memories on the sea 海の記録

海、船、港、魚、人々、食・・・などなんでもありを前提に、想い出すこと思いつくこと自由に載せます。

網目計測法に怒りが増大      英国

2010-03-08 00:03:13 | 水産・海洋
国内漁業者連合組織NFFOが「オメガ電子計測法」は明らかに誤った導入であり、この導入が目的にかなうものではないと関心を高めている。(英国FUD. 3月1日)

「EU委員会による集合的な誤りだ。欧州漁業管理局とそのメンバー諸国は、オメガ゛計測器の導入について十分な連絡を取るべき。高価な漁具が漁船や陸上の倉庫にあるが、一夜にして違法なものと判断されてしまう。漁網メーカーやその販売者らもとんでもない影響を受ける」

「委員会の態度は現実的な問題を無視している。この方式の導入は希望を業界に与えるものだが、反面漁業会においてはコストとフラストレーションが生まれる。これらはやがて下火になろうが本質的に過渡的摩擦が生まれる」また、この計測法が正確に較正されていて、実用面での幅広い利用にシステム的な誤りがないかという疑問もある。NFFOはスコットランドを含めたほかの漁業連合の参加によってこの問題はさらに問題を提起することになる。一方、各船の船長らはこの計測器の合法性を認める署名はしないし、計測の前に網についた泥や砂や網糸の除去を事前に行う機会を求める。しかしながら、犯罪的な行為を防止するために各船長は検査を拒否すべきではない。

>>>これまでは1962年以降ICES目合計が用いられてきた。この場合人の力の加減によって計測にバラツキが出ることがあった。これにかわり今回導入のものはオメガ電子目合(網目)計で事前に電子的に計測対象となる網目の長さ方向に対して一定の応力が設定されていて、網目の大きさが自動計測される

さあ、シシャモ漁だ      アイスランド

2010-03-07 00:00:10 | 水産・海洋
大金を稼ぎ業界や国の経済にも貢献するシシャモ操業が始まった。表層魚を追う漁船はすべて出払い漁獲を持ち帰る(FUD 3月2日)

農業漁業相のJón Bjarnasonは昨日Akranesにある同国で最大規模のシシャモ・プラント HB Grandi訪問した。 このプラントは24時間でおよそ100トンのシシャモ卵を凍結することが可能。しっしゃもの輸出では年間6千万ポンド(およそ80億円)を稼ぎ出し産業にとってはキャッシュフロー面で貢献している。この魚は魚粉、魚油、サケ養殖の餌などにももちいられるが、最も重要なのが食料向け。またシシャモ卵は東ヨーロッパやアジアでは媚薬と信じられている。(少なくともこの日本ではそんなことはないと思うが・・・) 

アイスランドの漁業界にとって喜ばしいニュースは大臣が年間漁獲枠を9万トン方10.8万トンに増やしたことで、これは海洋研究所の勧告に従ったもの。
HB GRANDIのような漁業会社は多数の持ち船を沖に向かわせ、この2年間ほとんど稼動しなかったまき網漁船VIKINGUR AKも沖に向かった。この会社は2万との漁獲枠があるという。この漁期にできるだけのシシャモを漁獲し、シシャモ卵と冷凍シシャモは日本市場に向けられる。

漁船の船主がストライキ   インド・グジャラート州

2010-03-06 08:25:11 | 亜細亜海道
外国漁船を許容する漁業法に反対して船主らがストライキを行った。報道によれば27,000以上のグジャラート州の漁船船主は外国漁船の操業を許容するのみではなく自らの漁船の行動をも規制することになる海洋法の提案に反対ストライキをおこなったもの。(Livemint, India 2月25日)

この行動はインド漁業者協会IFA、国家漁業フォーラム、インド漁業者連盟などの組織の呼びかけに応じたもの。この産業に従事するインサイダーによれば連盟と農業大臣sharad Pawar との2月3日に行われた話し合いが不調に終わったことによるものという。
IFAの代表Welkins Masaniによればインドの海への外国漁船と技術の導入についてはインドの漁業者は激しく反対。Masani氏は外国漁船の入域は中国、カナダ、日本、ベトナム、オランダなどでも禁止されているのに、なぜインドであえてそれを行おうとするのか。仮に大型の漁船やトロール漁船が入ってくれば海域はさらに汚染される。と主張。海洋漁業法には一応、港から12海里以内での操業は禁止となってはいる。

