拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

"gute Voce"は「ちゃんぽん」ではなかった!

2018-08-31 15:08:26 | 言葉
なんかのはずみで今リアルタイムで放送しているウルトラマンを見た。赤かった。すると「ウルトラマン・レッド」とか言うのかな?と思ったら「ウルトラマン・ロッソ」だった。ほらみたことか。誰に言ったかというと30年前、SM合唱団の新年会で「グーテ・ヴォーチェ」と口走った私に対して一斉に「それは『ちゃんぽん』だ」と非難した麺々ではなくて面々に対してである(因みに、綾瀬駅から新小岩方面に南下するバス道路沿いにはラーメン店が多く、その中に「長崎ちゃんぽん」の店がある)。「voce」と言うなら「bella」だろう、「gute」と言うなら「Stimme」だろう、というわけである。しかし、言葉のちゃんぽんはいまや当たり前。「ウルトラマン・ロッソ」は英語とイタリア語のちゃんぽんであるし、かの「Voces8」の「voce」はイタリア語で「s」は英語である。「野球チーム」だってちゃんぽんである……ん?「チーム」は外来日本語だからちゃんぽんではないか。「野球ティーム」と言ったらちゃんぽんだが(その昔、どっかの国語の先生が、「チーム」と言えばいいものをNHKのアナウンサーは「ティーム」と言う、と怒っていた)。待てよ。外来語でもその国の言葉として認知されていれば「ちゃんぽん」にならないのなら、もし「Voce」が外来語としてドイツ語辞書に載っていればそもそも「グーテ・ヴォーチェ」は全部ドイツ語であって、「ちゃんぽん」という批判は最初から当てはまらなかったことになる。辞書をひく。おおおっ!あったー!30年前の恥辱を今すすいだ!タイムマシンで30年前に戻って「Voce」はドイツ語になってるんだよ、と言ってやりたい!因みに、「赤いウルトラマン」で思い出したのだが、ウルトラマンの放送開始前の名称は「レッドマン」だった。

トルコ民族

2018-08-30 10:39:31 | 日記
西域の話の続き。この地域の民族はそもそもどこ系なのだろう。と思ったのも、西域の住人であるウイグル人の容姿が欧米人っぽくて、東京のウイグル料理屋でも美形のウイグル人に会えるそうで、歌いまくる会の次回の定例会もその料理屋でやろうかって話になっていて、まあそれは関係ないが、今ウイグル人が住んでる所って西域の中では東の方である(中国の一部である)。そこに欧米人のような容姿のウイグル人がいることに興味を覚えたのである。で、調べたら、中央アジア(西域)の住人の多くはトルコ系だそうだ。そう言えば、この地域は、昔、トルキスタン(トルコ人の住む国)と呼ばれていた。それが東西に分かれていて、東トルキスタンが今の中国の一部で、西トルキスタンが現在の中央アジア諸国である(○○スタンという国が5つある)。今トルコって言うと、地中海の東端のアナトリア半島のトルコ共和国が頭に浮かぶが、そこからえらく離れた中央アジアになんでトルコ人がいるのかっていうと、もともとトルコ(トュルク)民族は中央アジアよりもさらに東、モンゴル高原あたりにいた(こっちが先だった)。中国への侵入を繰り返していた「北方民族」がまさにそれである。そこから中央アジアに移って、さらにその一部が地中海まで達したというわけだ。その間、ヨーロッパ人との混血が進んで、今ではトルコ人も美男美女であまりアジアっぽくない。上記のウイグル人も同様、大昔からかなり混血が進んでいて、美形が多いのはそのせいである。ってなことを調べているうちに、西域熱が沸騰。結局、中公文庫の「世界の歴史」の「西域」の巻の古本をポチる。で、来たのはいいのだが、(渡辺謙さんのCMのように)「字が小さすぎて読めないっ」。思わず○○○ルーペを買おうかと思ってしまった。因みに、件のCMで菊川怜のウインクを見るたびに「あなたにウインクされるいわれはない」とツッコミを入れる私である。

