ひとり旅への憧憬

気ままに、憧れを自由に。
そしてあるがままに旅の思い出を書いてみたい。
愛する山、そしてちょっとだけサッカーも♪

今シーズン一発目!:どこにする?

2017年03月09日 00時38分06秒 | Weblog
冬に入ろうとしていた頃、「さて、アイゼンつけての一発目はどこにするか・・・」と考えていた。
毎年シーズンの初めは「軽く近間で・・・」と決めてはいたが、昨シーズン結果として登ることの無かった谷川岳を第一候補とした。
「AM君なら大丈夫かな・・・」という思いもあり、彼を誘ってみたところ「是非!」ということで一発回答(快答)。
雪山の経験はまだ浅いのだが、彼なら大きな問題はないだろうと思い、二人で登ることにした。
今回は日帰りではなく、山頂付近の避難小屋に一泊し、のんびりとシーズン初めの雪山を満喫することにした。
そのかわり、アイゼンワークやピッケルワーク、そして融雪による水の作り方などを学んでもらおうと思う。

年の瀬の12月20日、関越道を北上して一路「谷川岳」へ。
途中のSAで休憩した時、北の方角には純白の雪を被った峰峰が目に入った。

方角的には谷川岳であろうと思う。
確証はなかったが、冬の碧空が見事に映える中に一際目立つ白さであった。
山頂付近のガスがやや気になったが、まぁ山であれば当然のこと。
とにかく今回は一発目だし、アイゼンとピッケルの慣らしが第一目的である。

登山届けを提出しロープウェイに乗った。
右手にはこれから登頂を目指す谷川岳が目視できた。

「近くに見えているけど、休憩を含めて4時間ってところかな。」
「やっぱり夏よりも時間はかかるんですね。」
「いや、ごめん。俺、谷川は冬以外に登ったことがないんでわからない(笑)」

そう、なんども登っている谷川岳なのだが、残雪期を含め雪のルートしか知らないのだ。

山頂駅に着き、早速アイゼンを装着した。
本格的な12本爪を装着しての今期初雪山だ。
AM君には自分の12本爪を貸した。

11時12分。
かなり遅いスタート時刻であるが、今日は山頂直下の小屋に着けばいいだけであり、決して慌てる必要など無い。
「まぁのんびり登っても3時頃には着くかな。慣らし運転だからゆっくり行こう。」

しかし、雪の谷川岳はスタート直後の斜度が結構きついのだ。
斜度が厳しいのは別にいいのだが、いきなり大汗をかくことになってしまう。
水のガブ飲みにも気をつけなければならないし、ペースをつかむためにもここは一歩一歩ゆっくりと登ることにした。

わかってはいたが予想以上の暑さだった。
「冬ってこんなに暑かったかなぁ~」
思わず出た言葉だった。

アルパインジャケットを脱いで登ろうとも考えたが、中間着を薄手にしたことでそれはやめた。
しかし登りながら思ったことは「こりゃぁ絶対足がつるぞ。こんなに汗をかいていたら間違いなく塩分と水分の不足で足がつるぞ。」
ということだった。
その予防のためにも極力発汗は控えたいところなのだが、持って生まれた大汗かきの体質にはなかなか難しい。
この後、最後の一時間近くはずっと両足大腿部がつりっぱなしとなってしまった。

「熊穴澤小屋」へと到着した。
「さて、軽くお昼を食べようか。」
朝食が早かったこともあり、それなりに空腹となっていた。
だが、これからも上り坂がひたすら続くことを考えればあまり満たし過ぎない方がよいと判断し、ごく軽めの昼食とした。
「まぁ腹六分目ってとこだけど、そのかわり夕食はガッツリだからね♪」
数日前に二人で夕食のメニューを考え、具材と準備はバッチリだ。
夕食のことを考えただけでもにんまりとしてしまう。


厳冬期になれば、この小屋もすっぽりと雪に埋もれてしまう。
新潟との県境に位置するここは、関東随一の豪雪地帯と言っても過言ではない。

登りが続く。
それでも見上げれば碧空、緩やかな風が心地よかった。
AM君のアイゼンワークも特に問題はない。
できればフラットフッティングだけでなく、キックステップが経験できるポイントあればいいのだが・・・。
ついでに贅沢を言えば、ケインポジションばかりではなく、ステイクポジションやダガーポジションなどのピッケルワークもと考えている。
状況次第ではせっかくの現場なのだし、それほどの斜度でなくてもやらせるだけやらせてみようと考えている。
机上の説明だけに終わらず、経験してこそ身につくのが「技術」というものだろう。
ましてや怪我を防ぐためだけではない。
命を守るための技術習得であるとも言える。


ほんの僅かでも斜度がきびしいポイントあれば、そこでキックステップやケインポジションなどを教えた。
「もっと雪が固ければキックステップがどういうものかってわかるんだけどね。」
などと、偉そうなことを言いながらインストラクター気取りの自分だった。


それにしても暑い。
水分と塩分の補給を定期的に摂ってはいたが、発汗の方が摂取を上回っているような気がした。
水分の減った量を確認してみると、ここまで僅かに450ccほどの摂取であった。
「こりゃやばい。少な過ぎだ。」
そう思い一口、そしてまた一口と水を飲んだ。

小屋までは殆どが登り一辺倒のルート。
疲れはないが、念のためアミノサプリを摂取した。
効果覿面を直に体感できるという程ではないにしろ、安心感が持てる。
目的地はまだ先なのだ。