ドモアブルの公式
cos nz=((cos z+i sin z)n+(cos z-i sin z)n)/2 (1)
sin nz=((cos z+i sin z)n-(cos z-i sin z)n)/2i (2)
に、
nz=x の仮定、すなわち z=x/n を代入すると、
cos x=((cos x/n+i sin x/n)n+(cos x/n-i sin x/n)n)/2
sin x=((cos x/n+i sin x/n)n-(cos x/n-i sin x/n)n)/2i
となる。
n→∞ のとき、cos x/n=1、 sin x/n=x/n だから、
cos x=limn→∞((1+i・x/n)n+(1-i・x/n)n)/2
sin x=limn→∞((1+i・x/n)n-(1-i・x/n)n)/2i
となる。これを次のように表示すると、
cos x=limn→∞((1+ix/n)n+(1+(-ix)/n)n)/2 (3)
sin x=limn→∞((1+ix/n)n-(1+(-ix)/n)n)/2i (4)
となり、
右辺の分子 (1+ix/n)n、(1+(-ix)/n)n に指数関数の形が見えてくる。
ex=limn→∞(1+x/n)n
は実数 x についての定義(eは自然対数の底、ネイピア数)だが、虚数についても成り立つと拡張する。
すなわち、
eix=limn→∞(1+ix/n)n
とする。
同じように、
e-ix=limn→∞(1+(-ix)/n)n
である。
(3)(4)は次のようになる。
cos x=(eix+e-ix)/2 (5)
sin x=(eix-e-ix)/2i (6)
この式は、自由調和振動の微分方程式の特殊解から導かれた1740年の式、
cos x=(eix+e-ix)/2
それを拡張した1743年の式、
cos x=(eix+e-ix)/2
sin x=(eix-e-ix)/2i
をモアブルの公式からとらえ直したものである。これまでは外的関係にあった弧と虚の指数の関係を、「消失する弧」(ドモアブルの公式の右辺)を「虚の指数」に変換することによって、内的に示したものである。
オイラーは(1)(2)から(5)(6)を導いた後、次のように述べている。
「これらの公式により、虚指数量が実の弧の正弦と余弦に帰着される様式が理解される」。
cos nz=((cos z+i sin z)n+(cos z-i sin z)n)/2 (1)
sin nz=((cos z+i sin z)n-(cos z-i sin z)n)/2i (2)
に、
nz=x の仮定、すなわち z=x/n を代入すると、
cos x=((cos x/n+i sin x/n)n+(cos x/n-i sin x/n)n)/2
sin x=((cos x/n+i sin x/n)n-(cos x/n-i sin x/n)n)/2i
となる。
n→∞ のとき、cos x/n=1、 sin x/n=x/n だから、
cos x=limn→∞((1+i・x/n)n+(1-i・x/n)n)/2
sin x=limn→∞((1+i・x/n)n-(1-i・x/n)n)/2i
となる。これを次のように表示すると、
cos x=limn→∞((1+ix/n)n+(1+(-ix)/n)n)/2 (3)
sin x=limn→∞((1+ix/n)n-(1+(-ix)/n)n)/2i (4)
となり、
右辺の分子 (1+ix/n)n、(1+(-ix)/n)n に指数関数の形が見えてくる。
ex=limn→∞(1+x/n)n
は実数 x についての定義(eは自然対数の底、ネイピア数)だが、虚数についても成り立つと拡張する。
すなわち、
eix=limn→∞(1+ix/n)n
とする。
同じように、
e-ix=limn→∞(1+(-ix)/n)n
である。
(3)(4)は次のようになる。
cos x=(eix+e-ix)/2 (5)
sin x=(eix-e-ix)/2i (6)
この式は、自由調和振動の微分方程式の特殊解から導かれた1740年の式、
cos x=(eix+e-ix)/2
それを拡張した1743年の式、
cos x=(eix+e-ix)/2
sin x=(eix-e-ix)/2i
をモアブルの公式からとらえ直したものである。これまでは外的関係にあった弧と虚の指数の関係を、「消失する弧」(ドモアブルの公式の右辺)を「虚の指数」に変換することによって、内的に示したものである。
オイラーは(1)(2)から(5)(6)を導いた後、次のように述べている。
「これらの公式により、虚指数量が実の弧の正弦と余弦に帰着される様式が理解される」。