散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

芸術の秋-東京(15) 魚尽くし

2014年11月02日 23時06分42秒 | 飲み歩き・東京
帰り道のために本を購入し、今晩の1軒目は新橋の立ち飲み「KU」へ。1杯目はスプマンテ、2杯目は尾瀬のゆきどけ特別本醸造。つまみは炙りしめ鯖と鯛刺身の2点盛り。炙ったしめ鯖なんて生きが悪いのではないのかと勘ぐりたくなったりするが、実は脂がとろけるような仕上がりになり、相当旨かった。それから鯛の刺身は皮を湯引きした状態で、魚の味わいが濃厚であった。





しかし、ここはなかなか良い店なのだけども、最近テレビに出たとかで若干混雑しすぎだなあ。ということで、軽くこのくらいで切り上げることにした。他に鯛かぶと煮や穴子天も旨そうだったが、回りに来ている皿を見ると、とても一人では苦しそうな量であった。残念。

時間もあるし、もう一軒行きたい。ということで銀座の7~8丁目付近でバーを求めて歩いたのだが、考えていた店が見つからない。もしかして、私は酔っているのか? しばらく歩いて腹もこなれてきたので(そもそも刺身しか食べてないか)、先日行ってなかなか良かった、新橋の「UN」という寿司屋に行ってみることにした。

疲れているのに、この店も立ち食いだ。飲み物は軽く緑茶ハイにしておく。そして第1シリーズは鯵と鰯を注文(この店は2種2カンをいっぺんに注文するのが基本となる)。先ほどしめ鯖を食べたのだが、これはこれでまた違う味だ。



次はマグロ3種盛りというのを注文。これはセットなので、多分2種類注文しなくても、良いのだろう。やってきたのは赤身、中トロ、軍艦(ネギは入っていなかった)の3種。赤身といっても、ある程度脂が入っていてなかなかの美味しさ。中トロがスジを感じたので、赤身のほうが良かったかもしれない。軍艦はマグロ、酢飯、海苔、醤油が渾然一体となると、実に旨い。



最後に穴子、かんぴょう(残念ながら巻物ではなく、手巻きだった)で終了。

 

私の寿司の締めといったらこの2品は外せない。これで合計10カン+手巻き1だったので、量的にはちょうど良かったのではあるまいか。他にも食べてみたいものはあったのだが、ここから更に4カン食べるのはちょっと辛いのであった。



浅草線の羽田空港直通電車で移動し、少し早めに空港到着。空港のパソコンデスクを使ってこの記事を書くのであった。家に到着するのは23時頃になるだろうか。帰りの道は長い・・・。

ということで、今回の旅(行くきっかけは仕事です)は終了。

芸術の秋-東京(14) これでお終い

2014年11月02日 16時04分30秒 | ART
■サントリー美術館「高野山の秘宝」。国宝4点(八大童子は1つとカウント)。八大童子立像を見るのは実は3回目(旭川、札幌に続いて)なのだが、まあ良いではないか。



「諸尊仏龕」:これはまさに国宝の名に値する作品。実に細かく彫りこまれた仏の顔はどこかインド調である。口には少し紅をさしてあるのかな。驚くべき細かさで、持っていたら確実にどこか壊してしまいそうだ。
「大日如来坐像」:一木造りで内ぐりが無いという珍しい仏像らしい。金ピカ。
「浮彫九尊仏」:こちらは名刺サイズに彫りこまれた仏の姿。欲しい。

「五大力菩薩像のうち金剛吼菩薩像」:平安時代の巨大な巻物。五大力のうち、三点しか残っていないらしいのだが、それでも同時に展示したらエライことになるだろう。
「不動明王坐像」:水晶の玉眼がキラリと光るかと思いきや、歯も玉歯なのである。
「不動明王坐像」:バックの火炎が龍のように立ちあがっている。

快慶「孔雀明王坐像」:色彩もたっぷり残った、ド派手な孔雀。尾羽が光背の替わりに立ちあがっている。上の明王は真っ黒の御姿だ。
快慶「持国天像」:邪鬼は顔を真正面から踏まれ、足の形にえぐりこまれてる。
快慶「増長天像」:邪鬼の首が180度回転している。

