ひとり旅への憧憬

気ままに、憧れを自由に。
そしてあるがままに旅の思い出を書いてみたい。
愛する山、そしてちょっとだけサッカーも♪

赤岳と横岳:奥の院。てっぺんへ・・・

2017年07月07日 00時54分52秒 | Weblog
今更ながらだが、改めて雪山の怖さと難しさを思い知らされた。
積雪量が違っただけで、前回あれほど怖い思いをしたリッジが何事もなかったかのようにスムーズに渡りきることができた。
もちろんそれなりに幅の狭いリッジであり、右に落ちたら致命傷であることに違いはない。
しかし、積雪量のおかげで前回よりも幅のあるルートとなってくれていた。

リッジを渡り切ったポイントでAM君をまった。

本来であれば、高さの無いもう少し手前の左側から下りることができれば助かるのだが、雪の固さがどれ程のものであるかがわからなかった。
ましてやその辺りにトレースは無い。
少々危険だったが右手の崖ギリギリの手前を下りるポイントに決めた。

どうやら落ち着いて下りることができている。
さすがAM君だと思った。


先に「ヨコバイ」と呼ばれるくさり場を通過してもい、自分は二番目に通過した。
その先に三人グループの人たちが待機していた。
「お待たせしました。どうぞ行ってください。」
と言ったが、「いやぁー(自分たちには)厳しいです。」という返事。
だが、ここを通らねば再び来たルートを戻る他に術はない。
「大丈夫ですよ。ヨコバイはクサリにつかまれば問題ないし、あの岩だってスタンスやホールドポイントはかなりありましたから。」
そう言って彼等と別れ、奥の院の岩峰に取り付いた。

先ずは自分が先導してっぺんへと登り始めた。

「風がない。ありがたい・・・本当にありがたい。前回もその前もここを登った時には猛烈な風か吹雪で、まともに顔を上げることができなかった。今日は助かるなぁ。」
そんなことを考えながら一歩一歩登った。


山頂の少し手前で進むのをやめ、AM君を待った。
「ここも俺は何度も来ているし、到達は彼に・・・」
と、考えていたからだ。

途中、穏やかな風についつい甘えてしまいずいぶんと休憩をしてしまった。
テント場を出発して4時間30分、遂に横岳「奥の院」に到達した。
AM君が先に指標に触れ、次いで自分も・・・。

思わず指標を抱きしめた。
無意識で出てしまった行動だったが、いい歳をして恥ずかしい。
(「二年振りだね。お待たせ。」)
そんなことを心の中で呟いた。


本当はバラクラバを外して顔を見せて撮りたかったのだが、さすがに2800mを越えると外気温が厳しく、「まっいいか」。

奥の院でも20分程休憩を取ってしまった。
「諏訪湖」と思える大きな湖が見えた。
そしてピーカンではないが、両手を広げると南北に連なる八ヶ岳連峰が一望できた。
西側を見下ろせば、怪獣の角みたいな大同心の岩峰は圧巻だった。


「おーい、落ちるなよぉ~」
と、言いつつ自分も・・・。

暫し絶景を堪能し、気持ちをリセット。
ここから先の縦走にも、気を引き締めなければならないポイントがまだ幾つか残っている。