銀河夜想曲   ~Fantastic Ballades~

月が蒼く囁くと、人はいつしか海に浮かぶ舟に揺られ、
そして彼方、海原ワインのコルクに触れるを夢見、また、眠りにつく……

生きてこそ

2014年07月31日 03時02分57秒 | 宮崎駿、その人と作品

「Le vent se lève, il faut tenter de vivre」


生きていれば、夢であろうが幻想だろうが、カプローニにだってマーニーにだって、菜穂子にだって会える。それは、出会えた当人にとっては本物なのだ。

かけがえのないものに焦がれるとき、夏は、一瞬から永遠に変容する。
風が、十二ヶ月の遡りを耳もとでささやく。





潮の満ち干き

2014年07月18日 01時27分17秒 | その他ジブリ作品
ハープの弦を弾くように
だれか私を迎えに来て
湖面に静かな心のさざなみ立てて



ハープの弦を撫でるように
あなた私を抱きしめて
夕陽の一瞬を髪留めに見立てて



ねぇ
指先に絡めた約束を
いつまでも
炎のように灯し続けて



どこかからか聴こえてくる寝息に
あなたを重ねて今日も眠る
私の帆船
心の随意に進んでゆくの
潮の満ち干きのように
あの日の
命の幻影のように



ハーピストの指をもった
繊細なあなた
湖面にきらめく永久の契りに
今もなお

青の慈しみ

2014年07月10日 03時51分25秒 | 散文(覚書)
夜の雨音はやさしくて
わたしの心のどこかにも
咲き遅れたあじさいが青にも紫にも重なって
雫の子たちと游んでるといいな



朝は必ずくるけれど
わたしの葉先に夢のカケラが残っていたら
きっとまたきっと夜に雨は降る



木漏れ陽が雫の中でささやくのは
憂いのあじさいが吐息の結晶のようだから