お久しぶりです。中村です。
最近、4回生のT城くんから日本の大学生がUniversiadeで好成績を収めたという話を聞きさっそくYoutubeを漁ってみました。
素人同然の僕が言うのはおかしいですが、本当にすごいことだと思います。
LM4-で金、LW2Xで金、LM2Xで銅ですから、世界の大学生の中ではトップレベルだということではないのでしょうか?
LM2Xも残り100mまでは1位で、最後100mで差されてしまいましたが本当に惜しかったなあと思いました。
レースの方は、以前ご紹介した立教大学コーチのブログ「Rowingの志」に貼っているリンクからご覧になることが出来ます。
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http://rowingcox.blog.fc2.com/blog-entry-116.html
さて、それらの動画を見ていて、たまたま見つけたのがこの動画です。
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Women's Single Sculls Final A World University Games Gwangju 2015
なんだ、同じUniversiadeのレースじゃないか、と思われるかもしれません。その通りです。
僕は、このレースのリトアニア代表の選手の漕ぎに注目しました。
スタートが特別速いわけではありませんが、その後のコンスタントがやばいです。
コンスタントに入ってからグイグイと船を運んでいくのですが、なんとなんと、レース後半になるにつれてどんどん漕ぎの精度が上がっていくのです(勝手に僕がそう思っただけですが。)
スタート力走を終えてコンスタントに入った直後はややキャッチ前の体の緩み?というか硬くなるまでのラグがあるのですが、1000mを超えるとどんどん良くなります。また、水中の長さとキャッチが入ってからの船の動きの反応の速さがすごいです。また、これだけ長い水中を維持し、最後までしっかり押しながら気持ちの良いリズムを維持するところがすごいなと思いました。少なくともこの決勝のレースの中では一人だけ圧倒的に速いように僕には見えました。
ところで、僕たちの西医体のレースは1000mです。そのため、よりスタートやスパートの重要性は増す一方で、コンスタントの時間は、2000mレースに比べると下手すれば3分の1程度もないかもしれません。
しかし、過激にスプリントに重点を置いて練習した2年前の僕の経験から言いますと(恥ずかしいですが(笑))、コンスタントはやはり1000mレースでも非常に重要だと思います。
以前一度、艇の減速要因に関してブログを書いた際に、そこにストロークレートとエネルギー効率に関して日本のトップ選手で行った実験では、「レートが高くなればなるほど艇速はあがるが、エネルギー効率は悪くなる」といったないようのものを載せた(はず?(笑))と思います。
最初から最後まで、落とさずに非常に高いレート(SR40以上とか)で漕ぎ続けることができればそれに越したことはありませんが、体力の面やテクニックの面からはそれは非常に難しい。
だからこそ、スタートの力走の後、どういった形かはクルーによりますが、何らかの形でコンスタントにレートを落とし込んでいきます。
でも、ここで重要なのは、スタートで作った勢いをそのままコンスタントで維持する(いや、むしろさらに勢いづける)ということだと僕は思っています。
これは非常に難しいことで、前回武良コーチが来られた時におっしゃっていたことですが、「レートを上げて出力を上げるのは簡単だけど、レートを下げて出力を上げるのは難しい」ということなのではないかと思います。レートを落とした時には想像以上にダイナミックに力強く漕ぐ必要があります。
スタートからコンスタントへのギアチェンジ、ここが僕は勝負のカギではないかと考えています。コンスタントは上手く漕げば(力強くかつ減速がすくなければ)スタート力走よりも、スパート力走よりも下手すれば速い。
強いクルーのコンスタントは、普通のクルーのスタートよりも速い。
効率の良いコンスタントで残ったエネルギーをスパートで爆発させればさらに速い。
1000mという短いレースの中では、コンスタントが占めるウェイトは少ないかもしれませんが、スタートと合わせて考えるとやはりコンスタントも大事なのかなと思いました。
ところで(2000mレースにおける)コンスタントの重要性については、「Rowingの志」で紹介されています。
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2015.06.22 「勝負はコンスタント」
前後にも興味深い記事が載っていますのでぜひご覧ください。
補足になりますが…
僕が2回生の時に優勝した、熊本大学の対校「阿修羅」の漕ぎは圧倒的でした。
僕が今までで医学部のレースで見た中では、一番上手いクルーだと今でも思っています。コンスタントと言われた時にはこのクルーを思い出します。
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2011西医体 一般4+決勝 芝蘭
2:06~2:28くらいに手前を通っていくクルーです。水中の長さがいいと思います。
すごくゆったりダイナミックに漕いでいますが、ドライブスピードが速いので結構レートは出ています。
また、ドライブが速いのにキャッチからフィニッシュまで水を逃がさないところがすごいなと思っています。
この年の阿修羅は、浜寺において1000mを静水で3分12秒でした。
(先々週、木村先生、大林先生、家村先生が来て下さった際に、大林先生の同僚で、この阿修羅の整調を務められていた田口先生にも来ていただきました!)
色々と話がそれてしまいました。
そろそろ勉強しないと…