世界変動展望

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獨協医大は不正研究に使った科研費を返還すべきである!

2012-01-28 23:01:56 | 社会

27日獨協医大は服部良之元教授らが発表した論文10本、46箇所にデータ流用による改ざんがあったと発表した[1]。元教授は昨年4月末に諭旨退職になっていた[1]。昨年8月末までには調査結果を公表すると公言していたのになぜこんなにも発表が遅れたのだろう?読売新聞によると『論文の著者は服部氏のほか延べ23人。同医大は23人が「論文は服部氏に任せていた」などとみて、不正に関与したのは服部氏だけだったとした。』。さすがにこれだけ著者がいて他に不正に関与した者がいなかったというのは不思議な感じがする。具体的な不正論文は報道発表されていないからわからないが、おそらく23人の著者の中に筆頭著者だった者が少なからずいるだろう。これほど大規模な不正で筆頭著者のうち誰もデータ流用に気付かなかったとか関与していなかったというのは不思議だ。案外服部氏は人身御供なのかもしれない。

もっと驚きなのは獨協医大の『吉田謙一郎副学長は、「過去の実験で鮮明にとれた画像を別の実験結果として使うなどしていたが、論文の結論を左右するものではない」とし、国から受けた科学研究費補助金は返還しない方針を示した[1]』ことである。これは怒りを禁じえない。国民の貴重な税金から科研費をもらい、それを悪いことに使っただけでもかなり悪質なのに、使った金すら返さないのは著しく道義に反する。例えばあなたが一生懸命働いて稼いだお金を他の人の事業援助のため投資や贈与したとしよう。しかし、援助を受けた人が渡したお金を犯罪に使ったらあなたはどう思うだろうか?ほとんどの人は「そんなことのためにお金をわたしたんじゃないぞ!人が一生懸命かせいだお金を何だと思ってるんだ!」といって怒るだろう。

論文の結論が変らなければ問題ないということでは決してない。科研費を悪いことに使ったことが著しく道義に反し問題なのだ。こういうことを平気で公言しているようでは獨協医大に科研費を使う資格は全くない。彼らが自分達の給料から研究費等を支出すればいいのだ。なんで我々が一生懸命働いて稼いだお金を「悪いことに使ってもお金は返しません」なんて平気で言ってるモラルが欠如した人たちに渡さなければならないのだ。全く冗談じゃない、いいかげんにしろといいたい。また研究費の一部には学生からふんだくったばか高い学費が含まれるのだろう[2]。学生やその保護者の立場からは、不正行為に学費が使われ、本来懲戒解雇で退職金が支給されないはずの元教授に学費が使われるのはたまったもんじゃないと思う。本当に獨協医大の研究費は科研費等から支出するのではなく、大学の学長等の給料を削って捻出すべきである。

独協医大は最近も同医大の教授ら8人が2003~06年度、国などから支給された科学研究費補助金(科研費)計約1600万円を不正に使用していた[3]。同大の補助金不正使用の発覚はこれが3回目だった[3]。今回の不正論文も自主的な撤回を行っていない。しかも、不正行為に使った科研費すら返還しない。獨協医大は科研費が税金だという認識が全くなく、国民のお金を自分達の金だと考えていると思われても仕方ない。なんでこんなにもモラルが欠如しているのだ?獨協医大、この大学はいったいどういう大学なんだろう。そういう態度をとり続けているといつか世間から排除される。

参考
[1]Yomiuri Online(2012.1.28)
[2]獨協医大医学部の6年間トータルの学費は3660万円。データはここから。
[3]"補助金不正使用、独協医大3度目の発覚" Yomiuri Online(2011.10.28)