ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
現在、 フジロック ブログ と化しています。

スタンリー・クラーク・バンド

2010-06-10 18:06:57 | ジャズ
STANLEY CLARKE / THE STANLEY CLARKE BAND

上原ひろみの活躍振りには本当にワクワクさせられます。昨年リリースされたスタンリー・クラーク・トリオの「JAZZ IN THE GARDEN」に続いての共演作「THE STANLEY CLARKE BAND」が先日リリースされました。ただし「JAZZ IN THE GARDEN」が、スタンリー・クラーク(b)、レニー・ホワイト(ds)、上原ひろみ(p)というトリオの作品だったのに対し、今作はスタンリー・クラークのバンドにスペシャル・ゲストとして何曲か上原ひろみが参加したというもの。なので全編で上原ひろみのピアノが聴ける訳ではないのがちょっと寂しい感じも。ですが前作がアコースティックなジャズ作品だったのに対し、今作はエレクトリック・バンドによるフュージョン的な作品と言うこともあり、前作とはまた違ったコラボレーションが楽しめます。しかしエレクトリックとは言え、上原ひろみはあくまでもピアノで参加です。(ちなみに上原ひろみとはバークリー時代の同期だったというルスラン・シロタがシンセ等で参加しています。)

注目は何と言っても上原ひろみが提供した、美しくも緊張感のある曲「Labyrinth」。イントロから上原節が満開な感じですが、その後のエモーショナルな曲展開や、ピアノ・ソロも素晴らしい。さらに後半になってドラムスとベースがまるで上原ひろみに触発されたかのようにどんどん熱を帯びていく様子が堪らなく良いですね。ちなみに今作のドラムスはレニー・ホワイトではなく、ロナルド・ブルナーJRです。(レニー・ホワイトはプロデューサーにクレジットされています。)しかしこのロナルド・ブルナーJRというドラマーも凄いですね!

彼の凄まじいドラム・ソロから始まる「Larry Has Traveled 11miles And Waited A Lifetime For The Return Of Vishnu's Report」。恐ろしく長~い曲名ですが、そこにはエレクトリックなジャズ・ロック/クロスオーヴァーの偉大なバンド達がいくつも織り込まれています。まあ、とにかく空間を切り刻むかのようなロナルド・ブルナーJRのドラムスに痺れます。もちろん上原ひろみのソロも抜群です。

軽いタッチのトロピカル・ファンクな「Sonny Rollins」。こういう曲調も上原ひろみにはあまり無いと思いますので、かえって面白い。控えめではありますけど上原ひろみらしい表情が伺える軽やかなソロが良いですね。この曲でのソロをもっと聴きたくなります。そして日本盤のみのボーナス・トラックとなる「Somewhere」。上原ひろみのソロ作に収録されていたあの曲ですが、ここでは新たな息吹が吹き込まれています。上原ひろみはバックに徹する感じですが、中盤のベースとピアノの対話はため息が出る程に素晴らしいですね。

もちろん、上原ひろみ参加曲以外でも、全編でエレクトリック・ベースの大家であるスタンリー・クラークの素晴らしいプレイを堪能出来ますし、アコースティックに持ち替えてのソロ曲「Bass Folk Song No. 6 (Mo Anam Cara)」も味わい深いです。とは言え、実はフュージョン的なサウンドが苦手な私にとっては、やはり上原ひろみが参加した後半の楽曲に耳が行ってしまいますね。ソロや自身のバンドではない上原ひろみのプレイも、バンドとの調和の中でキラリと個性が光り、演奏の一体感や楽曲の輝きに大きく貢献していると思います。

で、となると何としてもライヴが観たい! 前回のスタンリー・クラーク・トリオでのツアーは、海外では好評だったようですが日本では実現しませんでした。そして今回、このスタンリー・クラーク・バンドは上原ひろみをフューチャーして既にツアーを始めているようです。そのキック・オフはかの「NEW ORLEANS JAZZ & HERITAGE FESTIVAL」。いわゆるニューオーリンズ・ジャズ・フェスティヴァル。ニューオーリンズ音楽が大好きな私にとってはまだ見ぬ聖地です! このフェスの“WWOZ Jazz Tent”というステージで、4月30日に Stanley Clarke Band feat. Hiromi としてトリを務めたんです。

