鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

ヒップホップ・ダンスに対する認識を変えた高木美帆選手

2010-01-20 | Weblog
 19日朝、NHKテレビを見ていたら、来月12日から開幕するバンクーバーオリンピックの女子スピードスケートの代表選手となった中学3年生の高木美帆選手を取り上げていた。いきなり高木選手は5歳の頃からヒップポップ・ダンスをしていた教室が映し出され、同僚が踊っているシーンが登場し、昨年の発表会での高木選手の踊るビデオが回った。スポーツ選手の単なる趣味の紹介か、と思ったら、ヒップホップ・ダンスとをしてきたことがスピードスケートの記録を出すことに関係がある、とのコメントがなされた。
 画面の登場した92年アルベール五輪代表の白幡圭史コーチが欧州でのスピードスケートの強化方法としてお尻の周りの筋肉を強化するトレーニングが取り入れられており、その様子がヒップホップ・ダンスでの身のこなしとそっくりであると証言された。高木選手がヒップホップ・ダンスで中腰から素早く立ち上げるシーンは他の踊り手には見られない機敏さで踊っており、腰の周りの筋肉が発達している証しだ、という。
 高木選手は5歳の頃からスピードスケードと同じくらいヒップポップ・ダンスを練習してきており、本人も知らないうちに両者が密接につながっていたことになる。テレビ画面に登場していたヒップホップ・ダンスのコーチもそんなこととは知らずに教えていて、さぞびっくりしたことだろう。
 NHKテレビでは続いて、白幡コーチが高木選手の良さはカーブワークで、普通はカーブする時に内側に踏み込んだ足と身体がぶれてバランスを失うのに、一直線になっていてぶれないのが強みだ、と指摘していた。これもヒップホップ・ダンスで鍛えてきたため、激しく動いても重心がずれてバランスを失うようなことのない訓練が出来ている、ともいう。
 意外なところで、スピードスケートとヒップホップ・ダンスが結びついているもので、これまでヒップホップ・ダンスの関係者はだれも思いつかなかったことだろう。ヒップホップ・ダンスといえば、テレビに登場するポップ系の歌手の後ろで、音楽に合わせて踊りまくっている姿くくらいしか思い浮かばない。そういえば、夜になると、JR溝の口の改札を出たところのコンコースで若い男女がカセットテープレコーダーの音量を最大限に上げて盛んに踊り狂っているのを見て、何が面白いんだろうか、と冷やかに見ていたが、今後は温かい目で見ることになるのかもしれない。
 高木美帆選手は昨年末のバンクーバー五輪派遣のための全日本スピードスケート大会に出場し、女子1000mと3000mに3位入賞し、見事に代表入りを決めたシンデレラガールで、早速通う中学校では壮行会が行われたり、日本選手団の派遣壮行会でも女子フィギイアの浅田真央選手と並んで注目を集めて話題の人となっている。愛くるしい表情も相まって、菓子メーカーにはCMのキャラクターに起用したい、とのオッファーも寄せられるほどにもなっている。日本で3位なので、とてもメタルには手が届かないだろうが、普通の女の子が一躍スターになったこと自体、素晴らしいことだし、何よりもヒップホップ・ダンスに対する世間の認識を変えた功績は大なるものがある。
 
 
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 10年ぶりの講演はほろ苦い... | トップ | 10数年ぶりに見たブーニン... »

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事