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海外コミュニケーション

2015-05-23 18:21:20 | 14期生のブログリレー

14期生の長田真由美です。

今週14期生の仲間と雑誌記事執筆の打合せをした時、国際コミュニケーションの話になりました。

海外にいる人と情報のやりとりが必要だとしたら、今はメールやメッセージングアプリでのチャットなどで瞬時にコミュニケートできますね。でも、私が海外営業部で海外販売会社とコミュニケーションを始めた頃は、メールはまだ一般的でなく、FAXでのやり取りでした。

私はその当時から欧州担当でしたが、日本時間の夕方になると欧州の朝になり、FAXがどんどん入ります。数時間残業して帰宅。でも翌朝出社すると、数十枚のFAXがたまっていました。

下っ端でしかも女性だったので、何十枚のFAXのコピーを7部とり、ホチキス止めをして、部長、課長、係長、先輩課員、同僚男子社員に配布する「コピー当番」が毎朝の日課でした。当時は女性には年間150時間という残業規制があり、それなのに毎朝1時間かかるコピー当番が女子だけにあったので、いかにFAXの数を減らしてコピー時間を減らすか、必死でした。

またFAXでのやりとりでは、文章を印刷し国際電話回線で番号をダイヤルして送信する、という手間とコストがかかるため、メールやチャットのように何度も短いやり取りを繰り返す、というのは現実的でなく、言いたいこと・聞きたいことを1枚のFAXにまとめて出すのが普通でした。

時差のため、欧州が開いている時間のコミュニケーションは毎日数時間に限られます。新製品企画に関する販社の要望について、今日の午前中に事業部に回答しないと午後の企画会議に間に合わないのに、朝出社して、前夜の質問FAXに対して販社の的外れな返事FAXを見つけた時はもうトホホ・・・  販社の意見が企画に反映されないか、事業部に期限延長の迷惑をかけるかの事態です。

お互い母語でない英語でやり取りしていることも相まって、なかなか思った返事がもらえないことばかり。欧州側でも、東京からのFAX内容には「何が言いたいんだかよく分からん」 と思うことも多かったと思います。

そのため、毎日FAXに書く内容は、余計な修飾はそぎ落とし、簡潔かつピンポイントにして、「返事が1発で来る=FAXのやり取りが1往復で終わる」ように、必死で心がけていました。

質問して返事がほしい時には、How do you think? のような尋ね方はせず、1. Do you think the idea of xxxxxx is OK for you?   2. If yes, can you do xxxxxx?  3. If no, do you accept Tokyo does xxxxxxx?   のように、Yes/Noで返答できるデジタルな質問にして、箇条書きにするようにしました。そうすれば、曖昧な返事が来る確率が減るからです。このような質問の仕方にすれば、向こうにとっても、東京側がどういう場合はどうしたいのか分かりやすいと思いました。

また、通告すべき内容がある時も、先方から質問FAXを返す必要がないよう、1回でポイントや条件を網羅するよう心がけました。

おかげで今は、「チャットなのに1回の内容が長い~」 と会社の後輩たちに指摘されてしまいます・・・ 

コミュニケーションのツールがFAXから電子メール、メッセージングアプリ、SNSなどと変遷するにつれ、人間のコミュニケーションの仕方も変わってきたのだと思いました。

江戸時代、パソコンもテレビもラジオもなかった頃、人々には有り余るほど時間があったでしょうね。することは、人と話すことと、本を読むことくらいだったのかな、と。

大河ドラマを見ると、松下村塾の塾生たちも大いに議論し大いに読書して、短い年数で考えを熟成・発展させていってます。だから、20代や30代の人々によって、明治維新のような大きなことが成し遂げられたんだろうかと、150年前のコミュニケーション環境に思いを馳せました。

コメント (3)
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