おそらく、歴史あるこのジャズ・フェスにおいて、タイム・スケジュールのメインの時間帯に日本人の名前が刻まれたのって初めてじゃないですかね? 特に調べた訳ではありませんが…。ま、それはともかく、私の憧れのニューオーリンズ・ジャズ・フェスティヴァルで、メイン・ステージではないとは言え、さらにフューチャーリング・アーティストだったとは言え、あの上原ひろみがトリを務めたという事実には、興奮せずに居られません。しかもオールスタンディングになるほど熱狂的に終わったとか。ちなみにこの日のメイン・ステージではアレサ・フランクリンがトリを務める予定でした。しかし土壇場でキャンセルになり、アース・ウィンド&ファイアがその代役を務めました。本来なら、メインでアレサが歌ってる裏で、上原ひろみがテントを熱狂させていた訳ですよ。何という贅沢!想像するだけで鳥肌モンですよね! ま、そのステージの主役はスタンリー・クラークなんですけどね…。

う~ん、それでもやっぱり生で観たい! 果たして、今回はスタンリー・クラーク・バンドと共に日本をツアーしてくれるのでしょうか? 東京JAZZとか怪しい気もするんですが、出来れば単独で来て欲しいです!!!!!



ヴィクター・デメ

2010-06-08 20:30:06 | ワールド・ミュージック
VICTOR DEME / VICTOR DEME

6月12日、13日に横浜赤レンガ倉庫で開催される「アフリカン・フェスタ2010」。数々のプログラムでアフリカの音楽や文化が楽しめるイベントのようですが、注目は何と言っても今話題のヴィクター・デメ!

西アフリカの内陸部、ブルキナファソ出 身のシンガー・ソング・ライター。08年に「VICTOR DEME」でアルバム・デビューしたばかりというニュー・フェイス。とは言えこのとき既に40代半ばを超え、30年のキャリアを持っていたというベテランでもあるとか。プロフィールによりますと、音楽家の母を持ち、10代の頃から地元のクラブでシンガーとして活躍していたとか。その後、コートジボアールのクラブに進出したり、マリの大物歌手アブ ドゥライ・ジャバテのオーケストラと共演したり、自国で数多くの音楽賞を受賞したり、そして一時音楽から離れたり、復帰後は不遇の時代を過ごしたりと、かなりの苦労人。

しかし40代半ばでようやく製作されたデビュー作はヨーロッパなどで大絶賛され、日本でも「ブルキナファソからの黄昏アフロ・ブルース」という邦題で今年リリースされました。そして来る10月に予定されている来日公演に先駆けてこの「アフリカン・フェスタ2010」のゲストとしてメイン・ステージのトリを務めるようです。

しかし「黄昏アフロ・ブルース」とはよく言ったもので、確かに黄昏れています。「Djon'maya」や「Cherie」、「Djarabi」、「Sabu」、「Djabila」といったスロー・ナンバーの黄昏れ具合は特に格別。アフリカならではの朴訥とした土っぽさ、ブルースにも通じる深い情感、郷愁を誘うメロディー、そしてそんな“黄昏”の中にもアフリカ独特の“大地の喜び”のような高揚感がしっかりと刻まれている。いや~、良いですね!そしてどことなくラテンとかフラメンコのようなニュアンスを感じるダンサブルな「Toungan」や「Burkina Mousso」辺りの哀愁も味わい深いです。さらに美しいアフリカの民族楽器が鳴り響く「Tama Ngnogon」や「Dala Mogoya」の素晴らしいこと!

アフリカならではの“鄙びた”感じというか、“いなたさ”のようなものを色濃く残しているところがまた良いですね。ライヴでもおそらくそんな人間的な、暖かくも黄昏れた歌声を披露してくれることでしょう。楽しみです! 何せ「アフリカン・フェスタ2010」は無料ですからね!!



