のちに――
艇庫の麻雀界を震撼せしめる男――
これがそのはじまり
初めての麻雀
このとき西崎は、卓につく2週間前から『アカギ』を読んでいただけで、麻雀のルールなど一切知らない…
ど素人以前の状態だったという――
リーチのシステムも、役もろくに知らない…
いわばハンデ付き弱者……!
そんな彼も、アカギを読むなかで少しずつ麻雀を把握していく――
麻雀とは、それぞれに配られた13牌を用いて精神力の強さを競い、迷いや怯えを断ち切るというゲーム……
必要なのは、天性の強運、無欲、狂気、冷静さ…
そして、揺れない心――
アカギで得た精一杯の知識を片手に
初の闘牌、開始――
―東一局―
ざわ・・・ ざわ・・・
いよいよ人生初の闘牌が始まる――
1人をアドバイザーにつけ、打ち方から学んでいく
流れも分からず、言われるがまま牌を整えていく西崎……
のちに天才といわれるその才気の片鱗はまるで見えない――
着実に牌を整理してゆく――
そして…!
ククク……
リーチ!!
しかし―――
3名がリーチをかけ、牌が流れていく中、その事件は起きた…
有効牌を求めてツモ山へ手を伸ばすも、和了ならず…
しかし それは死神の手だった……!
親 ロン―――!!
西崎 振り込んでしまうっ……! 親に……!
いきなり最下位っ……!
リーチは暗闇に向かって走り出すようなもの……!
たとえ他家の当たり牌でも、自分の和了牌以外切るしかない……!!
リーチは天才を凡夫に変える―――!
続く東二局では、あっさり上家がツモ和了――
逆転もなく変わらず最下位…
ダメだ…… これでは……
こいつにはセンスがない…… 打ち方の基本も分かっていない……
次局も和了れずに終わるだろう………
しかし
この若き天才は………
全く別のストーリーを想像していた………!
―東三局―
再度、2人のアドバイザーを味方につけ、配牌――
機 舞い降りる――――!!
この時彼に電流走る――!
麻雀において、自らのイメージを増大したものが、勝機を掴むと……!
1巡で有効牌をつかみイーシャンテン、数巡後リーチをかける…!
さらに次々巡
下家のカンでドラが2つのった……!
機 熟す――!!
あとは自分のツモにかけるのみ…
ただそれだけ……
念じてツモれというアドバイザーの箴言に魂を預け、天命を待つ―――
そして……!
へへ…
………きたぜ
ぬるりと……
反撃開始だ……!
七対子――!
これにより逆転…! トップに躍り出る――!
迫りくる乗艇時間のため、今回はここでお開き……
強運の結果1位……
鍋の洗い物担当は免れたのである…
※以上はフィクションであり、登場する人物・団体において万一符合があってもそれは偶然です。