画・アニメ映画
1983年4月から1984年3月まで、NHK総合で放映されていたアニメ “ スプーンおばさん ” 。1話の時間はオープニングやエンディングを含めて10分で構成され、全130話から成る。

エンディングの歌は知人がカラオケで歌っていた経緯もあって今でも耳に残っていたが、オープニングの歌を聴いたのは本作を観ていた子供の頃以来かもしれない。この度触れてみて、とても感慨深い。

  

オープニング:夢色のスプーン

エンディング:リンゴの森の子ねこたち



どちらも名曲だが、“ 夢色のスプーン ” の中間部、

でも だれか 知りませんか
しあわせと ふしあわせ かきまぜる


のメロディー運びが心に残る。転調の妙といったところだろうか。そしてこの曲は全体的に温かい雰囲気ではあるのだけれど、ほんの少しだけ切なさが混じっているように思われるのは、歳を経て聴き直したからだろうか。幼い時分には、今程までにその風合いを感じていなかったはず。

何度も繰り返し歌を聴いていたら、全話観たくなってしまった…。