京医ボート部ブログ

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走れ

2019-12-24 23:55:10 | 日記
 男は激怒した。
 必ず、かの邪知暴虐の王を除かねばならぬと決意した。男には学問が分からぬ。男は村のボート漕ぎである。船を漕ぎ、琵琶湖で遊んで、のんきに暮らしてきた。けれども邪悪に対しては人一倍敏感であった。

 ある日の夕刻、男は下宿を飛び出し、ぶらぶらと四条界隈を歩いた。冬休みを迎え、物見遊山にウィンドウショッピングでもしようというのである。このあたりには店も多く、久しく来ていないので、歩くだけでも楽しいのだ。通りを歩くうち、男は街の様子を怪しく思った。いつもより、心なしか、キラキラしている。赤、白、緑に着飾られ、鈴の音が聞こえる。はて、何かあったか、二ヶ月前にここを訪れたときは、こんな雰囲気ではなかったはずだが、と自問自答した。男がいくら首をひねっても、答えは出なかった。ひとまず、そこを離れ、大学方面へ向っていくと、こちらは水を打ったように、ひっそりしている。のんきな男も、だんだん不安になってきた。やがて、構内へ入ると、警備員があらわれた。男は質問したが、警備員は答えなかった。男は警備員の体をゆすぶって質問を重ねた。警備員は、あたりをはばかる低声で、わずか答えた。
「王様は、すべてを粉砕します。」
「なぜ壊すのだ。」
「クリスマスを恨んでおいでです。」
「たくさん壊したのか。」
「はい、はじめに、時計台に現われたゲリラツリーを。それから、鴨川のカップルを。さらには、生協のクリスマスケーキに不買運動を起こし、いよいよ、無関係なエルゴにまで手をかけました。」
「おどろいた。国王は乱心か。」
「いいえ、乱心ではございませぬ。人を、信ずることができぬ、というのです。」
聞いて、男は激怒した。「あきれた王だ。相手にしていられぬ。」

 男は単純であった。BOXにあった工具箱を担いで、のそのそジムへ入っていった。たちまち彼は、巡邏の警吏に捕縛された。男は連れられ、王の前へ差し出された。
「この工具で何をするつもりであったか。言え!」暴君・汐見は静かに、けれども威厳ある声で問い詰めた。
「ジムを暴君の手から救うのだ。」男は言った。
「おまえがか?」王は憫笑した。「おまえなどにはわしの孤独の心がわからぬ。」
「言うな!」と、男はいきり立って反駁した。「クリスマスを憎むのは、最も恥ずべき悪徳だ。王は、民の幸せさえ疑っておられる。」
「人の心はあてにならぬ。聖夜など、幻想さ。信じてはならぬ。」王はつぶやき、ため息をついた。「わしだってクリスマスを楽しみたいのだが。」
「何のための粉砕だ。自分の地位を守るためか。」こんどは男が嘲笑した。「罪のないエルゴを壊して、なにがクリスマス粉砕だ。」
「だまれ、下賤のもの。」王はさっと顔をあげて報いた。「口ではどんなことだって言える。人の心の底が見え透いてならぬ。おまえだって、いまに、エルゴを漕ぎだしてから、泣いてわびたって聞かぬぞ。」
「ああ、そうやってうぬぼれているがよい。己は、ちゃんと漕ぐ気でいるのに。ただ――」といいかけて男は瞬時ためらい、
「ただ、己に情けをかけたいつもりなら、一日だけ猶予を下さい。今宵、友人たちとの鍋会があるのです。それを終えれば、明日、ここへ戻ってきます。」
「ばかな。とんでもない嘘をいうわい。逃がした小鳥が帰ってくるとでもいうのか。」王は低く笑った。
「そうです。帰ってくるのです。」男は必死で言い張った。「己は約束を守ります。己を、今晩だけ許してください。もし、己が信じられないというのであれば、よろしい、自習室に関口という、勉強家がおります。彼を、人質として置いていこう。己が逃げてしまって、明日の日没までに漕ぎ終えなければ、彼に、エルゴを漕がせてください。」
 それを聞いて、王はそっとほくそえんだ。どうせ、この男は帰ってこないに決まっている。このうそつきに騙されたふりして、放してやるのも面白い。そうして、無関係な関口とやらを、エルゴで苦しませるのも気味がいい。よしんば、こいつが、エルゴを漕ぎ始めたとして、途中で心が折れて完漕できないに決まっている。
「よろしい、願いをきいた。では、明日の夕刻、おまえか関口のどちらかが、マラソンエルゴをひくがよい。」