快慶「広目天像」:邪鬼は顔を伏せて、もう頭を踏まれるがままだ。
快慶「多聞天像」:これはノーマルに頭を踏まれている。今回は邪鬼の踏まれ方四態を報告してみた。
快慶「執金剛神立像」:飛び上がりそうな躍動感。上下の動きが感じられる。蔵王権現のポーズに近い。
「澤千鳥螺鈿蒔絵小唐櫃」:外側に優雅な千鳥のデザイン。国宝。

ということで、時間は少々余ったものの、濃厚な展覧会3連発なので、これ以上はもう無理だ。しかし、東博でも松濤美術館でもサントリー美術館でも思ったのだが、最近の人は「ガラスケースに触ってはいけない」ということを知らないのかね? 順路という概念も全くない人も多いし、ストレスがたまる。

富士フイルムフォトサロンを眺めて、美術館めぐりは終了。汐留(新橋)へと向かう。

芸術の秋-東京(13) 佳品揃い

2014年11月02日 14時00分49秒 | ART
■新国立美術館「チューリヒ美術館展」。感想「ホドラー展が見たくなる」。



セガンティーニ「淫蕩な女たちへの懲罰」:憂鬱な風景の中、死体と化して漂う女たち。
セガンティーニ「虚栄」:点描というより、絵具の線を埋め込んだような描写。セガンティーにって、こんなにいい画を描くんだ。
モネ「睡蓮の池、夕暮れ」:幅6メートルの巨大作品。まるで「燃える夕焼け」という感じ。

ロダン「殉教の女」:倒れよじれる姿は、本郷新に影響を与えていそう。
セザンヌ「サント=ヴィクトワール山」:本当はどんな山だったのだろう。もしかして写実的に描いてあったりして。
ホドラー「真実、第二ヴァージョン」:布を頭にかぶり前が見えず右往左往する男たちと、それを寄せ付けない真実の女神。ホドラーは思った以上にいいね。これは国立西洋美術館に行って見たくなった人が多いのでは?

ホドラー「日没のマッジア川とモンテ・ヴェリタ」:どこか死の風景に見える。
ホドラー「日没のレマン湖」:淡く不安定な色はムンクに近い感じもする。
ヴァロットン「訪問」:濃密な室内の色彩。陰になる人の顔は不穏なイメージである。

ヴァロットン「日没、ヴィレルヴィル」:オレンジの空と紫の海。黒い海岸が不吉な感じ。
ヴァロットン「アルプス高地、氷河、冠雪の峰々」:硬い氷からトロッととろけ出す氷河。
キルヒナー「小川の流れる森の風景」:水色と紫の樹木。

バルラハ「難民」:前に倒れそうなほどの勢いで歩く男。木彫作品。
ココシュカ「恋人と猫」:過剰に絵具を塗らなければならないという印象を受ける。しかし、荒木飛呂彦はココシュカの影響を受けているのではあるまいか。
ピカソ「ギター、グラス、果物鉢」:どこがどうとは言えないが、これはいいね。

クレー「スーパーチェス」:升目は白・黒・青・赤・紫が混じり、変な駒が3次元チェスに見えるような感じで描かれている。新しいゲームが作れそうだ。
クレー「狩人の木のもとで」:平板に、また木の枝が迷路のように描かれた大木。雲の色の緑・黄色・白もいい。
カンディンスキー「黒い色斑」:音楽を画で表現するのみならず、無音すらも表現している。

シャガール「窓から見えるブレア島」:割と写実だ。
シャガール「パリの上で」:北海道立近代美術館にある「パリの空に花」の暖色版という感じ。
キリコ「塔」:塔を描いただけで、もう何かが変。不安になってくる。直線を主体にきっちり描かれた作品なのだが。

エルンスト「都市の全景」:月に照らされる古代都市か棺桶のようにも見える。手前に植物が細かく描かれているが、小川原修の初期作品のようにシュールな感じを出している。
ダリ「薔薇の頭の女」:女性のポーズがカッコよく、見知らぬ異星の夕暮れの風景のようだ。
タンギー「明日」:海岸で小石や貝、小さな骨が集まって行列を作っている幻想のよう。