「Djon'maya」のPV。やっぱり黄昏れてます。表情もね。それにしても良い声ですね。絞るように張り上げる声に痺れます。なんとなく日本の演歌に通じる哀愁も感じられたり。


こちらはライヴ映像で「Djabila」。この曲は良い曲ですよね~。素朴且つ力強い歌声にもグッときます。こういうバンド編成で来てくれると嬉しいんですけどね~。


フジ予習:コデイン・ベルベット・クラブ

2010-06-06 15:37:18 | フジロック
CODEINE VELVET CLUB / CODEINE VELVET CLUB

フジロック予習特集第4弾、今回はロックです。それはコデイン・ベルベット・クラブ!!

グラスゴー出身のギター・ロック・バンド、ザ・フラテリスのフロントマンであるジョン・フラテリによるサイド・プロジェクトがコデイン・ベルベット・クラブです。フラテリスって、リヴァティーンズ辺りから始まった英国のロックン・ロール・リヴァイヴァルの流れで出て来たバンドですよね。私はこの辺りのUKロックも好みなんですけど、コデイン・ベルベット・クラブはまた一味違います。1曲目の「Hollywood」という曲名が象徴するように、古き良き時代のハリウッドを想像させるような、妖しくもレトロな魅力に溢れています。華やかさの中に漂う退廃的な香り。もちろんギター・ロックとしてのエッジとカオスは残しつつ。

元々フラテリスというバンドのサウンド自体、グラマラスというかシアトリカルな臭いがありましたし、思いっきり懐古趣味なスロー・ナンバーがあったりもしたんですよね。で、それがジョン・フラテリの趣味だと考えれば、このコデイン・ベルベット・クラブはそんな趣味性をもっと実現化させたプロジェクトと言えるでしょうね。

正式メンバーはジョン・フラテリことJon Lawlerと、女性シンガーのLou Hickeyの二人だけのようですね。このLou Hickeyって私はよく知らないのですが、ジョンと同郷グラスゴーのシンガーらしいですね。色気のある切れ味を感じさせるなかなかの美声の持ち主。この二人のツイン・ボーカル、ジョンのギター、そしてバンドとしてのドラムス、ベース、さらにホーン隊にストリングスまで入り、ゴージャスでロマンチックで、それでいて何所か妖艶なロックン・ロールを聴かせてくれます。

1曲目「Hollywood」はまるでフィル・スペクター。最近、50~60年代ポップ回帰というか、ブリルビルディング系リバイヴァルなムーヴメントが起りつつあると言うか、そうなったら嬉しいな~みたいに思っているのですが、この曲なんかはまさにそういった動きに拍車をかけそうな勢い。甘酸っぱいメロディと華やかなサビが良いですね。そしてノスタルジックなコード・カッティングで始まる3曲目「Time」や4曲目「The Black Roses」辺りは、まるでスパイ映画のような妖しさとスリルを伴った曲。ジャケ写の女性はどこか女スパイのような雰囲気ですが、まさにそんな感じ。格好良いです!

ガレージなギター・リフが炸裂する「Little Sister」は、キャバレーっぽいホーン・セクションが絡み、妖しげな場末感を醸し出す。ピアノに導かれて始まるアップ・ナンバー「I Would Send You Roses」なんかはハリウッド的な華やかさに溢れてる。一方、夢見るようなメロディーが美しい「Nevada」や、しっとりとした浮遊感を持つ「Reste Avec Moi」など、スロー/ミドル・ナンバーも充実。最後を締めるいかにもUK的なストリングス使いが冴える「Begging Bowl Blues」も秀逸。

本編10曲全てがJon Lawlerによる作曲もしくは共作で、内4曲はLou Hickeyとの曲作。楽曲の良さもさることながら、男女ツイン・ヴォーカルが放つ輝き、そしてガレージなギターと、ホーン・セクション及びストリングスの絡みが格好良い!! さらに全編を貫く50~60年代趣味なノスタルジックな雰囲気が、やはり堪りません。ボーナス・トラックにストーン・ローゼスのカヴァー「I Am The Resurrection」が入ってますが、これなんかブリルビルディング系のカヴァー?と勘違いしそうな仕上がりで、逆にローゼスの魅力をあらためて感じさせられたり。そんな選曲のセンスも素晴らしい!

さて、このコデイン・ベルベット・クラブ、一時のサイド・プロジェクトと思いきや、ツアーに出るだけではなく、本家フラテリスの解散まで噂されている昨今なので、その立場はますます分からない感じになっています。そういう意味でも目が離せない、要注目なのです!


