あるインド法人の社長が、「インドで働きたいという人間は、インドで採用しない」と言っていました。
私が、インドで働きたいという人がいるので紹介しましょうかと言った後の回答でした。
この意味は、痛いほどわかるだけあって、私は自分が言った言葉を恥じました。
インドだけではなく、海外で働きたいという人を採用すれば、
採用した時点で、その人の目標は既に達成されています。
次の目標は、「海外に何年いるかだけ「であり、その次に来る目標が、
その「海外経験を生かして次のステップに進む」つまり、辞めるだけである。
こんなことは、私も百も承知であった。
この話は、5年ほど前の話である。
その当時、インドで働いてくれる人間はめったにいなかった。
なので、働きたいという人を、だまし、だまし使っていくしかなかったのである。
今思えば、私の考え方は非常に甘かったように思う。
当社も海外で働きたいという人ではなく、海外でいかなる成果を出すかを考える人に焦点を当て続けていきたい。
単に海外で働きたいという人には、成果は期待できないのである。
成果を出すことが目的ではなく、海外で働くこと自体が目的化してしまっているからである。
大きい会社に入るのが目的。
公認会計士になるのが目的。
税理士になるのが目的。
MBAを取るのが目的。
その結果、その後は努力しない。こんなことは世の中にある普通の話。
海外で働きたいというモチベーションも、同じ結果をもたらすというのは、勉強になりました。