 関口は、あいかわらず自習室に籠り、熱心に勉強をしていた。男は、事情を語ったが、関口は無言で、机にむかうばかりだった。二人は別段親しくもないので、それでよかった。そうして、男はすぐに下宿へ帰った。聖夜、満天の星である。

 男は、その夜、友人たちを呼びつけ、闇鍋の準備を調えた。部屋のあかりが落とされ、鍋を囲う友人たちは、何か不吉なものを感じたが、めいめい気持ちを引きたて、狭い家のなかで、むんむん蒸し暑いのもこらえ、必死で鍋をつついた。やがて、男は、喜色満面となり、王との約束さえ、忘れていた。酒がまわり、宴も乱れ、みな鍋の具材など気にしなくなった。男は、このまま一生こうしていたい、と思った。次第に腹も満たされ、よろよろと、夢見ごこちになってきた。今は、自分の体も、自分のものではない、気づけば男は床に倒れ伏し、死んだように、眠りこけてしまった。

 目が覚めたのは、翌日、太陽もすでに高くのぼるころである。男ははね起き、南無三、寝坊したか、いや、まだまだ大丈夫、今からジムへ行って、すぐに漕ぎ出せば、約束の刻限までには充分間に合う。今日はぜひとも、あの王に、漕ぎ切るところをみせてやろう。そうして、ジムへ着くと、男は着替えをすませ、悠々とアップを始めた。調子は上々、身じたくは済ませた。さて、男は、ぶるんと両手を大きく振って、意気揚々、バトンへ手をかけた。

 男は、つらかった。幾度か、漕ぎやめそうになった。えい、えいと、自身をしかりながら漕ぎ続けた。漕ぎつづけるうち、男の身体はあつくなってきた。男は額の汗もぬぐわず、一心不乱に漕ぎ続けた。もはや、クリスマスへの未練はない。己には、なんの気がかりもないはずだ。やがて、全行程の半ばにもさしかかる頃、次第に疲れが見えてきた。脚が痛み、尻がわれそうになる。男の身体は、ますます激しく踊り狂い、乱れ、混沌を極めてきた。今は、男も覚悟した。漕ぎきるより他にない。男は、ふんぬと、気合いを込め、馬のように大きな胴震いを一つして、そのまましばらく漕ぎすすめたが、さすがに疲労してきた。男は、幾度となくめまいを感じ、これではならぬ、と気を取り直しては、よろよろ二、三本漕いで、ついに、がくりと漕ぎやめてしまった。ああ、あ、ここまで突破してきた己よ。ここで、疲れ切って動けなくなるとはなさけない。これでは、王の思うつぼだぞ、と言い聞かせるも、全身なえて、もはや芋虫ほどにも動かぬ。エルゴの傍に、ごろりと、寝転がった。男は、天井を仰ぎ、もはや、どうでもいい、何のためにこんなことをしているのだ、ハーフマラソンなら終わっている、と不平を垂れはじめた。ああ、もう、ほうっておいてくれ。私は、負けたのだ。だらしがない。こうなったら、王は己をあざ笑うだろう。クリスマスだの、エルゴだの、考えてみれば、くだらない。ああ、何もかも、ばかばかしい。どうとも、勝手にするがよい。やんぬるかな。
――すべてをあきらめ、男が四肢を投げ出すと、ふと腕にあたるものがある。頭をもたげてみると、水筒である。そうか、水を用意していた、と男はよろよろ起き上がり、一口飲んだ。ほうと長いため息がでて、夢から覚めたような気がした。
 動ける。漕ごう。肉体の疲労回復とともに、男は希望を抱いた。さあ、ここからだ。先刻の、悪魔のささやきは、あれは夢だ。やはり、己は真の勇者だ。ああ、エルゴが進む、ぐんぐん進む。はやく終わってくれ。このまま、正直な男のまま、死なせて下さい。男は、最後の死力を振り絞って、漕ぎ続けた。男の、頭はからっぽだ。何一つ、考えていない。ただ、わけのわからぬ大きな力に引きづられて漕いだ。まさに、最後の数mも、消えようかというとき、王が現われた。間に合った。
「己だ。約束の通り、いま漕ぎきった。己だ。漕ぎきった男はここにいる!」と叫んだ。
 王は、男をみて、しずかに語った。
「私を殴れ。私は、クリスマスにかこつけ、無関係なエルゴを壊した。クリスマスがなんだというのだ。信実があれば、空虚な心もみたされる。君が私を殴ってくれなければ、私はずっと孤独のままだ。」
 男は、すべてを察した様子でうなずき、王を殴ろうとしたが、ふらふらとよろめき、
「王よ。己を殴れ。先に己の右頬を殴れ。己は、漕いでいる途中、悪い夢をみた。すべてを放棄し、逃げだそうとしたのだ。そんな男に、人を殴る資格はない。」
 王は、それを聞き、うなりをつけて殴ろうとしたが、男の疲れ果てた姿をみて逡巡し、拳をおろした。
「もうよい。クリスマスをどう過ごしたってよいではないか。おまえはマラソンエルゴを漕ぎ、関口は自習室で勉強をつづけている。それを、否定することが、そもそも間違いなのだ。私がやっていたことは、自分の孤独に耐えきれず、ただ憂さ晴らしをしていたにすぎない。私の心が、邪だったからだ。おまえのおかげで、それが分かった。ありがとう。」

