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地域活性化・街づくり56 【J特】

2010-08-28 22:25:54 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)
 昨日、ネットを観ていたら、またしてもいろいろ考えされてしまう情報がありました。以前にも、J2岐阜はJリーグで一番地域に選手を派遣しているクラブで、Jリーグからの借金もその効果で完済したという記事を出しました。同じ話題ですが、相変わらず岐阜さんはスゴいなぁと改めて感心しながら読んでいました。以下、抜粋して紹介。
   
 '07年に就任した今西GMが率いるJ2岐阜は経営危機を脱しつつあります。同じ年に「経営基盤の強化」を条件にJリーグ準加盟を承認されましたが、その後も好転せず、'08年に3億超の累積赤字と1億強の債務超過でした。今西GMはこの時に、Jリーグ公式試合安定開催基金から5千万円の融資を受け、翌年に経営危機を公表。これがきっかけにより、存続を願う地元ファンや企業が危機感を共有して支援の輪が広がったそうです。

 情報開示で民心を掴み、2800万円が集まり、そこからスポンサーがついていったそうです。今年4月には、Jリーグの借り入れを返済し、近い将来のJ1昇格に向けて加速していけるようになったとか。なぜ、岐阜と直接の縁がなかった今西氏が、J2岐阜の社長まで就任していったのか。
「それは、ふと広島でやり残したことに気がついたんですよ。サッカー人生の最後の集大成としてそれを岐阜でできればと思ったわけです」
「サッカーによる地域貢献、社会貢献ですよ。それがまだサンフレッチェではやり切れていなかったことに思い至った。サッカースクールなんかは行なっていましたが、それはあくまでもビジネスだった。その志が完全消化していなかったから、このままだったら、辞められないと思ったわけです」
とコメント。
該当記事:http://sportiva.shueisha.co.jp/league/clm/01/01.html

 '09年のホームタウン活動において岐阜はJリーグで第1位。地域活動に延べ851人の選手が参加。一人当たりの平均活動時間が48時間、ちなみに全クラブの平均は17,3時間。
「岐阜の全市町村を対象にしてやっています。選手は練習が終わると必ずどこかの町に行って活動しています。オフの日も必ずトークショーかサインをやっていますね。
 正直、Jリーガーといっても余暇の過ごし方を無為に使っている人も多い。社会との接点の無いままに現役を辞める人もいる。でも地域で活動することで社会性も身につくと思うんですね。自分たちの給料はこういう人たちから出ているのかと思うことで選手も地元の人との距離も近くなっていく。
 せっかくのオフにイベントに出る不満ですか? 僕も思ったんですが、自分たちがたまたまプロサッカー選手ということで、そういうことができる立場にあるということに気がつくんですよ。イベントに出るということ、それはありがたいことなんです。FC岐阜は地域に今は根を張っている時期ですが、これから幹を伸ばしたいですね」
と浮氣コーチのコメント。

 結果的にこの地域貢献が岐阜の価値を高め、存続に向けての大きな力になったといえるそうです。J1名古屋や中日ドラゴンズと競合するエリアなのに、岐阜のオンリーワンとしてのその存在感は徐々に大きくなりつつあるとしています。
 「予算が組めないので大量の選手を放出した後に、まずは新卒の選手を引っ張ってきた。彼らはある意味でどこからも声のかからなかった選手たちです。だから、モチベーションが高かった。高校野球のようにとにかくひたむきに走りきることを目標にしたら、それに感動したというサポーターが増えたんです。60代のご夫婦がゴール裏で必死に応援してくださるようになった。ピッチの外の活動でも県や市との連携を深めて雇用促進も図っています。スポーツの立場からの食育も提言したり、グッズも地産地消(笑)。地域貢献で地方のお金の無いクラブのひとつのモデルになるように今は努力しているところですね」 と今西氏のコメント。

 今西氏は広島生まれ、広島育ち。岐阜で「最後の仕事」を成し遂げたとき、地方クラブ再生の雛形をそこに見るような気がすると。今西氏は吉備国際大学の教授ということで、当ブログでもかなり初期に注目しておりました。岡山の役員に来ないかなぁと思っていたら、岐阜へ行ってしまわれたのを覚えています。
今西氏関連:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20060615