マグロのカルテルを形成    大平洋島嶼国家

2010-03-05 00:23:07 | 水産・海洋
世界のマグロの四分の一を産出する太平洋の島嶼8カ国のリーダらが2月23日地域的なマグロ・カルテルを形成することを公表した。この目的は自らのシェアを増やし、利益の拡大を図ろうというもの。(2月26日)
国土の狭い貧しい島国が米国の1.5倍の面積がある広大な赤道海域を管理しなければならない。これらの国々はマグロ漁業からの分け前を年間20億ドル相当増大しようと企画している。現状では85%以上の売り上げは漁業会社にまわり、残りは米国、日本、台湾、その他アジア諸国となっている。

漁業関係者による大抗議集会    米国ボストン

2010-03-04 00:00:12 | 水産・海洋
数千人の漁業者および関係者が首都ワシントンに集結、24日業界のあり方について抗議をおこなった。米国漁業界は欧州のそれよりもより多様であるが、その彼ら釣り人、チャーターボートの船主、海事関係者、パーテイボート業者さらには遠洋漁業者までを含めアラスカからフロリダまでの関係者が集結した。 抗議の目的は“団結して、魚を獲る”のスローガンのもと、NOAA米国海洋宇宙大気局のおしすすめるマグヌソン・ステイーブンス法案に対する抗議である。(2月25日)

この法律は、英国の一般漁業政策と同様に強烈な批判を受けているもの。それにあらたにさまざまな魚種についての規制や乱獲防止を目的とした漁船の入域禁止などが盛り込まれた。 NOAAが絶滅危惧種としているレッド・スナッパーの漁獲規制が主要項目となっている。これに対し業界は遠隔地の集落では漁業のみが生活の手段であり、法規制に従えば生活手段を失うというもの。
またこの抗議集会には米国の東西海岸の地方政治家も参加、そのうちのひとつマサチューセッツ州グロウセスターからの市長は、海にはその上を歩くことができるくらいの大量のマダラがいる、という。米国議会の議員は長期間にわたる資源回復を図るべくすでに漁業保護法改正の変更についての提案も行っている。しかしながら、連邦当局はかたくなであり、規制は科学的根拠に基づき脆弱な資源を守るために必要としている。(写真はGloucester Timesによる)


アフリカでウナギを繁殖

2010-03-03 00:00:45 | 水産・海洋
アフリカからのウナギの輸出=それはリップル魚会社にかかっている。IMARESの科学者の指導の下にリップル社は大規模なウナギ養殖をマダガスカルで行おうとしている。(TFS 2月26日)

同社はすでに小規模なテストを稚魚で行っており、現在は大規模な養殖施設を建設中である。IMARESのOlivier Schneider氏は170万ユーロの契約を今月行った。IMARESは持続可能な養殖技術について提供し、アフリカ・ウナギの開発を行う。「われわれは前進するが、会社も順調」とSchneider氏。

オランダの科学者らはうなぎの危機を阻止することを決定。この種は欧州では減少、その理由は養殖のための稚ウナギの乱獲にある。「座して事態悪化を見ているわけには行かない。なぜ悪化したのかの説明が必要」 とうなぎの専門家でアフリカ・ウナギ事業に参画しているWillem Dekkerはいう。「欧州うなぎの経験から多くを学ぶことがある」
Schneider氏は乱獲の危険性について警告、乱獲は分散していないウナギ資源をねだやしにすると。アフリカ・ウナギはいまだ乱獲はされていないし、その状態にあるべき。欧州のたどった道をたどりたくはない。適正な養殖以外にも、その餌や残餌の廃棄にも注意が必要。
「われわれのアフリカ・ウナギについての知見はいまだわずかだ。まず第一に、適正な温度、餌、水量、密度など実践の基礎事項について集中する必要がある」 「養殖場の建設、稚ウナギの捕獲、最終製品の加工などのさまざまな活動は地区ごとに行われているが、この計画が地方の住民の利益になることが必要」とSchneider氏は語る。

