幹事クリタのコーカイブログ

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伏線回収ドラマ

2024-03-09 23:49:05 | テレビ・芸能
 僕はネタバレとかあまり気にしないのですが、昨今はそういうことをうるさく言う人がいるみたいなので、最初にお断りしておきますが、昨日放送された『不適切にもほどがある!』第7話のネタバレをこれから書きますので、まだ見ていない人で、ネタバレするのが嫌いな人は以下は読まないようにしてください。本当に読んでから見るとガッカリする人がいるかも知れませんので。人によっては映画『シックスセンス』のネタバレくらいガッカリするかも知れないので。ちなみにあの映画もネタバレしてから見直すと、伏線の張り方が素敵でした。

 と言うことで、「ふてほど」第7話は、ドラマの伏線回収がテーマでした。なにせ近頃のドラマは伏線回収ブームです。そんなものは昔からあるにはありましたが、今ほど伏線を回収することばかりにこだわってはいませんでした。先ほどの『シックスセンス』でもそうですが、後になって「あー、あのシーンは伏線だったのか」と感心すれば良いくらいのことでした。ところが今は「あの伏線はどこで回収されるのか」と、少し引っかかりのあるシーンは全て伏線であることを前提にしてドラマの先回りをしようとします。それはストーリーの先読みばかりしているのと同じで、そういう見方を否定はしませんが、決して王道の楽しみ方でもありません。

 クドカンもそれがきっと気になっていたのでしょう。伏線張るのが好きというか、むしろそういうドラマを昔から作ってきたクドカンだけに、逆に今の伏線ブームにちょっと言いたくなったのかなという感じで、第7話は正面から伏線なんて必要か、最終回がわかっているドラマが楽しいか、と死ぬタイミングがわかってしまっている主人公(阿部サダヲ)に語らせます。このあたり、本筋と今回のテーマを上手に絡めていて、わかりやすく納得度が高い話のもっていきかたでした。

 さらにクドカンらしいのは、そういう伏線否定を主人公に語らせながら、いかにも伏線を張っている感じの主人公の娘(河合優実)のデートシーンを重ねていきます。僕は階段のシーンで「これはもしや」と勘づきましたが、伏線だけでできているドラマではなく、それを除いても十分にドラマとして面白い展開でラストまで話を運んでいきます。このあたりもいかにも手練れの業でした。そして最後に娘のデートの相手役(岡田将生)がやけにあっさり帰っていった後で、その答え合わせシーンを流して「伏線回収」と思わせておいて、さらに大オチを「牢屋、かな」と一言で決めました。

 もう実に上手です。しかもベタじゃなくさりげないところが憎いです。気がつかない人はそのまま放置です。落語が好きなクドカンらしいオチの見事さ。古い名作映画はやはり教養としてちゃんと見ておくべきものです。えーと、これくらい隠して書けばネタバレを怒る人も納得してくれますか?一日置いて書いているだけでも気を遣っているんですけどね。
コメント
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