次期朝ドラはインスタント・ラーメンの話

2018-08-29 09:14:57 | 日記
次期朝ドラ「まんぷく」のナレーションを務めるのは芦田愛菜さんで、ナレーターの最年少記録だそうだ。その前の最年少は「てるてる家族」の石原さとみさん。おおっ、「まんぷく」はインスタント・ラーメンを発明した安藤百福さんご夫婦の話だそうだが、「てるてる家族」にも安藤百福さんをモデルにした役が登場してた!つながりましたねー。だったら「カーネーション」に続く夕方の地上波の朝ドラ再放送枠には「てるてる家族」を入れてほしいなぁ(今んとこ、どこにもそういう情報はない)。そう言えば、「てるてる家族」では上の娘二人がフィギュアスケートをやっていたが、今やってる「半分、青い」でもカンちゃんがフィギュアスケートをやりたいと言っている。まあね、そんなつながりを言い出したらキリがない。「ヒロインが食べ物屋で働く」と言えば大体ほとんどの作品にあてはまる。ところで「まんぷく」でヒロインを務める安藤サクラ(おおっ、ヒロインも「安藤さん」ならモデル夫婦も「安藤さん」だ!……って、だからキリがないったら)はどういうキャラクターなのだろう。これまでの多くの朝ドラヒロインは、前向きで、ちょっとおっちょこちょいだけど頑張り屋。人のことがほっておけないおせっかい(ひとんちのもめ事に首をつっこんで意見する)。私は、安藤サクラさんには、そういうヒロインにはなってほしくない。因みに、そういうんじゃないヒロインもいましたよ。「カーネーション」の糸子は巻き舌で啖呵を切るし、「ちりとてちん」の喜代美はすべてにおいて後ろ向き。「半分、青い」のスズメも性格が相当悪い。これら、みんな私の大好きな作品。

降りてきたベートーヴェン

2018-08-28 09:48:13 | 音楽
こないだのミサソレの録音を聴いている。もちろん、雲の上にそびえるベートーヴェン山の頂上は高いが、間違いなくベートーヴェンはその頂から降りてきた。きっとわれわれが感動をもって一生懸命(そりゃああなた、一生懸命なのは間違いないですよね)歌ったからだろう。ベト神はそういうところに現れる。逆に、技術はあっても感動がないところには降りてこない。私は、ベートーヴェンの大フーガが大好きである。CDで離れ小島に一曲だけ持っていっていいと言われたらこれを選ぶ。だから、その昔、知り合いが指揮をつとめる某合奏団が大フーガを演奏するというので、にぼしを見せられた猫のように驚喜して聴きにいった。しかし、聴衆(私)がこんなに興奮しているというのに奏者はしらーっと弾いている。肩すかしである。あとから指揮者に聞いたら、この日、もう一曲演奏されたモーツァルトの五重奏曲がメインだった。付け合わせ(怒)になんかないかなと思ったら大フーガがあったんでそれを選んだ、というのだ。合点がいった。まさにそうやって選曲されたんだろーな、という演奏だった。私は指揮者に「232小節目、本当は二拍目で第一ヴァイオリンのレの♭がとれるのに一拍目からとれていた」と不満をぶつけてみた。そしたら「そんなこまかいことー」と誰かが言った(言ったのは、指揮者ではなくて回りの人だったと思う。一応指揮者の名誉のため)。あなたね、そんなこまかいことではないですよ。もし、感動をもって弾いていたら一拍目で♭をとったりしない(二拍目のぎりぎりでとれるところがすごいのだ)。こういうところにはベト神は絶対降りてこない。さて、離れ小島の話だが、ハンマークラヴィーア以降のピアノソナタも捨てがたい。1枚じゃなくて1セットって言ってくれたら「後期ピアノソナタ全集」を持って行く。演奏はバックハウスで。