では、そんなコデイン・ベルベット・クラブのライヴ映像をいくつかご紹介。このバンド、CD以上にライヴが良さそうなんです!!

http://www.youtube.com/watch?v=0GtySi40KDc&feature=related
「Hollywood」。ライヴだと一段とツイン・ヴォーカルに妖しい艶がまして良い感じです。

http://www.youtube.com/watch?v=smnZx1dj7vg
「Time」。この曲は格好良いですよね~。ライヴ映像だとさらに良い! ホーン隊も一緒に来て欲しいな~。

http://www.youtube.com/watch?v=af91O9dEBCY&feature=related
ストーンズ「Gimme Shelter」のカヴァー。格好良いです!ちゃんとコデイン・ベルベット・クラブ色に染まってるから凄い。 Lou Hickeyの姉御的なヴォーカルに痺れます!




~関連過去ブログ~ お時間有ったらぜひ!

 10.05.11 フジ予習:ジョン・バトラー・トリオ
 10.05.15 フジ予習:コリーヌ・ベイリー・レイ
 10.05.20 フジ予習:キティー・デイジー&ルイス

エミリー・シモン@渋谷タワレコ

2010-06-05 16:23:40 | SSW
今日はフレンチ・エレクトロ・ポップのエミリー・シモンが、渋谷タワレコでインストア・ライヴをやるということで観に行ってきました。すいません、エレクトロ・ポップです。でも私この人の声、好きなんですよね~。インストアなら案外しっとりとシンプルな弾き語りだったり、とか思ったのですが、やっぱりエレクトロ・ポップでした。でも凄く良かったです!



帰宅後追記:

エミリー・シモン、映画「皇帝ペンギン」のサントラでも知られ、『フランスのビョーク』などとも評される人です。インストアで間近に見る彼女、声も音楽もルックスも何もかもキュートでした。実は3日のアップル・ストア銀座店でのインストア・ライヴも観に行ったのですが、今日の方が衣装が派手でした。インストア・ライヴなのでもっとフランクな服装で来るかと思いきや、濃い緑がキラキラ光るドレスに、羽のついた緑の帽子、腕には例のエフェクトを装着してる。さながら森の妖精か、近未来のピーターパンのようでした。

「Opium」とか、「The Devil At My Door」とか、キーボードを弾きながら打ち込みやテノリオンを駆使し、ポップ且つ幻想的な歌声を披露してくれました。腕に仕込んだ摘みを回して、自分の声に不思議なエフェクトをかけたりもしていました。そんななか、デビュー・アルバムから「Desert」を鍵盤のみの弾き語りで披露してくれたり、「Flowers」を6弦のウクレレですかね?なんか小型のガット・ギターのようなものを爪弾きながら歌ってくれたり、これは嬉しかったですね。しっとりとした素晴らしい歌声でした。

お客さんも沢山集まって、アップル・ストアの時より盛り上がっていたように思います。やっぱり週末ですしね。

そそるライヴ 6月編

2010-06-04 17:02:32 | そそるライヴ
関東近辺にて6月に行われるライヴ、フェス、イベントのなかで、気になるものをピックアップしてみました。

6/04(金)SUGARFOOT'S OHIO PLAYERS @ビルボードライヴ東京
6/05(土)JOE BATAAN @アサヒ・アートスクエア
6/07(月)RICHARD GALLIANO FRENCH TOUCH TRIO @ブルーノート東京
6/11(金)CASSANDRA WILSON @ビルボードライヴ東京
6/12(土)アフリカン・フェスタ 2010 @横浜赤レンガ倉庫イベント広場 入場フリー!
6/13(日)アフリカン・フェスタ 2010 @横浜赤レンガ倉庫イベント広場 入場フリー!
6/17(木)THE NEW YORK FUNKY SOUL COLLECTIVE @ブルーノート東京
6/17(木)LA CARAVANE PASSE @渋谷クラブ・クアトロ
6/18(金)MARIA MULDAUR with DAN HICKS @ビルボードライヴ東京
6/20(日)WOLF MAIL @タワーレコード渋谷店(インストア・イベント) 入場フリー!
6/20(日)WOLF MAIL @荻窪 ROOSTER
6/20(日)HARALD HAUGAARD @タワーレコード渋谷店(インストア・イベント) 入場フリー!
6/21(月)HARALD HAUGAARD @MUJI新宿(応募抽選)
6/22(火)CHERYL LYNN @ビルボードライヴ東京
6/26(土)HERMETO PASCOAL @渋谷PLEASURE PLEASURE
6/26(土)ぐるぐる回る2010 @埼玉スタジアム2002
6/27(日)有山岸 @青山CAY
6/28(月)LEELA JAMES @ビルボードライヴ東京

