散歩日記X

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なぜか静岡(16) 静岡最大の都市浜松へ

2012年09月15日 12時14分59秒 | ART
静岡4日目。今日は非常に体調良く目が覚めた。窓から外を見ると日の出と共に駅のホームに止まっている新幹線が見える。どうも北海道人は新幹線耐性がないため、見るだけで興奮してしまうようだ。



今日の朝食もそんなに変りばえしないのだが、桜エビとしらすのオムレツというのをその場で作ってもらった。さすがにオムレツの焼き加減は非常に上手い。そして味も美味しい。





今日は浜松へと向かう。静岡-浜松間も普通電車で16駅、距離にして77キロ近くあるので、ちょっとした小旅行になる。そして浜松駅到着。



多くの方が知っているだろうが、浜松市の人口は静岡市と清水市が合併した(他にも合併しているが)現在の静岡市よりもさらに大きい。何だか微妙な2市の関係を感じてしまう私であった。

浜松駅から歩いてすぐの所に遠州鉄道の新浜松駅というのがある。まあ、目的地まで歩いて行けないこともなかったのだが、非常に暑いのと遠州鉄道に乗ってみたいという理由で電車に乗り、遠州病院駅へ。





そこから歩くこと約10分、目的地の浜松市美術館へとやってきた。現在の展覧会は「ナント美術館名品展」という、なかなか渋い展覧会である。まず1階は主に19世紀のフランス絵画展示となる。



カミーユ・コロー「デモクリトスししてアブデラの人々、風景」:フォンテーヌブローの森にデモクリトスと友人のヒポクラテスが描かれた、まさに古典絵画。
シャルル・ル・ルー「春、満潮時のロワール河畔:雷雨の効果」:これは何気なくいい風景画だ。雷雨の雰囲気が良く描けている。
オーギュスト・トゥルムーシュ「手紙」:非常に若く美しい女性が、横向きの立ち姿で手紙を読んでいるところ。

オーギュスト・トゥルムーシュ「レッスン」:若い母が二人の子供に絵本を見せているのだが、母の目と散らばった花が少し怖い。何故か緊張感のある作品。
クロード・モネ「ヴェネチアのゴンドラ」:緑と紫のモヤモヤだけで、水面と舟を描く、まさにモネ。
ジャン=ジュール=アントワーヌ・ルコント・ドゥ・ヌイ「白人奴隷」:イスラムのハーレムに捕らわれた奴隷か。オリエンタリズムの感じられる面白い作品。奴隷の割には小悪魔的、気ままな表情の女性である。

2階は20世紀のフランス絵画である。
ルイ=ヴェルデン・ホーキンス「暖炉」:石造りの建物の裏庭に樹木と叢がある。そして建物の窓にはぼんやりと灯りが。ラファエル前派を思わせる作品。
アンリ・ル・シダネル「日だまりの食卓」:点描の要素のある筆のタッチで日差しがきらめくさまを描いた緻密な作品。
ヴァシリー・カンディンスキー「Schwarzer Raster(黒のグリット)」:小気味良いポップな作品。

エドガー・マクサンス「森の精」:今回の私の一押し。煙の立つ銀の杯を持つ女性、その後ろには幻影だろうか、女性の翼と3人の女性像が描かれている。神秘的な作品。
ラウル・デュフィ「黒い貨物船」:太陽の光を黒で表現。
ジャン・メツアンジェ「魚の静物」:全体的に黒・グレーの中に魚のオレンジ色、ワインボトルのラベルの赤色が効いている。

タマラ・ド・レンピカ「バラ色のキゼット」:一度、見てみたかった画家だ。金髪で真っ白の服・スカート・靴下をはいた少女。しかし生足と手が挑発的である。
シャルル・ラピック「ラ・サルーテ川の日没」:重いものを青、軽いものを赤やオレンジで表現した実験作。
パブロ・ピカソ「青い背景の婦人像」:これだけは、出品予定作の状態が良くなかったらしく、急きょ山形美術館から出品された作品。女性の特徴と言えるバスト、黒と緑の髪の毛、大きな目、ほほと唇の赤がはっきりと出ており、なかなかの作品ではないか。

どちらかというと古典的な絵画が好きな私なのだが、こういう風に連続して見ると19世紀の絵画はやはりつまらなく感じてしまう。近現代の作品が全て好きなわけではもちろんないのだが、こういう表現を知ってしまうと、もう単純に昔に帰ることはできないのだ…。



ということで、次回の展覧会「レーピン展」を非常に見たかった。

帰り道は暑い中ちょっとだけ浜松城址を見て帰る。石垣は400年くらい前のものだそうである。



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