 こうして、暴君による粉砕計画は幕をおろし、クリスマスの平和は守られた。
 日も沈み、街が灯るころ、今年はじめての雪が降り始めていた。

自分の身体を労ろう

2019-12-24 15:28:24 | 日記

プップッ、プシュー

「126の78か、いい調子や。」

まさか自分が朝一番に血圧計と向き合う日が来るとは、、いつもなら朝起きて白米に好きなおかずを梅干しと一緒に食べていたのに、、

3週間ほど前に興味半分で家の血圧計で測って最高血圧が153だと表示されて、そんな筈はないと納得のいく数値が出てくれと祈りながら測り直しました。3回測り直してもう無駄だと悟り、血圧計を棚にしまいました。勿論我ながらに非常に危機感を覚えました。何とかしなければと、ネットで震える手で調べるとどうやら生活のリズムを整え、塩分を控えてそして水分を多く摂らないといけないそうでした。(あ、生理学でたしかやったなあ)

具体的には塩分は何と6g未満。初めはピンとこなかったですけど、梅干し1個1.5〜2gだとわかり、ハードルがかなり高いようでした。じゃ朝の梅干しは御法度か。いやあ、たまんねえなあ〜 

あと朝のお陽さまの光を全身で味わうのが血圧にいいという巷の噂を聞いて、なるべく朝早く起きて血圧測ったあと川沿いを散歩するようにしています。川沿い1キロ半くらい歩くと、淀川の河川公園に着きます。ランニングをしている人、朝からサッカーボールを追いかける父親と子供、ツバ付き帽をアイマスクに土手で寝っ転がる人。やっと着いた、と土手によいしょと腰をかけます。少し冷たい湿った川の風に靡かれながら、ふと自分の現在の生活が脳裏をよぎっていきます。
今までこれといって病気になったこともほとんどなかったので、野菜をちゃんと食べようみたいなことは心掛けていたけど、全然食材の塩分とか栄養の成分まで細かいことを考えたこともなかったし、うどんやラーメンは汁も飲んでいたし、試験前ということもあって睡眠は全然取れていなかったし、、
考えるだけでも思い当たることはたくさんありました。こんだけ知らない間に自分自身に負担をかけていたなんて、、ごめんよ。
と思いつつ、少し小走りで淀川の土手を後にし家に帰ります。

朝早く起きるのは少ししんどいし塩分制限もいろいろ気にすることもあってかなりきついですが、散歩中の土手でたまに現れるネコが人懐っこくて自分の話し相手になってくれたり、いつも決まったベンチに座ってるおじさんがジャージはいつもほとんど同じなのに靴が毎回違っている事に気付いたりちょっとした発見もあってまあこれはこれで面白いなあって思います。そして、努力の甲斐もあって血圧も日に日にかなり下がってとりあえず一安心。ホッ。
今年も1年皆さんお疲れ様でした。もう後何日で正月だろう。となれば、楽しみなのはおせち料理。ですが、おせち料理は厚生労働省が定める目標塩分量(8.0g)の平均して3倍近くにもなるそうです。特にお雑煮は、1杯あたり2.1gもあるのだそう。くれぐれも塩分過多には気をつけて、良いお年をお迎えください。

あと、ピッチーの写真も少しだけ。

減塩、減塩ってうるさいでピね!


サボってないで勉強しろ!ピーちゃんキック!