「運命」を聴いたゲーテの真意のほど

2018-08-27 11:37:57 | 音楽
(承前)アンチ・ベートーヴェンで思い浮かぶのがゲーテ。こういう話がある。若いメンデルスゾーンがゲーテのうちにお呼ばれしたときのこと(以下、多少の脚色あり)。(ゲーテ)「君、ピアノで何か弾いてくれたまえ」(メンデルスゾーン)「ベートーヴェンはいかがですか?」「ベートーヴェンっ?あんなベトベトするやつはすかん。君のような天才があんな野蛮なものを弾いてはいけない。やめたまえ」「まあ、先生、そうおっしゃらずに。なかなかよいものですよ」と言いつつ、メンデルスゾーンはピアノに向かう。♪ジャジャジャジャーーーン……「なんだこれはっ、こけおどしだ。感動のカの字もない」(しかしメンデルスゾーンが弾き続けるうちに)「すごい。屋根が落ちて家が壊れそうだ。これをオケでやったらどんなことになるだろう」。ゲーテは最後の感想を食事のときも繰り返した(老人は同じことを何度も言う)。問題は「これをオケでやったら」の部分(史実であって脚色ではない)。私は、ベートーヴェンを嫌いと言っていたゲーテが実はその音楽に圧倒されて思わず本音が出てしまったのだと思った(違う読み方もあるようだが)。まあね、偉い人は一度言ったことを撤回するのはプライドが邪魔してできないようだから。19世紀に批評家として名をなしたハンスリックは生涯ヴァーグナーの悪口を言い続けたが、ホントは好きで、ぼちぼち好意的な記事を書こうと思っていた矢先、「マイスタージンガー」で自分が思いっきり揶揄されたんで(ベックメッサー=ハンスリック)、方針転換を撤回したという。因みに、このハンスリックはチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を「悪臭のする音楽」(鼻持ちならない音楽という訳もある)と評したことで有名だが、もし今日復活してかの協奏曲が人気を博しているのを見たら何と言うだろう。「この時代の人間は聴く耳を持ってない」と言うのなら首尾一貫していて立派である。もし「い、いやー、私は悪いと言う意味で言ったのではない。言葉が足りなかった。もし誤解を与えたのなら申し訳ない」などと言ったらまるで政治家である。

ベートーヴェン礼賛

2018-08-26 10:45:01 | 音楽
ミサソレを歌った仲間が口々に「ベートーヴェンすごい」と言う。うれしい。私、ベートーヴェンは大好きである。え?シュッツを歌う会をやってるんじゃ?はい、シュッツも大好きです。歌いまくる会をやってるんじゃ?はい、バッハも大好きです。ワグネリアンって言ってなかった。はい、大好きです。ラインの乙女になりたいです。……以下、際限ないので早回し……スターウォーズが好きなんだろ?はい、ジョン・ウィリアムズも大好きです。ということで、私はカラスもびっくりの雑食性である。だが、子供の頃最初に好きになった作曲家はベートーヴェンであるという点で(第九の第四楽章のファンファーレを聴いたのがきっかけ)、私には格別である。ところが、回りにはアンチが多い。なぜ?大作曲家と言われているのに……いや、そう言われているからこそか。(チコちゃんの森田アナウンサーの口調で)アンチ巨人のようなアンチ・ベートーヴェンがこの日本になんと多いことか。あと、私の友達は古楽ファンが多いという特殊事情もある。多くの古楽ファンの音楽史にはベートーヴェンは存在していない。それこそ「別の銀河系」の音楽である(このフレーズ、最近多用している)。でもねー、やっぱねー、いいものはいいですよ。あの尽きることのない楽想、推進力、叙情性もたっぷり。きっと、その巨大な構造物に魅了されて入り込んだら最後、二度と出ることはできないのだろう。だから何度も何度も歌いたくなるのだろう(今回テナーを歌ってくれたTさんはもう8回ミサソレでステージに乗ってるんだって!)。とか言いつつ、今日歌うのはBWV133である。

次は通唱会!(ミサソレ)

