23日は東京・霞が関の東京地裁へ裁判の傍聴に出かけた。午後1時半から612号法廷での創作きものおおはしが岡島久美子、およびアイアン・キャンドルをを相手に売買代金を請求する民事裁判を傍聴することにした。原告、および原告側の証人、と被告の3人が証言台の前に立ち、宣誓して、まず原告が証言台に座った。聞いているうちに被告の岡島久美子なる人物がNHKの大河ドラマ「篤姫」の脚本で有名な田渕久美子さんであることと、その「篤姫」が舞台となっていることが判明し、俄かに野次馬的な興味が高まった。
争点は田渕久美子が京都の創作きものおおはしの経営者に対し、「篤姫」の記者会見用に着る着物を注文したか、贈呈されたかで、双方の見解が180度違っていた。最初の出会いからして、原告の泊まっていたホテルに被告の田渕久美子が訪れ、掛かっていた原告の着物を身にまとい、その場で記者会見用の着ものを注文したというが、被告の言い分では原告側から「記者会見用の着物を作らせてほしいと持ちかけられた、という。最初の出会いから食い違っているため、その後のやり取りも180度違い、お互いに「言った」、「聞いてません」とこうも見解が異なるものか、と思えるほどの平行線だった。
田渕久美子から注文されたとする原告側はその時に主人が教えているヨガ用のパンツの試作品などと合わせて総額2000万円を支払え、という請求をしているようで、その後歌手の泰葉と田渕久美子が作ったアイアン・キャンドルなる会社がすべての責任を負うということで登場する複雑な様相もみせていた。
奇異だったのはかつて田渕久美子の秘書をしていた女性が原告側の証人として出廷し、田渕久美子が着物を作ることをきっかけに着物を販売するビジネスを始めよう、としていたと証言したことで、、その彼女はその後田渕久美子の人間性に失望し、辞めてしまった。
争点の「篤姫」の記者会見用に脚本家の田渕久美子が着る着物を創作きものおおはしが贈呈するものかは主演の宮崎あおいが着るのならわかるが、脚本家が着ることがアピールすることになるのとは考えにくい。確かに美形の脚本家ではあるが、だからといってテレビカメラの端っこにしか映らないのでは創作きものおおはしにとって宣伝になるとは思い難い。
田渕久美子は京都の佐野なんとかや、鈴乃屋から着物を贈られたことがある、とは証言していたが、2000万円もの物を贈られるほどの有名人であるとは思われない。それに仮に贈呈されたとしたら、その半分、贈与税なるものが課けられることになる。
裁判なので、言ったことを「言ってない」とか、「聞いてない」というのは常に起こりうることで、醜い女の虚栄心の争いと片付けるにはちょっと金額が大き過ぎる。田渕久美子は確かにテレビドラマの脚本家としてはいい仕事をしているかもしれないが、私生活ではしたたかな一面を見せていることがはっきりと裏付けられた。裁判は被告側の尋問時間が長引き、来月に持ち越しとなったが、どの道贈与と認定されても贈与税を半分取られることになるのだから、半分程度払うことでケリとなることだろう。
こんな醜い一面を見せつけられたのでは、とても来年のNHK大河ドラマの「お江」を見る気にはなれないだろう。
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