最近はテレビ番組にQuizKnock(クイズノック)が出演することがかなり増えています。クイズ好きなので彼らの活動は昔から見ていますが、以前は伊沢拓司とその仲間たち的な扱いでしたが、近頃は主要メンバーが伊沢抜きで出演することも多くなり、個々の知名度が随分と上がってきたことがわかります。特にふくらPとこうちゃんは良く見かける印象で、やはりキャラがわかりやすいのがテレビ的に使いやすいところなのでしょう。
ただちょっとひっかかかるのは、特にクイズ番組における彼らの扱い方、いじり方です。お笑い芸人がMCの番組では変に芸人的ないじられ方をすることも多いのですが、それがあまりはまっていないというか、お互いに得がないなと思います。QuizKnockのメンバーは芸人ではないので、いじられても上手な返しはできないし、しかも素が人柄が良い好青年たちなので、いじったMCも単なる意地悪な大人に見えてしまいます。伊沢はさすがにテレビタレントとしての地位を築いていますから別ですが、それ以外のメンバーを厳しくいじってもおいしくはならないと思います。
特に合ってないと思うのは「今夜はナゾトレ」の上田晋也とふくらPの絡みで、上田の意地が悪いツッコミが全然はまっていないように思います。あれではお互いに損なだけです。「Qさま」のさまーずの二人は根が明るいので、意地悪さを感じないだけ良いですが、やはり世代的にいじり方が古いです。その点「東大王」の山里亮太は少し若い分だけソフトですし、若い人に対する優しさも感じられます。なによりクイズができる若者に対するリスペクトがあるかないかの違いが大きくて、クイズのプロが間違えたら笑ってやろうと思っているのか、フォローしようと考えているのかで印象が違って見えるように感じます。
先日「呼び出し先生タナカ」にもQuizKnockが5人(ふくらP、こうちゃん、山本、河村、須貝)揃って出演していましたが、あのおバカいじりの番組で彼らが何をするのかと思ったら、横川や島らレギュラーおバカの解答を予想するというメタ的なポジションでした。これはなかなか良い企画でした。普通にクイズをさせてしまうと単に「すごいね」になって、時としてテレビでは嫌味になりますし、かと言って「クイズのプロなのにそんなのを間違えるんだ」という上田的な意地の悪いツッコミも見ていて良い気持ちがしません。
斜め上をいく珍妙な解答をいろいろ考えて予想して、それでも外してガッカリ、という今回の立ち位置はちょっとYouTube的で、そこがQuizKnockを使うとしっくりきました。珍回答を考える時に5人でいろいろ話し合う姿はいつものQuizKnockらしさが出ていましたし、スタジオとは別撮りで、芸人ではなくアナウンサーとのやり取りもちょうど良いニュートラルな感じでした。テレビ局のスタッフはぜひ「呼び出し先生」の手法を参考にして取り入れてほしいと思います。