散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

もはや旅行の東京(10)

2019年08月24日 11時00分04秒 | ART
どうもうまく眠れず、結局5時過ぎに起床。少し時間がたってから朝食を食べるが、味がしつこすぎて残す。私の印象では、久留米で食べたラーメンはマイルドと言って良いくらいなんだがなあ。





美術館の開館に向けて、9時にチェックアウト。さあ、今日は何か所か美術館を巡ることにしよう。ということで、まずは門前仲町から茅場町で乗り換えて、上野の東京都美術館へ。今日は大規模な展覧会がないため、比較的混雑が少ない。幸い私の荷物も、大きめのロッカーに収納することができた。



■東京都美術館「伊庭靖子展 まなざしのあわい」。
「クッションと寝具シリーズ」:個々の作品には「Untitled 年-月」といったタイトルしかついていないので、シリーズ名で紹介する。このコーナーではマットレスやクッションなどを大きく、かなりリアルに描いた作品が展示されている。画風はリアルだが布のふんわりした感じは曖昧でもある。しかし触感をイメージさせるところもあるため、その点からは生々しくもあり、何とも面白い作品だと思った。

「器シリーズ」:今度は陶器を描いた作品群だが、シャープさを感じるかと思ったら、どこか儚いといった印象の方が強い。ものによっては器に描かれた花模様が中心に浮かび、モネの「睡蓮」に近いような作品になっているものもあった。
「ガラスシリーズ」:ガラスのうちわを描いたものは、一転してそこに浮かぶ光とガラスの硬質さをイメージさせるものである。笠井やモランディの器を思わせつつ、全く異なる表現になっている。

「アクリルボックスシリーズ」:フラスコのような器をアクリルボックスに入れ、光や映り込みと共に描いた作品。これもものの儚さと共に、視覚の曖昧さを浮き上がらせるようなところがある。ここだけ写真撮影が可能だったので、1枚だけ載せておこう。



「depth #2019」:作者が初めて手掛けた映像インスタレーション。1つは無数の粒子が動く映像なのだが、立体視をするとそこに風景のようなものが見えてくるという趣向になっていた。私はそれほど苦労せずに立体視ができるのだが、動画立体とは斬新だ。これは目が離せない素晴らしい作品だった。しかし、周りの何名からか「み、見えない」という声も上がり気の毒だった。静止画で練習してから来た方が良いかも。もう1つは外の風景の近いものを白く、遠いものを黒く表現した作品。これまた面白い。



10年ぶりの美術館での個展というこの展覧会だが、間違いなく一見の価値がある。興味のある人はぜひ。一部の作品の雰囲気はチラシでも分からなくはないが、実物を見なければ、本当の事は分からないと言っておこう。

少し腹が減って来て、途中の道で藝大の学生(院生?)の作品を見ながら、谷中方面へ。

ジェームス花蓮「con・nect・ed」。



福島李子「さわれた夢」。両手で顔を覆った人が中央部にいる。



君島英樹「解放」。



林岳「押し入れと宇宙」。



上田華奈「Rationalist」。


20190817ギャラリー巡り

2019年08月17日 14時16分43秒 | ART
本日は三越→SONY→さいとう→ivory→らいらっく→富士フイルム→大通→道新→紀伊国屋→大丸の10か所。

■三越ギャラリー「‐画業65周年記念‐ 松本零士 銀河の世界展」。キャラクターものにはそれほど興味がないが、昔のハヤカワSF文庫の表紙を彷彿とさせる「蜘蛛」「インセクト」は良かった。

昼頃から天気がどんどん良くなってきた。



ほくせんギャラリーivoryは今年の11月末で閉館なんだとか。



せっかくエレベーターもリニューアル工事をしたのに、どういうことだろうか。毎週展示で埋まっているという感じでもなかったからなあ。



昼から南1条通りは歩行者天国となった模様。



■大通美術館「千展」。相変わらずダイナミックな作品が多い。出品者が4人と、以前より減っただろうか。出品作の作風は変化が見られるし、迫力あるんだけどなあ。

最近はあまり無理をしてギャラリーを巡っていないので、取りこぼしが出ている。

20190812ギャラリー巡り

2019年08月12日 15時17分43秒 | ART
本日は近美→道新→芸森の3か所。

■北海道立近代美術館「カラヴァッジョ展」。まだ届いていない作品が8点あるが、とりあえず行ってみた。10時過ぎに会場に到着したが、行列はできておらず、混雑はさほどでもない。ただ、帰るときにはもう少し人が増えていた模様。

カラヴァッジョ「リュート弾き」:ガチガチの古典様式で描かれた作品だ。
アンティヴェドゥート・グラマティカ「清純の寓意」:光と影、モノトーンに近い程の陰影で描かれた作品。
不詳画家「聖トマスの不信(カラヴァッジョ作品からの模写)」:キリストの胸の傷に指を突っ込む聖トマス。なかなかえぐい描写だ。

カラヴァッジョ「聖アガピトゥスの殉教」:首を切られた瞬間、まだ意識があるのではないかと思われる人物を描いた恐ろしい作品。雪舟の「慧可断臂図」を超えているかも。
カラヴァッジョ「歯を抜く人」:歯を抜く人がこちらを見ていて、目が合う。「お前も歯を抜いてやろうか」という作品。
フィリッポ・ヴィターレ「ホロフェルネスの首を切るユディト」:いわゆる劇場的な名シーン。

ジョヴァンニ・フランチェスコ・グエリエーリ「ロトと娘たち」:下からの光で美しく浮かび上がる娘たち。しかし、この話はなあ…。
オラツィオ・リミナルディ「イカロスに翼を取り付けるダイダロス」:イカロスが中性的で何とも怪しいシーンに思えてしまう。

全部そろったとしても出品点数は41点。正直な所、少なく感じるのだが、それ故に見やすいともいえる。但し、絵画の間を大量の解説で埋めているので、それをいちいち読む人たちが実に邪魔くさい。解説ばっかり読んで、画を全然見ないって、何しに来てるんだよ! という感じだ。

未着の作品が届くかどうかはまだ分からないそうだ。作品未着のうちに見た人には、半券の裏側に押印するなどして、作品到着以降に見ることができるようになるとのこと。札幌市内の人は良かろうが、はるばる遠くから来ている人は、もう一度来いと言われても厳しいかも知れないね。

私は美術館友の会の会員証で入場しているので、別途、観覧証明の券をもらった。



遅れている作品が到着しなくても、再鑑賞はできるのかな?