Dekker氏は大いなる可能性があると考えている。特にアフリカ・ウナギはその成長が早い。1グラム未満の稚魚が6ヶ月で1~2KGにまで成長する。欧州ウナギの場合は加温した水槽に入れても咲いてでも2年間はかかる。 ウナギの専門家の Dekker氏は「この計画はまさにすばらしい」という。しかし一方で同氏はIMARESの技術輸出が欧州で見られたようなウナギ資源の悪化をもたらすことがあることも認識している。ウナギの世界需要は増大しているところから資源が破壊される危険性もある。リップル社はビジネス優先のアプローチをしているが、一方で良識と理想も持ち合わせている。「一方で自然保護主義者と開発機構も本件いついて目を光らせている」と。


着陸機あり、離陸は許可されず       チリー・サンチアゴ

2010-03-02 10:07:59 | 海事
サンチャゴ空港にマグニチュード8.8の地震発生以降初めての着陸が数機に許可された。しかし離陸はいまだ認められていない。リマからのLAN機(写真)が初めての着陸機であった。(メルコプレス 3月1日)

チリー空軍によれば滑走路には損傷は見られないが空港ターミナル施設は甚大な損害を受け航空会社の予約システムも被害を受けた。空軍司令官のRicardo Ortega によればコントロールタワーやその他のシステムの稼動は可能。しかし航空会社のシステムに問題があるという。「到着した航空機もある。といって平常に戻れることを意味しない。一級の施設を有しない地方空港にあっては着陸機を受け入れることも可能であろう」とオルテガ司令官は言う。

当初72時間は空港閉鎖され代替としての Mendoza, Argentina, Buenos Aires、Limaへの着陸を予定していた。しかし日曜日午後になっておよそ200万人の人々が住む場所のないことが判明した。およそ50万棟の家屋が被害を受けた。チリーはその他の世界から隔絶された状態となった。電力、飲料水、通信機能も途絶した。電話サービスは順次回復しているが死者は700人を超えている。

被害が甚大なのは首都サンチャゴの南の人口80万人のコンセプション市である。またこのたびの地震はブエノスアイレスはおろか1800マイル先のブラジルのサンパウロでも感じられた。チリー政府は治安部隊を投入しているものの自身の被災者らは店舗を破壊し水や食料など必需品を略奪している。その中にはTVや家庭用品までも盗むものも現れた。

国境警備隊は違反操業船を拘束    ロシア極東

2010-03-01 00:00:52 | 海事
スケソウダラ操業に対する10日間にわたる活動で2件の悪質な漁業法違反があったことを発表した。1月はカムチャツカ海区では、小規模な違反はあったものの比較的平穏であった。しかし2月になるとロシアEEZ内のオホーツク海区で2隻の漁船による環境法違反の深刻な操業があった。(RIA 2月15日)

2月3日国境警備船のPAGELLAは漁船BMRT、Dimitry Paschenco(ナホトカ港船籍)を停船させた。査察の結果、操業禁止区域でこのトロール船はおよそ4トンのスケコ卵を生産、かつ隠匿していた。法に基づき本船は逮捕と決定。ペトロパブロフスク・カムチャツキーに連行された。

2月11日極東当局の航空機AN-72による定期飛行の際、千島列島北方海域で衛星位置報告装置を装備していない漁船を発見。現場に監視船MAGADANETが急行した。本船を停船させ査察したところカンボジア船籍のTX MARTIN号で乗組員はロシア人であった。7トン以上のスケソウダラを発見したが、本船には漁業許可証や船舶書類も備えていないことが判明。裁判のため上記同様にペトロパブロフスク・カムチャツキーに連行された。

注: BMRT=Bolshoi Morozylniy Rybolovnyi Trauler (large freezer fishing trawler)
(写真はDimitry Paschencoではありません)