じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

誰のための進路指導か

2006-07-22 23:25:18 | 教育
★ 京都の府立高校。通学圏の拡大や専門学科の相次ぐ創設で活気付いている。高校間の生徒の奪い合いが活発で、まさに市場原理の活用である。競争の激化は校長をはじめ学校スタッフの意欲を引き出し、それが生徒への指導に生かされているような気もする。ただ一つ気がかりなのは、学校の進路指導のあり方である。

★ 学校間の競争が盛んになると、各学校は自らの良い点をアピールしようとする。それは結構な事だが、気がかりなのはそれが大学進学実績に偏っている事である。上位校は京都大学への合格者数(あるいは合格率)を競い、次に続く学校は、国公立大学への合格者数を競っている。その結果何が起こっているか。進路指導が生徒のものではなく学校のもの学校の実績稼ぎになってしまっているのである。京阪神の私立大学を志望する生徒に対して、地方の比較的入りやすい国立大学を勧めたり、またとりあえずは国立大学をめざしてセンター対策をしなさいと指導している。中にはセンター対策に重点を置いている授業さえあるようだ。私立大学や短期大学、専門学校では学校の実績にはならず、ひいては校長や教員の評価につながらないらしい。

★ こういう傾向を見ていると、高校とは一体何なのか。進路指導とは一体何なのかと疑問をもってしまう。一流大学への進学を高校の教育目標としてしまうとき、教育力といったものはすごく薄っぺらなものに聞こえてくる。高校の予備校化が急速に進んでいるが、それでよいのだろうか。
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