柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

上質

2016-09-19 09:12:24 | Weblog
何日か前のことです新鮮味に欠けて、書こうとして書けなくていたことですが、ボクシングバンタム級の二人の試合。試合を見ていたのではないのです、TVでダイジェストを見ただけですがそれだけで十分伝わる迫力、壮絶さ。長谷川のあの打ち合い。この人は何年か前まで長くチャンプを張って強い人でしたが、その後は出れば負けの連続、文字通りの最後の試合のつもりだったそうで。でもあの試合はそんな感傷など微塵もない、殴られたら殴り返すのハードさ。そして殴り勝つ。向こうはこんなはずじゃなかったでしょうね、引導渡すつもりだったでしょう。ノックダウンじゃなくて、ゴングが鳴っても出てこない戦意喪失。これが一番の勝ち方じゃないんでしょうかね。一発食らって飛んでしまうより、やられるという恐怖に負ける。火事場の馬鹿力とかあれこれ評価はあるのでしょうが、現にやったんですからね。二度とできぬことかもしれないし、それは彼が一番知ってましょうし。一方の山中、こっちは正真正銘の強いチャンプ。亀田兄弟が(今となっては何だったんだあいつらは?ですが)まだビッグマウスし放題の頃にも、さすがにこの人にはちょかい出せなかったです。やれば負けるとわかってたんでしょう。必殺の左フック。昔から強い人にはキメ技があってそれぞれに呼ばれてましたね。カシアスクレイ、タイソン、ファイティング原田、海老原、藤猛、輪島、ガッツ石松・・。最近のチャンプを知らないので古い名前ばかりですみませんが、山中は強いですねぇ。この人は亀田と違って強い相手とばかりやって勝ってきた人で、だから亀田が逃げたんですが、その面目躍如。玄人好みで且つ素人受けのいいストロングスタイルは珍しいんじゃないですかね。何度も映されるKOシーンのスローモーション、はじけ飛ぶ汗、ゆがむ顔。パンチ力の凄さを余すところなく見せます。ニュース番組で流れたあの何分間の映像は私の様な中途半端にボクシングの魅力を再認識させてくれたものでした。また見たいと思いますものね。やはり上質モノは人を魅せるのです。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 国柄 | トップ | 報道 »

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事