2018-08-25 08:51:37 | 音楽

みなさん、飯Jまです。昨日はミサソレのレパ会(レパートリー会の略。通唱会もどき)にたくさんおいで下さり、ありがとうございました。なーんて言ったらまるで主催者である。私は主催者でもなんでもない。昨日の会の主催は合唱研究会(村松さん主宰)であり、アルカディア合唱団(以下、A合唱団)はそこに団ごと参加していて、私はそのA合唱団の末端団員である。だから、連絡係も打ち上げの幹事もヴォランティアである。ヴォランティアにとっての金科玉条は「かけた情けは水に流し、もらった情けは石に刻む」である(78歳のスーパー・ヴォランティアさんの請け売り)。いや、まじめに、素晴らしい会であった。私は少人数で歌うのが普通だから、あの音量には圧倒されるし、ソロ・ヴァイオリンがまた素晴らしかった。昨夜の華でしたねー。ミサソレを一度歌ってみたいという私の40年越しの夢もかないました。そう、これを歌うのは初めてである。大好きな曲で、楽譜を買ったのは高校生の頃。当時は吹奏楽でクラリネットを吹いていたが、どうしてもこの曲を歌いたくて、で、仲間を誘ったが片っ端から断られたのであった。古いだけあって楽譜はぼろぼろ。分解しそう。昨夜の本番の直前に私がしたことはホームセンターで製本シールを買って楽譜の補修をすることだった。歌い終わった後は感動の嵐。で、打ち上げとなったわけだが、ここではみなさんに相当窮屈な思いをさせてしまった。出欠についてなんの返事もよこさなかった人が当たり前のようにきたためだ(その全員がA合唱団の人。ホントにここの団員(の多く)はお殿様、お姫様である。これ精一杯の皮肉。大丈夫。お殿様やお姫様はこのブログのことは知らない。もし読んでたら……これは別の銀河系のA合唱団の話です(最近の私の常套句))。そのため、私などは宴会場とフロアーの間くらいにはみ出てしまい、店の人のお手伝いばかり。いや、これが楽しくて、私の前世は給仕だったに違いない。お店の中国人のおばさんとも見事な連携作業であった。おばさん、好きです、結婚して下さい(ウソ)。で、「ものごとは宴会で決まる」の格言どおり、ミサソレの通唱会(今度は「もどき」ではない)の日程が決まった(場所がとれたら、の条件付き)。来年の1月14日(月・休)の午後。今回歌いたかったんだけど都合がつかなかった方、歌って「あの感動をもう一度」の方、ご予定下さいまし。なお、クラリネットⅠⅡはもう埋まっておりますのであしからず。よーし、今度こそはクラを吹くぞ!グローリアの最後んとこ(おとといブログにカタカナで書いた部分)、今度は楽器だ!♪パーーーーーーーーーーーパパパン、パパパン、パパパンパンパン(あ)……最後の(あ)は合唱。

♪イーーーン、グロオオオオオオオオオオオオリア……

2018-08-24 14:24:02 | 音楽
(バス)イーーーン、グロオオオオオオオオオオオオリア、デーイーパー(テナー)イーーーン、グロオオオオオオオオオオオオリア、デーイーパーートリス、アー(アルト)イーーーン、グロオオオオオオオオオオオオリア、デーイーパー(ソプラノ)イーーーン、グロオオオオオオオオオオオオリア、デーイーパーートリス、アーーアアアメン……以下、圧巻のフーガ!さあ、いよいよですよー、もりあがってきましたねー!