飛行機までの時間が余りそうなので、図書コーナーで国宝関連の特集が載っている雑誌を読んで時間をつぶす。そして次は、サントリー美術館だ。

芸術の秋-東京(12) 予想以上

2014年11月02日 11時39分04秒 | 食べ歩き
この後、乃木坂に移動し、六本木方面に向かう。この辺で昼食を取っておきたいのだが、新国立美術館の周辺は飲食店が少ない。11時半少し前ということで、なかなか良いところがなく、ビル前に看板の出ていた「K」に思い切っていってみよう。

エレベーターで3階に上がると、普段はどう考えてもバー営業をしている店の昼間の営業らしい。メニューはタンメン、坦々麺、カレーラーメンと少し意表をつく3種(トッピングはいろいろある)。ちょっと迷った末に、坦々麺を注文することにした。

他の客が全く来なかったので、少し待つと坦々麺が到着。なかなか美しい仕上がりである。カウンターと椅子の高さが麺類を食べるためには合っていないのだが、そこを何とか食べていくと、これはなかなか旨い。



まず、坦々麺には予想外のボリュームの野菜が美味しい。もやしの歯ごたえが非常に良く仕上がっている。麺は少し平べったい麺。そしてスープはゴマの風味がかなり効いていて、辛さはやや控えめ(自家製ラー油で調整するらしい)ということで、万人に受け入れられそうな味だ。

器も受け皿に(しかも、紙ナプキンが引いてあって、ずれないようになっている)、レンゲ、具を救うための穴あきレンゲも付いてくるということで、見た感じ無口でとっつきにくい店主なのだが、なかなか気が利いている。

私はとにかく野菜の歯ざわりが気に入り、途中でラー油を少し入れて食べたのだが、予想以上に美味しい坦々麺であったといえるだろう。高血圧が気になり、スープを完飲とはいかなかったが、満足であった。



さて、ここから新国立美術館へと向かう。

芸術の秋-東京(11) 仏陀の大冒険

2014年11月02日 11時06分24秒 | ART
■松濤美術館「醍醐寺」。国宝9点。感想「仏陀の大冒険!」。



「過去現在絵因果経」:少々ヘタウマ(いや、ヘタヘタか)な味わいの画である。登場人物の服がオレンジ、黄色、赤、ピンク、茶色と綺麗な暖色系なので、草木の緑と良くマッチしている。文字部分はしっかり書かれているが、所々朱筆が入っているのも面白い。太子が修行の末菩薩になり、如来になり、最後に魔王軍を迎えるというスペクタクル巨編。また魔王軍の面々がコミカルなお姿なのである。これ、ハリウッドで映画にしないかな?

「弘法大師二十五箇条遺告」:かつてはこれの持ち主が真言宗の正統後継者であったというとんでもない品。
空海「大日教開題」:途中はメモ書きのようになっており、空海の姿まで想像できそうだ。
「虚空蔵菩薩像」:色彩が良く優美な作品。

豊臣秀頼「豊国大明神 神号」:秀頼8歳にして揮毫したもの。只者じゃない。
「織田信長黒印状 醍醐寺年預宛「就在陣祈祷之…」」:信長が醍醐寺に戦勝祈願を行い、その結果として書いたお礼状。お寺の方が来て解説をしていたのだが、「信長のイメージと違うでしょ」と言っていた。

「豊臣秀吉書状(席次の次第)」「徳川家康書状「真言宗諸法度」」:これで3英傑勢ぞろい。お寺の人が「本文は祐筆が書いていて、本人が署名だけしたのでしょう」と言っていた。

こぢんまりした美術館なのだが、なかなかの名品ぞろいの展覧会であった。開館直後の第一グループとして入館したのだが、10~20人程度しか観覧者はおらず、ほぼ思う通りに展示物を見ることができた。

芸術の秋-東京(10) 好天の朝

2014年11月02日 09時52分35秒 | 旅日記
6時過ぎに起床。今日の東京は実に天気が良い。



朝食は購入しておいたカレー味のカップ麺。

 

今日も美術館の開館のことを考えると、9時過ぎの出発となるので、非常にゆったりペースで朝の支度をする。

9時過ぎにホテルを出発し、渋谷へ。「日本国宝展」の図録が重い…。今日の1箇所目は渋谷へ行き、渋谷と言えばBunkamuraをスキップして、松濤美術館の「醍醐寺」だ。