ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

岩倉ダム

2016-10-26 09:57:56 | 長野県
2016年10月23日 岩倉ダム
 
岩倉ダムは長野県下伊那郡売木村の天竜川水系売木川支流岩倉川にある中部電力の発電用重力式コンクリートダムです。
矢作川の電源開発を進めていた大同電力系列の矢作水力は1931年(昭和6年)に天竜川水力と合併し天竜川の開発にも乗り出します。
岩倉ダムは1936年(昭和11年)に下流の豊発電所とともに矢作水力によって建設されました。
岩倉ダムは取水ダムではなく、増水期に貯留を行い渇水期に放流をし、売木川の水量を平準化することで年間を通して安定した発電を行う目的で建設されました。
岩倉ダムと豊発電所は日本発送電を経て戦後は中部電力が事業継承しました。
建設当初はクレストに3門のローラーゲートを備えていましたが、2000年(平成12年)の改修でゲートが撤去され現在は自由越流式ゲート3門となっています。
 
国道418号に岩倉ダムの表示がありこれに従うと岩倉ダム右岸に到着します。
2000年(平成12年)の改修のせいか、ゲートの扶壁のコンクリートだけが白くなっています。
 
天端は立ち入り禁止。
 
ダムの銘板にはローラーゲート3門と記されています。
 
堤体下流面。
 
ゲートをズームアップ。
戦前戦中のダムらしくゲート部分は階段で高くなっています。
ここだけ白くなっており改修の跡がよくわかります。
 
取水ダムではないせいか、中電のダムとしては珍しく堤体直下が開放されています。
3門のゲートから放流されていました。
 
 
下からもゲートをズームアップ。

(追記)
岩倉ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
0990 岩倉ダム(0671)
長野県下伊那郡売木村
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
天竜川水系岩倉川
25メートル
100.9メートル
千㎥/千㎥
中部電力(株)
1936年
◎治水協定が締結されたダム


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