キング・オブ・ラテン・ソウルのジョー・バターン、そしてブラジルの鬼才エルメート・パスコアール。この2組の大物が目を惹きます。ブルーノートではライアン・ショウをゲストに向かえたザ・ニューヨーク・ファンキー・ソウル・コレクティヴ、そしてトリオで登場の世界的アコーディオン奏者リシャール・ガリアーノ。一方、ビルボード東京ではブラック系が充実する中、マリア・マルダー&ダン・ヒックスがひときわ輝いてますね。アフリカン・ミュージックに一日中浸かれそうな「アフリカン・フェスタ 2010」には、今話題のヴィクター・デメも出演。

ウルフ・メイルはオーストラリアのテレキャス番長。ハラール・ハウゴーは北欧トラッドのフィドル奏者。ラ・キャラバン・パスはよく分からないのですが、バルカン系のミクスチャーのようです。そして「ぐるぐる回る2010」は元「廃校フェス」。

という訳で、お出かけの際は事前のご確認をお願いいたしま~す!

5月の10枚

2010-06-03 10:44:06 | Weblog
数日遅れですが、月末恒例の今月の10枚。新譜、旧譜にこだわらず、単純に今月よく聴いた、印象に残った10枚を選んでみました。


SOLOMON BURKE / NOTHING'S IMPOSSIBLE
何と言ってもこの人につきます。素晴らしいステージでした。そしてこの新作も極上!


COREY HARRIS / BLU. BLACK
コーリー・ハリスも良かった!


JOE LOUIS WALKER / BETWEEN A ROCK AND THE BLUES
まさかジョー・ルイス・ウォーカーが来るとは! 観れなかったけど、外で音だけ聴いてました…。


WILLIE NELSON / COUNTRY MUSIC
御大ウィリー・ネルソンの最新作はT・ボーン・バーネットがプロデュース。こんなの良いに決まってますよ!!!


THE HOLMES BROTHERS / FEED MY SOUL
ゴスペルを基盤にした3人組、ホルムス・ブラザーズの最新作。染みます。


TROMBONE SHORTY / BACKTOWN
フジ予習中。彼って可愛い印象だったんですけど、意外と骨太ですね。


HALIE LOREN / THEY OUGHTA WRITE A SONG
美人ジャズ・シンガー。オーティス・レディングの「The Dock Of The Bay」を歌ってるんですけど、これが良いんですよ~!


THE ROLLING STONES / EXILE ON MAIN ST. [DELAX EDITION]
やっぱこれですかね?でもスーパー・デラックスには手が出ませんでした…。


FRED WESLEY AND THE J.B.'S /DAMN RIGHT I AM SOMEBODY
映画「ソウル・パワー」で観たJB'Sの演奏があまりにもファンキーだったので、その当時のJB’Sを引っ張り出して聴いてます。


MARIA MULDUR & HER GARDEN OF JOY / MARIA MULDUR & HER GARDEN OF JOY
そして6月はマリア・マルダー&ダン・ヒックス!!!

JAPAN BLUES & SOUL CARNIVAL その2

2010-06-02 23:47:48 | フェス、イベント
SOLOMON BURKE / SOUL ALIVE!