嗚呼、和子(わこ)さん

2018-08-24 10:55:07 | 日記

ベランダの大葉がみんな倒れている。夜のうちに台風の強い風が吹いたようだ。ふんぎりがついた。全部収穫しよう。さて、今朝の「半分、青い」で満月の夜、和子(わこ)さんが逝った。涙、涙の朝であった。だがあえて苦言を呈したい。和子さんはなぜ逝かなければならなかったのだ?ここで和子さんが逝けば物語が盛り上がる、って言うんだったら許しませんからねっ(って私が言ってもなんともならないが)。命あっての物種。おもいおこせば「あまちゃん」で震災が描かれたとき、誰しもユイちゃんがもうだめと思った。だがユイちゃんは無事だった。そのままドラマは終わってその年の暮れ、紅白(ドラマの中ではなくてホントの紅白)でアキとユイちゃんが「アイドルデビュー」を果たしたとき、ユイちゃんが無事だったからこそ彼女らの夢が実現したのだと胸が熱くなった(このあたり、ドラマと現実が交錯しております)。さて、朝ドラのおかげで岐阜に対する関心がうなぎ登り。岐阜弁は関東と関西の両方の特徴を持っているという。例えば、春夏秋冬のイントネーションは、関東は「は↓るな↑つあ↓きふ↑ゆ」で関西は「は↑るな↓つあ↑きふ↓ゆ」であるところ、垂井式(岐阜弁の一種)では「は↓るな↓つあ↓きふ↓ゆ」なのだと。へーえ。ところで、カンちゃん(スズメの娘)は今のところ岐阜犬がホントに話すと思っている。真実を知ったとき、どう思うだろう。昔、新幹線に乗ってたら、どっかのおじさんが孫とおぼしき子を車両の連結口のところに立たせて「『開け、ごま』と言うと扉がひらくよ」とウソを教えていて、で、実際、「開け、ごま」で扉が開くもんだから(立ってから開くまでのタイムラグがちょうどよい長さだった)、その子供はすっかりじーさんのウソを信じてやたらと感心していた。で、きっと幼稚園で「電車の扉って『開け、ごま』って言ったら開くんだよ」と友達に言うんだろう、で、「ばーか、そんなことウソに決まってるじゃん」「ホントだもん」「ばーか、ばーか」「うぇーん」という悲しい運命をたどるのだろう。つみつくりなじーさんである。ところで、電通と博報堂を併せたような会社の社員の有田哲平さんは(和子さんが逝って、すっかりぶっとんでしまったが)、今後も登場するのだろうか?

♪グローーオリアッ、グロリアッ、(パパパン)グローオリアッ!

2018-08-23 21:54:26 | 音楽
同じところを三小節前から。♪(パーーーーーーーー)グローーオリアッ、グロリアッ、(パパパン)グローオリアッ!おおおっ、Bravo! でも、「パ」(オケ)が一拍先に終わって残った合唱がアカペラで「アッ」を言うこの奇跡的なアイディア(von Beethoven)はカタカナではどうしても表せませぬ。皆様、明日(あす)、この奇跡を実現させましょうぞ!