メドゥーサの盾の顔ハメ。ちょっと写真がブレた。



■北海道立近代美術館「バック・トゥ・ザ・フューチャー-来るべき20年代に向けて」。
ドーム「花器」:色彩が実に美しいね。



岡沼淳一「霞か雲か」:先日亡くなったばかりの作家の作品。



岡沼淳一「森を見た日」:2階の外に向かった休憩コーナーのソファが一部よけられて、この作品が展示されていた。急遽展示することになったものだろうか。



■北海道立近代美術館「新収蔵品展」。
深井克美「グラス」:去年の深井克美展が契機になり、3点(他に「熱」「石化」)が収蔵されたとのこと。素晴らしい作品である。
高橋伸「赫月」:この作風、間違いなく似ている方がいるのだが、名前が思い出せない。年齢からして、弟子とも思えないが…





■札幌芸術の森美術館「テオ・ヤンセン展」。昼食を取ってからのんびりと芸森に向かう。



会場内に入るとあまり人がいないようだった。

と思ったら大間違いで、毎正時に行われるストランドビーストのリ・アニメーションがちょうど行われているのであった。芸森の美術館でこんなに人がいるのを見たことがない。



ちょうど動く展示が終わったので、次の正時を目指して待つ(待つのきらいなんだけど、さすがにこれは見なくてはなるまいよ)。

「アニマリス・オルディス」:これは来場者が押して動かすことのできる作品。私はちょうど空いているときに試すことができたが、その後は常時20人待ちくらいの行列になっていた。
「アニマリス・プラウデンス・ヴェーラ」:14時のリ・アニメーションではこれが動いた。



しかしながら、見るのも一苦労なのである。



美術館中庭にある「アニマリス・ペルシピエーレ・エクセルサス」。なんかこれは空を飛んでいきそうだ。



第二会場である工芸館にも4点ほどの展示があった。さて、感想であるが、さすがに機械仕掛けと片付けることのできない、どこか不思議な魅力ある動きをするものだと思った。展示室を出たところで、小さなストランドビーストの模型(風で動く)が販売されていたが、結構な数が売れているようだった。ちょっと気になる、小さな動物を思わせるところがあるのだな。

作者ヤンセンが昔使っていたコンピュータが展示されていた。何と、アタリ社のものである。



アイディアスケッチも展示されていたが、生命感があるとともに、背景に位相幾何学の知識があることをうかがわせる図だ。



これは間違いなくお勧めの展覧会だろう。ぜひ、じっくり時間も取って、ストランドビーストが動くところを見るべきである。

20190810ギャラリー巡り

2019年08月10日 16時00分26秒 | ART
本日は東急→エッセ→大丸→文学館→三越→ひと粒→書肆吉成→さいとう→スカイホール→らいらっく→CAI02の11か所。連休中にもう一度出かけるので、あまり無理をしないでおいた。

■東急催事場「ジャイアント馬場展」。入口で馬場さんがお出迎えだ。



PWF、インター、UNの3本のベルト。これがのちに統合されて「三冠ヘビー級」となる。私は馬場さんの全盛期を知らず、どちらかというと三冠以降(鶴田、ハンセン、ブロディ、三沢、川田、田上、小橋)を主に見ていたのである。







馬場さんの「国内通算3000試合連続出場」記念。相手はバーン・ガニアだと思っていたが、それは特別に組まれた記念試合であって、3000試合そのものは、アラビアの怪人ザ・シークという話もあるようだ。



大阪球場での荒法師ジン・キニスキーとの対戦。60分を超える試合となり、あまりの暑さもあって、馬場さんが心の中で「おかあさん、助けて」と思ったという試合である。



ジャイアント馬場とON砲。ONの年棒も現在の価値観からすると破格値だったらしいが、アメリカで稼いだ馬場さんは「そんなもんか」と思っていたそうだ。



何といっても分かりやすいのが馬場さんの靴。写真じゃわかりにくいが、私の前で見ていた女性がその大きさに、いきなり笑いだしていた。



さて、アートファンに向けては馬場さんの画だ。数点の絵画が展示されていたが、風景画を好んで描いていた模様。



プロレスポスターも隅々まで読むと実に楽しい。ダイナマイト・キッドの若い頃の雄姿が載っている。



グレート小鹿という名前の竜頭蛇尾感はスゴイ。



欧州の帝王ホースト・ホフマンが来日しているが、あの三沢光晴が尊敬するレスラーで、三沢が緑色のタイツにしたのはホフマンの影響だというのは、有名な話である。



全日本が新日本からブレーキの壊れたダンプカー、スタン・ハンセンを引き抜いて、馬場さんが戦った試合の写真。当時、もう下り坂であった馬場さんに対して「ハンセンに殺される」なんて前評判もあったが、何と馬場さんが大奮起。幻のジャイアント・スモール・パッケージホールドで勝ったという試合である。16文キックを見ても、晩年の相手があたりに来るバージョンではなく、リング中央で踏み込んで打っているのが分かる。



馬場さんの試合のビデオ映像を流しているコーナーもあり、ちょうどやっていたのは馬場VSラッシャー木村。後のいい人になった木村ではない時代の試合である(但し、根本的に木村さんはイイ人)。私より上の世代のプロレスファンが熱心に見ていた。



■北海道文学館「歌川広重 ふたつの東海道五十三次」。保永堂版と丸清版の浜松以西の作品が出品されていた。
丸清版「水口」:入道雲と青空が新鮮な味わい。
丸清版「草津」:草津ですでに琵琶湖が見えてくる。
丸清版「大津」:しかし、大津では琵琶湖の姿はなく、大津絵の売店が描かれている。