5月30日、ジャパン・ブルース&ソウル・カーニヴァル、後半です。

さて、いよいよソロモン・バークです。おそらく観客の9割以上、いやほとんど10割の皆さんがソロモン・バークを観に来てたと思うんですよ。帝王ソロモン・バーク登場の瞬間を待ち構えてたと思うんです。特にステージ中央に黄金で縁取られた真っ赤な玉座が用意されてからは、あと数分でそこに座るであろう主の姿を想像しただけで熱くなっていく、そういう空気が会場中に横溢してましたよね。そんな期待と興奮の入り交じった独特の雰囲気の中、満を持してソロモン・バークの登場です。

バンドの演奏に促され、コーラス隊と共にソロモン・バークは車椅子に乗って登場。普通、70歳になるレジェンドが車椅子に乗って現れたら、やっぱり心配になるものですが、ソロモン・バークの場合、車椅子にすら“キング”の貫禄を感じてしまう。そんなオーラがありますよ! そして巨大な玉座に腰を下ろす。迫力満点の体格を上下真っ青なラメラメで決めたソロモン・バーク。帽子を被った姿が格好良い! バック・バンドはコーラス隊、ホーン隊、そして奇麗な2人のお姉さんによるヴァイオリンを含めた15人編成。何もかも破格!

1曲目は最新作から「Nothing's Impossible」。もうソロモン・バークの第一声を聴いただけで昇天ですよ。艶やかでふくよかな歌声。その衰え知らずな声量が堪らなく円やかに響く。そして会場の盛り上がりを全て受け止めて包み込むかのような包容力。またこの曲の緩やかなリズムが野外の夕暮れ時によく合うんですよ。続いて「Got To Get You Off My Mind」。アトランティック時代を代表するヒット曲であり、65年にR&Bチャートのトップを記録した、言わば代名詞的な曲。あ~、目の前でソロモン・バークがアトランティック時代の曲を歌ってる!なんか感無量でしたね。

まあ、とにかくヒット曲が多い人ですし、近年の作品も傑作続きということで、前半から名曲のオン・パレードですよ! ストーンズがカヴァーしたことでも知られる「Cry To Me」や「If You Need Me」が早くも登場。特に「If You Need Me」はメドレーになってまして、これがまた感動ものでした。特に後半、「Take Me (Just As I Am)」あたりは“語り”っぽくなるんですけど、それがゴスペルの説教を思わせる雰囲気で、その口調にジ~ンときちゃいましたね。元々ソロモン・バークはゴスペル歌手からスタートした人ですからね、やはりその辺の味わいっていうのは格別なものがあります。そして締めは「I Can't Stop Loving You」で、サビへ流れる瞬間がまた最高でした。思わず一緒に歌っちゃいましたよ!

近年の曲では02年の復活作「DON'T GIVE UP ON ME」からトム・ウェイツ作の「Diamond In Your Mind」。この曲は良いですよね~。大好きです! もちろん生で聴くとさらに素晴らしい。そして前作「LIKE A FIRE」からクラプトン作のタイトル曲「Like A Fire」。この曲なんかはソロモン・バークにしてはポップすぎる印象もありますが、ライヴの流れで聴くとまったく違和感を感じませんでしたね。とにかく新旧織り交ぜた楽曲をソロモン・バークの大きな歌唱が包み込む感じで、流石はキングなのであります。

全体の雰囲気としては、例えば近年来日したオーティス・クレイとかサム・ムーアなんかは、ある種の“いなたさ”とか、年相応の“枯れ”がありましたが、ソロモン・バークはもっと徹底した“ソウル・ショー”な感じ。何しろ椅子に座ったままとはいえ、ソロモン・バークの存在感はエンターテイナーそのもの。バックの人達は全員黒ずくめなのに一人だけ真っ青のキラキラですからね。「Diamond In Your Mind」で帽子をバッと後ろへ投げる、すると入道頭が顔を出す。それだけで絵になりますから。曲間ではコーラスのお姉さん(たぶん娘さんのキャンディー・バーク)がその入道頭の汗を丹念にタオルで拭き取る。それすらパフォーマンスに見えるんです。いや多分見せてるんでしょうね。ある意味コテコテ。

後半はそんな“ソウル・ショー”が更なるバラエティーに富んだ展開を見せていきます。特に印象的だったのは「Proud Mary」や「A Change Is Gonna Come」という王道カヴァー。まあカヴァーと言っても、先の「I Can't Stop Loving You」もそうなんですけど、ソロモン・バーク自身もスタジオ作として過去に録音し、シングルにもなってる曲なんですよね。なのでカヴァーであり、言わば持ち歌な訳ですよ。で、面白いのは「A Change Is Gonna Come」なんかはそのスタジオ作では出だしをファルセットがかったソフトな声で歌ってるのに、ライヴではサム・クックばりに声を張り上げてソウルフルに歌ってる。これは痺れましたね! また「Proud Mary」のアゲアゲな感じも“ソウル・ショー”ならでは。

