拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

木耳~ダビング

2022-06-30 05:21:29 | 音楽

木耳(きくらげ)はしゃきしゃきして食感がよく、水溶性食物繊維が豊富で免疫にも効くと聞いて、毎日食しているのだが、もっぱらラーメンの具としてだった。ラーメン鍋にぶち込めば水で戻す手間が省けるからだが、このたび、初めて「水で戻す」を独立工程で行って、「木耳とホウレンソウと卵と豚肉炒め」を作ってみた(ホウレンソウが余計だが、冷蔵庫に入ってたので)。視覚的には木耳が多すぎて、全体が黒っぽくなってしまった。もっと卵の黄色がなければそれらしくない。それにしても、15分水に漬けるとこんなにふくらむのか。ってことは、毎朝のラーメンでは膨らみきる前に食べちゃってたんだな。胃の中で膨らんでるのだろうか。

さて。某大なMDコレクションをパソコンに移すつもりと書いたがその方法について試行錯誤。いったんICレコーダーに移したり、直接パソコンにつなげて無償ソフトでファイル化する作戦は、音質的に難があってボツ。もともと、MCを再生する機器(オンキヨー製)にはUSBに録音する機能がある。なんだ、じゃ問題ないじゃん?いや、以前、試したとき問題が生じてボツになっていた。曲中の無音部分で勝手に分割して別ファイルにしてしまう。例えば、オペラの一つの幕がいくつものファイルに分割されてしまうのだ。まてよ。分割されたファイルは結合すればよい。以前試したときは私はそのノウハウを持ってなかったが、今ならできる。ということで、ダビング先のUSBをパソコンに差し、分割されたファイルを結合してHDDに残す。上首尾!ということで、移行作業を本格化させたのである。移行順はMDに付けた通し番号順。1~4番は、1984年のバイロイトの「リング」。一体、これまで何回この演奏を「移行」させたろう。最初は、ベータビデオだった。当時、ビデオテープにハイファイで(高音質で)録音できるようになり、カセットテープと違って長時間録ることが可能だったので、オーディオ録音用にも使っていた。ところが、ベータビデオ陣営がVHSとの競争に負けて市場から撤退。このままでは再生できなくなる。そこで、8mmビデオにダビング。8mmビデオにPCM録音ができたので、オーディオ用にも使っていた。ところが、8mmビデオ陣営が市場から撤退。このままでは再生できなくなる。そこで、MDにダビング。ところが、MD陣営が市場から撤退。このままでは再生できなくなる。これが現在の状況である。ベータビデオ→8mmビデオ→MD→パソコン……3回目のお引っ越し。これが最終着地点になるのだろうか。そうやって、私が必死になって守り続けてきた1984年のバイロイトのリングの録音を、今回、久しぶりに聴いた。やはり守るだけの価値のある記録である。何と言っても、ヒルデガルト・ベーレンスの歌うブリュンヒルデが圧巻。この難役は普通はドラマティック・ソプラノが歌うのだが、往々にして、力尽くで美しくない。最高音はフラットになったりする(例外中の例外はビルギット・ニルソン)。だが、ベーレンスの声は高音になればなるほど輝く。リリックの声質とドラマッティックな表現を併せてもった、まるでタイトルホルダーのような馬……じゃなくてソプラノである(先日の宝塚記念を勝ったタイトルホルダーは、スピードと持久力を合わせ持った現役最強馬である)。昨日の「B」は、「ベーレンス」の「ブリュンヒルデ」が正解だった。もし、ベーレンスを聴いてなかったら、私はここまでヴァーグナー好きになっていたかどうか。ところで、MDからパソコンへの移行作業は、今使ってる機器が動いてくれることが前提条件。これが壊れたら、オンキヨーは破産して修理部門が停止してるから、作業は中止となる(家電部門をシャープが買い取るという話がある。買い取ったシャープが旧オンキヨー製品の修理をしてくれるならよいのだが)。そうした事態に備えて、同じ機器の中古(整備品)を購入。またもや、歴史は繰り返す、だ。8mmビデオからMDへの移行作業のときも、予備に8mmビデオ再生機の整備品を購入。だが、ダビングも終盤になって次から次へと故障。ほとんど移し終えたが、いくつか時間切れで涙を飲んだ録音がある。アグネス・バルツァがイタリアのどっかの地方都市で「ドン・カルロ」のエボリ公女を歌った公演記録もその一つ。バルツァの同役はカラヤン指揮のCDで聴くことができるが、それとは比較にならないほど迫力のある演奏だった(やはりライブは違う)。現在、動かなくなった8mmビデオ再生機の中で永遠の眠りについている。今回は、最後まで「たすき」がつながるだろうか。MDは800枚以上ある……