とんでもない記録が達成された。今日行われた《びわ湖毎日マラソン》で鈴木健吾(25・富士通)が、日本人初の2時間4分台となる2時間4分56秒の日本新記録で初優勝した。日本記録は大迫傑(ナイキ)が昨年3月の東京で出した2時間5分29秒。鈴木は02年の武井隆次以来、日本人19年ぶりの優勝を果たし、ウィルソン・キプサング(ケニア)が持つ2時間6分13秒の大会記録も大幅に塗り替えた。琵琶湖畔で行われる最後のレースでの快挙。70数年の歴史に大きな花を添えた。ただ鈴木には残念なことも・・・。これまでは日本記録樹立なら、日本実業団連盟から1億円の報奨金が贈呈されていたが、近年マラソンで好記録が続出。設楽悠太、そして大迫傑の2度の日本記録更新で、資金が底をつき、《東京五輪》の選考がなくなったことで制度は終了している。所属の富士通の社長、何とかなりませんか。瀬古リーダーは「本当なら1億円あげたい。専務、なんとかなりませんか。俺も持ってないから…。このマラソンに出場していたプロランナーの川内優輝(あいおいニッセイ同和損保)も、2時間7分27秒(10位)の好記録。8年ぶりに自己ベストを更新した。13年3月の《ソウル国際マラソン》でマークした2時間8分14秒を上回った。鈴木大天晴れ! 川内天晴れ!
競馬の話。角居調教師の勇退を知っているかのようにこの世に別れを告げたのが名牝シーザリオ(19歳)。2005年日米の【オークス】を制し、同年のJRA賞最優秀3歳牝馬および最優秀父内国産馬を受賞し、現役引退後はノーザンファームにおいて繁殖牝馬として供用されていた。27日に子宮周囲の動脈断裂による出血性ショックのため死んだことをJRAが28日発表した。 04年12月にデビューした同馬は通算6戦5勝の成績で、【アメリカンオークス】後に種子骨靭帯炎を発症したため引退。その後は繁殖牝馬として、エピファネイア、リオンディーズ、サートゥルナーリアなど3頭のGI馬を輩出した。安らかに眠ってほしい!合掌。
今日で騎手を引退し、調教師に転身する蛯名正義(51・フリー)が、中山5R【3歳未勝利】の4番人気シルバースピリット(牡3歳・藤沢和雄厩舎)に騎乗し勝利。直線で鞍上のムチに応え一気の伸び脚で鮮やかな差し切り勝ちを収めた。さらに、10R【ブラッドストーンS】の9番人気スマートアルタイル(牡6歳・小崎憲厩舎)でも大外から追い込みを決めて本日2勝目、JRA通算2541勝目を挙げた。お疲れ様!
重賞を振り返る。中山11Rで行われた【第95回中山記念】は、松山弘平騎乗の1番人気ヒシイグアス(牡5歳・堀宣行厩舎)が勝利。バビットとウインイクシードの2頭が軽快に飛ばす中、大きく離れた4,5番手を追走。勝負どころで進出を開始すると、直線で急坂を豪快に駆け上がりケイデンスコールとの競り合いを制してゴール。成長著しいハーツクライ産駒の5歳馬が一気の4連勝&重賞連勝。【大阪杯】の優先出走権を獲得し、GⅠ制覇が視界に入ってきた。タイムは11分44秒9。クビ差の2着にはケイデンスコール(5番人気)、さらに半馬身遅れた3着にウインイクシード(7番人気)が入った。
勝ったヒシイグアスは松山の好騎乗が光った。良いポジション取りで、仕掛けもピッタリ。馬も強くなっているし、人馬一体とはこんなレースを言うのだろう。ただこの馬まだ強くなりそう。2着ケイデンスコールも完全復活。これまで右回りは走らなかったが、勝ち負けできたのは馬が充実している証拠だろう。3着ウインイクシードは相当強い競馬。7歳でここまで頑張るとは・・・拍手!
ヒシイグアスは、父ハーツクライ、母ラリズ(母父Bernstein)という血統。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬で、馬主は阿部雅英氏。通算成績は11戦6勝。重賞は今年の【中山金杯】に次いで2勝目。【中山記念】は、管理する堀宣行調教師は16年ドゥラメンテ、17年ネオリアリズムに次いで3勝目、騎乗した松山弘平は初勝利となった。
阪神11Rで行われた【第65回阪急杯】は、北村友一騎乗の1番人気レシステンシア(牝4歳・松下武士厩舎)が、スタート後程なくして先頭に立つと、直線でも脚いろ衰えず後続を寄せつけない走りで押し切りV。19年の2歳女王が、その【阪神JF】以来約1年3カ月ぶりとなる勝利で重賞3勝目を挙げ、【高松宮記念】の優先出走権を獲得した。勝ちタイムの1分19秒2はコースレコード。2馬身差の2着に10番人気のミッキーブリランテ、さらに半馬身遅れた3着には4番人気のジャンダルムが入った。
勝ったレシステンシアだがとにかく強かった。文句なし、このような競馬ができるのならGⅠでも好勝負だろう。ただ1200mは少し短いような気もする。2着ミッキーブリランテには驚いた。前走勝利も「まだまだ」だと思っていたが、このスピード決着で走れるのは立派。完全復活か・・・。3着ジャンダルムはよく頑張っている。最後は勝ち馬が強すぎただけ。4着インディチャンプは最後止まってしまった。やはりこの馬は本番向きなんだろう。5着ダノンファンタジーはスタートのミスがすべて。
レシステンシアは、父ダイワメジャー、母マラコスタムブラダ(母父Lizard Island)という血統。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬で、馬主は(有)キャロットファーム。通算成績は8戦4勝。重賞は2019年の【ファンタジーS】、【阪神JF】に次いで3勝目。管理する松下武士調教師、騎乗した北村友一ともに【阪急杯】は初勝利となった。
今日の一口。ようやく2021年初勝利となった。中山6R【3歳1勝クラス】(1600m芝)にジュリオが出走。好位2番手から直線の坂を上がってからも余裕十分の伸びを見せて未勝利戦から連勝を飾った。タイムは1分33秒4。7頭立てといっても勝ちは勝ち。これでオープンになったので、次は【NZT】あたりか・・・。ただ鞍上のルメールによると「道中で一生懸命に走りすぎるところがありますね。それでも最後は長くいい脚を使ってくれました。いい馬ですが、まだ子供ですね。リラックスして走れるようになればもっと上を目指せます」とのこと。重賞は気性次第ということか・・・。
阪神3R【3歳未勝利】(1800mダート)にアレッサンドロが出走。少しずつ競馬がうまくなっていいスタートをきって、いい位置でレースを運べたが、勝負所からペースを上げられず7着。最後までバテてはいないが、切れる脚もない。まだ体もパンとしていないので、更に上の着順に行くにはパワーアップが必要だろう。それでも調教でも走らないのに大敗しないのはまだ期待できるではないかとこの馬の力を信じている。