またバック・コーラスを担当していたソロモン・バークの息子さんが「Keep A Light In The Window」を、娘さんのキャンディ・バークがグローリア・ゲイナーの「I Will Survive」を歌って会場を沸かせました。ちなみにソロモン・バークには21人の子供と90人の孫がいるとか。凄いですね~! なにもかも規格外。

でも後半のハイライトはやっぱり「Don't Give Up On Me」ですかね。02年にリリースされた復活作のタイトル曲ですが、この歌唱は素晴らしかった! 現在のソロモン・バークならではの切なくディープな味わいに聴き惚れました。そして私の知らない曲も何曲かあったんですが、その中で「The More」って曲は良い曲でしたね~。「モーア、…モーア、」と噛みしめるように歌う歌唱も印象的でした。

そんな最高なステージに応える観客達もブルース&ソウル・カーニバルならではのディープな盛り上がりを見せていました。踊り、叫び、思い思いにソウルに浸る感じ。終盤になってステージから大量の薔薇の花が配られ始めると、一気に観客達が前方へと詰め寄せたりなんて場面もありました。なんかいかにも“ソウル・ショー”って感じですよね。そこには野外ならではの開放感と一体感がありました。

最後は「What a Wonderful World」でさらに幸せな気分にさせられ、待ってましたのキラー・ソング「Everybody Needs Somebody to Love」。否が応でも「ユー!ユー!ユー!」と盛り上がり、それが「聖者が街にやってくる」へと傾れ込む。そして車椅子が用意され、夢のようなライヴの終わりがきたことを悟る。しかしソロモン・バークは玉座から車椅子へ移る瞬間、両手に杖を持って立ち上がり、腕を激しく振って踊ってみせる。 いや~、最高!!

およそ20曲近くで約70分のステージ。まあ、凄いものを観た!って感じです。セット・リストは前日29日の分も含めて「ブルース銀座」さんのブログにアップされています。ガチガチに決められた演目をこなすのかと思いきや、かなり違うセットを披露していることが分かり、驚きました。土曜日の曲目も魅力的ですね~。「Down In The Valley」とか「I Wish I Knew」とかいいな~!! それとオーティス・レディングのあの曲も!!



*写真のアルバムはソロモン・バークの「SOUL ALIVE」。80年代のライヴを収めたライヴ盤です。「Everybody Needs Somebody To Love」、「Proud Mary」、「Cry To Me」、「Got To Get You Off My Mind」など、ブルース&ソウル・カーニバルで演った曲が収録されていますが、何と言っても「 Take Me (Just As I Am)~I Can't Stop Loving You」でしょう。感動です! 他にもいくつかメドレーが入っていて、どれも極上です。


~関連過去ブログ~ お時間有ったらぜひ!

 10.05.31 JAPAN BLUES & SOUL CARNIVAL その1
 10.05.27 ソロモン・バーク黄金期
 10.05.25 ソロモン・バークの新作

フジロック第7弾&ステージ割り!

2010-06-01 11:35:12 | フジロック


フジロック・フェスティヴァルの出演者第7弾及びステージ割りが公式サイトにて発表になりましたね。まずは気になる追加アーティストが以下の18組。

7月30日
THE XX
TAYLOR HAWKINS&THE COATTAIL RIDERS
MUSTANG
iLL
OVALL+45TRIO+CONGUERO TRES FOOFERS

7月31日
CHRIS CUNNINGHAM
ONE DAY AS A LION
THIRD EYE BLIND
VVATO NEGRO
bloodthirsty butchers
PONTIACS
LITE
IVAN SMAGGHE
MARASIRATO PAN PIPERS