寒〜い

2019-12-14 20:35:20 | 日記
こんにちは、二回生の松本です。

最近は本当に気温が下がるようになりましたね、朝乗艇なんかは格別に底冷えして、冬風の中でのスプラッシュの威力は想像を絶します。

さてさて、近況と言いますか、最近同回マネージャーが1人やめてしまいました。
去年まではまさか同回から退部者がでるなんて思っても見なかったので、これには少しショックを受けて色々考えさせられてしまいます。

そもそも僕たちはマネージャーに、漕手である自分たちでできないことをしてもらっているわけで、僕たちはお願いしている立場なわけです。僕を含め、選手はそれを自覚できていなかったのではないかな。

僕たちはボート部に入った時には、当たり前の様にマネージャーがいて、同回にもマネージャーが入って、普通にサポートしてもらってました。それに慣れてしまっていたんでしょうか、無感動になっていたんですね。

今回1人のマネージャーが辞めてしまって、またエッセンがコンスタントに作れないという状況になってしまって、改めてマネージャーの意義を噛み締めている気がします。

ビデオ撮り、エッセン作り、試合でのサポート、補助員、全て僕らがすることは難しく、だけど無くなるとすごく困ります。それらがないと満足に練習することができなくなるでしょう。試合の結果に影響を及ぼすことにもなるでしょうか。

だったらどうするか、それがわからなくなっちゃうのが僕たちの不器用さではあるんです。なかなかマネージャーに積極的に感謝を伝えられず、話すときには力が入ってしまいます。でもそこには悪意がないということだけ、わかって欲しい。

何にしても、このままではいけません。選手の間でもいろいろマネージャーとの関係について話し合うことも増え、クルーマネージャー制にしようかとか、色々な案が出ています。これから僕たちの意識も変わり、伴って状況も変わっていくんじゃないかな、折角2年幹部なので、色々変えていきたいところです。

松本侑

どうもー!寺港カーブでーす!

2019-12-07 10:21:20 | 日記
こんにちは、2回生の谷口です。
ブログを書くにあたってアーカイブを振り返ったのですが、西医体決勝前夜が最後でした。
もう4ヶ月ですか。
ほんとあっという間ですね…!

改めまして、主将を務めております谷口です。
よろしくお願いいたします。

このご報告も完全に忘れてました。
時期外れのご挨拶ですみません。

主将になってはや3ヶ月が過ぎたわけですが、一番変わったのはものの見方でしょうか。
部員たちの考え然り、艇庫に転がるペットボトル然り、揃ってないスリッパ然り…
ものごとは見ようとするだけで受け取る情報量が全然違うなぁと実感しております。
このことは個人的に成長だと思っていますが、実際はこのままじゃまだ不十分で、他の部員とも同じように目線を共有できるようにしないといけません。
道のりはまだこれからです。

ところで、僕は中学では軟式テニス、高校では硬式テニスをやっていまして、どちらも副主将をしておりました。
でもまぁ責任なんてたかが知れていて、ほんとあってないような役職でした。

それに比べると、今の立場は全然違います。
権利は10倍、責任は20倍です。
ただでさえ人手不足の医学部ボート部です。
気を抜いたら冗談抜きでボロボロの部活になってしまいます。
でもそんなことを考えてると焦って1人で先走ってしまって、他の部員と心が離れてしまうから難しいものです。
人を頼ると意外とスムーズに進むというのも主将になってから得た知識の1つです。
上手に頼って上手に頑張っていい部活にしていきたいですね。

なんか心なしか暗めのブログになってる気がします。
明るい話をしましょう!

最近めっきり寒くなり、冬だなぁと思う日が多いですね。
僕は夏が好きですが、冬も嫌いじゃありません。
理由はいろいろですがサーキットは大きな理由の一つです。
サーキットというのは45秒運動しては15秒休むというのを繰り返すトレーニングで、うちでは冬シーズンの代名詞となっております。
激しんどいのですが、終わった後に床に寝転ぶ瞬間がやみつきです。
あの感覚を味わうためならハイジャンプも腕立ても頑張れるというものです。
疲れてきたときに誰からともなくコールが入る、あの感覚もサーキットならではですね。
木曜朝7:00から学生会館でやってるので良ければ是非!
明るい話なのかよく分かりませんが、とりあえずサーキットが楽しいことが伝われば何よりです。

グニャグニャブログになりましたが、指に任せて文章を書くのは楽しいですね笑

ここで1つ
サーキットとかけまして、単身赴任中の愛知人ととく
その心は?

どちらも、おわりが待ち遠しいでしょう。

お後がHere we go!!!
あざしたー!