ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

尾口第1ダム(再)

2016-11-11 15:01:09 | 石川県
2016年11月5日 尾口第1ダム(再)
 
尾口第1ダムは石川県白山市の手取川右支流尾添川にある北陸電力の発電用重力式コンクリートダムです。
豪雪により水量が豊富で急流が続く手取川では戦前から複数の事業体により電力開発が進められました。
尾口第1ダムは1938年(昭和13年)に当時の5大電力の一つ大同電力系列の矢作水力によって建設されますが、竣工の翌年に日本発送電に接収され戦後の電力分割民営化で北陸電力が事業を継承しました。
尾口第1ダムで取水された水は尾口発電所に送られ最大1万8100キロワットの発電を行っています。
建設当初は4門のラジアルゲートを備えその歴史的価値から近代土木遺産に選定されましたが、2011年(平成23年)に再開発されゲートレス化されました。
再開発に当たっては国立公園特別地域内であることに配慮してコンクリートは黒色に着色するとともに擬岩化した化粧型枠を使用、排水路は花崗岩により石貼りされています。
 
国道157号線から国道360号を東進、県道53号を分けてしばらくすると右手に尾口第1ダムが見えてきます。
右岸上流から。
ゲートレス化され自然越流式となりました。
 
取水口をズームアップ。
堤体や堰柱は黒く着色され擬岩化された化粧型枠が使われています。
 
下流面。
 
下流から。
 
奥に見えるのは北陸電力三ツ又第一発電所です。
 
竣工記念碑。
 
ダムのそばを通る白山白川郷ホワイトロードは歩行者スペースがなく車が通るたびに冷や冷やしながら撮影しました。
 
追記
尾口第1ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により新たに洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0905 尾口第1ダム(元)
左岸 石川県白山市尾添
右岸     同市中宮
手取川水系尾添川
28.4メートル
42.2メートル
北陸電力(株)
1936年
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3604 尾口第1ダム(再)(0703)
左岸 石川県白山市尾添
右岸     同市中宮
手取川水系尾添川
26.9メートル
41.7メートル
北陸電力(株)
2011年再開発竣工
◎治水協定が締結されたダム


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