西域

2018-08-23 09:22:30 | 日記

私は、高校時代、世界史が好きで、特に「西域」に漠然と憧れをもっていた。「西域」とは中国史的な言い方であり、今では「中央アジア」と言った方が通りがいいかもしれない。「シルクロード」と言ってもいいのだが、シルクロードではなんだか「線」の感じがして私的にはぴんとこない。で、なぜ「西域」に惹かれたと言われてもよく分からないのだが、要は、その「よく分からない」ところがロマンをかき立てたのかもしれない。で、最初に「西域」を知ったのはやはり中国史。中国史は北方騎馬民族との戦いの歴史である。入れ替わり立ち替わりいろんな民族がやってきて、それらの民族は撃退されると西に行く。行った先が「西域」というわけである(なかにはもっと西に行って、ヨーロッパまで達してゲルマン民族大移動をもたらした民族(フン族)もいた)。そんな具合だから、「西域」を中心に考えると、次から次へと東(中国)方面から諸民族がやって来て、いろんな王朝が出来たら消えての繰り返し。だもんで、余計によく分からないのだ。今、ネットで情報を得ようと思っても情報量はきわめて少ない(ドイツバロックの音楽家についての情報の方がはるかに多い(ドイツ語サイトから得られる))。高校のときは何をもとに勉強してたんだっけ。そうだ、二つだ。一つは世界史地図。各時代の世界の勢力図が一覧できる。高校んときの教材ってとってあったっけ。とってあったにしても押し入れの奥で、それを取り出すのは物理的、体力的に無理だ。ポチろうか、でもわが家のどこかにありそうなものを買うというのは倹約を旨とする私の主義に反する。もしかしたら、と思って歴史関係の本をつっこんである本棚をあさるとなんとすぐに出てきた。どうやらここに引っ越してきたとき、すぐ読みたくなるかもと思って取りだしておいたらしい。でかした、私!もう一つは中公文庫の世界の歴史シリーズ。その中に「西域」があったはず。だが、これこそない、あるいはすぐには出てこない。神田の図書街にでも行ってみようか。さて、そんな風に世界史好きであったから、大学受験の選択科目も当然世界史。これには相当自信があった。ところが、西北大学の某学部の問題にはたまげた。アメリカ大陸の歴史が出たのだ。150キロのストレートを待っていたら思いっきりスローカーブが来た感じ。培った知識はほとんど役に立たなかった。それでも、大方の受験生も事情は同じだったららしく、合格してその学部に通うことになった。因みに、時を前後して受験した某大学の某学部の歴史の問題文は、これまたあっと驚くもので、一言、「近代ヨーロッパの歴史について書け」というもの。めんくらったのは同じだが、このときは私の中でアドレナリンが出まくり、思いっきり書きたいことを書きまくった。本来、受験的には、こうした論文形式の場合は書くべきポイントというものがあって、それが書いてないとどんどん減点される。しかし、私はおかまいなし。たしか、ヨーロッパは異民族の侵入(おおっ、上記の話とつながる!)に備えるために城壁を作り、都市が孤立化した。しかし、近代になって、城壁が取り壊されてからヨーロッパの膨張が始まった、みたいなことを延々と書いた。受験的にはアウトである。しかし合格した。私、その大学と西北大学では西北大学の方が志望だったので、そちらは辞退したのだが、ああいう答案に合格点を与えるなんてこの大学、相当懐が深い。もしかしたらこっちの方がいいのかも、とちらっと思ったりもしたもんだ。そうすると室内合唱団との出会いもなく、私の人生はかなり違ったものになったかも。そしたら、某さん、いや某さんと同じ合唱団の先輩、後輩なんてことになってたかもなー。

「私の恋人の肌は褐色」(クィルター)

2018-08-22 19:53:34 | 音楽
あっちでもこっちでもお世話になっている鈴木架哉子先生がピアノ伴奏を担当する「裏街道シリーズ」っていうコンサートがあって、名前の通りあまりなじみのない歌曲を紹介するシリーズなのだが、第10回の今年は「裏街道もう一度」と題した言わばこれまでの総集編。それを聴きに行った。プログラムは、ファニー・メンデルスゾーン、クララ・シューマンそしてベートーヴェンのリート、レスピーギのオペラ「ルクレツィア」の部分、ここまでが前半。フェリックス・メンデルスゾーンが愛してやまなかったお姉さんのファニーの曲は流れるようなメロディーがとってもきれい。ロベルト・シューマンの奥さん……と言うより19世紀を代表する大ピアニストであるクララはさすがにピアノ伴奏が雄弁。ベートーヴェンは、これは全く「裏街道」ではない。「ルクレツィア」の音楽がすさまじいのは前に聴かせてもらって重々承知の助である。後半は、「国」がテーマだそうで、カタルーニャのモンポウとオブラドルス、そしてグリーグの歌曲の後、最後にイギリスのロジャー・クィルターの歌曲が歌われた。なんとこれがものすごくいい。特に心に残ったのが「私の恋人の肌は褐色」(Brown is my love)って歌。日焼けサロンで焼きましたってそんな歌だと思ったらバチがあたる。肌の色を超えた愛の歌だ。だが、クィルターが生きたのは19世紀の終わりから20世紀の中頃。今でさえアメリカのトランプさんみたいな人がいるくらいだから当時の偏見は想像に難くない。心がざわざわしながら聴いていると、恋人を称える言葉が続いた後に「scornful」(侮蔑的)という言葉が出てきてどきっとする。でも最後の「白い花よりも悲しい花の方が称賛される」で少し救われた気分になる。そう言えば、子供の頃に読んだ中米だったか南米だったかの民話にこんなのがあった。昔、神様が人間を作ったとき、この神様は人間をかまどで焼いて作るのだが、最初に作ったのは火にかける時間が短すぎて白くなってしまった。次は長すぎて色が濃くなりすぎてしまった。最後にちょうどいい色に焼けたのが人間の祖先になったって話。どの色がいいだの悪いだのと言ってるところは今日では受け入れられないところだが、それでも自分たちに誇りをもっている点はよいと思う。さて、コンサートのアンコールは、ドレイトンって人の「マスターピース」って曲。歌詞に作曲家の名前がやまほど登場して、JSバッハだったらフーガといった具合に名前に合った音楽が付けられていて大いに笑わせる。後で調べたらキングズシンガーズのレパートリーだそうだ。