保永堂版の方がいつもよく見る東海道五十三次であるため、丸清版の方が新鮮にうつるのであった。他に東海道中膝栗毛の資料や、「庄野」を1版ずつ刷っていく様子を展示したもの(確か24図くらいあった)が興味深かった。



■CAI02「1つの言葉、3つの文字」。「助けて!」という言葉を日本語と英語、(おそらく)アラビア語で掲げて、どうなるのかを映像化した作品。
「POSTER」:2018年の作品。「助けて」ポスターを工事現場の囲いに張ろうとするのだが、ポスターが大きすぎるために、貼っても貼ってもはがれてきてしまう。まさに誰か「助けて!」な映像になっており、面白い。
「HANDCART」:2019年の作品では大きな「助けて」プレートをリアカーで移動させる作品。参院選のポスターが写り込んでいるのを見ると、まさに今年の映像である。普通に備品を運んでいるように見えるので、「助けて」という言葉には誰も反応しないようだ。

イベントデイ

2019年08月09日 20時00分05秒 | ART
本日は午後からセミナー受講など。会議が急に入ったので、前半は出ることができず、最後のセミナーだけ聴講できた。しかしながらこれが「あなた方がニュースで知っているのはすべて間違い」的な、エリート役人臭がプンプンする内容で、時間の無駄だったなあ。

ホテルの1階に降りたら、こんなのがあった。タイトル・作家名はどこにもない。



続いて北海道大学博物館へ。

■北海道大学総合博物館「K39 考古学から見た北大キャンパスの5000年」。北大の敷地からは結構な量の遺跡類が発掘されているらしい。



「北大式土器」:約1500年前のもの。確か大学の名前がついた土器は珍しいと何かに書いてあったと思う。



「竪穴住居のカマドと煙道」:1250~1350年前のもの。擦文文化前期に属するとのこと。



「大学病院食器」:約80年前の食器が穴を掘って埋められていたらしい。大雑把なものだ。





ここでアイスコーヒー&クッキー休憩。本日のメインは次だ。



■北海道大学総合博物館「SPレコード鑑賞会」。入口正面の階段を昇った、博物館応接室というところで開催された。



戸はそれほどでもなかったが、部屋の中の造作はなかなかクラシックだ。



今回のSPレコード鑑賞会では北大の旧理学部本館が建てられた頃(90年前)のSP盤で、なおかつ作曲者自身がオーケストラを指揮、または楽器を演奏している曲を選定して、クラシックの楽曲がかけられた。

SPレコードはかなり重く、ゼンマイ式の蓄音機にかける。ゼンマイを目一杯巻くと5分くらい演奏できるらしいが、巻き加減によってピッチが変わるので、蓄音機の持ち主の方がつきっきりで音を聞きながらゼンマイを適宜、巻いていた。

演奏時間は片面数分(両面なのね)なので、長い曲の場合は、SP盤を裏返し、また2枚目の盤へとかけかえることになる。「若い皆さんは曲の途中で待つということがピンとこないかもしれませんが・・・」とSP盤の持ち主が言っていたが、私はもちろんレコード(LP版)世代。プログレのやたら長い曲などを思い出し、趣のある事よ、と思った。

印象に残ったのは、ラベルの「ボレロ」。ゆっくりした立ち上がりから延々と時間をかけてフィニッシュにたどり着くのは、これぞプログレの香りというべきか(もちろん、プログレの方がクラシックの影響を受けている)。

後はサラサーテが演奏するバッハの「プレリュード」。3分間に収めるために早弾きになったという話もあるらしいが、これでもかの「テク自慢」。軽やかに音が飛ぶ。

メインの曲はパウル・ヒンデミット「画家マチス」(3枚組両面)。マチスの画を参考に掲示したというので、見た所「どこがマチスやねん」と思ったら、16世紀の画家、マティアス・グリューネヴァルトの事だった(アンリ・マティスじゃないのね)。



壮大なオーケストラから軽やかな小品まで、あっという間の2時間、なかなか素晴らしい鑑賞会であった。





隣の部屋を覗くと、絵画作品があったが、サインを見ても誰のものかは分からない。



鑑賞会場を出ると、地層模型が展示されていた。



外はすっかり暗くなってしまい、今日は早めに帰るとするか。



変化のあった東京(3)横浜

2019年08月04日 16時35分29秒 | ART
ということで、ストレスなく東京に着き(←我ながら単純なものである)、京急線で移動を開始する。

普段は当然、京急線で東京方面に移動するのだが、今日は横浜へと向かう。さらにみなとみらい駅へ。目的はもちろんこれだ。



■横浜美術館「原三渓の美術 伝説の大コレクション」展へ。
「孔雀明王像」:各部の描写の細かさがスゴイ。国宝。
「観音菩薩立像」:まさしく曲線美と言って良いものだと思う。
雪舟等楊「四季山水図(秋)」:おお、雪舟の作品がでているのか。

伝狩野元信「奔湍図」:水のうねりに迫力がある。
狩野永徳「松に叭叭鳥・柳に白鷺図」:平成20年に永徳の作と認められたらしい。メリハリが強いよね。
久隅守景「賀茂競馬図」:どことなくマンガチックな守景テイストである。

円山応挙「中寿老左右鴛鴦鴨」:上手いなあ~。
円山応挙「美人」:これは色鮮やかで素晴らしい。
浦上玉堂「積翠鐘声図」:さすが気配を描く人、玉堂。筆が嵐を呼んでいるかのようだ。

「古今和歌集巻第五(高野切)」:古今和歌集の写本として、現在に残る最古のものだそうだ。国宝。
伝藤原伊房「万葉集巻第九残巻(藍紙本)」:国宝。
藤原伊行「芦手絵和漢朗詠抄 上巻」:国宝。今日は4国宝だな。

原三渓「清竹(風竹)」:本人も日本画を書いているのだが、ケレン味の無い素直な作風である。
牛田雞村「三渓園全図」:池あり、山の上に三重塔がある三渓園である。
下村観山「大原御幸」:この濃密な自然描写と我々は木陰から覗いているような、どこか親密なナビ派のアンティミストな感じさえする。

