世界変動展望

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上原亜希子は不正の明白な証拠がありながらなぜ争うのか?

2011-08-22 23:59:18 | 社会

東北大学歯学研究科の元助教上原亜希子(写真1,写真2,写真3写し1,写し2,写し3、2008年3月の日本細菌学会黒屋奨学賞授賞式他の写真1 - 写し1写し2写し3拡大写真2003年12月30日頃他の写真2 - 写し1写し2写し3拡大写真2007年6月頃、1969年5月生まれ。1996年3月鹿児島大学歯学部卒業、同一人物か不明だが上原亜希子という歯科医師が控訴審後に仙台であおい杜在宅歯科クリニック仙台中央を開院、時期や場所、資格からいって同一人物だろう)はデータ流用した等して懲戒解雇されたが、裁判で地位保全の仮処分を受けた[1]。仙台地裁は「データに類似性が認められたからといって、流用があったと結論付けることは早計」と指摘し、「大学側の不正行為の認定や懲戒手続きは妥当性を欠く」と認定した[1]。

確かに大学側は規則で定められている予備調査を省略する等手続きを守っていないので手続き等に妥当性を欠くといわれたのだろう。不正が事実でも手続きが妥当でないので無効という考えもあるだろう[2]。しかし、「データに類似性が認められたからといって、流用があったと結論付けることは早計」というのはおかしいと思う[3]。

仙台地裁の裁判官はたくさんの類似画像を見て、本気でデータ流用がなかったと思っているのだろうか[4]。これらが全部偶然酷似しただけと本気で考えているのなら、極めて非合理的な考えだろう。意図的な流用があったことは明白である。上原亜希子は最初から一貫してデータ流用を否定し裁判でも争っているが、これだけの証拠を突きつけられても、まだ本気でデータ流用を否定し争うのは悪質な印象を受ける。

上原氏は再現実験を申し出ているらしいので、やってみるとよい。絶対全部が酷似した画像を再現できないから。おそらく、上原亜希子がデータ流用してないとは本人や素人的な判断さえできない一部の裁判官を除いて誰もいないだろう。

上原亜希子の研究者生命はすでに絶たれ、今後も回復しないのはごく一部を除いて誰の目にも明らかである。こんな状況でまだ不正を否定し争う方がどうかしている。将棋でいえば、すでに詰みが決まっているのだ。研究界から一刻も早く去って、新しいことを始めた方がよっぽど利口だ。なんで彼女は争うのだろう。まったくわからない。

参考
[1]Yomiuri Online 2010.5.16
[2]刑事事件では違法収集証拠排除法則という考えがある。例えば、違法なやり方で麻薬使用等を摘発して証拠を押さえても、それを裁判で証拠とできない。証拠がそれだけなら、被告人は無罪になる。研究不正は刑事事件ではないが、手続きをきちんと遵守しなければならないのは同じで、将来の違法な手続き執行を防止する等の理由で、違法な手続きによって得られた結果を無効とする考えはあり得るだろう。
[3]世界変動展望 著者:"データ捏造の東北大元助教の地位保全等を仙台地裁が決定" 世界変動展望 2010.5.18
[4]上原亜希子氏の不正に対する東北大学の調査。その1,その2。 2009.4.21
[5]裁判でも合理的な疑いを超える程度の確信を持てれば事実認定できる。裁判での立証は通常何らかの反証が残されているのが通常で、非合理的な反証でも残っていれば証明したことにならないとするとほとんど事実認定できない。そのため、裁判では自然科学のように一点の疑念も許さない完全な証明ではなく、十中八九確からしいという確信を持てれば事実認定できる。本件は複数の実験画像がいくつも酷似する可能性は極めて低いから流用を認定すべきである。