吉田投手……三谷投手、星飛雄馬、ギネス・ジョーンズ

2018-08-22 08:35:14 | 日記
見事に準優勝した金足農業のことを知れば知るほどびっくり。レギュラー全員が秋田出身というのは知ってた(公立高校だから学区とかがあるのだろう)。それだけではない。3年生の野球部員は10人しかいない。さらにレギュラーのほとんどが高校入学まで野球未経験(経験がある吉田投手とかも軟式出身)。それでよくぞ甲子園の決勝まで進んだものだ(因みに私がクラリネットを始めたのも高校のときである。中学んときは陸上部だった……のだが吹奏楽部にも出入りしてコントラバスを弾いていた。もし、コントラバスを続けていれば、今、受難曲の通唱会で通奏低音を弾けたのになー、と思う。高校野球の話に戻る)。一人で投げ続けてきた吉田投手が力尽きたのをみて、ついこの間のソフトボールの世界大会の決勝戦を思い出した。先発した上野投手は連投。前に投げたのは、なんとその日、決勝戦の2,3時間前に終わったばかりの試合だった。で、アメリカに打たれて日本は負けたのだが、解説の人が「世界で勝つためにはエース一人ではダメ」と言っていた。そうだよね。昨日の決勝戦で始球式をやった太田幸司さんも決勝戦の延長再試合で打たれて涙を飲んだ。怪物江川率いる作新学院も決勝までは行けなかった。星飛雄馬もそうだ。準決勝で左門豊作の折れたバットを素手でたたき落とした際、爪を割り、決勝で投げられる状態ではなかったが、そのことを隠して(二番手の小宮投手に恥をかかせるわけにはいかないから)軟投でしのごうとしたが花形満に打たれて負けたのだった。甲子園で印象的な試合の一つが1977年(私が大学に入った年)の準決勝。東洋大姫路の松本投手と今治西の三谷投手の投げ合いで両者一歩も譲らず。最後、スクイズだっけ、で東洋大姫路が延長戦を制したのだった。私は本格派の速球投手が好きなので、技巧派(のように見えた)三谷投手より松本投手を応援していたのだが、なんと三谷投手が私が通っていた大学に入ってきて、一転、神宮で三谷投手を一生懸命応援することとなった。で、ブルペンのすぐ横の学生応援席から三谷投手の投球練習を見たのだが。すごかった。ビューン(と飛んでくてーつじん……この括弧は無視)と音をたててキャッチャーミットに吸い込まれる速球のすさまじさ!技巧派だなんて失礼しました。やはり本物はまじかでみるとすごい(ソプラノのギネス・ジョーンズもレコードで聴いてるときは音程が粗いとかぶーぶー言っていたくせに、生で聴いてその迫力に圧倒され(ジョーンズ砲炸裂)、ころっとファンになった)。その1年生投手の活躍で母校は神宮で優勝!いい思いをさせていただきました。