安田靫彦「五合庵の春」:色が濃密な植物・樹木はキスリングの風景画を思わせる所がある。
小林古径「異端(踏絵)」:とても深刻な状況でいながら、楽しげに見えるのはなぜだろう。
速水御舟「京の舞妓」:おお、これを見ることができるのは非常に嬉しい。影のくどさなど、やりすぎ御舟の面目躍如である。

この後、常設展示を見たが、気になったのは以下かな。

ギュスターヴ・モロー「岩の上の女神」:サロメチックだが、罪のない少女が描かれている。
ジョン・アームストロング「復活祭の分析」:クラシックなシュールレアリスム絵画だ。

サルバドール・ダリ「ニュートンを讃えて」。



イヴ・タンギー「風のアルファベット」。



ポール・デルヴォー「階段」。何となく、横浜美術館はシュール・レアリスム系絵画に強い印象がある。



菅木志雄「放囲空」。





見終わって、暑い中をみなとみらい→横浜→新橋へと移動。新橋駅前の気温は34度と表示されている。なるべく汗をかかないように移動し、新橋「A」ホテルにチェックイン。17時までは時間があるので、ここでちょっと休憩だ。


20190803ギャラリー巡り

2019年08月03日 16時54分54秒 | ART
動かぬ体に鞭打って、頑張っております。今日は富士フイルム→オマージュ→アリアンス→三越→スカイホール→さいとう→SCARTS→道新→グランビスタ→大丸→ARTスペース201の11か所。

■さいとうギャラリー「大溝雅之展」。
「dimI~V」:蝶か蛾、いや枯葉のようなものが飛び、そして最後にはちぎれて落ちる5連作。
「beyond」:岩山の上に月が登っている心象風景のような作品。他のものも具象というよりは抽象よりの感がある、落ち着いた色彩の興味深い日本画。

■さいとうギャラリー「岩田守代展」。水や氷のいろいろな様態をとらえた抽象作品。今の暑さに、この冷たさを届けたい。

■ARTスペース201「折目桃子油彩小品展」。
「仕事中です・・・」:浮遊する石の家からは大きな木が生え、暗闇の中で全体に暖かい光をともしている。メルヘンチックな作風という印象が強かったが、今回、石造りのモノたちの物質感の強さに感心した。

■ARTスペース201「芸術団 Jam. 30」。実はすっかりここに行くのを忘れていたのだが、行って良かった。充実している。
宮崎亨「邪宗門」:人が強烈なポーズをとっており、必殺技「ジャーシューモーン」というか、一発芸というか。

暑いぜ東京(1)

2019年07月28日 17時00分00秒 | ART
もうね、毎週、東京行ってるわけよ。

今回は4週連続の出張で、今日も朝から移動。8時20分頃に家を出て、JR琴似駅に向かうと、恐ろしいことに途中にある温度計が30度になっている(但し、日向にある)。



ちょっと憂鬱になり、エアポートで新千歳空港へ。さらに満席の飛行機で羽田空港へと向かう。寒くて寝るタイミングを逸し、コーヒーとブランケットをもらう。その後、後半はややウトウトして、無事に羽田到着。

昼になったが、昼食を食べるタイミングを逃し、そのまま六本木へ。

■サントリー美術館「遊びの流儀 遊楽図の系譜」。
「三人将棋盤」:子供の考えた「三人でできる将棋!」みたいで、かなり面白い。
「四条河原遊楽図屏風」:ハリネズミの見世物や、弓をうつ競技、ところてん屋さんなどが描かれている。
「四条河原遊楽図屏風」:こちらは曲芸団の出し物、もち売り、乞食、本屋さんがなぜかある。

「三十三間堂通矢図屏風」:矢をうつ見物客用の御料理所があったり、応援団がいたりする。矢は堂の中間に落ちているものが多数、通り抜けているものが少数ある。
「清水・住吉図蒔絵螺鈿西洋双六盤」:これはゴージャスでスゴイ。
「御大名出世双六」:一番上の右端には御大老、一番右下には隠居のエリアがある。日本人、燃えそう。

「天正かるた」:キング、クイーンに似た画があったり、模様は青色のこん棒(クラブ?)、赤色の剣(ダイヤ?)がある。
「金地うんすんかるた」:75枚フルセットで残っている素晴らしいもの。数字カードは9までしかない模様。
「うんすんかるた」:和漢洋の折衷様式。龍や神様らしい絵札もあるし、数字のマークもある。

「職人尽絵合かるた」:大工、傘屋などの職人の絵札が2枚づつセットである。
「大名かるた」:大名の名前と家紋、さらに毛槍の形状をかるたにしたもの。
「輪舞図屏風」:60人を超える人がほぼ正円になって踊ろうとしている、デザイン性の高い作品。

「誰が袖図屏風」:着物が衣文掛けにかかっているが、人物は不在という趣向。
「湯女図」:これはかなりなまめかしい図。
「婦女遊楽図屏風(松浦屏風)」:想像を超える大きな作品。人物は等身大にかなり近いみたい。双六盤、三味線、キセル、和歌、カルタなど、人物と遊び道具のカタログのような屏風である。



遊びの様子や道具を取り上げた展覧会だが、もちろん当時の誰でもが遊び続ける余裕があったわけではないので、どこかもの悲しさを感じさせる展覧会でもある。また、カルタや絵合わせには、学習要素が入っているのも、なんだか分かる気がする。国宝出品まで待っていたので、無事行くことができて良かった。



展覧会を一つ見終わって、六本木から銀座に移動。今日は頑張らないことにしたのである。2ブロック程歩いてホテルに移動するが、さすがにここは暑かった。それまでは割とエアコンのあるところを歩いていたのである。

結局、昼食を取り損ねていたので、チェックイン前におにぎり1個と水を買って、部屋で食べる。これで夕方まで収まりがつくだろう。

 

