銀河夜想曲   ~Fantastic Ballades~

月が蒼く囁くと、人はいつしか海に浮かぶ舟に揺られ、
そして彼方、海原ワインのコルクに触れるを夢見、また、眠りにつく……

焦がれても

2015年08月14日 21時21分25秒 | 散文(覚書)
せっかく会えたというのに
あの時どうして僕は
あなたとろくすっぽ話さなかったのだろう

気恥ずかしさなんかじゃなく
会えて嬉しい気持ちが強すぎて
あの場にいらっしゃった驚きが強すぎて
今こうして風邪を引いてしまっているように
なんだか自分の体温が変わってしまったんです

変なプライドだと笑ってください
自分でもおかしくって
あれからずっと
情けない気持ちでいっぱいなんです

次に会える時が来ても
あなたの目をもっとよく見て
あなたの笑顔をもっとよく見て
ずっと想っていましたとは告げられないでしょう
あなたに会えるだけで
海に溺れたように慌ててしまうのですから
ひまわりの笑顔に焦がれる
小さく臆病な海なのですから