 この記事で気になるキーワードがいくつも登場します。まずは経営状態の情報開示。ありのままの姿をさらけ出すから共感も得られる。これは練習環境を情報開示して署名運動を進めているJ2岡山も同じ話です。ただ、他の部分の情報開示は・・・
 「サッカーによる地域貢献・社会貢献」「サッカースクールはビジネスの範囲」と。サッカー教室はごく当たり前。それ以外の地域貢献をすべきであると。
 「全市町村を対象に、どこかの町に行って活動」。単に岐阜市ばかりではなく、全市町村を視野に入れている。つまり岐阜市民クラブではなく、岐阜県民クラブとして活動されています。他のクラブもこの姿勢を学ぶ部分が多いのではないでしょうか。
 ここの地域もグランパスと中日という2大プロチームと共存している厳しい環境にあります。前にも言ったように、こういう強い競争意識が働くクラブが一番いい事業をされる。「オンリーワン」というのはJ1湘南でも出てきた言葉ですね。
 「今は根を張っているが、これからは幹を伸ばしたい」。「根を張る」は当ブログでこれでもかというくらい出てきた言葉です。根が張れていないクラブがあれば、根を張るために「栃木スタイル」もいいのかもしれませんね。
該当記事: http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20100819-00000302-sportiva-socc
J2岐阜ホームタウン活動関連:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20100429

 いろいろ調べてみると、開幕時期に「FC岐阜市町村キャラバン」として、支援を受けている県内の42市町村を選手とスタッフが訪問しておられます。公式HPの地域貢献ページを観てみてください。頭が下がります。トップページに「地域貢献」と大きくコンテンツとして掲載され、中身も素晴らしいもの。

・2/12:下呂市・垂井町・関ヶ原町・川辺町・御岳町
・2/26:養老町・大垣市・八百津町・七宗町・輪之内町・安八町・池田町・神戸町・揖斐川町
・3/1:白川村・郡上市・恵那市・中津川市・瑞浪市・土岐市・多治見市・飛騨市・高山市・白川町・東白川村
・3/4:海津市
・3/5:美濃市、関市、富加町、瑞穂市、羽島市、坂祝町、美濃加茂市、可児市、笠松町、岐南町、各務原市、山県市、岐阜市、本巣市、大野町、北方町


 確かにサッカー以外に選手に活動してもらうのは、体の疲労に関係するから好ましくないという意見もあるでしょう。ただ、それを金科玉条にファン・サポーターと引き離してしまうのはどうでしょうか。この記事では、選手も楽しんでいる様子がうかがえますね。
 J1のビッグクラブでもどんどん選手を地域に派遣しているクラブは多いです。岐阜さんまではいかないまでも、余りこういう事をされていないクラブは、もう一度「Jリーグ百年構想」を読み返してみられたらいかがでしょうか。Jリーグもクラブ経営度だけでなく、「地域貢献度」をもっと評価してみてはいかがでしょうか。
J2岐阜公式HP地域貢献ページ:http://www.fc-gifu.com/local/                                                               

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4 コメント

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地域貢献 (Jリーグ100年構想?)
2010-08-28 08:58:26
ファジアーノ岡山はもっと地域に貢献するべきですね。
私もこのブログに賛同です。
選手を署名活動などに派遣してほしいです。クラブ自体の問題なのに、他人任せのような気がするのは、私だけでしょうか?
返信する
Unknown (Bmount)
2010-08-28 11:11:57
基本的にJ全体を意識した記事だったのですが、そう思われましたか。

ただ、選手の疲労など様々な要因があり、簡単には言えない話なのかもしれません。

あくまで岐阜さんの事例ですので、全く一緒にはならない話なのかもしれません。

1人1人がそれぞれ情報を持ち、それぞれ考え、行動されるのが一番ではないでしょうか。
署名運動に関しては、10月ではありますが、地域のスポーツイベントで、頑張る予定です。
返信する
ありがとうございます。 (れんげ草)
2010-08-28 16:01:49
初めまして
FC岐阜をこよなく愛し応援している中の一人
れんげ草です。

我ら緑の戦士達の活動を取り上げてくれて、ありがとうございます。

J2に昇格して、3年め!昨年は、クラブ・戦士・サポ達は、がむしゃらに走ってきました。 J1からみたら大学生チームの様な戦士ばかりです。
専用グランド・ハウスもありません。 環境的には、恵まれているとは、言えませんが、ひたむきに走るプレーを見て、虜になったファンは、多いです。
昨年の努力が、今年の資金になりました。
資金の源を無くさない為に、更なる壁にぶつかっているFC岐阜です。

サッカーが好き、ひたむきに走るだけでは、試合に勝てない!
ファンも昨年以上のものを求めてます。
正念場を迎えている岐阜。今以上に努力しないと、存続も危ない!

乗り越えて欲しいと、思います。

地域と共に成長
甲府の様に、そしてJ1へ

希望、夢が、あるチームだから、いつまでも応援したいと、思ってます。


まとまらないコメですみません!
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Unknown (Bmount)
2010-08-28 17:05:25
>>れんげ草さん

コメントをわざわざありがとうございます。

よく読んでもらったらわかりますが、実はかなり前から岐阜さんの事も紹介しています。最近では選手による地域貢献事例ですが。

今西さんがおられるのはうらやましいし、他の2つのプロチームに囲まれて、大変だと思います。これからも頑張ってください。
忙しそうに県内市町村を選手達がまわるのは、本当にうらやましいですね。
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