夕方になり、銀座の街に出撃だ。

まずは群馬県のアンテナショップ「群馬ちゃん家」へ。群馬って名物は何があったっけと失礼なことを思ったが、見てみると興味深い品が並んでいる。ものすごく悩んだ結果、重いものは避けて、乾麺のひも川うどんを購入。

 

それから新橋方面に向かい、一つだけギャラリーへ。

■資生堂ギャラリー「見えない庭 今村文」へ。植物と身近な生活をテーマにした作品作りをしているようであった。撮影自由ということで、何枚か写真を撮ってみた。







ギャラリーに下る階段すらもオシャレな資生堂ギャラリーであった。


20190726ギャラリー巡り

2019年07月26日 16時45分26秒 | ART
本日はドニチカきっぷが使えないため、札幌市内中心部に限定。大丸→センチュリー→エッセ→道銀駅前支店→東急催事、6階→道新→グランビスタ→大通→北海道文化財団アートスペース→富士フイルム→ジョンソンストア→三越→さいとう→スカイホールの14か所。

■センチュリーロイヤルホテル「シネマな浦河フェア」。道内最古、営業が100年を超える浦河の映画館「大黒座」等にまつわる展示。



阿部夜郎イラスト。



■ギャラリーエッセ「合田典史展」。何とも落ち着く風景が。描写にふわっとしたところがあるが、それでいてシンのある感じ。

東急デパートに行った際、静岡の物産展が開催されていた。静岡は模型王国なのである。



■グランビスタギャラリー「光の標本」。「夏のはじまり/夏のおわり」展が中1か月あいて開催されるので、その間は何もやっていないのかと思っていたが、この展覧会が開催されていた。

Mayuko Aoike「Drops & Water」:ガラスを使って上手く光をとらえる作風。



モビールのような作品も展示されていた。



光を写した写真との2人展なのだが、写真の方は抽象写真が良く分からぬ私にはピンとこないところがある。



■北海道文化財団アートスペース「木村直樹ガラス作品展AO」。
「頬なでる風」:2016年の色彩と造形が面白い作品。



「full of love」:あふれんばかりに入った水が、あふれんばかりの愛を表現した作品。目を引く。



■ザ・ジョンソンストア「井桁雅臣展」。
「みるみるあふれはらはらこぼれ」:ラフレシアのような花を深紅と赤紫で描いた作品。
「まばたきの月」:こちらは黄色と青紫で光と影を表現した作品。全体として作品を展示した一角が花を飾っているかのようだ。

なりゆきで展示コーナーの横にある、シャレオツなカフェで煎茶ラテを飲む。結構いい値段だった。私の好みとしてはもう少しお茶の味が強めでも良いのだが、そこはラテを選んでしまったせいかもしれない。





■スカイホール「葛西由香展「201号室、傍らの些事」。北海道文化財団アートスペースで展示されていた作品もあったが、やはり好感の持てる作風。展示も入口から少し入った所に区切りをつくり、そこに「201号室」と貼ってあるように、工夫があって面白い。大学在学中に住んでいた部屋が、201号室ということらしい。

「正しいこと」:母親が足でスイッチを入れるのを見て、子供の頃から足元のスイッチは足で入れる作法が身についてしまった。
「七日目の創造」:シンクに張った水に食器をつけておいて7日目ということであろう。

本当は後2か所行く予定があったのだが、時間が無くなった。

やられてきた東京(3)

2019年07月21日 16時51分01秒 | ART
国立新美術館から歩いて、六本木ヒルズ森タワーへ。湿度が高い。

何となく「塩田千春展」に興味を持って森美術館に来たのだが、なんと入場まで50分待ちの表示が…。これ「PIXAR のひみつ展」と同じ列に並ばされているので、その影響なのだろうか。もう一つの列である「進撃の巨人展FINAL」はそんなに並んでいないようにも見えるな。

そこまで待つことも無く、約30分待ちで券を買う直前になったが、私の前の年配の女性3人組が券を買うのに時間がかかりすぎている。これだけ並んでいたのだから、3人でどうやって買うのか、事前に相談しておいてくれないだろうか。今日は終日ゆったりしようと思っていたのに、脳血管が切れそうなくらい、血圧が跳ね上がってしまった(多分)。

ということで券を買い、エレベータで52階へ。ここまで来てみると人はさほど多くなく、コインロッカーも結構空いており荷物を入れることができた。さあ、展覧会へ行こう。

■森美術館「塩田千春展 魂がふるえる」。
「不確かな旅」:入って割とすぐにある大作。船の形をしたものがあり、そこから天井、壁に伸びる赤い糸が部屋全体を埋め尽くしているかのようだ。写真撮影可能ということで、これは撮影してしまうではないか。まさに「インスタ映え」とはこれのことだろう。


→この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示-非営利-改変禁止 4.0 国際」ライセンスでライセンスされています。

「小さな記憶をつなげて」:美術館の中の外がみえる部屋に小さなおもちゃなどが展示されている。森美術館では作品と東京の街をつなぐ、この美術館ならではの展示ができるのだ。


→この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示-非営利-改変禁止 4.0 国際」ライセンスでライセンスされています。

「赤と黒」:赤は人と人をつなぐ糸であり、人間の血液。黒は宇宙を表しているのだそうだ。


→この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示-非営利-改変禁止 4.0 国際」ライセンスでライセンスされています。

「静けさのなかで」:燃え落ちたピアノと椅子。そこから部屋全体を覆いつくすように黒い糸が伸びている。焦げ臭いにおいがするのではないかと、ついにおいを嗅いでしまった。


→この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示-非営利-改変禁止 4.0 国際」ライセンスでライセンスされています。

「時空の反射」:ゆがんだ立方体の中にドレスが2着。そしてそれを覆うかのような黒糸が張り巡らされている。この作品を見て、私は帯広美術館「タグチ・アートコレクション 球体のパレット」でこの人の作品を見ていたことを思い出したのである。近づいて中を覗き込んでみると、鏡が配置されているらしく、自分の顔が写るというのも面白い仕掛けだ。


→この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示-非営利-改変禁止 4.0 国際」ライセンスでライセンスされています。

