世界変動展望

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若山教授「信じ続けること難しい」 STAP細胞問題

2013-02-28 00:28:19 | 社会

――論文の撤回を求めた理由は。 

  小保方さんの博士論文と、ネイチャーの論文で同じ写真を使っていたのが決定的だった。信じようと努力したが、ちゃんとした説明を受けない限り、僕 自身が信じられなくなっている。論文としても信用性がなくなっている。歴史に残る論文にするためには、厳しい審査を受ける必要がある。そのために、一度撤 回することを考えた。

 ――写真の何が問題なのか。

 小保方さんが「STAPが分化した証拠」と示した写真が、博士論文で使われていた写真と同じものだった。STAP細胞の証拠写真がなくなることになる。

 ――画像以外に疑問点は。

 論文では8種類の細胞で遺伝子組み換えが あるとしていたが、理研が先週に発表したプロトコル(手順書)では、「なかった」と言っている。僕が聞いていた話と理研の発表が違うのに、きちんとした説 明がない。これは小さな疑問だが、そういうのがいくつかたまってきた。そして、その疑問が決定的になったのは写真の使い回しだ。

 ――今、どんな気持ちか。

 悲しい。僕も信じて、力を入れてやってきている。一生懸命やった成果が論文になったのに、それが果たして何だったのか分からなくなったのが悲しい。ミスなら、なぜ起きたのか知りたい。正しい論文でも、これだけミスがあったら、作り直すのが正しいことだと思う。

 ――STAP細胞は本当にあるのか。

 あると信じたい。しかし、これだけいろんなデータの間違いが見つかると、信じ続けることが難しい。

 ――論文の撤回を呼びかけたのは、独自の判断か。

 後押しはあった。今日(10日)の昼ごろ、理研のグループディレクター3人が、撤回したほうがいいと著者全員にメールと電話をしてきた。一人だと嫌われるかもしれないが、理研の人たちも同じ考えだった。自分の考えはそれほど間違っていないと思った。

 ――撤回の提案に対する反応は。

 グループディレクターから「難しい決断だったのによく撤回を言ってくれた」という返事はあった。共同研究者からはまだない。著者以外からは「よく重大な決断をした」とのメールが来た。

 ――論文が撤回になったら、どういう対応するか。

 手伝えることはすべて手伝う。ミスをすべてなくし、誰からも指摘されないきれいな写真に置き換えて、誰にでも再現できる方法を確立し、誰からも批判を受けない良い論文にしたい。

朝日新聞

2014年3月11日(web)