銀河夜想曲   ~Fantastic Ballades~

月が蒼く囁くと、人はいつしか海に浮かぶ舟に揺られ、
そして彼方、海原ワインのコルクに触れるを夢見、また、眠りにつく……

“ ルパン三世 カリオストロの城 ” のインタヴュー

2008年01月14日 20時02分14秒 | 宮崎駿、その人と作品
1979年公開の映画 “ ルパン三世 カリオストロの城 ” はこれまで何度も観たが、本作における貴重な映像は今回初めて目にした。

このインタヴューは、現在日本テレビ系列で放送されている『金曜ロードショー』の前身番組である『水曜ロードショー』内で行われたもので、1983年に参議院議員選挙に出馬するために1度降板した水野晴郎の、その代役を務めていた愛川欽也によるものである(ちなみに彼が司会をしていたのは1983年8月10日から1984年8月1日まで)。

映像に接して感じるのは、とかく4者が4者共若い(当たり前だが)。
そして、愛川欽也がルパンと不二子の関係について宮崎駿に尋ねているが、その彼の返答が “ 紅の豚 ” におけるポルコ・ロッソとジーナの関係を髣髴とさせる。後者の作品においても宮崎駿は、「両者は一緒にはならない」といったような発言をしているからだ。“ もののけ姫 ” でもそうだが、別々の世界に(違った価値観の中で)生きる者同士を安易にくっ付けるような演出はしない監督なのだな、と改めて感じる(“ もののけ姫 ” の最後において、アシタカはサンに対して「会いに行くよ、ヤックルに乗って」とは言うが、その後がどうなったかは劇中で明らかにしていない)。

Wikipediaの中に面白い逸話を見付けたので、以下引用。
宮崎は、アフレコの際にルパンを演じている山田康雄に、おちゃらけたセリフを控えて、クリント・イーストウッドの時のような抑えた声での演技をするよう指示したが、ルパンの人気は自分で持っているという自負心のあった山田は「今さらごちゃごちゃ言われたくねえよ」などと横柄な態度で吐き捨てたという。しかし、試写を見終わった山田は、そのレベルの高さに態度が一変、「先ほどは失礼なことを申しました。どんな注文でもして下さい」と宮崎に頭を下げたという。
これを読んでから先のインタヴューを観返すと、また違った感慨が湧いてくる。





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9 コメント

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大好きです♪ (ciapooh)
2008-01-14 23:03:57
 この作品は、我が家でも何度か楽しませていただきました。
 各所に大人の遊び心があふれていて、そしてまた感動的なエンディングと
 行きを尽かせぬ見どころ満載の傑作でしたね。
 
 大作の背後には、それに劣らぬドラマあり! と言ったところでしょうか。
 懐かしいです。
ciapoohさんへ (ショパンⅢ世)
2008-01-15 08:49:55
>大作の背後には、それに劣らぬドラマあり! と言ったところでしょうか。

本作は公開当時は不人気だったそうで、テレビで再放送を繰り返す内にその面白さが浸透していったとの事です。
本文の山田康雄の言動を僕は知らなかったので、とても興味深かったですね。


宮崎駿が手掛けたルパンは、実は “ カリオストロ ” だけではないんですが、それについてはまた改めて記述するかもしれません。

おひさです^^ (はるちゃん)
2008-01-16 10:31:23
ショパン三世さん、ご無沙汰しています。
遅くなりましたが今年も宜しくお願いします。

>>別々の世界に生きる者同士を安易に
>>くっ付けるような演出はしない監督

本当に、この言葉、大きくうなづきました。
ナウシカとセルムのあれからどうなったのかなぁ
アシタカとサンも…

バズーはシータのお尻に敷かれてそうな気が
しなくもないけど(笑)

声優の山田さんのエピソードも面白かったです。
クリントイーストウッドの頃みたいにって
言われてたんですね。

この作品だけ、ルパンがいい男に映るのは
そういう演出があったのですね。

はるちゃんさんへ (ショパンⅢ世)
2008-01-17 14:51:50
こちらこそ、今年も宜しくお願い致します♪


>ナウシカとセルムのあれからどうなったのかなぁ

そうですね…。久しく漫画の方は読んでませんが、やはりこの2人も、『共に生きながらも一緒にはならなかった』と思います。アスベルよりはセルムの方がナウシカに近しいような気はしますが…。