「集積・目的地を求めて」:ああ、この作品のすばらしさを説明したいが説明したくない。写真撮影可能、さらには動画撮影も可能だったので(動く作品なのだ)、もちろん撮影したのだが、それも見せたくない。今まで「旅」を表現した全ジャンルの作品の中で、もっとも成功した作品といって、過言ではないと思う。

最後に唐突だが、会田誠「The video of man calling himself Japan’s Prime Minister making a speech at an internationally assembly」という、日本の首相らしき男が「我が国は鎖国しかない」とスピーチする作品が流れていた。まさに、あのバカ(今日時点の日本の首相)を表現しきった作品だと思う。

思った以上に素晴らしい展覧会だった。おそらく私の今年度ベスト3に入ってくると思う。


→この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示-非営利-改変禁止 4.0 国際」ライセンスでライセンスされています。
 エレベータ上にあった作品だが、作品名が見当たらなかった。



エレベータで3階に降り、A/Dギャラリーの「NEW EMOTION」という川田龍、多田恋一朗、安井鷹之介という平成元年前後に生まれた作家の展覧会があった。メモを取る気力が無かったが、それぞれに見どころがあった。



さあ、この辺で美術館巡りはやめておくか。

やられてきた東京(2)

2019年07月21日 15時00分17秒 | ART
すぐそばの大門駅に移動し、大江戸線で六本木へ。今日はまずここからだ。



■国立新美術館「ウイーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」。
マルティン・フェン・メイテンス「マリア・テレジア(額の装飾画:幼いヨーゼフ2世)」:まずは帝政時代の大きな絵画をかましてきた。
作者名なし「ウィーンのフリーメイソンのロッジ」:かなり珍しいフリーメイソンの内部の様子を描いた絵画。参加メンバーは皆、剣を持っているのが不思議(紳士たるもの常に剣を持ち、それでいて理性を忘れず、とかあるのかね?)。
カール・ルィートヴィヒ・ホフマイスター「絵画時計-王宮書斎での皇帝フランツ1世」:近代、執務室のデスクに座る皇帝。

アントン・ツィーグラー「ミヒャエラープラッツのバリケード、1848年5月26‐27日深夜」:焚火の明るさは民衆の夜明け前を表している。
「軍用トラベル・セット(広口カップ、塩・こしょう入れ、テーブルスプーン、ティースプーン、ナイフ、フォーク):こういう遊びのある小道具が登場するのは文化の証と言えよう。
ヴィルヘルム・アウグスト・リーダー「作曲家フランツ・シューベルト」:古典的肖像画だが、理知の人としてシューベルトが描かれている。

ユーリウス・シュミット「ウィーンの邸宅で開かれたシューベルトの夜会(シューベルティーデ)」:迫力と迫真の大きな作品。
フリードリヒ・フォン・アメリング「3つの最も嬉しいもの」:3つとは楽器、酒、女性なのか?
フリードリヒ・フォン・アメリング「黒いヴェール付きの帽子を被った、アントニー・アメリング」:これは同時代に生きた人の美人画と言えるだろう。

フェルディナント・ゲオルク・ヴァルトミュラー「白いサテンのドレスを着た少女」:布の質感が古典的に上手い。
フェルディナント・ゲオルク・ヴァルトミュラー「バラの季節」:これはもう印象派である。農村から都会ができて、さらにそこから再発見した田舎の風景という感じ。
グスタフ・クリムト「旧ブルク劇場の観客席」:クリムトは基本的に画がうまい人で、これも写真をコラージュしたようなリアリティがある。

エデゥアルト・レビーツキー「正義、寛容、敬虔(国会議事堂柱廊玄関モザイクフリーズのための習作)」:シンボリックな作品。背景が金色っぽい。
ハンス・マカルト「ドーラ・フルニエ=ガビロン」:赤地に赤毛の女。これはもうイイ女だ。
オットー・ヴァーグナー「美術アカデミー記念ホール設計計画」:世紀末の雰囲気、プログレが入ってきた。

モーリツ・ネーア「郵便貯金局メインホール」:日本の銀行のホールとそっくりで、日本にこの様式がブレなく入って来たのだと思う。
オットー・ヴァーグナー「ウィーン市立皇帝フランツ・ヨーゼフ博物館(シュメルツ)設計計画」:建物はすっきりとした遠近法で描かれているのだが、空にある雲がアートっぽい。
グスタフ・クリムト「牧歌(「アレゴリーとエンブレム」のための原画No.75)」:ジョジョの奇妙な冒険っぽいポーズ。

グスタフ・クリムト「牧歌(「アレゴリーとエンブレム」のための原画No.46)」:作品の両サイドが金貼りになっており、ジャポニスムの香りが強い。
グスタフ・クリムト「第1回ウィーン分離派展ポスター(検閲後)」:検閲前にはテーセウスの股間の毛がみえているのだが、検閲後には木で隠されている。それはやむを得なかったとしても、ミノタウロスの股間は検閲後も丸見えなのだが、それはどうなんだろう。
グスタフ・クリムト「パラス・アテナ」:メドゥーサの顔を首からかけていると言われても、どうも「アッカンベー小鬼」にしか見えない。

グスタフ・クリムト「グスタフ・クリムトの妹、ヘルミーネの肖像」:クリムト、やる気になれば超うまい人なんだよね。
マクシミリアン・クルツヴァイル「黄色いドレスの女性(画家の妻)」:緑の椅子に黄色いドレスが印象的な作品。しかし、ウェスト細いなあ(失神しそうだ)。
ヴィルヘルム・ベルナツィク「炎」:これもプログレ入ってます。

ヴィルヘルム・リスト「白と黒の絵画」:これに描かれている女性は白いメーテルだ!
「第6回ウィーン分離派展ポスター(日本美術展)」:描かれている日本の画が鷹狩りの様子で、「英山」と文字が入っている。菊川英山なのかね?
グスタフ・クリムト「エミーリエ・フレーゲの肖像」:美人というよりも、言わゆるイイ女か。本人が気に入らなかったそうなので、本当はもっと美人なのかも。


