四姉妹=背の順に、左から、アー子、ベー子、O子、ツェー子。このうち、O子だけが別種。その違いを実感する毎日である。まず、華奢。背こそはベー子と同じくらいだが、持った感じが全然違う。O子が坂東玉三郎ならベー子は北斗晶である(ジャガー横田でもいい)。そのくせ、キーとキーの間が結構離れていて、ある程度指が長くないと難しい。手足が長くてスラッとしている……モデル風である。マウスピースもない。O子を吹いた後で三姉妹を吹くと、マウスピースが一瞬異物に感じられる。指遣いも繊細。穴を半分ふさぐだとか、キーをふさぎながら同じ指の腹で横のキーをふさぐだとか。そうか、O子ってこんなんだったのか。ここまで洗練されていれば既にレディーである。クラ子たちの中にあって醜いアヒルの子に例えようとしたが、既に大人の白鳥(黒鳥)である。ならばO子とは呼ぶまい。以後O嬢と呼ぼう。そう言えば、「O嬢の物語」という映画があった(以後、ちょっとの間、スケルツォ)。淫靡な映画だそうだ(録画したがまだ見てない)。われわれの年代では「淫靡」のことを「エイチ」という。その理由については、「hentai」のイニシャルをとったという説がある。いずれにせよ、後の世代のように、男女が営むことを「エッチする」と表現することはなかった。いつからこういう言い方をするようになったのだろう。私より10個以上下の世代は確実に使っているから、その間に起きた地殻変化だと思われる。この表現に、私の世代の語意をあてはめると、「エッチする」=「変態行為をする」になってしまって具合が悪い。楽器の話に戻る(スケルツォはおしまい)。O嬢の美しさに感心する一方、クラ姉妹のよさも再確認である。O嬢は、リコーダーなどと同様、うーんとざっくばらんに言ってドレミファソラシドとほぼ同じ指遣いでオクターブ上のドレミファソラシドを出す。だが、クラは、ドレミファソまで行ってから特別なキーを使ってラシドを出し、先とは別の指遣いでその上のドレミファソラシドを出す。音域が異様に広いのはこういうところにもよるのだなー。音も、華やかなO嬢に対してこちらにはシックな良さがある。なら浮気しないでクラに専念しろと言われるかもしれない。残念ながら、クラはバッハに登場しない。バッハのカンタータを演奏する毎月の某会で出番がないのだ(ツェー子で、トランペットのパートを吹いたりするのがせいぜいである)。私が、ヴァイオリンを弾くのはそのせいである。え?じゃ、某会のバッハにO嬢でデビューするのかって?滅相もない。そりゃIさんの下で2ndを吹ければよいが無理というもの。カエルの歌の輪唱(奏)くらいならやらせてもらうかもしれないけど……
四姉妹=背の順に、左から、アー子、ベー子、O子、ツェー子。このうち、O子だけが別種。その違いを実感する毎日である。まず、華奢。背こそはベー子と同じくらいだが、持った感じが全然違う。O子が坂東玉三郎ならベー子は北斗晶である(ジャガー横田でもいい)。そのくせ、キーとキーの間が結構離れていて、ある程度指が長くないと難しい。手足が長くてスラッとしている……モデル風である。マウスピースもない。O子を吹いた後で三姉妹を吹くと、マウスピースが一瞬異物に感じられる。指遣いも繊細。穴を半分ふさぐだとか、キーをふさぎながら同じ指の腹で横のキーをふさぐだとか。そうか、O子ってこんなんだったのか。ここまで洗練されていれば既にレディーである。クラ子たちの中にあって醜いアヒルの子に例えようとしたが、既に大人の白鳥(黒鳥)である。ならばO子とは呼ぶまい。以後O嬢と呼ぼう。そう言えば、「O嬢の物語」という映画があった(以後、ちょっとの間、スケルツォ)。淫靡な映画だそうだ(録画したがまだ見てない)。われわれの年代では「淫靡」のことを「エイチ」という。その理由については、「hentai」のイニシャルをとったという説がある。いずれにせよ、後の世代のように、男女が営むことを「エッチする」と表現することはなかった。いつからこういう言い方をするようになったのだろう。私より10個以上下の世代は確実に使っているから、その間に起きた地殻変化だと思われる。この表現に、私の世代の語意をあてはめると、「エッチする」=「変態行為をする」になってしまって具合が悪い。楽器の話に戻る(スケルツォはおしまい)。O嬢の美しさに感心する一方、クラ姉妹のよさも再確認である。O嬢は、リコーダーなどと同様、うーんとざっくばらんに言ってドレミファソラシドとほぼ同じ指遣いでオクターブ上のドレミファソラシドを出す。だが、クラは、ドレミファソまで行ってから特別なキーを使ってラシドを出し、先とは別の指遣いでその上のドレミファソラシドを出す。音域が異様に広いのはこういうところにもよるのだなー。音も、華やかなO嬢に対してこちらにはシックな良さがある。なら浮気しないでクラに専念しろと言われるかもしれない。残念ながら、クラはバッハに登場しない。バッハのカンタータを演奏する毎月の某会で出番がないのだ(ツェー子で、トランペットのパートを吹いたりするのがせいぜいである)。私が、ヴァイオリンを弾くのはそのせいである。え?じゃ、某会のバッハにO嬢でデビューするのかって?滅相もない。そりゃIさんの下で2ndを吹ければよいが無理というもの。カエルの歌の輪唱(奏)くらいならやらせてもらうかもしれないけど……