>アシタカとサンも…

アシタカは劇中の言葉通り、度々サンに会いに行ってたと思いたいですね。かなりの時を経て、この2人が一緒になったのなら、その末裔がナウシカではないかと勝手に考えています(笑)。


>この作品だけ、ルパンがいい男に映る

好い人過ぎる、という話もあるみたいですが…(笑)。テレビ・シリーズと違って、だらしのない一面が概して影を潜めていますからね。宮崎駿ならではのルパンだと思います。『男たるもの、かくあるべし』といった彼の想いが、観る度に伝わってきます。
Unknown (king)
2008-01-25 00:17:07
どうも。mixiのほうは去年の暮れに退会してしまいました。kingです。けど、ショパンさんとのつながりがなくなってしまうのがいやでこのブログはお気に入りに入れます。身勝手ですいません。。。


たしかに。
宮さんの作品はそういった男女間の関係が多いきがします。それが宮さんにおける男女間の美学なんでしょうか?
お互い強く惹かれあうのに、あえて一緒にはならない。
この美学発想は僕にはありませんでした。
愛するもの同士は風景画のように寄り添って時が止まればいいのにと。そう思っていたからです。

アシタカもタタラ場で暮らし
サンは森で。それでも共に生きようと。

ポルコもジーナを愛しているのに
なぜかジーナのそばにいるだけ。

ルパンも。そうですな。
なんかあたらしい視点でみれた気ふぁします。
ありがとうござます。
kingさんへ (ショパンⅢ世)
2008-01-25 01:15:33
>お互い強く惹かれあうのに、あえて一緒にはならない。それが宮さんにおける男女間の美学なんでしょうか?

何でもそうだとは言い切れませんが(例えば “ ラピュタ ” のシータとパズーに関しては、小説のエピローグを読むと、2人の互いへの想いはそのまま成就しそうな気配が漂ってますね)、男女関係に限らず、生きる世界の違いがしっかりと描かれている事も、宮崎駿作品の重要なポイントですよね。世界の住み分け(棲み分け)が1つの作品中で多いと感じるのは、漫画版の “ ナウシカ ” は勿論の事、“ 千と千尋 ” もそうですよね。カオナシと千尋は油屋から離れていきましたし、リンとハクにおいては油屋を去るといった事を劇中で言っていますからね。4者が4者、その後の生きる場所が違うんです。
“ カリオストロ ” の最後でも、泥棒になって付いて行くと言うクラリスをルパンは承知しない。本当は一緒に来て欲しいのだけれども(笑)、そうなるとクラリスを不幸にさせてしまうからという事で、結局立ち去ってしまう。観ているこちら側がじれったく、また切なく感じてしまうところを、「何と気持ちのいい連中じゃろう」と庭師の老人が呟く事である種の(些細な)救いが出てくる。実に上手い演出だと思います。
Unknown (king)
2008-01-25 16:27:50
たしかに。
人は1人1人自分の生きる道を持っていて、
たまたま同じ電車に乗り合わせただけなんですね。
そしてまた乗り換えてお別れして、
気がつけばまた再会していたり。

深いな~。
そこまで意識して観覧したことがありませんでした。

演出の達人ですね。
どこからそんな想像力が生まれるのか
知りたいものです。
kingさんへ (ショパンⅢ世)
2008-02-13 00:10:56
長い間レスをしていなくて、すみませんでした…。


>どこからそんな想像力が生まれるのか知りたいものです。

持って生まれた才(天分)でしょうね。それから、五感が鋭敏なのだと思います。

二人の「Ⅲ世」さんに会いたくて (ももしゃん)
2009-12-14 19:22:28
「時の訪ね人」です。
初めてのコメントで・・ドキドキ♡

今日、ルパンⅢ世とお友達(マイミク)になって頂きました。(^^ゞ


ここで会えたんで、嬉しいよ♪


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