→この1枚のみ撮影可能。

エゴン・シーレ「ノイレングバッハの画家の部屋」:ゴッホの黄色い部屋に似たものがある。
エゴン・シーレ「ひまわり」:ありえないような細さと長さを持つひまわり。ハーケンのような鋭いとげ、下に赤い花。決して絵がうまいと思えないシーレだが、これは素晴らしい。
オスカー・ココシュカ「「クンストシャウ、サマーシアター」の演目、「殺人者、女たちの希望」のポスター」:殺人者がキャメルクラッチ式チキンウィングフェイスロックをかけているようにしか見えない。藤田の作品にもあったが、レスリングの見世物が一般的だったのかもしれないな・

クリムト、シーレ、ココシュカという有名画家の作品もあったが、全体を通して「ウィーンの時代の流れ」を堪能できた展覧会だと思う。その意味ではタイトル通りかも。見飽きることが無く、ウィーンの歴史に触れられたような気がする。

20190721ギャラリー巡り

2019年07月20日 16時36分08秒 | ART
本日は法邑→HOKUBU→SONY→さいとう→スカイホール→三越→アリアンス→富士フイルム→オマージュ→らいらっく→大通→道新→マリヤ→チカホ→赤れんがテラス→紀伊国屋→大丸の17か所。

久々の札幌市内ギャラリー巡りである。何とか早めにスタート。

■HOKUBU記念絵画館「和ノ音ノ、ホノカナルニ」。
中西静香「ミサキ」:トレーシングペーパーが上にかかっているかのような淡い色彩の版画。岬(陸繋島)らしき地形が描かれているのだが、それは女性の乳房を思わせる形状と色彩なのである。全体としては「冨嶽三十六景」の一枚と言ってもおかしくない構図にも見えるが。
紅露はるか「長い冬のむこう」:人の歩く道だけに雪がまだ残されている。人の存在を感じさせる作風に変化してきたように見えた。



いつものコーヒー休憩。この美術館は非常に心和む場所で、疲れていた私も少し元気が出てきた。



■ソニーストアαプラザ「富士山 Mt Fuji」。
「湖上の山脈」:富士山とその手前に広がる諏訪湖、さらにはその周りの街を一気にとらえた作品。特撮映画の一場面のような不思議な感覚がある。

■さいとうギャラリー「夏緑展」。
佐藤仁敬「Painting」:あえて筆跡をハッキリ残した野生の緑。
内藤克人「夏緑」:どこか山奥の風景だろうか? この人の作品で具象寄りなのは珍しいのでは。
宇流奈未「Midori」:久々に見る新作か。

それにしてもタイトルに「令和」を何の工夫もなく取り込んでいる人がいるのが気になる。私は元号を決める下品な与党の振る舞いから、「決してこの先、自ら元号を使うまい」と思っているのだがなあ。

■アリアンスフランセーズ「久保綾乃展 夜行」。友人からの言葉が会場に貼ってあるのだが、本人から「札幌で最初で最後の個展」という話があったらしい。色々思うところはあるのだろうが、私は珍しく感想を描くノートに「気が向いたらまた個展をやって下さい」とあえて軽く書いてみた。

展示は漆塗りの板を思わせるような黒の地に小さな植物や虫が描かれている。一番奥にあった作品には水生植物のようなものと、一般的にはかなり気持ちが悪いと言われそうなフナムシのようなものが描かれており、久保綾乃らしいなあと思ったりして。

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大通に面したビルの入口にある安田侃「白いたまご」を久々に撮影。私は安田侃作品をかなり良く見ている方だと思うが、この作品はいろいろな作品の系列からすると少し違和感があると思う。一番最初に見た時「安田侃の亜流作品か」と思ったくらいで、この傾向の作品は他にないのではなかろうか。





■マリヤギャラリー「蔵書票版画展」。久々にやって来たよマリヤギャラリー。蔵書票はやっぱりいい。7/23までだが、安いものは300円からあります。



■チカホ「交通資料館 in チカホ」。とにかく親子連れが多く、控えめに写真を撮って逃げる。





シミュレータもやってみたくはあるが、当然のことながら子供優先だ。



北37条と北24条を結ぶ路面電車だが、後ろの繁華街が気になる。当然、北24条ということであろうが、見覚えのある建物などはない。



滅多に見ない地下鉄用ゴムタイヤ。直径1mとのことだが、思ったほど大きくない。



地下鉄の模型。



かなり頑張ってみたが、紀伊国屋に立ち寄り、本を買った所で疲れが出てきて、帰宅する。今日はところどころにわか雨もあったようだが、傘は差さずに済んだ。


少し遊びのある東京(6)

2019年07月15日 17時00分11秒 | ART
東京駅に着いた。

■東京ステーションギャラリー「メスキータ」。
「ヤープ・イェスルン・デ・メスキータの肖像」:丸いサングラス?をかけた自画像。白と黒のコントラストが効いている。
「ユダヤの花嫁(レンブラントをもとに)」:レンブラント表現を模しているようで、黒が特に強い作品だ。
「椅子に座る女」:ごく普通の室内人物を描いた油彩画もあった。

「喜び(裸婦)」「悲しみ(裸婦)」:これは人物が際立っている。
「うつむく裸婦」:細い線の組み合わせで人物を形作っている。
「トーガを着た男」:全身からバーナーの炎のような彫跡が伸びている。線の強弱で明暗を描き分けるというテクニックをうまく使っている。

「白鷺」:背景に黒い板塀を描いていて、やはり黒白極端に描いたものに真価がありそう。
「貝殻」:三岸好太郎の「のんびり貝」に形がそっくりだ。
「ブレスボック」:白い円の中に描かれているのはアンテロープだろうか。舞台っぽい。

「タツノオトシゴ」:小さな紙に収まって、書票的な作品。
「アーティチョーク」:シャープで明暗と線が引き立つ、特徴が出た作品。
「椿」:手彩色した作品で、ときどき色彩のある作品も展示されている。

