柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

やせ我慢

2007-05-13 09:51:37 | Weblog
松坂、Dice-Kなんてニックネームをつけられていますが、なかなか金額通りのビシッとしたところを見せられません。サイコロだけに零が出ない、なんて毎日新聞のコラムがしゃれています。上手。でも、松坂は完投ピッチャーでしたが完封ピッチャーじゃなかったですよね。印象に強いのはかのプレーオフでホークス齋藤と投げ合った 1-0 の完封試合ですか、でもあれがピンでしたからね。張本じゃありませんが、この程度の投手ということでしょうか。いや、上のまた上のレベルでの話ですよ。
 「眉山」見ました。ううむ、宮本信子がよかったですよ、すっかりファンになりました。幕開け早々横っ面ひっぱたかれるような、彼女の啖呵で始まります。おお!元々が、こういう勇み肌、伝法肌の物言いが好きな方で、それだけでググッと引き込まれるのではあるのですが、なんとうまいこと。大声で怒鳴るとだめなんです。抑えて抑えて、相手の無体をじっと聞いていて挙げ句にドンと出ます「いい加減なこと言ってたらただおかないよ!」いいですねぇ。この初めの場面を見て寅さんを思い出しました。筋立てやら役回りは全く違いますよ、でもこの物言いやら仕草やら。つまり、言葉遣いだけじゃなくて、根っこにあるやせ我慢が共通するんでしょう、そして私の心がそこに共鳴共振するんです。ええなぁ、と思います。こういう生き方したいなぁと思います。やせ我慢して筋を通してきりっと生きる。きりっと生きる、これなんです。そして思った事もう一つ。人は本当に見た目だなということ。夏のくそ暑い時でもきちっと着物姿で、またその着物独特の所作仕草が粋で、そこでもって表情を変えずにグサッと言う「ガキの来るところじゃないよ!」狡いことすれば、見て見ぬ振りをしておけば波風も立たずに利を得ることもできるだろうに、それができずに「馬鹿言ってんじゃないよ!」とやってしまう馬鹿さ。いいですね、こういう馬鹿になりたいと思います。一人くらいはこういう馬鹿が、いなきゃ世間の目は覚めぬ、なんて唄がありましたが(唐獅子牡丹でしたかね)、余程に私の心の琴線はこの波長に合うようにできているんでしょう。寅さんは、あの映画の街や山、川、海、人の背景が重要なんだなんて前に偉そうに書きましたが、私がこの映画を好きな理由はやせ我慢への共感でした、それを気づかせてくれもしました。「眉山」一見の価値があります、宮本信子を是非見て下さい。今月は面白そうな映画が目白押しです。楽しみです。
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