散歩日記X

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20111113ギャラリー巡り 秋の終わり

2011年11月13日 13時35分27秒 | ART
本日は札幌彫刻美術館→宮の森美術館(壁画)の2か所。

■札幌彫刻美術館「西野康造彫刻展-風の形象、空の記憶」。つい行きそびれているうちに、展覧会最終日になってしまった。なぜ行きそびれていたかというと、ひとつは、私の家から彫刻美術館は歩いて行くのが最も適切な行き方なのだが、それなりに距離があるのだ。二日酔いだったりすると、なかなか足が伸びない。

もう一点は創成川公園にある、スノーリングに全く感心しなかったからである。橋というには構造が弱々しすぎて、何だかしっくりこなかったのである。しかし、スノーリングの細い部分はわざと人が譲り合ってコミュニケーションをとるために、ああいう作りにしたらしいし、また彼の作品には素晴らしいものがあるのが、この展覧会で分かった。ぜひ、もっと早く行くべきであったと言っておこう。

「黄昏の縁」:美しいチタン合金の円形ホイール(直径が3メートルはある)が壁にかかり、弧の下部には黒御影石が配置されている、すっきりした作品。
「空の記憶」:展示室の端から端まで、天空にかかる橋のようにも、超大型グライダーの翼のようにも見える彫刻。
「びよくのうか」:これは網目っぽい所と、カーブがトンボの羽を思わせる形だ。

「Going through the Space」:タイトルを見る前から、「これは宇宙船だな」と思ったので、見事に作者とイメージが一致。とは言っても、ごく一般的な宇宙船の形ではない。太陽風を受ける帆のイメージというか、惑星に着陸することのない宇宙船は構造が華奢でも問題ないのである。

「≪気流-風になるとき≫のための習作」:これが素晴らしい傑作だった。ステンレスの細い線で作られた翼のような形が、扇風機の風に羽ばたいている彫刻なのである。扇風機には首を振らせているので、風の強弱を受けて、翼は意外なほどダイナミックな変化を見せる。最初のうちは風に向かう形になっていたのだが、いつしか翼の向きが反転して、追い風を受ける形に変わっていた。

人が立つことによっても風の流れが変わると思うので、ある意味、参加型の彫刻かもしれない。実際はこの彫刻は外に展示されるものであるから、さらに面白い動きをするんだろうなあ。非常にバランスをよく考えて作られたものだし、さらには、1/fゆらぎというか、カオス理論というか、そういう自然現象を想起させるような作品であった。



■宮の森美術館「ギヨム・ボタジ展」壁画。
前回来た時は、まさしく作成開始したばかりといった感じで、一体どうなるのか見当もつかなかったが、壁画はほぼ完成しているようであった。多分、今日、壁画完成記念イベントが行われるので、足場を外せば終了なのだろう。

宮の森美術館のホームページにも作品写真があったので、私も数点掲載しておこう。









この写真では実際の質感までは分からないと思うが、かなり丁寧に描かれた作品だと思う。ど素人の私が言うのもなんだが、ギヨム・ボタジの誠実さとアーティストとしての技量が伝わってきた。

足場を外した本当の完成形を見に来たいとは思っているが、札幌は今日以降、急速に寒くなりそうである。ついに冬の始まりだ。



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