「ウェンディンゲン 第5巻11・12号」:黒字に緑のデザイン。プログレの香りがする。
「ウェンディンゲン 第12巻1号」:青地に怒ったような表情のフクロウ。この号はメスキータ特集をやっており、中にサボテン、アロエの図がある。

なぜか「メスキータ」展に関する評判を多く聞いたので行ってみたが、そんなに強烈に感動したというほどではない。しかしながらちょっと気になる感じは、ヴァロットンを見たときの印象に近いかもしれない。

 

ここでかなり疲れが出てしまい、東京→新橋と移動。ホテルで一旦休憩しながら、今日の記事を書く。夕方になったら、また繰り出すことにしよう。

少し遊びのある東京(3)

2019年07月15日 10時45分24秒 | ART
6時起床、外は弱い雨だ。朝食はおにぎり1つとクラムチャウダー。

 

宿泊した場合の朝食にはいくつかのパターンがある。(1)ホテルの無料朝食、(2)何か買っておいて部屋で食べる、(3)外にでて食べる。このほか、ホテルでちゃんとした朝食がある場合もあるのだが、仕事で泊まるとこのパターンは少ない。

ホテルの無料朝食はまあ楽だが、それでも一応服を着替えねばならない。私服ならともかく、スーツの場合はちょっと面倒なのである。また、部屋に戻って時間が余ったときに、また部屋着に着替えるのも面倒である。

その点、部屋で食べるのは気軽で良いのだが、メニューに制限が大きい。電子レンジでもあると別なのだろうが、どうしても冷たいもの、またはカップ麺などになってしまい、朝食という感じが薄い。

面倒がらなければ、チェーン店の朝食を食べに行くというのもあるとはいえるが、服装の問題はあるし、私は割と食べるやいなやトイレに行きたくなったりするので、その面で不安が大きい(蒲田に泊まったときは、近くにチェーン店が複数あり、3日連続で試したものだが)。

ということで、帯に短したすきに長しなのであるが。今日は部屋での朝食となった。食べ終わって、時間調整後に外出する。

新橋から上野に移動。今日はまず国立西洋美術館へ行こうと思っていたが、ちょうど開館の時分についたところ、驚くべき行列であった。「松方コレクション」だから、所詮コレクション展だろう、と思っていたのが大間違い。やはり知名度は高いようだ。

ここは一旦パスして、上野公園の案内板を眺めたところ、東京国立博物館で「奈良大和四寺のみほとけ」という企画展をやっているようなので、そちらに行くことにしよう。途中、こちらも大混雑の国立科学博物館を横目に、東博へ。

■東京国立博物館「総合文化展」。特別展「三国志」もやっているのだが、正直なところ、私は三国志って読んだこと無いのよね。SFのモチーフに使われたりしているのは読んだことがあるのだが、本来の話を知らないので、もう一つ興味が惹かれないのだ。

普段は東博本館の2階から回るところを、11室の特別企画から見ていこう。
「天人分甎」:いわゆるレンガに天人が浮き彫りになっているもの。髪の毛や布が風に舞う感じが出ている。
「難陀龍王立像」:雨ごいをしている姿なのだとか。体から頭頂部にかけて龍が巻き付き、カエルのような謎の生物が乗った水盤を持っている珍しいお姿だ。
「義淵僧正坐像」:生々しい老人僧の坐像である。国宝。

「文殊菩薩像像内納入品」:「マン」という梵字を1000回書いたもの。国宝。
「釈迦如来坐像」:国宝。
「十一面観音菩薩立像」:室生寺は行ったことが無いので、貴重な仏像を見ることができてうれしい。



その他の部屋は例のごとく急ぎ足で見て回る。「特集やちむん」と題して、沖縄のやきもの展示がされていた。
「小盃(色絵・緑釉・藍釉小盃)」:ミニ盃というような、非常に可愛らしいものが展示されていた。

 

栗本丹洲他「博物館魚譜 第2帖」:オコゼ特集。これは楽しい。









国宝陳列室で「餓鬼草子」:最初は雅な暮らしの描写から始まるが、最後は地獄の鬼に責められる。





今日は平成館(の常設展)、東洋館などもすっ飛ばして、上野駅方面に戻る。国立西洋美術館の混雑は少し引いたものの相変わらずで、観覧は断念。国立科学技術館も大人気の展示とあって、気が遠くなりそうだ(まだ夏休み前だよね?)。

 

上野から神田に移動する。

小旅行(4)

2019年07月13日 16時47分20秒 | ART
続いて、こちらへ(少し省略気味に紹介する)。

■市立小樽美術館「鈴木吾郎と新鋭作家展~時を紡いで」。
秋山一郎「木の匙」「匙のためのプレイス マット」。



秋山一郎「港。



大原央聡「斜めに立つ人」。



鈴木比奈子「サボテン団地に雪が降る」。



鈴木吾郎「若い女・M」。塚崎聖子と並んで、浮遊界の第一人者。



上嶋秀俊「水の森」。



平埜佐絵子「years」。



全作品、撮影可能で楽しく見させてもらった。



■市立小樽文学館「いまプロレタリア芸術が面白い! 知られざる昭和の大衆文化運動」。今の時代にこそ、見るべきでは。



いわずと知れた、大月源二「走る男」。



大月源二「告別」。この展覧会に相応しい作品。複製だが、良く作った力作だ。



「無産者すご六 勝利を指して」。ポスター貼りは一回休み、ゼネストは出た目の倍進むなど、プロレタリアンすご六。



プロレタリア活動を紹介する小映画。



「第1回プロレタリア美術移動展 会員券」。どんな作品が出品されたのか?



そして展覧会を見た人は、44ページカラーの図録が無料でもらえるのだ。これはぜひもらうべきだと言っておこう。手元に持っていると、逮捕される時代がこの後来るのかもしれないが。



■小樽市民ギャラリー「小樽写真研究会 堂堂展Vol.28 企画展Deep 張碓 銭函 見晴 星野 桂岡 春香」。展覧会名をフルネームで書いてみたが、これだけで分かっていただけるだろうか。小樽とその近郊の写真展だったので、非常に私好み、楽しかった。

それでは飲みに行くとするか。