8月1日
HORSE MEAT DISCO
RASMUS FABER
MOUNTAIN MOCHA KILIMANJARO
NARUYOSHI KIKUCHI DUB SEX


ザック・デ・ラ・ロッチャのワン・デイ・アズ・ア・ライオンで話題騒然な感じですが、それも含めて個人的にも「ルーツな日記」的にもあまりそそられない追加で残念です。唯一気になりますのは、まったく知らないバンドでしたがムスタング。フランスのバンドらしいのですが、アーティストデータ曰く『エルヴィスのように歌い、ボ・ディドリーのようにギターを鳴らし、 ジェリー・リー・ルイスのように鍵盤を叩く!』のだそうです。上の動画がそのムスタングなんですけど、ちょっと面白そうです。ロカビリーなんでしょうけど、テンション高いんだか緩いんだか分からない感じで、歌詞はたぶんフランス語なんですよ。でもそれが妙に不思議な雰囲気を醸していて、なんか良いです。

それといったん消えたMARASIRATO PAN PIPERSが復活しましたね。あとはやはり邦楽勢が多い感じ。その中で気になるのはマウンテン・モカ・キリマンジャロですかね。今年のグリーンルーム・フェスにも出演していた話題のファンク・バンドですね。今年はファンク勢が少ない感じなので頑張ってもらいたいです。

さて、そしてステージ割り。ここからフジロッカーズの悩ましい日々が始まるわけですが、それも楽しみのうちと言うことで。それではその詳細は公式サイトを観て頂くとして、現時点での『ルーツな日記』的展望を少々。とりあえず土曜日がどうにもならない感じで困ってます…

ではまず初日の金曜日から。
この日はコリーヌ・ベイリー・レイが中心。ヘヴンのムスタング、ザ・エントランス・バンド、そしてホワイトのジャガ・ジャジスト、さらにオレンジのザッパ・プレイズ・ザッパ 、ダーティー・プロジェクターズあたりが観たいです。まあ、コリーヌさえ観れればあとは多少被ってもしかたが無い感じで、わりとテンション低め。いや、ダーティ・プロジェクターズは観たいな。コリーヌと被りそう? そして最後はホワイトの!!!ですかね~。 しかしヘヴンのトリがチャーってのも驚きました。この日の残り枠はホワイトにあと1枠だけみたいですね。コリーヌから!!!って流れがなんか唐突な印象なので、この間にブラック系のファンクなんかが1バンド入ってくれると嬉しいな~と思ったり。

そして悪夢の土曜。
被りすぎ。この日はまずグリーンが良い感じなんです。ジョン・バトラー、クーラ・シェイカー、ジェイミー・カラム、ジョン・フォガティという流れは最高ですね。ず~っとグリーンに居たいぐらいですが、ヘヴンではキティ・デイジー&ルイス、トロンボーン・ショーティ、デレク&スーザンと並んでる。さらにオレンジにはモリアーティとエミリン・ミシェル。これは迷いますよ。グリーンを取るか?奥地を取るか? 今の時点ではやはり奥地ですね。ただヘヴンにはあと2枠残っているので、タイムテーブル次第ではヘヴンからグリーンの往復という強行スケジュールもあるかもしれません。やっぱジョン・フォガティ観たいですよね~。っていうかトリ前(実質的にはトリ前前かもしれません…)じゃ勿体ないですよ! ですがこの並びでグリーンの集客は大丈夫なのかと心配になったり…。逆にクロマニヨンズ、ワン・デイ・アズ・ア・ライオン、MGMTと続くホワイトがパンパンになりそう…。

最終の日曜日。
この日のはやはりオゾマトリ、JJグレイ、ダイアン・バーチ、モー、と並んだヘヴンが魅力的。あとレッドでのアルバータ・クロス、コデイン・ベルベット・クラブも観たい。さらにグリーンのオーシャン・カラー・シーンにドノヴァン・フランケンレイター。全部観れれば最高ですが、絶対無理でしょうね…。モーは3時間ぐらい演って欲しいな~。ベルセバは諦めよう…。クロージングのシザー・シスターズは盛り上がるでしょうね。


それにしてもフジロックにしては随分と早く各ステージ出そろった感じですね。グリーンはもうこれで打ち止め。他のステージも残り僅か。でもまだアヴァロン、木道亭、カフェド・パリ、苗場食堂、パレス、お楽しみは続きます。