少女漫画コーナーでたたずむ怪しくない人

2018-08-21 11:17:24 | 日記
ドラマ「この世界の片隅に」のリンさんを見て、おっ、宮崎あおいだと思ったら二階堂ふみだった。なんだかそっくり。宮崎あおいを最初に認識したのは泉ピン子と共演したドラマで、宮崎あおいはまだ10代だった(今やってる朝ドラのスズメと同じぐらい)。上手だなぁ、と思った。あのドラマなんて言ったっけ……と思ったらググればよい。便利な世の中である。で、「宮崎あおい 泉ピン子」でググる。でてきた。「ちょっと待って、神様」。へー、これも少女漫画が原作なんだと。「この世界……」もそうでしょ?おそるべし、少女漫画。ということで、こないだ久しぶりに地元の本屋さんに入り(昔は時間があまると本屋さんに入っていた。最近はネットで買っちゃうから、いや正確にはタダのをダウンロードするから入ってなかったなぁ。それでも神楽坂にあるコーヒーも飲める本屋さんにはちょこちょこ行っているのだけれど)、自然と足は少女漫画コーナーに。ちょっと気がひける。私、あやしいものではございませんよ。合唱ではアルトを歌ってるし、S先生からは「おばさん」と言われてるし(余計怪しまれたりして)。で、一瞬「秋風羽織」を探したりして(あるはずない)。そういえば、昔、「オルフェウスの窓」を全巻揃えたのだが、押し入れを探せば出てくるかな?たしか、イザークがベートーヴェンの皇帝を屋外で弾くシーンがあった(意地悪されてホールで弾けなくなったから)。今だったら上空を飛行機が飛んだらうるさいだろうな。で、おしまいの方には実在のピアニスト(バックハウス)が出てきたっけ。今、うちにないんだけど読み返してみたいのが「日出処の天子」。いっとき相当はまって、聖徳太子関連の本を読みあさった。「ずるてん」と呼ぶのだそうだ。ホントだ。「ずるてん」でググったら真っ先にこれが出てきた。さて、今日の高校野球の決勝戦の始球式は太田幸司さん。ほーんとにイケメンだったんだからー。

TöIN高校?

2018-08-20 18:33:19 | 音楽
なんと今日も「反り返って歌う校歌」を聴けてしまった(金足農業)。見る方も少しは余裕が出てきて、歌う様子だけではなく校歌の歌詞にも注目すると、あらま、良い歌詞ではありませぬか。白い霜が降りた凍った土に日のめぐみでもって草の芽がはえてくるだなんて、なんだかRシュトラウスの「Morgen」みたい(だいぶ内容は違うけど。なんでも最近書いたことに結びつける私です)。おかげでmorgen(あす)も仕事になりそうもない。よし、敵情視察だってんで、続く準決勝第二試合も見る。ん?大阪桐蔭のユニフォームに「TöIN」って書いてある?まるでドイツ語のウムラウトだ。これじゃ「ト(エ)ーイン」って読んじゃうよ。そんなわけはないから、これは伸ばす印かい?いやいや、伸ばす点々(発音記号)はスペルの横に縦に二つだ。じゃいったいなんだこれは?と思ったら、ローマ字の伸ばす棒はスペルの上の一本線で、これが前開きのシャツの左右をまたいでるもんだから、左右がずれると一本線が切れて点々になるのであった。ところで、大阪桐蔭を応援するブラスバンドがやたらにうまい。ロッシーニの「ウィリアム・テル」の序曲のほかたーくさんレパートリーがあるらしいが、まるでコンサートである(プロ野球の私設応援団のラッパとは桁違い)。合いの手で入る歌声もきれい。あと、済美の応援団は「アマちゃん」を吹いてたなぁ。へーえ、この曲もレパートリー化したのか。それにしても、最近はいくぶん過ごしやすくなったとはいえ、この暑い夏に屋外で吹くんだったらクラリネットは高価な木製よりもプラ管(樹脂製)の方がよいのかもしれない。木製だと割れちゃうかもしれないもんね。プラ管は外で吹けることをウリにしているようだ。今日は、二つの試合とも始球式があって、第一試合は桑田さん、第二試合は大魔神。桑田さんの速球はすごかった。今いくつだ?なんだ私より10個も若い。じゃ、うーんと若いわ(?)。